ニュース

「三国戦紀WEB」、プロデューサーインタビュー

賞金100万円のタイムアタックで、“最強プレイスタイル”をアピール!

7月10日オープンβテスト開始

 7月10日よりオープンβテストを開始する「三国戦紀WEB」。台湾のアーケード・オンラインゲームメーカーIGSの「三国戦紀」シリーズの爽快感、派手な演出を受け継ぎながら、プレイしやすいブラウザアクションRPGとしてファンの注目を集めている。

 本作のオープンβテストでの追加コンテンツ、そしてその後の展開はどうなるだろうか? 今回もプロデューサーを務める坪田律紀氏に話を聞いた。特にプレーヤー達の挑戦心をくすぐる「イベント専用ダンジョンの最速タイムアタック」はユニークな施策である。

【三国戦紀WEB 奥義ムービー】

キャラクターは6人に。サービス後は日本オリジナルキャラクターも参戦!

プロデューサーを務める坪田律紀氏
台湾で一番人気の張飛。パワフルなキャラクターだ
上級者向けの女性キャラ黄芸

 「三国戦紀WEB」のオープンβテストでは、使用キャラクターが3キャラクターから6キャラクターに増える。追加キャラクターは「張飛」、「関羽」、「黄芸(こううん)」の3キャラクター。関羽はリーチが長く技の命中範囲も広い初心者向けのキャラクター、張飛は突進など接近戦が得意で、黄芸は弓で戦う遠距離攻撃で戦う。

 黄芸は「三国戦紀」シリーズで登場するIGSオリジナルキャラクターで、2人目の女性キャラクター。かわいらしい外見だが、攻撃が当たると敵がノックバックしてしまうので連続攻撃を当てるにはコツがいる。接近戦は苦手なのでかなり上級者向けキャラクターといえる。しかしコツをつかみうまく攻撃を当てていくと敵を近づかせずに倒せる。パーティプレイでの遠距離攻撃も得意だ。ちなみに黄芸は“黄忠の孫”という設定だ。

 張飛は台湾などで1番人気のキャラクターだという。今回少し戦ってみたのだが、とにかく攻撃が派手でパワフルだ。当たり判定も大きく、近寄られれば突進で相手をはじき飛ばせるのでかなり爽快に戦えると感じた。

 このほか、日本版にあたり強化されたのが「声」の要素だ。各キャラクターの必殺技、ステージ前後の声、敵キャラクター、武将の技など、海外版以上にセリフのバリエーションが増えている。有名声優だけでなく、実は運営スタッフが声を当てているキャラクターもいる。各キャラクターの声の演出も聞き所だ。

 そして、多彩なコンテンツは強化に必要となる要素だ。ただひたすら“招き猫”を殴ってお金を得るコンテンツなどもある。ちょっと「ストリートファイターII」の車を壊すボーナスステージ風なのが面白いが、海外版では金色のガマガエルの像だったが、日本版ではかわいらしく変更されている。また、プレイに応じて貯まっていく「ブタの貯金箱」もかわいらしいグラフィックスになっている。

 オープンβテストでは、クローズドβテストのユーザーからの意見や、実際のプレーヤーの動向から、様々なバランスが調整される。コンテンツに挑戦するために必要な「行動力」を調整、戦闘での体力値の増減も調整される。鞄の容量の調整や、アイテムの種類の整理も行なわれるという。このほかバランスに関しては様々なポイントで手が加えられる予定だ。

 さらに、オープンβ以降の要素で、日本展開の鍵となるのが「日本オリジナルのプレーヤーキャラクター」だ。まだまだこれから開発していく要素だが、第1弾として「信長」を予定している。時代も国も全く異なるキャラクターだが、“この時代の竜脈に惹かれ、日本の様々な時代から「三国戦紀WEB」の世界へと送り込まれてくる”というストーリーのもと、信長以外の日本のキャラクターを企画しているとのことだ。坪田氏は「個人的には日本以外のキャラクターもアリだと思っています」と語っており、オープンβ以降、今後の目玉として注目要素となりそうだ。

 IGSの開発者達から伝わってくるのは「日本で自分たちのゲームがプレイしてもらえてうれしい」という気持ちだと坪田氏は語った。「三国戦紀」シリーズそのものが日本のアーケードゲームへの“愛”から生まれており、やはり日本のユーザーへの意見を重要だと考えている。だからこそ日本のコンテンツへ期待しており、気合いを入れて開発しているとのことだ。

【張飛】
肉弾戦でガンガン押していくキャラクターだ

【関羽】
そこそこリーチもあり、使いやすいキャラクター

「強くなるためには?」、タイムアタックコンテストで“上級者”を提示

日本では様々な施策で本作をアピールしていくという
自動戦闘のPvP「競技場」。強化が勝利の鍵となる
プレーヤースキルの見せ所「御前試合」
招き猫の像を破壊していく

 本作は6月20日から3日間CBTが行なわれたが、坪田氏はCこのテストでかなり手応えをつかんだという。特に反応がよかったのが、アーケードゲームで「三国戦紀」シリーズをプレイしていたコアなファン。彼らは運営への働きかけも積極的で様々な意見をくれているという。もちろんそれ以外のユーザー達も積極的にプレイしてくれて、高レベルまで上げてくれたユーザーが多かったとのことだ。

 もともと「三国戦紀」シリーズはカプコンなどの横スクロールアクションの影響を強く受けている。しかし、カプコンのゲームに比べ、「三国戦紀」シリーズは比べてみればかなり難易度の高いゲームだったという。全くヒントのない隠し部屋への入場方法や、敵との攻防で歯ごたえがあり、また、直訳風の日本語による独特な空気感なども受けていた。

 「三国戦紀WEB」ではゲームのエッセンスは受け継がれているが、ゲームの駆け引きはプレーヤーの攻撃力が高くなっており、隠し部屋の方法なども提示されている。直訳風のメッセージは坪田氏自身悩んだが、読みやすい形になるという。難易度に関しては「武将の手の入れやすさ」で、海外以上に間口が広くなっているという。ソロプレイをしやすいバランスを考えてセッティングを行なっているとのことだ。

 また、「ランキング」も坪田氏は重要だと考えている。本作は強さが表示される機能がある。「三国戦紀WEB」では実際にキャラクターを操作して戦うイベントトーナメント「御前試合」と、単純にキャラクターと武将でパーティを組み、AIで戦わせる「競技場」の2つがある。プレーヤースキルが重要となる「御前試合」はもちろん、武将キャラクターと自分のキャラクターのステータスで勝敗が決する「競技場」をどう盛り上げていけるかが今後の鍵だと坪田氏は語った。

 「三国戦紀WEB」は自キャラの装備、装備に埋め込む宝石、スキルの鍛錬に、自身に憑依させる武将、さらに武将自身の強化など本当に強化要素が多彩だ。同じくらいのレベル、同じくらいのプレイ時間のプレーヤーにどうしても勝てない、ランキングがあがらない場合、ガチャでいい武将を出すのだけが攻略ではない。システムを調べ、長所を伸ばしていく「研究」が必要となるという。

 このために「チュートリアル」の強化は必要だと坪田氏は考えており、オープンβテストではユーザーへの導線を強化し、様々なシステム、強化のシステムを提示していくという。そのために導入するのが「強くなろうボタン」だ。プレーヤーはプレイに疑問を持ったとき、このボタンを押すと、様々な“今後のプレイの指南”を受けることができる。このボタンを押して、プレーヤーは次なるステージへ進んでいけるというのだ。

 坪田氏が本作にとって重要だと考えているのが「遊びやすさ」だ。ジャンプなどを無理にしなくても、ガンガンスキルを出して行くだけで敵を倒せる。それでいながら「ノーダメージボーナス」などを狙うとかなりテクニカルな戦いを求められる。現在のゲーム性や、アーケードゲームライクな爽快感に関して、坪田氏は「僕の方から言うことはない」と語る。その骨太なゲーム性に対して、音声などの演出の強化、プレイをスムーズにさせるための導線の強化を行なっていくとのことだ。

 導線を強化したその先は「さらなる高みへの目標の提示」だ。「三国戦紀WEB」では、“最強のプレーヤー”を生み出すための施策を行なっていく。それが「イベント専用ダンジョンの最速タイムアタック」だ。この競技は7月10日から、9月3日まで行なわれ、プレーヤーは専用ダンジョンのクリアタイムを競う。このダンジョンの最大の難関はボスとなる。無敵技なども駆使する強力なボス「呂布」とどう戦うか、プレイテクニックと共に、プレーヤーの強化や、武将の起用が鍵となるだろう。

 上位入賞者には「100万円」というかなりの額の賞金を用意している。このほか、“キリ番賞”や、“プラットフォーム賞”を用意し、参加者を募っていく。上位入賞者はプレイ動画でそのテクニックを披露したり、キャラクターステータスを公開することで、強化の攻略法を提示するだけでなく、キャラクター強化の魅力や、プレーヤー達の戦闘テクニックなど、間口の広さだけでなく、ゲームの奥深さも提示する予定だという。

 今回のインタビューで、オリジナルコンテンツのアプローチだけでなく、本作のゲームシステム、ゲームの方向性をきちんと研究した上でのプロモーション施策は感心させられた。アジア系のオンラインゲームはユーザーの「楽に進めたい」という意見を重視するあまり、移動はもちろん狩りすら自動化し、「これはゲームなのか?」という疑問すら持たせる作品もある。そういったトレンドを取り入れながら、アクションゲームへのIGSのこだわりが込められた「三国戦紀WEB」は応援したい作品だ。坪田氏をはじめとした運営の施策で、どのようになっていくか、注目したい。

【スクリーンショット】
様々なシステムが用意されている。“強くなるためにどうしていくか”の導線を提示していくことが今後の課題だ

(勝田哲也)