ニュース
【GDC 2014】JRPGの戦闘システムを活用した「チャイルド オブ ライト」
見た目は海外絵本のおとぎ話。しかしバトルは「グランディアII」の発展形!
(2014/3/22 16:17)
GDC 2014のSony Computer Entertainment Americaブースで試遊できた「Galak-Z: The Dimensional」は日本アニメ愛を爆発させたシューティングであったが、同じブース内に、今度はJRPG(日本産RPG)に影響を受けたタイトル「チャイルド オブ ライト」のプレイステーション 4版が出展されていた。今回はこちらの試遊レポートをお送りする。
海外絵本を読み進めるようなおとぎ話の世界
「チャイルド オブ ライト」は、水彩画の絵本のような世界を探索し、ターン制のバトルを行なっていくRPG。若き姫「オーロラ」を操りながら、どこからともなく現われたホタル「イグニキュラス」と共に闇に包まれたレムリア王国を冒険していく。開発はUbisoft Montreal。
本作はオーロラを移動させてダンジョンの探索や物語を進めていくパートと、敵とエンカウントしてバトルするパートの2つを繰り返す。会話シーンでは絵本のような柔らかいタッチで描かれたキャラクターたちとテキストが表示され、その内容を受けて探索がスタートする。
オーロラの移動操作は左スティックで行ない、地面を歩くだけでなく、空を自由に飛び回ることができる。またプレーヤーはオーロラの近くで浮遊するイグニキュラスも右スティックによって操作可能で、オーロラとは別に空を飛びまわれる存在となっている。
イグニキュラスは壁なども関係なく画面上を飛べるほか、右スティックの押し込みやタッチパッドを押すことで明るく光り、ギミックを操作したりステージ上の敵を行動不能状態にできる。ギミックを操作することで先の道が開けることもあるので、パズル的な要素も入っている。なおタッチパッドのスライド操作によっても、イグニキュラスを操作できる。
ここまでの感想としては、少女が小さな相棒とともに試練を乗り越えていく、非常にかわいらしい、かつ誰もがプレイできそうな比較的カジュアルなイメージ。オーロラとイグニキュラスが自由に画面を飛び回る浮遊感がなかなか気持ちいいので、そのかわいらしさで魅せていくタイトルなのかなと思っていた……のだが、これがターン制バトルに突入すると思いの外複雑な戦闘システムを採用していた。
JRPGの魂が息づいた戦闘システムが本作の真骨頂!
戦闘はターン制バトルで、素早いキャラクターから順番に攻撃していくというもの。攻撃の順番は画面上にマーカーで表示されており、時間が経過するに連れ「待機ゾーン」→「行動ゾーン」とマーカーが移動していく。「行動」開始地点にマーカーが到達すると行動を指示でき、右端にマーカーが到達することで実行されるが、行動指示から実行までタイムラグがあり、その長さが行動や攻撃の種類によって異なってくる。
またその間に攻撃を受ければ、実行中の攻撃がキャンセルされて、マーカーが待機ゾーンまで戻されてしまう。これは敵に対しても同じで、バトルは、相手と自分の攻撃の順番や行動時間の長さを先読みしながら、いかに有利に、効率的に攻撃をしていくかが重要となる。
なかなか初見で理解するのが難しいシステムだが、実際にはさらに、ここにイグニキュラスの要素が加わる。イグニキュラスはフィールド上で自由に飛び回れるが、戦闘中も画面上を移動させられる。
イグニキュラスはフィールド上と同様光を放つことが可能で、味方の上で光れば体力を回復させ、敵の上で光れば行動時間(マーカーの移動)を遅らせることができる。光を放つ時間には限りがあるが、イグニキュラスをフルに活躍させれば戦闘をさらに優位に進められる。
JRPGからの影響というのはこの部分で、昨年に日本で開催された発表会では、主に「グランディアII」の戦闘システムから影響を受けていると話があった。見た目の異国感の中に日本ゲームの魂がこういった形で根付いているのはなんとも不思議な感覚だったが、確かに一筋縄ではいかない、よく考えられた戦闘システムだと感じた。
見た目と戦闘システムの落差によって広い範囲での支持を受けられないのではと少し心配になるのだが、日本産ゲームへのリスペクトを込めたタイトルということで、発売まで楽しみに待ちたい。日本では、5月1日にパッケージ版(1,980円)とダウンロード版(1,480円)が発売される。対応プラットフォームはダウンロード版がPS4/PS3/Xbox 360/Wii U/Windows、パッケージ版がPS4/PS3。