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バール弱体化に“報復キル”が追加。セーフゾーンの安心感も増した「KILLER INN」試遊レポート【TGS2025】

【東京ゲームショウ2025】
会期:9月25日~9月28日
ビジネスデイ 9月25日10時~17時/9月26日10時~17時
一般公開日 9月27日9時30分~17時/9月28日9時30分~16時30分
会場:幕張メッセ

 スクウェア・エニックスは、9月25日より開催している「東京ゲームショウ2025」(以下、「TGS2025」)にて、PC用マーダーミステリーアクションゲーム「KILLER INN(キラーイン)」を出展した。場所はHALL3-S02。

 本作は、スクウェア・エニックスおよびTBS GAMESが手掛ける非対称型のオンライン専用アクションゲームだ。謎めいた古城を舞台に、24人のプレーヤーが「狼 (Wolves)」と「羊 (Lambs)」に分かれて、人狼ゲームのように心理戦と殺し合いを繰り広げていくことになる。今回TGSで出展されたバージョンは、第1回目クローズドβテストからのアップデートを反映した最新のビルドとなっている。スクウェア・エニックスのブースでそんな最新ビルドを体験してきたので、その様子をお届けする。

 なお正式配信日は未定で、10月4日からはSteamにて第2回目のクローズドβテストが予定されている。

【『KILLER INN』(キラーイン)第2回クローズドβテストに向けて】
こちらの動画でも遊び方が紹介されている。

最新アップデートでは“正当性”にアプローチ。プレーヤー間の駆け引きがさらに加速する

 本作は狼チーム8人と、羊チーム16人による疑心暗鬼のサバイバルアクションを行なう。ゲームの基本的な流れとしては、死体発見から始まる証拠集めによって、羊側が狼プレーヤーの正体を見抜き倒す。あるいは鍵を集めて島から脱出していく。逆に狼側のプレーヤーは正体を見抜かれないように、羊を全員倒し切って脱出を阻止するというのがルールとなっている。

 ゲーム中はNPCからクエストを受けてキャラクターの育成と装備集めを両者共に行なうが、この時間で羊側のプレーヤーが殺害されたり、狼側のプレーヤーが追い詰められたりする。育成&アイテム収集の中に、プレーヤー間で「誰が狼なのか?」を議論していく駆け引きが醍醐味だ。

 今回の調整ではこの基本ルール自体に変更や改修は行なわれなかった。目立つ変更点が加えられたのは、互いのプレーヤーがアイテムやクエストを取り引きするために訪れるセーフゾーンの仕様だ。初回のテストではこのエリア内で狼が殺人を犯すと、NPCによって正体が露見する。しかし、狼側は賄賂を通じて証拠隠滅を図る上に仲間同士でお互いの正体もわかる仕様だった。そのため、孤立して取り引きをしている羊側のプレーヤーを狩るゲームプレイが横行していたという。

 これに対応すべくセーフゾーン内では新たに30秒間の完全無敵状態が付与され、時限式で安全性の担保が行われるようになった。とは言っても無敵時間が切れてしまうと従来通りに攻撃可能な状態となるため、羊側は迅速に用事を済ませて孤立しないよう動き回るなどの工夫が求められてくる。試遊では羊側としてNPCとの取引を度々行なっていたが、30秒でも安全な猶予が確約されていると、心理的にも優しい。

 また、仲間同士の攻撃にも調整が入った。基本的に羊同士の攻撃はお手つきとなり、ペナルティとして石化による強制脱落になる。最新バージョンでは「報復キル」が実装され、同じチームのプレーヤーに攻撃された際、反撃による攻撃でこちらが相手をキルしても石化しなくなる。公式Xによると「先に攻撃を仕掛けてきたのは相手なのに、反撃した自分が罰を受けるのはおかしい」という意見に対して取り入れられた施策だ。

 プレーヤーの中には「証拠は不十分だけど怪しいからとりあえず殴ってみる」といった考えを持つ者もいる。しかし、他のプレーヤーから弁明する余地もなく攻撃され、反撃に転じた側が石化するというのは確かにストレスだ。試遊中、まさしくこうした意図で攻撃を仕掛けてきたチームメイトが居たが、報復キルを使うまでもなく石化していた。何にせよコミュニケーションを図る、あるいは相手がクロ(狼)と予想が付くまで慎重に行動すべきなのだろう。

 ゲームバランスとしては比較的序盤に入手しやすく、購入コストが少ない近接武器「バール」が弱体化した上に、その他の近接武器全般が調整されている。特にバールは武器ではなく、窓ガラスを破壊して部屋に入り込むといった、道具としての側面が強調されているという。

 実際、戦闘に遭遇した際、バールを持った状態での近距離戦闘では銃になすすべなく倒されてしまった(相手はそもそもショットガンを装備していたわけだが……)。早い段階で銃器類を獲得できるようクエストをこなし、資金を積極的に集めておかなければならないのだろう。こうした調整によって、羊側は孤立しがちでもクエストを優先するか、仲間と捜査を進めるかが迫られる。一方の狼側も自分の証拠を隠滅するか、クエストを優先するかで頭を大いに悩ますことになりそうだ。

 会場で試遊をすると第2回目クローズドβテストの参加コードが貰える。その他にも「トレーニング」モードの追加や通報機能の実装など、ゲームが遊びやすくなるアップデートが行なわれている。是非、ブースに足を運んでみて欲しい。