Electronic Entertainment Expo 2010現地レポート

EA、プレスカンファレンスで主力10タイトルを一挙紹介!
大幅パワーアップの続編ラッシュ、新IP「BULLETSTORM」にも注目!


6月15~17日開催(現地時間)

会場:Los Angeles Convention Center



プレスカンファレンスの様子

 E3前日の現地時間6月14日、Electronic Artsはロサンゼルス市内のオルフェウム・シアターでプレスカンファレンスを開催した。今年も各プラットフォーム向けに多くのタイトルを用意するEAだが、今回のプレスカンファレンスではその中から主力級の10タイトルがプレゼンテーションされ、最新タイトルラインナップの全容が浮かび上がってきた。

 特に注目となるのは人気レースゲームシリーズの最新作となる「Need for Speed: Hot Pursuit」、日本未発売ながら世界中で物議を醸したSFホラーアクションの続編「Dead Space 2」など既存IPの続編の数々。さらに新IPとなるFPS「BULLETSTORM」は、これまでにない激しさとクレイジーさを持つゲームに仕上がっており要注目の作品だ。

 各注目タイトルについてはE3期間中を通じてさらに詳しくお伝えしていく。まずはプレスカンファレンスで紹介された10タイトルについての情報をご紹介していこう。

【EAプレスカンファレンス】
EAが今年から来年初頭にかけて発売予定の主力級10タイトルが次々にプレゼンテーションされた。人気シリーズの最新作の紹介では歓声が上がることも。各タイトルのプロデューサーが登場して自らゲームを紹介して見せた




■ 今度は警察側もプレイできる! 「Need for Speed: Hot Persuit」

 人気レースゲームシリーズ「Need for Speed」の最新作は、警察と走り屋のチェイスバトルをテーマとする都市レース物として登場。「Hot Persuit」と題して今回はマルチプレイバトルに注力する作品になったようだ。デモンストレーションでは、2人のプレーヤーが警察車両と走り屋となり、オンラインでバトルを繰り広げる様子が楽しめた。

 警察側はスピードが限られている代わりにブーストで急加速したり、道路上にバリケードを敷くといった応援を要請することで走り屋を追い詰めることができる。一方の走り屋は、警察によるアタックで車両を破壊されてしまわないよう逃げ続ける。

 オンライン要素を強化するということで、本作では「Need for Speed: AUTOLOG」というオンライン機能を装備。走行の記録やキャリアの進捗度、スクリーンショットなどを簡単にオンラインで共有できるようになるという。本作「Neeed for Speed: Hot Pursuit」は2010年11月16日に発売予定。プラットフォームはPS3、Xbox 360、PC、Wii。







■ さらに濃厚な演出、悪魔的なエイリアンとの死闘 「DeadSpace 2」

 ボディパーツの欠損がゲームシステムに組み込まれていることが問題となって日本未発売となったいわくつきのタイトル「DeadSpace」。その続編「DeadSpace 2」がPS3、Xbox 360、PCで来年1月25日に登場する(日本版については情報なし)。

 デモンストレーションでは教会のような環境でエイリアンと戦うシーンを見ることができたが、今回はさらにホラー側に舵を切ったことが伺える。襲い来る敵はエイリアンというよりは、悪魔的な禍々しいモンスターたち。環境を隔てる隔壁が破れて主人公が外の空間に吸い込まれそうになるシーンなどもあったが、その映像から推測するとどうやらどこかの惑星上にゲームの舞台がおかれたようだ。

 今回は人形のクリーチャーもふんだんに登場するようだが、相変わらず部位欠損をゲームシステムの一部とする部分は変わらず、むしろ残酷表現はさらに強化されているようにも見えた。演出が前作以上に迫力のあるものとなっており、ぜひ日本でもお目見えして欲しいタイトルとなっているが、果たして今度は国内発売が成るか、大いに期待して見守りたい。






■ シリーズ最新作はマルチプレイに特化! 「Medal of Honour」

  EAの人気FPSシリーズとして最長の歴史を誇る「Medal of Honour」シリーズ。この名を関する最新作が今回のプレスカンファレンスで登場した。タイトル名はそのまま「Medal of Honour」。ナンバリングやサブタイトルを廃して新たなシリーズの初代作となるべく制作されているようだ。

 プレゼンテーションでは24台のプレイ環境がスルスルと現われ、24人のプレーヤーが対戦する様子を見ることができた。内容的には「Battlefield: Bad Company 2」のようなFPSで、対戦に特化した内容。ロケットや支援砲撃といったど派手なガジェットに多くの力が注がれている点が目新しい。

 本作の制作は「BF」シリーズで有名なEA DICEと、同じくFPSの制作で蓄積のあるEAロサンゼルスが共同で担当。6月24日よりPS3とXbox 360、そしてPC上で早速マルチプレイベータテストを開始するという。製品の発売は9月12日を予定。FPSファン大注目の作品になることは間違いなさそうだ。







■ 大人気「BFBC2」に大型DLCが登場「BattleField Bad Company 2: VIETNAM」

 3月に発売されたばかりのFPS「Battlefield: Bad Company 2」の大型DLCが発表された。今度のテーマはベトナム。1970年代のロックミュージックの調べに乗って、映画「フルメタルジャケット」的な戦いが楽しめる作品になるようだ。

 会場で公開されたのは映像のみで、ゲームプレイの様子までは見ることができなかった。PS3とXbox 360のDLCアイテムとして今年秋に配信予定だという。PCでもリリースされる模様だが、配信形式については今のところ不明。詳細がわかり次第続報をお伝えしたいと思う。







■ ゲーム機でこのクオリティが実現する! 「Crysis 2」

 ヘビー級PCゲームの金字塔「Crysis」の続編、「Crysis 2」。最新世代のゲーム機にも対応した「CryEngine 3」で開発されている本作は、本当の意味で最新ゲームのパワーを見せつける存在になりそうだ。

 プレゼンテーションでは本作の舞台であるニューヨーク市街で展開する戦闘・脱出のシークエンスを見えることができた。現われる敵は前作以上にメカメカしいエイリアンたち。2足歩行の大型エイリアンは壁をぶち破り、主人公の前に立ちはだかる。ナノスーツの基本能力は概ね前作と同じになるようだが、新たにサーモスタット映像で敵の動きを捉える機能が追加されている。

 特に凄いのは各種の破壊表現。銃撃や爆発が発生するたび、屋内の壁などコンクリート製のパーツが欠けてゆき、戦いの場はみるみる破壊し尽くされていく。脱出のシーンでは高層ビルが崩れ落ち、目の前に大量の瓦礫を降らせる場面も見ることができた。このすべてがシームレスに展開していく。最新PCでも相当にヘビーととなりそうな表現が、今回はゲーム機でも見られるのだ。これは大注目の作品となるだろう。

 対応プラットフォームはPS3、Xbox 360、PCを予定。発売日は未定。また、今回はじめて、「Crysis 2」では対応全プラットフォームで立体視3Dがサポートされることが明言された。







■ 新IP「BULLETSTORM」はとんでもないバカゲー!? 多彩なアクションで敵を血祭りに!!

 EAが打ち出す新IPは、血湧き肉踊る激しいアクションをフィーチャーした新手のFPS、その名も「BULLETSTORM」。People Can Flyというスタジオが制作するこのゲームは本当にクレージーなFPSだ。

 作品世界はかなりのアメコミ臭が漂う世紀末ワールド。プロテクターに身を包み、大型の銃で武装したプレーヤーキャラクターは仲間とペアを組んで多くの敵をなぎ倒していく。特筆するべきはそのアクションの豊富さだ。まずはキック。ドアを蹴破ったり、敵を蹴飛ばして壁に激突させる、電源にぶつけて感電死させる、足場から落として落下死させる、といった活用が面白い。

 さらにプレーヤーは左手からサイキック能力を発することができ、これによって敵を宙に浮かせ、動きを止めたり吹き飛ばしたりといったことができる。空中に巻きあげた敵に狙いをつけ、ショットガンやロケットで「破壊」すればハイスコアだ。腕や首がちぎれ飛び、たくさんのボディパーツが散乱すればさらにボーナス! という、とんでもないゲームに仕上がっている。

 「DeadSpace」シリーズと同じ理由で日本国内での発売が危ぶまれそうな本作だが、映像やアクションのクオリティは非常に素晴らしく、ぜひプレイしてみたいと思わせる出来。PS3、Xbox 360、PCで2011年2月の発売が予定されている。ぜひ日本でも発売されてほしいところだ。







■ あのヒョードルをフィーチャーする総合格闘ゲーム「EA Sports MMA」

 EA Sportsブランドでは初めて、総合格闘技をテーマとするゲーム「EA Sports MMA」が登場する。本作はUFCをはじめとする総合格闘技のマッチアップを再現するゲームで、ボクシングゲーム「Fight Night Round 4」に使われたエンジンを採用して大幅に拡張。正確な物理的インタラクションと直感的な操作性を両立するタイトルになっているという。メインフィーチャーする選手としてあのエメリヤエンコ・ヒョードル選手が挙げられている。

 EA Sportsブランド全体の紹介を行なったピーター・ムーア氏は、MMAはワールドワイドなスポーツだとし、本作ではアメリカだけでなくタイやブラジルをはじめとする総合格闘技の盛んな地域での試合やトレーニングジムの様子を忠実に再現したことを紹介。日本の総合シーンも再現されていることを期待したい。

 続いて紹介された、本作の目玉機能である「EA Sports LIVE BROADCAST」にも注目だ。これはプレーヤーが自分自身の分身となる選手を作成し、オンラインの大会に出場して、大勢の観客の前で戦えるというもの。独自のブロードキャストシステムを備え、事前の選考で選ばれた選手が出場できるような本格的なものになるという。勝者にはEAから何らかのアワードが与えられるというから、コントローラーを握る手にも力がこもりそうだ。本作のプラットフォームはPS3とXbox 360、発売は今年中を予定している。







■ シムたちの人間ドラマを大幅にパワーアップしてゲーム機に登場! 「SIMS 3」

 PCで爆発的なヒットとなった「SIMS 3」のコンシューマーゲーム機版が登場する。PC版をそのまま移植したものではまったくなく、新たに「シム」たちのAIを大幅にパワーアップしたことがポイントだ。これまでよりさらに人間臭く、多彩な行動をとる存在に進化。「PLAY WITH LIFE(人生を遊ぶ)」が本作のキャッチコピーだ。

 具体的にどのような行動をシムたちがとるようになったのかについては、その一部が動画で示された。いくつもの新しい職業、新しい欲求、その関係性で発生する様々な現象。異性や恋愛に関するシムたちの行動には下世話なユーモアも多いが、それもまたご愛嬌。火事場で火に巻かれた子供を命がけで救出する消防士、というような英雄的な行為もあり、シムたちの人生に一層の深みがもたらされたようだ。

 産湯の中から墓場まで、文字通り人生をまるごと楽しむことができるという新たな「Sims 3」。対象プラットフォームはPS3、Xbox 360、ニンテンドーDSの3機種で登場予定だ。発売日は現在のところ未定。







■ プレスカンファレンスで紹介されたその他のタイトルや新サービス

【EA GUN CLUB】
EAはFPSファン向けに新しいサービスを開始する。「EA GUN CLUB」と名付けられたこのサービスでは、http://gunclub.ea.com/に登録することでEAのFPS系タイトルで様々な恩恵が受けられるというものだ。そのスタート時に用意される最大の恩恵は「Medal of Honour」ベータテストへの早期アクセス権。FPSファンはぜひチェックしてみよう




【EA Sports MADDEN NFL 11】
アメリカンフットボールを再現する北米での人気シリーズ「MADDEN NFL」の最新作では、「簡単」、「早い」、「深い」の3つをキーワードにゲームシステムを大幅に進化させたという。そこで特に強化されたのは戦術指示の手段。リアルタイムに示される選択肢(コントローラーの各ボタンに対応)を押すことであらゆる局面に展開することが可能になるようだ




【EA Sports Active 2】
EAが北米・欧州で展開しているフィットネスゲーム「EA Sports Active」の続編。今回はPS3、Xbox 360それぞれにモーションコントローラーが登場することもあり、早速対応することが公表され、デモンストレーションが行なわれた。PS3ではウェイトを使った運動、Xbox 360ではサンドバッグを使ったボクシング運動と、機種毎の特性で異なる運動が披露されていたあたりが面白い




【StarWars Old Republic】
本作はBiowareとLucasArtsによるMMORPG。今回のプレゼンテーションでは対戦要素(PvP)を大幅に拡充したことが解説された。上映された動画はトレイラーのみだったためゲーム内容についてはまだ不明な点が多いが、シス帝国と共和国の争いは、プレーヤーたちの手によって導かれるものになるのかもしれない




(2010年 6月 15日)

[Reported by 佐藤カフジ]