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【GDC 2013】EA Mobile、「EA Mobile GDC Demo Suite」を開催
「Tetris Blitz」、「Ultima Forever」など意欲作が続々! Chillingoは「Icycle」に要注目!
(2013/3/29 17:09)
米Electronic Artsのモバイルゲーム部門EA Mobileは3月27日と28日の両日、GDC会場の近くのホテルにおいて新規モバイルゲームの試遊イベント「EA Mobile GDC Demo Suite」を開催した。イベントにはEA Mobileに加えて、EAの子会社のChillingoも参加し、合わせて7本のモバイルタイトルを出展していた。
EA Mobileのタイトルは、EAの人気シリーズの移植が多く、クライアントも有料のものが目立っていた、今回はモバイル向けのオリジナルタイトルばかりを揃え、かつFree to Playで無料で遊べるものが増えていた。コンソールゲームの北米最大手も、時代の変化にキッチリ対応してきているという印象を持った。さっそく7本のタイトルを紹介したい。
EAのモバイル版「Tetris」第2弾「Tetris Blitz」
「Tetris Blitz」は、モバイル版の「Tetris」のライセンスを持つEAが放つ「Tetris」シリーズの第2弾。ブロックの落とす位置を、あらかじめ可能性の高い位置を指し示し、そこをタップするだけでブロックを落とせるタッチデバイスならではの操作性はそのままに、2分間の時間限定でいかにラインを消して高得点を狙うかというFrenzy Modeを新たに搭載。アイテムを使うことでより簡単に、大量に消すことが可能になり、「Candy Clash Saga」や「パズル&ドラゴン」などのパズルゲームにおける一気消しにも似た爽快感のあるモードとなっている。
ビジネスモデルはFree to Play+プレミアムサービスとなり、1プレイする度に動画のCMを見なければならない。プレミアムサービスの部分は、消費アイテムやそのセット版、CMを非表示にするものなどがあり、1日に1回まわせるスロットで何らかのアイテムやゴールドを手に入れることができる。もう1度スロットを回したり、スロットにあるアイテムを入れ替えたりする際にもお金が必要となる。ゲームはすべて無料で楽しめるが、お金を使うことでより集中的に、より派手に楽しめるようになっており、Free to Playのビジネスをよく学んでいるという印象がある。
また、Facebook Connectにも対応し、Facebookのフレンドと得点を競うことができる。発売時期は2013年春を予定し、発売プラットフォームはiOSとAndroid。スマートフォン、タブレットの両方で遊べるユニバーサル対応となっている。
EAが放つソーシャル性の高いクイズゲーム「TMi Trivia」
EAとしては珍しいジャンルとなるクイズゲーム「TMi Trivia」は、最初、スタッフの説明の意味がよくわからなかったが、理解できてくると感心させられた。このクイズゲームではプレイする前に、自分の嗜好を選択する。その上で自分が好きなジャンルのクイズを楽しめる。
ここまではどのクイズゲームでも当たり前だが、「TMi Trivia」ではFacebookとiTuneライブラリーから、“本当の嗜好”を収集し、そのデータを元にクイズを生成し出題する。具体的な例としては、Facebook上の写真をお題に、その人物の名前を応えさせたり、友人に関する質問だったり、自分のiTuneに入ってるアーティストの中から、マニアックな曲を当てさせたりなど、「あ、知ってる、でもなんだったっけ? 忘れたな……」という記憶の微妙な部分を刺激してくれるインテリジェントなクイズゲームになっている。
クイズゲームのベースとなるパターンは3万種類以上あり、データは随時更新し、まったく同じ問題が出にくいように工夫しているという。Facebook Connectを通じて最大4人の仲間と得点を競うこともでき、週間チャンピオンなども決められるという。試しにTVゲームをプレイしてみたが、好きなジャンルを選んで応えられるクイズゲームだけに、非常にマニアックで、気軽に脳のトレーニングができるクイズゲームだ。
ビジネスモデルは基本プレイ無料で、発売プラットフォームはiOS。今春リリース予定。
あの「Ultima」がモバイルオンラインゲームとなって帰って来た! 「Ultima Forever」
「Ultima Forever: Quest for the Avator」は、往年のゲームファンならタイトルを聞いただけでニヤリとしてしまう、アメリカが生んだ人気RPGシリーズ「Ultima」シリーズの名を冠したモバイルオンラインゲーム。「Ultima IV」の21年後の世界と、「ああ、なるほど」と即答できるゲームファンはいなさそうな、かなりマニアックな世界設定になっている。
グラフィックスは“あえて”当時のスタイルを再現。当時の2Dドット絵スタイルで、もっさり感を残すキャラの動きでありながら、数百人規模のユーザーと世界を共にできるMMORPGになっているところが最大のウリとなる。
ゲームはサブタイトルにもあるように、クエストベースで展開していく。街に行って街人からクエストを受け、100以上というダンジョンに潜ってクエストを達成していく。街人との会話では、選択肢によってそれだけで功徳が詰め、ステータスが上昇するなど、「Ultima」らしさを残しており、さすがはライセンスを持つEAの仕事だけに、リスペクトを持って開発されているという印象だ。
街でクエストを受け、パーティーを組んでダンジョンに挑む。ダンジョンでのバトルは、モバイルゲームに多い移動先や攻撃先をタップし、画面の左右のアイコンをタップしてスキルを使う、クォータービュースタイルのアクションゲームとなっている。もちろん、リアルタイムバトルで、ザコ敵をスキルでなぎ倒し、宝箱を空けながらボスのいる最深部を目指していく。
iPhoneでは正直なところ、表示が小さすぎてダンジョンを潜るのはきついと感じたが、街で会話をしたりクエストを受けたりする分には問題ない。ダンジョンはできればiPadで遊びたいところだ。
最強のモバイルレースゲーム「Real Racing 3」が早くもアップデート
iPhone 5のローンチに合わせて発表されたレースゲーム「Real Racing 3」にアップデートが行なわれる。現在ではiOSに加えてAndroid版もリリースし、セーブデータをクラウド上に保存できる機能を利用することで、どの端末からでも続きが楽しめる。
アップデートの内容は、シボレー2車種の追加と、Hunter Modeと呼ばれる新モードの追加を含む100以上の新イベントの追加となる。アップデート自体は無料で利用できる。Hunter Modeでは、見えないライバルカーとレースを競うTime-Shifted Multiplayerモードを活かし、ライバルカーを次々に追い抜いていくモードとなる。アップデートの時季は4月中旬を予定。
英国インディーズから届いたハイセンスな横スクロールアクションゲーム「Icycle」
今回の体験会でもっとも強い印象を受けたのがChillingoの新作アクションゲーム「Icycle」。とある男のナンセンスな夢の世界を描いたアクションゲームで、小さな自転車に乗った全裸の男が、童話の世界にでてくるような不思議な世界を氷のかけらを追って旅していく。ビジュアルの芸術性が非常に高く、開発元は現役のデザイナーが立ち上げたDamp Gnatが担当しており、1人で作った作品だという。
アクション要素は、基本的に左右移動とジャンプだけ。落下中にジャンプボタンを押すと、頭上に傘が開き、滞空しながらゆっくり下りることができる。ステージデザインは、不思議な小山が連続する原っぱを走ったり、岩の切れ目をどこまでも落ちていったり、浮かんでいる家を出たり入ったりしながら進んでいったり、まさに夢の世界といった感じのとりとめのないデザインで、児童のイラストの中を旅しているような気持ちになる。ただし、トゲに接触したり、大玉に巻き込まれたりすると、自転車から振り落とされてミスとなる。このあたりは「LIMBO」のように儚げな設定だ。
価格は99セントで、全12ステージ。最初のクライアントは4ステージまで実装されており、残りはアップデートでの実装となるという。若干気が早いが、Game Developers Choice Awards 2014のVisual Art部門の最有力候補に推しておきたい。
あの「ピーナッツ」のキャラたちによる愉快なジェットコースターアクション「Snoopy Coaster」
Chillingoの「Snoopy Coaster」は、スヌーピーやチャーリーブラウンなど「ピーナッツ」のキャラクターたちが総登場するジェットコースターゲーム。所々が切れていたり、宙返りに分岐していたりする不思議なジェットコースターのコースを舞台に、様々なデザインのコースターに乗ってコインを集めながらクリアを目指していくというアクションゲーム。
どういう原理なのかは不明だが、ジャンプすることができ、タイミング良く切れ目を乗り越えたり、より高いジェットコースターに飛び移りながら、ハイスピードでコースを駆け抜けていく。子供でも安心して遊ぶことができるゲームだ。基本プレイ無料で、今春サービス予定。