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「新生FFXIV」サウンドディレクター祖堅正慶氏合同インタビュー
「創作は深夜」、「音楽業界がもっと盛り上がると良いな」。祖堅氏の本音トーク
(2014/3/26 19:10)
本稿では、サウンドトラック発売記念イベント終了後に実施されたメディア合同インタビューの模様をお届けしたい。
祖堅氏はいつもライブやイベント等では“ニーソケン”と称して、吉田プロデューサーのいじられ役だが、サウンドディレクターとしての創作活動は、今回のサウンドトラックを見てもわかるように、非常にストイックで、プロフェッショナルそのものだ。
今回のインタビューでは、“作曲家祖堅正慶”の知られざる一面を覗くことができた。さっそくご紹介したい。
初めて明かされる制作手法。11時半から楽曲制作スタート
――お客さんの反応を直に見てどのように感じましたか?
祖堅氏:いや、平日なのにこんなに来て頂いてホントマジびっくりしました。5人ぐらいかなって言ってたので(笑)。いや、今日日音楽のイベントでこんなに集まって下さるなんて信じられないので正直嬉しいです。良いチャンスなんで、今回の作品はかなりチャレンジなんで、僕が言うのもおこがましいですけど、音楽業界もっと盛り上がるといいなと思って。
――今回ハイレゾ配信が始まりましたが、現在、それぞれのゲームプラットフォームで使われているサウンドデータのビットレートはどのぐらいですか?
祖堅正慶氏:PCはVBR(編注:可変ビットレート)なので、これというビットレートがあるわけではないです。PS3はだいたい120Kbpsぐらい、PS4は170~180Kbpsぐらいで、PS4が1番高いです。これはもうメインメモリのおかげ。ただ、曲によって結構縮めているものと出しているものとかなり差があるので一概には言えないです。今回のサントラはそんなのゴミみたいな(笑)、くらいな素晴らしいデータが入っています。
――実際、こういう場で聴かれてみていかがでしたか?
祖堅氏:いやあ、凄いなと思いました。スタジオはやっぱり忠実にモニタリングするためのスピーカーなので、ここのスピーカーはそれとはぜんぜん違ってリスニング用なので気持ちよく聴けました。
――MP3にシークレットが1曲入っているということですが、Blu-rayでは聴けませんか?
祖堅氏:それはつまり動画付きでってことですよね? 聴けません。シークレットなのでそんなに大々的にやってしまうと怒られてしまいます。シークレットですから、あまり言うととある人から電話が掛かってきてしまいますから(笑)。
――ちなみにこのシークレット曲はパッチ2.2収録の楽曲ですよね?
祖堅氏:おっ! あまり大きい声で言わない方がいいんですが、そのうちバレるでしょうね(笑)
――なぜこの曲だけパッチ2.2から先行収録することになったのですか?
祖堅氏:次に繋げたかったからです。今回についてはタイミングが良かったんです。先に作っていたんです。板に焼く手前のタイミングぐらいで間に合ったので、ただし、容量的には入らないので、動画込みだとぜんぜん入らなくて、MP3だったらギリギリ入るということだったので、じゃあ入れようかということで、マジ内緒で入れました。この話、内緒でお願いします(笑)。発売されちゃったので今日ヤバいなって感じです。何言われるんだろうな、知らないよ、俺。もう売っちゃったからね(笑)。
――念のためですが、今回のサントラにはリヴァイアサン討滅戦の楽曲は含まれていませんよね?
祖堅氏:はい、入ってません。
――祖堅さんは、作曲をバリバリするというイメージがあまりないのですが、どういうタイミング、どういうアプローチで創作活動を行なっているんですか?
祖堅氏:昼間はエンジニアリングやディレクションの仕事がメインなんですよ。つまり、人とのやりとりですね。効果音のエンジニアリングなどがそうですが。曲はひとりになってからやるんで、11時半とかみんな帰りますよね? そっからがスタートですね。あるんですよ、タバコ吸いながら「あー、俺、もうやってられねえわ」って時にピコーンと来ることが。鼻歌とかも含めてそれを貯めてって、夜、それを音楽に変えていっているという感じです。
――その旺盛な創作意欲はどこから来ているんですか?
祖堅氏:ぜんぜんわかんないです(笑)。ただ、本当に楽しいんで。楽しくないとたぶんできないと思います。ツライだけとかは無理ですね。
――今回収録した曲の中で、1番降りてきて「俺、天才じゃないか」と思う曲は何かありますか?
祖堅氏:そういう感じはあんまりないですね。降りてくるといってもゲームが先にあるので、それ次第だと思います。それがなくて作れと言われても何にも出てこない気もしますよね。そんな天才とかじゃないと思います。地味にやってます(笑)。
――先日のレターLIVEでは「SUPER極タイタン討滅戦」の映像が公開されましたが、あれ向けの楽曲とかゲーム本編やサントラには含まれていない楽曲はあったりするのですか?
祖堅氏:結構ありますね。たとえば、PV用に本来はループしなきゃいけない曲を32秒キッチリで終わらせるように変えたりとか。こないだのタイタンもどっかに入れましょうかね(笑)。PVだけでもいいかと思っていたんですが、どこかに入れられるようなら入れましょうかね。ハイレゾにするかどうかは、ウチのサウンドエンジニアとも相談して(笑)。
――タイタン戦についてですが、3つの蛮神戦の中でタイタン戦だけ5曲も存在しますが、タイタンにこだわった理由は何かあるんですか?
祖堅氏:こだわったというよりはタイタンはフェーズの区切りがしっかりしていて、それでああなったというだけです。たとえば、イフリートもフェーズの区切りがあればもっと曲を作っていたと思いますが、あれは一連だったので。ガルーダも前半後半に分けられるんですが、一旦セパレートして、別曲をアタッチした実験もしたりはしたのですが、結果はあんまり良くなかったんですね。タイタンは段々ヤバくなってくるというのが、ゲームエクスペリエンス的な設定になっていたので、上手くはまったという感じです。
――そういう指示書があったわけではなくて祖堅さんのアドリブですか?
祖堅氏:僕のアドリブです。バトルプランナーとモンスター担当から内容は聞いていて、どういう制御をするという話も知っていたんですけど、実際にゲームが出来上がってくる段階でやっぱり分けた方がいいってことになって分けたという感じです。「新生FFXIV」の楽曲制作って相当のスピード感が必要なのですが、〆切が短いのであまりこねくり回している時間がないんです。だから深夜の作業になっちゃうんですね。結構大変です(笑)。
――発売を迎えての気持ちは?
祖堅氏:もうなんか流れで、「あ、来たか」みたいな。次が詰まっているのでどんどんやらなきゃという感じです。今日は色々イベントがありますけど、作ることに比べたら楽させてもらっている感じですよ。それぐらい過酷です(笑)。
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