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マイクロソフト、Xbox 360「Gears of War: Judgment」プレビュー

歴史に隠された2つのキャンペーン、ユニークなグレネードが鍵のマルチプレイに注目!

【Gears of War: Judgment】

3月21日発売予定

価格:7,140円

 日本マイクロソフトは、3月21日に発売を予定しているXbox 360用アクションシューティング「Gears of War: Judgment」の開発者を招いたインタビュー・先行体験会を開催した。「Gears of War: Judgment」は通常版が7,140円、Xbox LIVE ゴールド メンバーシップ同梱の数量限定版が7,980円。CEROレーティングはZ(18 才以上のみ対象)。

 「Gears of War: Judgment」はこれまでのEpic Gamesに加え、ポーランドのPeople Can Flyという開発スタジオの2社による共同開発となっている。「Gears of War」3部作ではマーカス・フェニックスが主人公だったが、本作ではデーモン・ベアードを主人公とした「審判」と「顛末」という2つのキャンペーンが用意されている。「審判」では3部作の約15年前の戦いが描かれ、ベアードの過去が明らかになる。「顛末」では「Gears of War 3」の裏で進行した“もう1つの物語”が描かれる。

 そしてマルチプレイには役割を分担して戦う「Survival」や、初登場となる「Free-For-All」といった新モードが登場する。敵を探知する「スポットグレネード」や体力を回復させる「キュアグレネード」といった新アイテムにより、これまでのシリーズにはなかった体験ができる。

 今回は本作のシニアプロデューサーを務めるEpic Gamesのクリス・ウィン氏に解説してもらいながら本作のシングル・マルチプレイを体験でき、さらにインタビューも行なった。本稿では「Gears of War: Judgment」のインプレッションを語っていきたい。

ベアードを主人公に、これまで語られなかった「エマージェンス デー」の物語が展開

本作のシニアプロデューサーを務めるEpic Gamesのクリス・ウィン氏
「Gears of War: Judgment」のストーリーモードでの主人公ベアード
ベアード率いるキロ部隊は、激しい戦いを繰り広げていく

 「Gears of War: Judgment」のストーリーモードは約15年前の「エマージェンス デー」直後のストーリーを扱う「審判」と、「Gears of War 3」本編で語られなかった戦いを描く「顛末」という2つのキャンペーンを搭載している。フォーカスされるのは3部作でも活躍したデーモン・ベアードだ。

 ベアードは約15年前少尉という階級で「キロ部隊」を率いて戦っていた。しかし彼は何らかの罪を犯し、鎖につながれた姿で部隊の仲間と共に連行されてしまう。ローカストに襲われる街の中で、査問会が始まる。「審判」ではベアードや彼の部下であるキロ部隊メンバーの“証言”という形でステージが進行していく。ベアードの罪はなんなのか、ベアードがどう決断し、どんなことをしたのか、様々なキャラクターの証言で物語は展開していく。

 「エマージェンス デー」は「Gears of War」シリーズでこれまでは“過去の話”としてあまり描かれていなかったエピソードである。惑星セラに入植した人類は地下にある新エネルギー物質イミュルシオンを発見、しかしそのせいで世界大戦が引き起こされてしまう。そしてお互い争う人類に対し、地底生物「ローカスト」が襲いかかってきて、人類は追い詰められていく。「エマージェンス デー」とはこのローカストが出現した日を指すのだ。

 今回はまず「審判」の最初のシナリオである「ベアードの証言:博物館」をプレイした。「エマージェンス デー」から30日後、様々な場所でローカストと、人類のCOG(統一連合政府:Coalition of Ordered Governments)軍が戦う中、ベアード率いるキロ部隊は、連絡が途絶えた補給部隊の安否を確かめるべく“博物館”に向かう。そこで彼らが見たのは、何者かに襲われ全滅した補給部隊だった……。

 こうしてベアードは4人の仲間と共に博物館を探索し、襲いかかってくるローカスト軍との戦いを繰り広げていく。演出として面白いのが、探索しながらもナレーションで“証言”がかぶるところ。博物館の状況と、査問会で話している会話が混じり合うことで、リアルタイムで展開している戦いが、まるで“再現映像”の様に感じられる。時間軸が揺らぐような独特な空気を感じさせられる。

 本作はこれまでのシリーズとはいくつか操作性が異なっている。十字キーで武器を選択するのではなく、Yボタンで切り替えるようになっており、持てる武器はメインとサブの2種類。グレネードはLBで投げられるようになった。

 「Gears of War」シリーズは、シリーズを重ねるごとに乗り物に乗ったり、巨大生物が出てきたりイベント的な戦いが多くなっていった印象がある。「ベアードの証言:博物館」は武器を構え、狙い、撃つという初代「Gears of War」が持っていたTPS本来の戦いがたっぷりと楽しめるステージという印象を持った。それでいながら同じような場面が続くような単調さは全くなく、様々な状況が矢継ぎ早に展開していくのが楽しかった。

 ある場所では自動砲台を設置し、襲いかかっていくローカストを迎撃する。またある場所は霧のようなもので視界がふさがれる中で、こちらに向かってくる敵を迎え撃つこととなる。巨大なムカデの「ジャイアントセラピード」の卵が天井や床に産み付けられており、これを探して破壊するという場面もあった。今回の「ベアードの証言:博物館」は1時間ほどでクリアできたが、様々な要素が盛り込まれており、「次はどんな戦いなんだろう」とワクワクさせられた。

 「ベアードの証言:博物館」はいくつものチェックポイントが用意されており、クリアするとスコアの評価が行なわれる。この時スコアが一定以上だと星(スター)を獲得できる。この星により、その後の証言や、もう1つのキャンペーン「顛末」がアンロックされていくという。本作でもこれまで同様、自分が倒れても仲間が助けてくれれば復活できるが、復活は評価のマイナスポイントとなってしまう。この採点システムは、よりよいスコアを目指そうという気持ちが強くしてくれる。

 また、「ジャイアントセラピード」の卵は破壊しておけば、次の場所での敵の数が減るといった、“どう攻略していくか?”という楽しさもある。面白いのが「スマートスポーンシステム」という新要素で、本作では同じポイントからスタートしても攻撃してくるローカストが変化する。やられてしまってチェックポイントから再開したときは、さっきはいなかった爆発する「ティカー」が登場し、攻略法が変わってしまった。多いところでは5パターンもの出現パターンが用意されていて、新鮮な気持ちでプレイできるという。

 そして「機密情報の開示 (Declassify System)」というシステムは、ゲームのストーリーを深めるシステムだ。マップ内に大きな「マーク」がありこれに触れることで様々な“新事実”が明らかになる。これは証言で“思い出した”という形でストーリーに反映される。機密情報のマークを見つけると評価が上がり、コンテンツがアンロックされやすくなる。中には見つけにくい場所に隠されているものもある。マークを見つけることはベアードの査問会の行方を左右するものになるかもしれないのだ。

 今回はさらに「顛末」の最初のエピソードもプレイすることができた。こちらは「審判」から約15年後、「Gears of War 3」をベアードの視点で追っていくこととなる。ベアードはマーカス達と別れ、援軍を見つけるため“見捨てられた街”ハルボ ベイに向かう。しかしまるでベアード達を追ってきたかのようにローカストが現われ、激しい戦闘となってしまう。

 「Gears of War」3部作ではベアードは皮肉っぽい口調のキャラクターとして印象深い。これまでのイメージ通りの「顛末」でのベアードと、約15年前のまじめな「審判」のベアードの対比も楽しい。改めて「Gears of War 3」をもう1度やりたくなってくる。「Gears of War: Judgment」をプレイする前にこの機会に復習しておくのもいいかもしれない。

 「Gears of War: Judgment」は3部作で練り上げた世界観を活用しながら様々なアイディアを詰め込んでいる楽しい作品だと感じた。キャンペーンモードではあの手強かったローカストともう1度、多彩なシチュエーションで戦えるというところが最も大きな魅力だと感じた。

【「Gears of War: Judgment」デモムービー】
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(勝田哲也)