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ブラウザアクションRPG「三国戦紀WEB」体験レポート
ボタン1つで進行!? 間口が広く奥深いアクションオンラインRPG
(2015/7/3 19:14)
ライオンズフィルムのブラウザアクションRPG「三国戦紀WEB」は、7月10日よりオープンβテストを開始する。こちらの事前登録ページより登録することで、公式ページでの「WEBガチャ」を回すことができる。また、「奥義」のPVも公開された。
今回、テストに先がけてゲームの序盤を体験し、プロデューサーを務める坪田律紀氏にインタビューを行なった。「三国戦紀WEB」は台湾のアーケード/オンラインゲームメーカーIGSが開発したブラウザアクションRPG。横スクロールアクションのアーケードゲームとして1999年から展開している「三国戦記」シリーズのエッセンスを受け継ぎ、オンラインゲームとしている。
弊誌では本作のクローズドβテストレポートを掲載している。今回は改めてゲーム序盤を体験すると共に、運営側のクローズドβテストの感触や、日本版にあたって行なわれた変更や日本版への意気込みを聞いてみた。なお、7月10日にはオープンβテスト開始に合わせてインタビュー第2弾を掲載予定だ。
ボタン1つで進行、台湾トレンドを取り入れた間口の広いゲーム性
「三国戦紀WEB」は“三国志演義”をモチーフに、“竜脈”や“仙人”といった要素を盛り込みオリジナルキャラクターも加えて展開する“武侠もの”のストーリーが展開していく。NPCとして三国志演義のキャラクターが登場し、「桃園の誓い」などおなじみのイベントなども起こる。
プレーヤーキャラクターは、趙雲、貂蝉、孔明などおなじみのキャラクター。ただしゲーム内では“そっくりな人”という扱いで、クエストでNPCの趙雲と、プレーヤーの趙雲が会話をすると、「君は私と似ているな。同郷の者かな?」といった会話となる。
ゲームはMMO空間でクエストを受けたり交流し、MO空間のダンジョンに挑戦するという「アラド戦記」などでおなじみのスタイルだ。ダンジョンでは最大4人での協力プレイができる。さらにNPCの仲間キャラクター“武将”を連れて行くことで、ソロでも協力プレイの感触でプレイしていくことが可能だ。武将達は思い思い勝手に攻撃していくので画面は賑やかになる。ソロでもパーティプレイ感覚でサクサク進められるのが、本作の大きな特徴だと坪田氏は語った。
本作は「行動力」システムを採用しており、ダンジョンに入るなどで消費し、一定時間で回復するまでダンジョンなどへの進入ができなくなる。行動力は時間やコンテンツ参加で回復させるか、課金で回復できる。アイテム課金制のゲームでは定番のシステムだが、クローズドβテストでは行動力のバランスが悪かった。オープンβテストではもっとプレイしやすい方向で調整予定だという。
クローズドβテストでのレベルキャップはレベル60。レベル51まではかなり早く進み、そこから先が急に厳しくなるというバランスだった。期間は2日間だが、2日間熱心にプレイすると51になれる。坪田氏は感触としてかなり熱心にプレイしてくれた人たちが多かったと語った。坪田氏はいくつかのオンラインゲームに運営としてはもちろんプレーヤーとしても関わっており、サーバートラブルに関してはかなり身構えていたが、今回は拍子抜けするほどうまくいったという。
クローズドβテストでは趙雲、貂蝉、孔明の3キャラクターが使用できた。オープンβテストでは関羽、張飛、そしてゲームオリジナルキャラクターの黄芸が加わる。オープンβテストのキャラクター選別は趙雲は初心者にもプレイしやすいバランスのとれたタイプで、孔明も技の効果が強い術を駆使し、こちらも戦いやすい。貂蝉は接近戦型のキャラクターで他の2人に比べると難易度が高いが、女性キャラクターということで今回のテストでは1番人気だったとのことだ。
坪田氏は「三国戦紀WEB」の魅力として「間口の広さ」を強調した。全体的にキャラクターは強くスキルは派手で、強力なスキルを撃っていくだけで集団の敵を倒せる。ステージは全体的に短めで、「アラド戦記」などのタイトルと異なり、ダンジョンはほぼ一本道で迷わない。さらに武将とともに戦うことでソロプレイでも力押しで進める。「『三国戦紀WEB』はブラウザゲームなので、間口の広さ、簡単さを心がけて作られています。誰でもさくさく遊べるというところが大きな魅力です」と坪田氏は語った。
今回序盤を触ってみたのだが、驚かされたのは「クエストシステム」だ。本作はマウスクリックか“J”キーを連打していくだけで、メインクエストが進み、ダンジョン入場までできる。NPCの場所まで自動移動し、会話し、クエストを受注し、ダンジョンのある場所まで移動して入場する、これが全て1ボタンを押すだけで進むのだ。
この手軽なシステムは“最近の台湾MMORPG”のトレンドだという。以前もマップをクリックするだけで移動できたり、課金アイテムで自動の狩りができたりと、台湾MMORPGはとにかく手間を省くことに注力していたが、最近はさらに進んでいる。ちょっと“ゲームをプレイしている”という感触として寂しいとも感じるが、ここもまた間口の広さという意味ではありといえるだろう。
日本展開の核となる“武将”は、コスト管理が重要。強化システムも豊富に
日本での「三国戦紀WEB」の“核”として考えているのが「武将システム」であると坪田氏は語った。武将は台湾では実績やイベントで入手できるものだったが、日本ではガチャで提供することとなった。ガチャは課金式と、無課金式のものがあり、クローズドβテストでは体験用にチケットを配布し、誰でもガチャを回せるようにした。
武将はキャラクターによって強さが大きく異なる。もし序盤で強い武将を手に入れられればそれだけでゲームの難易度は大きく下がる。しかしプレイとしては単調になってしまう。この問題を回避すべく考えられたのが“コスト”だ。強い武将はコストが高く、本来なら3人投入できるコストがあっても、1人でいっぱいなってしまう。逆に弱い武将は中堅の武将と組み合わせるコスト管理という場面で優秀だという。
この強さのバランス、コスト管理は台湾版ではなく、日本版ならではのものだ。ここは日本版に当たり開発者が力を入れたシステムであり、ランダムで入手できる武将によってプレイの感触も思い入れも異なってくる。この武将と共に戦う感触は大きな魅力となるだろう。
ただし、強力な武将を入手できてもそのうち前に進めなくなる。プレーヤー自身もほんの数時間でレベルがガンガン上がっていたのに、敵が強く感じるようになり、必要経験値も跳ね上がってなかなかパワーアップしにくくなり、閉塞感を感じるようになる。どうするのか? という問いの突破口となるのが「強化」だ。
「三国戦紀WEB」には多彩な強化システムがある。装備は6部位あり、それぞれの装備はゲーム内マネーである金貨を消費することで強くできる。さらに各武器・防具には宝石がはめ込めたり、素材を使用した「鍛錬」といったシステムもある。これらは一見複雑だが、プレーヤーは段階を経て各要素を覚えていくこととなる。
「本作をプレイしていると最初はさくさく進めているけど、中盤くらいから苦しくなってくる。他のプレーヤーと冒険したりすれば、力のはっきりした違いがわかることがあります。こいつと俺はどこが違うんだ? という疑問が生まれてくると思います。そこに応えるのが『強化」なんです」と坪田氏は語った。
基本プレイは簡単だが、システムは複雑化する、というのが実は台湾のMMORPGの特徴だ。実際、「三国戦紀WEB」もショートカットメニューで画面が埋め尽くされていて、何をして良いかぱっと見わかりにくい。実はデイリーチャレンジや、単純にクリックするだけでお金がもらえるものなど様々なコンテンツが用意されている。
オープンβテストではこれらのコンテンツや強化にチュートリアルを設ける予定だ。シンプルなメインのゲームプレイから、いかにスムーズに強化要素やサブコンテンツに誘導するか、現在オープンβテストに向け、様々な要素を盛り込んでいるところだという。
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