ブラウザゲームレビュー

三国戦紀WEB

サクサク進んでぶつかった壁をどう越えるか!?
山盛りコンテンツをモリモリプレイ

発売元:
  • ライオンズフィルム
開発元:
  • IGS

 ライオンズフィルムのブラウザゲーム「三国戦紀WEB」は、手軽で爽快なブラウザアクションゲームだ。画面からは「アラド戦記」風のMORPGと同じようなゲームに感じるが、比べると全く異なる。敵をバンバン倒し、サクサクゲームが進む、非常に簡単で爽快なゲームなのだ。

 ゲーム序盤は本当に手軽に、爽快にゲームが進んでいくが、途中から一筋縄ではいかなくなる。その時重要になるのがキャラクターの強化と様々なコンテンツだ。今回はこれらのシステムも含め、本作の楽しみ方を紹介したい。

かわいらしい黄芸でプレイ! 弓のコンボで大ダメージを狙え!

今回はゲームオリジナルの「黄芸」を選択した。攻撃範囲の広さが特徴で、遠方からでも敵を撃てるのは魅力だ
OBTからは無料で回せるガチャチケットが1枚配布されるので、無料で「人気武将」ガチャが回せるのはうれしい
OBTから新たに追加になった「官職」システム。1日に7回名声を上げる行動が行なえる。名声を獲得することで職位を上げることができ、ステータスがアップできるほか、ボーナスももらえる

 オープンβテスト、そして正式サービスを迎えた「三国戦紀WEB」では、CBTの時の諸葛孔明、超雲子竜、貂蝉に加え、張飛、関羽、そしてゲームオリジナルのキャラクターの黄芸の全6人からプレーヤーキャラクターを選べるようになった。ちなみに、「三国戦紀WEB」は1アカウントで1キャラクターしか選べないので注意が必要だ。

 今回は黄芸でプレイしてみた。武器は弓で、遠方から攻撃可能なのスキルが充実しているのが特徴だ。黄芸のスキルは遠距離から光る矢を放つ「真央箭」、自身が宙返りしながら突撃する「白鶴天」、飛び上がって空中から光る矢を連打する「翔連弩」、自らが竜巻になって前後の敵に移動しながら連続攻撃を与える「旋風月」、天にめがけて大量の矢を放つ「射陽墜」の5つで、いずれもド派手なアクションと、かわいらしいボイスが楽しい。

 黄芸の戦い方のテーマは「いかに技をつなげるか」だ。敵は技が当たると浮き上がる。ここで敵を地面に落とさずに浮いたままの状態を維持し続けることこそが「三国戦紀WEB」の楽しさなのだが、黄芸は遠距離攻撃なのでここにコツがいる。真央箭の場合は勢いよく画面の反対側まで飛んでいき、跳ね返ってくるし、射陽墜だとかなり高いところに打ち上げられるため、落下までにかなりの時間がかかる。旋風月やその他の技では軽めに浮き上がる。

 シンプルなコンボは真央箭で跳ね返らせて、旋風月でさらに追撃するという方法だ。しかしちょっと確実性に欠ける。最近よく使っているのは、旋風月で飛び込み、射陽墜でさらに浮いた敵を撃墜するコンボだ。旋風月は開始後は無敵時間があるため、敵の攻撃を抜けてふところに潜り込める。そこで比較的ダメージ量の多い射陽墜で一気にダメージを稼ぐのだ。

 ただし、「三国戦紀WEB」の駆け引きはちょっと大味なところがある。特にボス戦では敵の起き上がりが無敵な上に大技を出してくるので、距離をとることが必須になる。黄芸は遠距離攻撃キャラクターなので、特に敵との距離は気をつけたい。コツをつかむことでさらにうまく戦えるのが楽しい。

 その他にもプレーヤーキャラクターの動きを研究する上でおススメなのが、「自動戦闘」機能だ。これは課金ポイントの「元宝」で購入できるアイテム「左慈の珠」を使うことで利用可能になる機能で、スペースキーを押して有効にするとプレーヤーキャラクターが自動で動くようになる。クエストで“お試し版”をもらえるので使っていきたい。アイテムは時間制限があり、ログアウトしても減ってしまうので、まとまった時間でプレイする時に使うといいだろう。

 この機能で自動動作するキャラクターはとにかく敵に向かって近寄り、複数のスキルを組み合わせてコンボを決めて攻撃しまくるので、プレイの参考にできる。苦手なボスとの戦いでの動きを研究する場合などにも役に立つので活用していきたいところだ。

【スクリーンショット】
爽快でド派手な戦闘が楽しめるのが「三国戦紀WEB」の最大の魅力だ
ボス攻略のポイントは敵を浮かせて無防備状態のまま如何にそれを維持するか、が重要だ。仲間の武将や他プレーヤーのスキルとも連携できるので、連続でダメージを与えるスキルをうまく繋げるのがコツだ
「自動戦闘」機能でキャラクターの動きを研究したり、人気イベントのボスのような長時間の戦闘の代理も可能なほか、苦手なボスの攻略ツールとしても使える。ただし猪突猛進なので、ノーダメージクリアを目指すような場合には向かない

どんどん増えるコンテンツ。金を稼いでキャラクターを強化!

武器の強化項目には金だけで強化できるレベル以外にも宝石を埋め込む「宝石強化」や特定アイテムで鍛錬する「装備鍛錬」がある
キャラクターに翼が生える「神器」は、プレーヤーキャラクターに装着することで見た目とステータスが変化する。神器の強化なども可能だ
現在開催中の「総額1,000万円相当キャンペーン」のイベントに挑んでみた。タイムアタックコンテストとのことだが、正直なところ現在のレベルでは序盤の段階で全く歯が立たず、あえなくリタイアしてしまった

 「三国戦紀WEB」では最初はかなりサクサクとレベルが上がるが、レベル45辺りから上がりにくくなり、敵の攻撃も激しさを増してきて、メインクエストが進めにくくなる。この“ブレーキ”はかなりいきなりで、特に敵に負けてしまった時のショックは大きい。ここで必要となるのが、「キャラクターの強化」だが、レーヤーキャラクターの武器や鎧などの5カ所の装備、5つのスキル。しかも3人の武将にもそれぞれスキルと装備がありお金(ゲーム内マネー)をつぎ込んでレベルアップしていくのだ。

 この強化システムはよく言えば選択肢が多く、悪く言えば煩雑だ。各項目にそれぞれお金をつぎ込んで強化するため、いきなり金欠になる。金稼ぎには1日に一定回数挑戦できる「招き猫」のミニゲームと、自動戦闘でPvPが行なわれる「競技場」が実においしいので、きちんと毎日やっておきたい。1日に3回、定期的に開催される「人気イベント」に参加することでも大量の金が手に入る。

 クエスト以外のダンジョンに何度も入るのも有効だ。各ステージを無傷のまま高スコアでクリアすると獲得できる「完美」を目指して、通常ステージを何度もやりこむ方法がおススメだ。過去に苦戦したステージがサクサクと進むようになっているのが体感できるので、成長が確認できて面白いし、無傷でクリアするのは意外と難易度が高いので、やり応えもある。

 筆者の経験で“オイシイ”ダンジョンは、レベル21~40向けエリアの「黄巾の乱」の最終ステージ「法を破りて張角を除く(3)」の連続プレイだ。ダンジョンに入ると消費する「体力値」のコストが少ない上に、隠し部屋をクリアすると手に入る武器袋は開けずに売ると高く売れるので、金稼ぎにはもってこいだ。さらに、通常ステージより難易度の高い「精鋭」や「魔王」ステージをやりこむのもおススメだ。レベル45からは「秘宝」という新しい強化システムが解放され、ここで必要なアイテムはこれらのステージで入手できるので、金稼ぎもできて一石二鳥だ。

 他のプレーヤーと一緒に挑戦できる「部隊」を利用する方法もある。ステージを選択する画面には「部隊作成」のボタンがある。これを押すことで部隊が作成できる。あとは現在ゲームをプレイ中の他のプレーヤーを招待するなどして、メンバーを集めて開始すれば、かなり有利に戦えるようになる。

 ただし、他プレーヤーと一緒に戦う際には、画面右にある「表示」ボタンで他のプレーヤーの表示をオフにしておくのをおススメしたい。というのもPCのスペックに関係なく、複数のプレーヤーと同時にステージに挑んだ際、1/3くらいの確率でステージ途中に突然画面上に「!」のみが表示されてしまい、ステージ進行が記録されなくなってしまうのだ。この不具合は他のプレーヤー表示をオフにすれば回避できるが、早急に改善してもらいたいところだ。

 ちなみにレベル48で解放される「日常任務」では1日10回、「招き猫」や「ダンジョン突破」などの指示された行動を実施することで、かなり高額のゲーム内マネーと大量の経験値が入る。レベル51で解放される「錦の袋」システムも「日常任務」と同様に指示された行動を行なうことで、ポイントが加算されて、一定ポイントを貯めると金と体力がもらえる。お金と元宝をレベルが上がるごとに貯める「貯金箱」機能はレベル42から解放されるほか、金が稼げるミニゲーム「宝集め」はレベル45から利用可能になる。

 他にも新機能がてんこ盛りで、正直目移りしてしまう。こういう洪水のようなコンテンツの追加は正直最初は戸惑うし、利用しづらい。しかし、強さや金稼ぎに“壁”を感じた人は、まず色々機能を試して欲しい。うまいお金の稼ぎ方や、楽に戦えるコンテンツでガンガンキャラクターを強化していくのは、ひたすらメインクエストだけを進んでいたときとは異なる、新しい楽しさが見えてくるだろう。

 「三国戦紀WEB」はかなりサービス精神が旺盛なオンラインゲームだと思う。金や経験値を稼ぐための機能が次々と追加されていくし、その中には課金ポイントの元宝が入手できるものも多い。もちろんせっかちなプレーヤーは課金して元宝を大量につぎ込めばゲームは楽になるが、そうしなくてもコンテンツを毎日やり続ければ、かなりゲームは楽に進められる。

 正直“幹”となるアクションゲームで特典が得られるのではなく、色々コンテンツを解放していかなくてはいけないところは煩雑さも感じる。しかしこういう盛りだくさんなところは、筆者にとって新鮮で面白かったのも確かだ。序盤はサクサク、その後は盛りだくさんのコンテンツを毎日コツコツ進めていく、お金稼ぎのコツを探していくのは独特の楽しさがある。この楽しさもぜひ体験して欲しい。

【スクリーンショット】
金稼ぎは1日10回行なえる「招き猫」と「競技場」は押さえておきたい。また1日3回チャンスがある「人気イベント」についても、うまく参加できれば多くの金が手に入る
レベル21~40向けエリア「黄巾の乱」の最終ステージ、「法を破りて張角を除く(3)」は消費体力が5であるにも関わらず、取得経験値が4,625と非常に高い。また隠し部屋に入る条件も緩いので、そちらの経験値も含めると、1回の戦闘で経験値9,000が獲得できる
「宝物」システムはゲーム内の通常ミッションで拾った素材を組み合わせて宝物を作るコレクション要素だ。うまく完成するとステータスが上げられる
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(池紀彦)