ニュース
【夏休み特別企画】ミャンマーゲームマーケットレポート(ヤンゴン編)
電脳街を巡るその1。モバイルショップにミャンマーの意外な豊かさを見た!
(2013/8/21 00:00)
電脳街を巡るその1。モバイルショップにミャンマーの意外な豊かさを見た!
さて、今回ヤンゴンで、もっとも時間を掛けて歩いたのは電脳街だ。経験上、ゲームショップは電脳街にあることが多いからだ。残念ながらゲームショップを見つけることはできなかったが、彼らの意外な側面を見ることができて興味深かったのでレポートしておきたい。
電脳街といっても、ミャンマーには電脳街、ITモールという形ではガイドブック等には載っていないため、現地の方にそれらしい場所を尋ねたところ、ダウンタウンの37thストリートあたりにPCショップが多いという。実際に行ってみると、いわゆる電脳街と呼べるような規模ではなく、強いて言えば他の通りよりモバイルデバイスやPCデバイスを扱った店舗が多いかなというほどだった。
メインストリートであるMaha Bandula Road沿いに多かったのはスマートフォンを扱ったモバイルショップで、商材はスマートフォンと料金をチャージするためのプリペイドカードが中心だった。現地で使用するためにプリペイドのSIMがあればと思い、いくつかの店舗で探してみたが、取り扱っている店舗は1つもなかった。存在するのは間違いないようだが需要が供給に追いつかず、値段が高騰しており、現地在住の人でもなかなか手に入らない状態だという。
端末はSamsungやLGといった韓国系、Huaway、Lenovoといった中国系、Acer、ASUSといった台湾系、そしてソニー、パナソニックといった日系などが進出して、現地のモバイルショップのほか、正規代理店によるいわゆるオフィシャルショップを展開しており、品揃えこそ最新モデルではなかったが、店内の風景は他のアジア地域とほとんど変わらない。大きな違いはiPhoneやiPadなどApple系のデバイスがほとんどなく、スマートフォンはAndroid端末ばかりであったことだ。
もちろん、スマートフォンばかりでなくガラケーを含めた古い端末やタブレットなども扱っていたが、中古やパーツの類いはほとんどなく、メーカーの正規代理店によるピカピカの新製品ばかりという点は、いかにも“外資主導による生まれたての市場”という感じで新鮮だった。当然値段は日本と変わらず、40万チャット(約4万円)から50万チャット(約5万円)で販売されている。店自体はどこもそれほど活況を呈しているというほどではなかったが、ショップ自体の数は多く、電話が生活必需品となっていることを伺わせる。
こちらの初任給は約7万チャット(約7,000円)と言われており、スマートフォンはかなり高嶺の花の存在であるはずだが、ショップの店員やタクシーの運転手、屋台主など、いわゆる中間層と見られる人々はほとんどスマートフォンを所持しており、ASEAN最貧国という印象はまったくない。
現地関係者に聞くと、このからくりは、タイへの出稼ぎからの送金や、税制の不備による税金の未払い分、若い頃から働きに出ているといった新興市場独特の理由によるものだという。ミャンマーのASEAN最貧国という不名誉なレッテルは、GNI(国民総所得)が2,000ドル前後というデータが根拠になっているが、これはかなり古いデータで、実態はそれよりかなり高い印象を受けた。タイ(約8,000ドル)ほどはいかないにしても、ベトナム(約3,000ドル)、ラオス(約2500ドル)、カンボジア(約2,200ドル)に勝るとも劣らない物質的な豊かさを感じた。