ネクソン、MMORPG「ドラゴニカ」先行体験レポート
ド派手なスキルで大暴れ! アクション性と世界観に注目


12月7日収録




 株式会社ネクソンは、韓国Barunson Interactiveが開発したアクションMMORPG「ドラゴニカ」の日本展開を正式発表し、クローズドβテストを12月23日~12月28日の日程で実施する。テストの規模は3,000人。人数制限なしで誰でもプレイできるオープンβテストは1月上旬に行なう予定だ。正式サービス開始時期は未定としているが、ビジネスモデルは基本プレイ無料のアイテム課金制が予定されている。

 「ドラゴニカ」は、ベルトスクロールタイプのアクションMMORPGで、童話のようなタッチのキャラクターや世界観が魅力だ。キャラクターは頭身の低い子供のような体型だが、空高くジャンプし、派手な攻撃を加える。また、プレーヤーがテクニックを磨くことで技が繋がっていく攻撃の爽快感が大きなセールスポイントだ。今回はβテストに先がけて行なわれた先行体験会の模様を、最新スクリーンショットと共にお伝えしていきたい。


■ 悪のドラゴンを追って冒険の始まり。技を使いこなし、仲間と共に戦おう

キャラクター作成画面。頭身の低いかわいらしいデザインだ
マップ画面。レベル60までを対象としたマップが用意される予定だ
ド派手なスキルがショートカット1つで出せる。プレーヤーが工夫することで技を繋げられる

 「ドラゴニカ」は2007年11月に韓国のゲームショウG-Starで正式発表され、NCSoftがパブリッシャーとして展開しているが、いまだオープンβ中で正式サービスは始まっていない。韓国に先がけて、中国で2009年9月に、台湾・香港・マカオで2009年5月に正式サービスが開始され、ヨーロッパやアメリカでも展開している。特に台湾では好評を博しているという。

 「ドラゴニカ」の世界では、人間とドラゴンはお互いを尊重し平和な世界を築いていた。しかしその平和は人間界の魔女「パリス」によって乱されてしまう。パリスは「ブルードラゴン」をそそのかし、悪しき心を目覚めさせた。ブルードラゴンは「暗黒王エルガ」と自らに新しい名前を付け、悪の軍団を率いて人間界に戦いを挑む。

 うち続く戦乱の中、人間の英雄「ブラッド将軍」もまた“戦争の鬼”と化し、戦いはより激しさを増していった。しかし新たな英雄「ライアン」と「ダスティン」が現われ、人々を率いて悪しき竜エルガと、ブラッド将軍を共に封印することに成功する。こうして世界は再び平和を取り戻したのだ。しかし戦いの終結から50年の月日がたったころ、再び邪悪な影が世界に広がろうとしていた。プレーヤーは英雄の血を引く人物として、大きな運命に巻き込まれていくのだ。

 プレーヤーは「戦士」、「魔法使い」、「盗賊」、「弓使い」から1つを選びキャラクターを作る。オープンβ時のレベルキャップは60で、そのレベルに対応した地域が実装されるという。レベル20になると転職が可能で、戦士の場合「ナイト」か「グラディエーター」になれる。それ以降もレベル50、さらにはレベル80の職業も資料では確認できた。さらに「ヒドゥンクラス」という隠された転職もあるようで、今後の拡張も楽しみである。

 ゲームの操作はキーボードで行ない、カーソルキーで移動、Xで攻撃、Cでジャンプだ。職業によって、Zで溜め攻撃が出せる。同じ方向に2回カーソルキーを押すとダッシュ、その際にジャンプを押せば大きくジャンプできる。連続攻撃することでモーションが変わりより強力な攻撃となる。

 戦士は大きな剣を振り回し、盗賊は両手につけた“かぎ爪”で素早く敵を攻撃する。弓使いは矢を連射し、魔法使いは炎の玉を発射する。キャラクターによって戦い方、得意な距離が変わっていく。全体的に敵の姿は大きく、画面は敵キャラクターで一杯になる。多くの敵を当てやすい位置にまとめ、どんどん倒していく戦いは爽快だ。

 スキルによってキャラクターの戦い方は更に変わる。戦士や盗賊は相手を跳ね上げすぐにジャンプすることで連続攻撃を当てるのが爽快な戦い方だ。地上に倒れた敵は「ダウン攻撃」によってさらなるダメージを与えることができる。スキルは基本的にショートカットキーに割り振ることで使う。一部のスキルはコマンドに対応しており、スキルを取っていれば「↑+Xで打ち上げ」といった技の出し方も可能だ。

 魔法使いの「ポイントバスター」というスキルは前方に爆発を起こさせる技。至近距離では当たらないため、距離の取り方が大事だ。倒れた敵に「メテオフォール」でさらに追加攻撃をする、といったことも可能だ。弓使いは最初は派手な攻撃は少なめなようだ。ダッシュで距離を取り、敵を近付かせない戦い方を心がけたい。

 スキルは爽快で通常攻撃も強力だが、戦いに関してはダメージを受けやすく感じた。派手な攻撃を繰り返して敵をなぎ倒している間にも、ダメージをうけてしまっていてあわてるという場面も多かった。敵との距離をうまく考えつつ戦う冷静さが必要だと感じた。体力やMPはしばらくすると回復する。時には撤退も有効だ。

 また、スキルをうまく使いこなせば、技の繋がりなどかなり有効に戦えるということも強く感じた。空中に相手を放り投げてから、すぐにジャンプして攻撃を当てるのも爽快だし、ダウンした敵にスキル攻撃を当てるのも楽しい。プレーヤーの工夫次第でどんどん攻めていけるのが楽しい。初心者は気を付けながら、アクションゲームが得意な人はバンバン戦えるゲームだと感じた。

 「ドラゴニカ」をプレイしていると、日本人としてはやはりゲームパッドでプレイしたくなる。本作ではクローズドβテストから対応する予定で、ゲームパッドにキーを割り当てることでスムースにプレイできるようになる予定だという。


大きな剣を振り回す戦士。試遊ではレベル20のキャラクターを使うことができ、派手なスキルが楽しめた
こちらは盗賊。左は溜め攻撃だ。かぎ爪での早い攻撃が気持ちよく、空中で敵を切り刻むことも
スキルが強力な魔法使い。その代わり通常攻撃は敵を止める力に弱い。敵との距離が大事になる職業だ
弓の連射力が強力な弓使い。その分序盤は特に地味だ。パーティーではサポートとして活躍してくれそうだ


■ 細かいキャラクターの仕草、作り込まれたフィールドが楽しい。今後もますますシステムが充実

ハイパージャンプ。フィールドをダイナミックに移動する楽しい演出だ
豪華な椅子。アバター要素のひとつのようだ。フィールドで使うことで回復力が向上するという
今後実装予定の結婚システム。かなり派手になりそうで楽しみだ

 「ドラゴニカ」のフィールドは暖かみのあるタッチで細かく描き込まれている。ゲームをスタートするとチュートリアルから始まり、基本的な操作を学ぶことができる。チュートリアルではナビゲーターとして空を飛ぶ不思議な生き物「ポロン」がゲームを案内してくれる。NPCには獣人などもいて世界観の広がりふくらみも期待したい。

 今回体験したのは開発中のため、メッセージが英語になっていて細かいニュアンスの上でわからないところも多かったのだが、NPCの表情など細かいところの演出が楽しい。スタート地点は各職業によって違い、盗賊の街は夜の景色になっている。狩りのフィールドは共通であるが、今後どんなバリエーションが広がっていくか楽しみである。

 スタート地点のフィールドは羊や木の切り株のモンスターなどかわいらしい敵が多く、狼は目が大きくて、アメリカのカートゥーン作品の悪役のようだ。羊は倒されると毛を刈られたような姿になって楽しい。NPCも困っているキャラクタは泣いていたり、倒れていたりと表情豊かだ。NPCは韓国語でセリフをしゃべっていたが、日本語版の音声については検討中だという。

 フィールドでは「ハイパージャンプ」と書かれているポイントがあり、ここに乗ると画面奥または手前にキャラクターが大きくジャンプしてマップが切り替わる。この仕掛けにより幅のあるマップが構成可能となっている。ダンジョンなどではハイパージャンプで攻略ルートが変わったり、隠されたアイテムを発見できそうである。

 また、インスタントダンジョンも本作の大きなセールスポイントだ。インスタントダンジョンには複数の種類があり、ストーリークエストで赴くことになるダンジョン以外にも、フィールド以上にモンスターとたっぷり戦えるレベリングが目的のダンジョンもある。「ドラゴニカ」では最大4人のパーティー編成が可能で、仲間と協力して経験値を稼ぐことができる。ダンジョンの奥にはボスがいて、倒すことでダンジョンクリアとなる仕組みだ。

 今回、初期のダンジョンに入ってみたのだが、ボスの手強さに手を焼かされた。ボス戦は特に慎重な位置取りが必要で、ゲームに慣れてからでないと勝利は難しそうだ。ダンジョンには評価ポイントがあり、クリアタイムや受けたダメージなど少ないほど評価が上がっていく。また、ダンジョンは入る前に難易度設定が可能で、難しいダンジョンを高評価でクリアできればレアアイテムなどもゲットできそうだ。

 今回、「ドラゴニカ」は最初のゲームプレイと4つの職業に的を絞って体験してみたのだが、手軽に楽しめる間口の広さと、うまくなれば攻撃を繋げられる楽しさを体験できた。特に筆者が気に入ったのは世界観だ。フィールドの書き込み、表情豊かなNPCやモンスター、デザイナーのこだわりが随所に感じられる。基本的な要素を揃えながら、丁寧に作り込まれている作品と感じた。

 正式サービス開始時には、有料アイテムとしては経験値習得やステータスアップ、その場復活といった基本的なラインナップと、アバターに注力していくとのことだ。アバターでは大きく気になる要素がある。服や靴、帽子以外に「風呂」や「椅子」といったスクリーンショットを見ることができたのだ。椅子や風呂はフィールドで使うことで回復力を増す。この他、「マイハウス」、「ペット」なども追加する予定だ。

 この他にも、1対1から複数同士のチーム戦も可能なPvP要素やギルド間でのフィールド争奪戦といった対人戦要素も今後の実装予定としてアナウンスされている。友達から恋人、そして結婚へと絆を深めていける結婚システム、師弟システムなど他のゲームにある要素も積極的に実現していくつもりだという。

 最後にユニークな機能を紹介しておくと、「ブックシステム」がおもしろい。1冊の本の形のインターフェイスで、本の中にプレーヤーがこれまで行なってきた冒険、獲得したアイテム、攻略したマップなどが記録されていく。ストーリーはイラストと文章も書かれ絵本のような雰囲気でこれまでの流れを振り返ることができる。「このアイテムまだ取ってない」、「ここのマップが空白のままだ」など、やり込みを誘うシステムである。

 「ドラゴニカ」はシステム、要素はオーソドックスなものが多いが、アクションの感触、世界観に独特の魅力を持つゲームだと感じた。特にアクション部分の感触がユーザーにどう受け入れられるか楽しみな作品だ。今後の展開に期待したい。


最初の街。左から盗賊、魔法使い、戦士。それぞれ細かく作り込まれている
フィールドも細かい。今後どんな場所が現われていくのだろうか
インスタントダンジョン。経験値稼ぎ、アイテム稼ぎの基本となる場所だ
戦闘を中心としたスクリーンショット。戦闘のにぎやかな雰囲気が伝わってくる
アバター要素。様々なデザインの服が追加されていくようだ

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(2009年 12月 9日)

[Reported by 勝田哲也]