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ゲーム・オブ・ザ・イヤーは「シャドウ・オブ・モルドール」に!

生涯功労賞の坂口博信氏は“悪のラッパー”姿を披露

3月17日~3月21日 開催(現地時間)

会場:San Francisco Moscone Convention Center

ゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得した「シャドウ・オブ・モルドール」チームはチーム全員をステージに上げ、受賞の喜びを語った
坂口氏は、最新作「TERRA BATTLE(テラバトル)」を開発者達にアピールし、自身が“現役開発者”であることを強調した

 GDCの大きな目玉である「Game Developers Choice Awards」の表彰式が、今年も3月5日(現地時間)に行なわれた。

 今年の「Choice Awards」はこれまで以上にインディーズとメーカータイトルの垣根が低くなっているように感じた。毎年「Game Developers Choice Awards」と共に、「The Independent Games Festival Awards」の表彰式が行なわれているのだが、「80days」、「Monument Valley」、「This War is Mine」など多数のタイトルが両方の賞でノミネートされているのだ。

 中でも、「Monument Valley」は、Innovation Award、Best Handheld/Mobile Game、Best Visual Artと3部門で受賞し大きな存在感を示していた。これらのタイトルはスマートフォンや、PS4、Xbox Oneなどのコンシューマ機でプレイできるタイトルも多く、日本でもプレイできるタイトルが多い。今回の賞の受賞が追い風となって、注目が高まれば、日本語化されるタイトルも多くなるかもしれない。

 最も栄誉ある賞とされるGame of the Yearには、「シャドウ・オブ・モルドール(Middle-earth: Shadow of Mordor)」が選ばれた。映画「ロード・オブ・ザ・リング」の世界観をベースにした本作の最大の特徴は弱肉強食のオークの社会を再現した「ネメシスシステム」にある。このシステムにより、プレーヤーはオークを同士討ちさせたり、自分の配下のオークを出世させるために敵を暗殺し、オークの軍団そのものを手中に収めていく。組織や、集団に干渉する新しいゲーム要素が、開発者の心をつかんだようだ。

 そして、生涯功労賞はRPG「ファイナルファンタジー」シリーズの生みの親である坂口博信氏に贈られた。坂口氏は、「生涯功労賞をもらうというのは、引退したような雰囲気になりますが、僕は全く終わっていません、現役です。去年の10月には『テラバトル』という新しいモバイルゲームも出しました。皆さんもぜひプレイしてください」と語り、坂口氏と共に渡米した夫人やミストウォーカーの社員を会場に紹介した。

 生涯功労賞受賞者は、ゲームを扱ったショートジョーク番組「MEGA64」に出演するのも“お約束”となっているが、坂口氏はゲームクリエイターとして「究極最後のファンタジー作品(ファイナルファンタジー)」を精魂込めて作り上げたのだが、「ファイナルファンタジーの“2”を作ってくれ」、「3を作ってくれ」と言われ、苦悩し、壊れていくジョークを“熱演”した。度重なる要求に、最後はとうとう「悪のラッパー」になってしまうというオチでフィルムは終わるのだが、悪のラッパー姿が気に入った坂口氏は、会場でも番組でつけたサングラスを装着し、ポーズを決めた。

 受賞したタイトルの一覧は以下のとおり。

15th Annual Game Developers Choice Awards

Lifetime Achievement Winner(生涯功労賞受賞者)

坂口博信氏(ミストウォーカー)

Game of the Year(ゲーム・オブ・ザ・イヤー)

Middle-earth: Shadow of Mordor
(Monolith Productions/Warner Bros. Interactive Entertainment)

Innovation Award(発明賞)

Monument Valley (Ustwo)

Best Audio(音響賞)

Alien: Isolation (Creative Assembly/Sega)

Best Debut(デビュー賞)

Stoic Studio (The Banner Saga)

Best Design(デザイン賞)

Hearthstone: Heroes of Warcraft (Blizzard)

Best Handheld/Mobile Game(携帯機・モバイル賞)

Monument Valley (Ustwo)

Best Narrative(ナラティブ賞)

Kentucky Route Zero: Episode 3 (Cardboard Computer)

Best Technology(技術賞)

Destiny (Bungie/Activision)

Best Visual Art(ビジュアルアート賞)

Monument Valley (Ustwo)

Audience Award(観客賞)

Elite: Dangerous (Frontier Developments)

2015 The Independent Games Festival Awards(IGF Awards)

Excellence In Audio

Ephemerid: A Musical Adventure (SuperChop Games)

Excellence In Design

Outer Wilds (Team Outer Wilds)

Excellence in Visual Arts

Metamorphabet (Patrick Smith)

Excellence In Narrative

80 Days (Inkle Studios)

Audience Award

This War of Mine (11 Bit Studios)

Nuovo Award

Tetrageddon Games (Nathalie Lawhead)

Student Showcase

Close Your (GoodbyeWorld Games - University of Southern California)

Seumas McNally Grand Prize

Outer Wilds (Team Outer Wilds)

【反逆の坂口氏】
【受賞風景】
様々な開発者に賞が贈られた

(勝田哲也)