ニュース

光と闇をテーマにしたセンスの良いパズルアクション「ONE UPON LIGHT」

「ライトニングファイター2」、「Millon Onion Hotel」、気になるインディーズをピックアップ

9月18日~21日 開催(一般公開日 20日~21日)

会場:幕張メッセ1~9ホール

入場料:
前売り 1,000円
当日 1,200円
小学生以下無料

 TGS2014では「インディーズゲームコーナー」も大きく盛り上がっていた場所の1つだ。ソニー・コンピュータエンタテインメントがスペシャルスポンサーとなり、出展料金を無料にするという思い切った方針に多く独立系メーカーが出展を希望し、様々な国のメーカーが出展を行なっていた。

 コーナーには開発者自身が自分たちの作品の試遊台を設置し、訪れた来場者にゲームを説明していた。開発者自身の説明を聞きながらゲームをプレイするというのはやはり楽しいし、開発者も自身の開発中のゲームを目の前でプレイしてもらうという機会はそれほど多くない。

 インディーズゲームコーナーは開発者自身がゲームを積極的にプレイしてもらおうという姿勢が強くうかがえ、熱気のある空間となっていた。本稿ではユニークな3本のタイトルをピックアップしたい

「ONE UPON LIGHT」

 「ONE UPON LIGHT」は、シンガポール大学での出展だが、シンガポールのゲームメーカーSUTD Game Lab制作のパズルアドベンチャーである。テーマは「光と闇」プレーヤーキャラクターは長時間光を浴びると倒れてしまう。様々な仕掛けを駆使しながら、光を遮り、ステージをクリアしていく。

 単純に仕掛けとタイミングで進んでいくのではなく、プレーヤーキャラクターは、「時間の流れを遅らせる」、「影を固着する」という特殊能力を持っており、これらを組み合わせて突破していく。オブジェクトを「倉庫番」の様に動かして光を遮ったり、一定の機械のタイミングを計って進んだり、ステージごとにどう突破していくかの試行錯誤が楽しい。

 本作は10月にはPSNで販売を開始するという。モノクロの世界が魅力的な作品であり、日本を含めた各国のメディアからの注目度も高く、発売が楽しみなゲームだ。

【ONE UPON LIGHT】
ステージのギミックを調べ、解法を思いついた時の爽快感が楽しい

「ライトニングファイター2」

 「ライトニングファイター2」は台湾UwanのiOS/Android向けシューティングで、画面中を埋め尽くすような弾を避けながら、こちらも強力な攻撃で敵を殲滅していくという、「雷電」や「怒首領蜂」など、縦スクロールシューティングへのリスペクトが感じられる作品だ。7月より販売されている。

 様々な機体が用意され、爽快感のある弾幕シューティングが楽しめる本作だが、会場ではフィットネス機器の「エアロバイク」と出展を行なっていたのだ。内部を改造し、Bluetoothでタブレットと通信を行ない、エアロバイクのハンドル部分で自機を操作でき、一定のスピード以上でペダルをこぐとシールドが張られて無敵になる。

 もちろん、これは出展用に自作したシステムで販売は考えていないが、このシステムを組み上げテストすることで、開発者は数ヶ月で10キロの減量に成功したという。ゲームショウへの出展が決まった時点で「絶対受けるぞ!」とこのシステムを作ったとのこと。このサービス精神が非常に楽しい。

【ライトニングファイター2】
あえて会場向けの機械をわざわざ作ってしまうのが面白い

「Million Onion Hotel」

 「Million Onion Hotel」は、「自分たちの思い描く世界観を、ゲームという形でユーザーに伝えたい」という強い思いで制作されたアクションパズル。開発は様々なタイトルを手がけた日本のゲームクリエイターが集まったOnion Games。iOS版を2014年内に発売する予定だ。

 プレーヤーはどんどん生えてくる「マジックオニオン」をタップしていく。タップされた場所は色が変わり、色でラインを作っていく。2つ同時にラインを作ると世界が「宇宙」に変わり、一定時間高得点を獲得できるボーナスアイテムがあらわれる。ステージが進むと数回タップしなくては消せない鎧を着たオニオンが出てきたり、突然おっさんの顔が描かれたアスパラガスが生えてきたり、画面はどんどんカオスになる。

 ステージの合間には昔のアーケードゲームのようなデモシーンも挿入されたり、「次に何が出てくるか気になる、この人のセンスを思う存分味わってみたい」という想いこそがゲームを続けていく原動力となる。クリエイターのセンスにフォーカスし、プレーヤーをその虜にするという、実にインディーズらしいゲームだと感じた。

【Million Onion Hotel】
ステージが進むごと、得点が上がるごとに画面はどんどんカオスに。クリエイターのセンスが爆発しているゲームだ

(勝田哲也)