ニュース

【特別企画】台湾ゲームマーケットレポート(台中・高雄編)

【番外編】高雄独自の“メダルゲームカジノ”を覗いてみた

【番外編】高雄独自の“メダルゲームカジノ”を覗いてみた

ランドマークは見るものではなく登るもの。ということで「高雄85大樓」の74階にある展望台に登ってみると、眼下には世界有数の規模を誇る高雄港が一望できた
街にはこのような看板が目に付く。ここでは日本製のスロットで遊べるようだ
カジノを出るととっぷりと日が暮れていた

 高雄取材の最後に、高雄名物(?)と言われるカジノを冷やかしてきた。高雄のカジノでは、なんと日本のメダルゲームがそのままカジノに使われているという噂を聞いていたので、確かめてみようと思ったのだ。高雄のカジノエリアは、同地のランドマークとなっている85階建ての高層ビル「高雄85大樓」の周囲にあった。

 そこがカジノであることは、目立つ看板が出ているのですぐにわかる。外から見た感じは郊外型の大型アミューズメント施設かカラオケボックスのような雰囲気で、外からは一切中が覗けないようになっている。中に入ると豪華なラウンジのような空間に、モニター付きのテーブルやスロットマシンがびっしり並んでいる。

 通常のアミューズメント施設では、いったんゲーム専用のコインに両替してからゲームをプレイするが、ここでは店員に現金を渡すと、ゲームのポイントを充当してくれる仕組みになっている。レートはまちまちだったが、等価交換か、ほぼそれに近い形で、ゲームを終えるときは店員にポイントを確認して貰い、監視カメラのない扉の奥にいったん移動してから現金に換えてくれるという店内完結型の三点方式が取り入れられている。

 1店目は、200平米はあろうかという広々とした空間にバカラゲームとスロットマシン、ビデオポーカーなどが置かれ、店員が付きっきりの状態でプレイできた。バカラは、エリアの前方にガラス張りのケースの中にロボットアームが鎮座し、ロボットアームがディーラーとなってカードを引いて遊べるというもので、なかなか凝っている。2店目は小規模店でビデオポーカーとスロットマシンのみ。3店目にようやく噂のメダルゲームカジノを見ることができた。

 3店目は、スモークガラスの扉を開けると、ラスベガスのカジノのように、ビデオポーカーやスロットマシン、パチンコなどオーソドックスなカジノマシンがいくつかの列になって並んでおり、そのシマを抜けて奥に行くと、お目当てのメダルゲーム筐体が置かれていた。さらに奥にはハイリミットレートのエリアもあった。

 張り付くような勢いでやってきた店員から勧められて説明を受けたのは、台中で見てきたばかりの「大小」が遊べるセガのメダルゲーム筐体「THAT'S PARADiCE」。こちらもしっかり中文版だった。この大小というゲームは、3つのダイスを転がして大(11以上)か、小(10以下)かを予想するのを基本に、合計出目やぞろ目などをズバリ予想して、当たれば当選確率に従って払い戻しの倍率が異なるというシンプルなゲーム。このシンプルさが受けてマカオやシンガポールなど、アジア圏のカジノで特に人気の高いゲームだ。

 実際の大小はぞろ目が出た場合、親の総取りになるが、「THAT'S PARADiCE」ではそのルールがなかったり、独自のジャックポットのルールがあるなど、プレーヤーが有利な仕様になっている。ただ、実際に「THAT'S PARADiCE」を他の客がプレイしているのを見ていた限りでは、マシンの設定が低めになっているのか(そもそもそういう仕様が存在するのか不明だが)、そもそものハウスエッジ(控除率)が高いのか、大小の2倍以外のところに賭けてもなかなか当たっていなかった。

 店内には「THAT'S PARADiCE」以外のメダルゲームもいくつかあったが、地元の客はあまり寄りついておらず、スロットやビデオポーカーの方が人気だった。大人気なら大人気で問題だが、不人気でもちょっと寂しい気がするから不思議なものだ。観光がてら覗くのは楽しいと思うが、プレイする際はくれぐれも深入りせぬようご注意を。

【高雄のカジノ】
高雄にあるカジノの風景。娯楽城や歓楽世界などそれらしい名前が付けられているのでわかりやすい

【愛される高雄市長】
今回の台中・高雄ツアーでは台湾独自の日本関係のポスターを多く見ることができたが、高雄では帰りがけにユニークなポスターを見ることができた。ミズノがスポンサーになっている高雄国際マラソンのマスコットとしてなんと高雄市長の陳菊氏が描かれていた(左下)。右下の写真は2010年にSCETとの間で交わされたMOUの調印式に出席した陳菊氏。なんというか、そっくりです

##本文終了

(中村聖司)