「スマートフォンゲームコーナー/ソーシャルゲームコーナー」レポート

「コロプラ」から「ムーミン」まで多様なスマホアプリが登場


9月20日~23日 開催(20日、21日はビジネスデイ)

会場:幕張メッセ

入場料:1,000円(一般/前売り)、1,200円(一般/当日)、小学生以下は入場無料



 東京ゲームショウ2012では、モバイルゲームを集めた「スマートフォンゲームコーナー/ソーシャルゲームコーナー」というコーナーが用意されている。昨年にはフィーチャーフォンのコンテンツはほとんど見かけなくなったが、当時はまだブラウザベースのゲームが多かったのに対し、今年はその中でもネイティブアプリが増えてきた印象がある。

 また来場者を見ていると、以前は携帯コンテンツに見向きもしなかった一般ユーザーがそれなりに足を止めて見るようになり、モバイルコーナーもかなり活気を帯びてきている。それに加えて、今年はビジネス目的のアジア系の外国人の姿を多く見かけた。日本の優良なコンテンツを自国でパブリッシングしようという目的でやってきているアジアのパブリッシャーが増えてきているのではないかと感じられる。

 そういった環境の変化はひとまず置いておくとして、今年も数多くの企業が出展し、新作のモバイルアプリを持ち込んでいた。いかんせん数が多いので全てを網羅するとはいかないが、ゲーム関連のものを中心にできる限りご紹介したい。




■ コロプラ

 株式会社コロプラといえば、社名の由来にもなっている位置情報ゲーム「コロニーな生活」の会社、というイメージを持っている方も多いだろう。しかし最近はスマートフォン向けのゲームアプリも手がけ始めており、既に16タイトルを配信。今後はさらにペースアップして年間数十タイトルを配信するとしており、かなり大規模なモバイルゲームプロバイダーになっている。

 今回はカジュアルゲームブランド「Kuma the Bear」の最新作として、配信直前の「どうぶつアーク!」をプレイできた。道が書かれたパネルを動かし、歩いてくる動物をゴールに導くという、ちょっと昔懐かしい内容のゲーム。パネルに触れて、動かしたい方向にスライドするという直感的な操作で遊べる。

 基本的な内容は、可愛らしい動物の見た目どおりのカジュアルさだ。しかしクリア時に得るポイントで能力をレベルアップしたり、クリア報酬として得られるインテリアをコレクションしたりと、熱中してやりこんでしまいそうな要素も盛り込まれている。





■ SK Planet

 韓国SK Planetは、Androidアプリスタンド「qiip」で2012年末から2013年初旬に配信予定のゲームを出展していた。全部で10タイトルほど置かれていたので、その中からいくつかをご紹介したい。

 「KBO THE REAL 2012」は、韓国のプロ野球をリアルに再現したゲーム。スマートフォン用ながら美しいグラフィックスで、臨場感のある野球ゲームを楽しめる。操作はバーチャルパッドを使ったもので、コンシューマーゲームに近い手触り。12月配信予定。



 「RU Golf」は、1対1の対戦型オンラインゴルフゲーム。3Dグラフィックスを使ったビジュアルが目を引くが、スイングの強さを指でスワイプして決めるというスマートフォンならではのインターフェイスもユニーク。アバターのカスタマイズ性の高さも特徴だという。12月配信予定。



 「Subway Surfers」は、電車を避けながら線路を疾走するアクションゲーム。画面奥へと走っていくキャラクターを操作し、電車を横に避けたり、ジャンプして電車の上に乗って走ったりするアスレチック的なアクションが見所。11月配信予定。





■ ウィアー・エンジニアリング

 ウィアー・エンジニアリング株式会社は、Android用のアプリをいくつか出展。アプリの配信は、HAYABUSAブランドからとなっている。

 出展タイトルの中で、近日配信予定となっているものが「タマゴ DA ピヨ!」。鳥の巣のようなところにタマゴを置いておくと、しばらくした後でヒヨコが生まれる。このヒヨコを回収するとお金が増えるので、それを使ってまた新しいタマゴを置く、という流れのゲーム。お金は設備の強化にも使え、一定まで強化が進むと高価なタマゴを置けるようになり、それまでは生まれなかった種類のレアなヒヨコが誕生するようになる。

 他にもレースゲーム「カーレーシングプラス」などを出展。こちらは既に配信中のものだが、なぜかインドやサウジアラビアなどで人気なのだそうだ。





■ モーク・ワン

 株式会社モーク・ワンは、3Dシューティング「VECTROS」を出展。ベクタースキャンを思わせる、ラインのみで描かれた世界のシューティングゲーム。

 機体の操作にはモーションセンサーを使用しており、端末の傾けた方向に動く。ショットはバーチャルボタンになっており、触れていると自動的に連射になる通常ショットと、弾数が限られたホーミングショットを使いわける。ビジュアル表現としては昔懐かしい感触もありつつ、なかなかスピード感のある3Dシューティングを楽しめる。





■ Moomin Party/Team Action Zone

 フィンランドのTeam Action Zoneは、同国で生まれたキャラクター「ムーミン」を使ったミニゲーム集アプリ「Moomin Party」を出展。ホッピングでピョンピョンと跳ねるムーミンをモーションセンサーで左右に動かし、アイテムを集めたり、ビーチボールを落とさないようにしたりするゲームをプレイできる。

 一見すると単なるミニゲーム集なのだが、本作には「インドアモード」と「アウトドアモード」が存在する。「インドアモード」は上記のとおりだが、「アウトドアモード」にすると、別売りの位置情報チップを使って、体を動かしてムーミンを操作する。プレーヤーが左右に動くと、それに合わせてムーミンも左右に動くという仕組み。なおプレイ時には、20m以上の広い場所で遊んでください、と警告が出る。まさにアウトドアなゲームだ。





■ シンテック

 株式会社シンテックは、Android端末向けのゲームコントローラー「SMACON」を出展。スマートフォンとはBluetoothで接続し、コンシューマーゲームライクなゲームパッドでゲームをプレイできる。

 スマートフォンを洗濯ばさみの要領で「SMACON」にクリップすれば、上部にスクリーン、下部にコントローラーという、まさに携帯ゲーム機の形でゲームプレイが可能。逆にクリップを取り外し、スマートフォンと「SMACON」が離れた状態でも動作する(最大距離は約10m)。スマートフォンの映像をテレビ出力し、それを「SMACON」で操作するといった遊び方も提案されていた

 対応タイトルはゲームロフト製のものなど100本以上あり、今後もゲームメーカーに対応を呼びかけていくとしている。またiOS版の開発も進めており、順調ならば来年初旬には発売できるそうだ。





■ ハッピーミール/ワンナップゲームズ

 ハッピーミール株式会社のブースでは、子供にAndroid用スマートフォンを使わせる時のためのソフト「あんしんキッズロック」を出展。子供に有害なコンテンツを見せないようにするペアレンタルロック機能をイメージするが、こちらはもっと強力に、起動するアプリを限定するなどの機能を有している。

 例えばまだ小さい子供に、とあるアプリを使わせてあげたいと思った時、ホーム画面に戻って別のアプリを起動するなどされると困る。「あんしんキッズロック」は、事前に設定したアプリだけを表示する独自メニューを生成するとともに、ホームボタンを無効状態にし、通常のホーム画面には戻れないようにする。さらに設定した時間が経過すると、それ以上はアプリを動かせないようにするタイマー機能や、アプリからの通信を遮断することでアプリ内課金の利用を抑制する高レベルロックも用意されている。

 Android 4.xにも対応しており、動作の機種依存はほぼないという。ホームボタンの長押しすら受け付けないという高機能なソフトだが、無料で提供されている。代表取締役社長の関純治氏は、まずはこのソフトを広めることに力を入れているという。今後は新機能を追加するとともに子供向けのコンテンツを配信し、「あんしんキッズロック」を一種のプラットフォームとして使うという構想があるそうだ。そもそもの用途が子供向けなので、そこに子供向けのコンテンツを投入するというのは理にかなった戦略だ。





■ クエリーアイ

 クエリーアイ株式会社は、App StoreやGoogle Playのランキングと、ブログやTwitterなどでのクチコミの動向を並行分析できるサービス「QuerySeeker Analyze」を提供している。今回はこの「QuerySeeker」の新機能として、ベンダーランキング機能が追加された。アプリのランキングから点数を付け、企業ごとの得点で再度ランキング化したもの。日単位と月単位での参照が可能で、どの企業がいつごろから伸びてきたのか、といったことが見分けやすくなる。

 またアプリスタンドのランキングデータに、新たにauスマートパスとドコモのdmenuが追加された。これらも従来同様、各種クチコミデータと対応させてランキング変動のきっかけなどを分析できる。料金はプラットフォーム別で月額155,400円(初期費用が別途155,400円)。




ソニーのスマートフォン・タブレット「Xperia」でPlayStation Mobileのタイトルを遊べるコーナー。タッチパネル操作で女の子の足をプッシュする「足ツボマッサージ」ゲームがやたらと人気
先日のステージイベントにも登壇したneurowear。最新の「シッポ」が人気かと思いきや、まだまだ「ネコミミ」が物珍しいようで、多くの人が集まっていた

(2012年 9月 23日)

[Reported by 石田賀津男]