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「World of Tanks The Grand Finals 2015」フォトレポート
ポーランドの強烈なe-Sports熱を肌で感じた2日間
(2015/4/27 17:08)
- 4月25日、26日開催
- 会場:Expo XXI(ポーランド・ワルシャワ)
連日熱戦が繰り広げられた「World of Tanks The Grand Finals 2015」。大会の模様やプレスカンファレンスの発表内容についてはすでにお伝えしたとおりだが、最後にまとめとして会場の雰囲気を伝えるべくフォトレポートをお届けしたい。
開催地となったポーランドの首都ワルシャワは、公共交通機関の使いにくさや建物のデザインにおいてまだ旧東欧圏の雰囲気を色濃く残した街だが、「World of Tanks」を始めとしたe-Sportsタイトルは非常に盛んで、街では至る所に大会の広告を見ることができた。
会場となったExpo XXIもあまり交通の便の良くないところにあるが、Wargaming.netでは駅から会場までのシャトルバスをピストン運行し、ゲームファンたちの大きな需要に応えていた。参加者はやはり若い男性が圧倒的多数だったが、週末の開催ということもあってカップルや家族連れなども見られ、ゲームに関心のある層にとってe-Sportsはそれなりにメジャーなエンターテインメントになっていることを伺わせた。
会場の外には、「World of Tanks」恒例となっている実物戦車の展示が行なわれ、今回はポーランド軍事博物館の協力を得て、同館が展示しているM4シャーマン戦車と、T34/85戦車の2台を会場前の広場に展開。ミリタリールックのコスプレをしたスタッフが常駐し、希望すれば戦車の上に登ったり、戦車の内部に入れるなど、一種のアトラクションとして機能していた。
連日会場のキャパシティを遙かに上回る来場者が押し寄せたため、開幕直後から数時間待ちの行列ができていたが、外にもパブリックビューイングが設けられ、列に並びながら会場の熱戦の模様を楽しむことができた。
長い行列をくぐり抜けて建物の中に入ると、そこは客席スタンドの真裏となり、会場の大歓声が嫌でも耳に入ってくる。そのエリアでは協賛各社のブースと、Wargaming.netオリジナルの「World of Tanks」試遊台トレーラーが展開され、試遊台エリアでは即席のユーザー大会が開催されたり、Red Bullのブースではモバイル版「WoT」である「World of Tanks Blitz」が試遊できた。
スタンドの両側面から奥に入ると試合会場となる。特徴的なのは数千人が座れる客席の中に、6カ所もの放送ブースが設けられ、英語、ロシア語をはじめとした様々な言語で実況中継が行なわれているところだ。会場で観戦するユーザーは延べ数万単位に留まると見られるが、これら実況中継も含めると数十万人が観戦している計算となる。
客席の奥には、観客が熱い視線を向ける選手達が戦うステージがある。大型モニターが波を打つように設置され、左右の奥まったスペースに7人の選手達が座るエリアがある。試合は基本的に中央のモニターで観戦する形となるが、選手達が座る付近のモニターにも常に情報が表示され、チーム名、勝敗数などがわかる。ゲームにあまり詳しくなくても試合の状況がわかりやすくなっており、非常に洗練されている。
会場に響き渡る実況音声は英語。どの程度理解しているのかは未知数だが、大人たちは歓声を上げ、子供たちはスティックバルーン(空気バットのような応援グッズ)をバンバン叩いて応援する。
ちなみにポーランドチームは出場を逃している。このため観客は地理的に近いロシアやヨーロッパ勢を応援しているのかと思いきや、意外とそうでもなく、純粋に良いプレイや一大決戦を見ると応援せずにはいられないという感じで、e-Sports観戦が一種の娯楽になっていることが伝わってきた。
とりわけ今大会で大きな歓声が送られていたのは、奇襲や正面衝突のシーンだ。両チームは相手の位置は索敵が成功するまでわからないが、観客は実況用の映像を見ているため、最初から両チームの動きがわかる。どんなに強いチームでも思わぬ奇襲を掛けられることがあるが、腹にズンズン響く激しい射撃戦が展開され、奇襲側、防衛側のいずれかが残っても拍手喝采となる。隠密行動から一気に派手な射撃戦へと展開される、静と動の切り替わり具合が「WoT」観戦の醍醐味だと思った。他の観客の興奮を体全体で楽しめるのもいい。またぜひ機会があれば参加したいところだ。