マイクロソフト、Xbox 360「Gears of War 2」プレス試遊会を実施
前作を大幅に超えるスケール。フレンドと楽しめるマルチプレイモードにも注目!

【Gears of War 2】

7月30日発売
価格:8,190円(通常版)
   9,240円(Gears of War 2 リミテッド エディション)
   10,290円(Gears of War ツインパック)

CEROレーティング:Z(18歳以上対象)


プロダクトイメージ

 マイクロソフト株式会社は、Xbox 360用アクションアドベンチャー「Gears of War 2」を7月30日に発売する。本作は欧米向けとしては2008年11月に発売され、全世界で900万本以上のセールスを記録した作品だ。ゲームエンジンの中では最新テクノロジーを象徴する「Unreal Engine 3」の開発元であり、本作の制作を担当するEPIC Gamesが贈るTPS超大作となる。

 7月30日に発売される国内版は、マイクロソフトによる丁寧なローカライズが行なわれ完全日本語版として提供されるだけでなく、欧米版では有料で配信されたダウンロードコンテンツ(DLC)の全てをあらかじめ同梱する。さらには注目作品らしく3つのエディションが用意されており、アートブック、ボーナスディスクなど多数の付属品のつく「リミテッド・エディション」(価格は9,240円)、初代作「Gears of War」が同梱される「ツインパック」(価格は10,290円)、そして「通常版」と、前作のファンならずとも楽しめる構成で提供される。

 今回マイクロソフトは、本作の発売に先立ち、プレス向けの先行試遊会を実施した。そこでは、本作の基本的な特徴から、多種多様なマルチプレイモード、日本語版特典として同梱される追加コンテンツなど、様々な側面を確認することができた。前作のファンには、今作のローカライズがどのように仕上がったかも気になるところだろう。そういった面を含め、Xbox 360専用のTPSとして押しも押されぬビッグタイトルである「Gears of War 2」の姿がどのようなものか、本稿でお伝えしたい。



■ 前作を大幅に超えるスケールのストーリーモード。気になるローカライズの出来は?

本作のマーケティングを担当したマイクロソフトの村山功氏。実際のプレイを交えつつ本作の特徴を紹介してくれた
ストーリーモードの画面イメージ

 発売直前の「Gears of War 2」プレス向け試遊会はマイクロソフトのオフィス内にあるプレイルームで行なわれ、本作のローカライズを担当したマイクロソフトの村山功氏から直接、本作の様々な特徴を聞くことができた。今回体験できたのは、本作のメインゲームモードであるストーリーモードの一部と、多数のマルチプレイモードのうち村山氏がオススメしてくれた2モードだ。

 まずストーリーモードのプレイフィールをご紹介しておこう。前作で主人公マーカス・フェニックス達は、人類の仇敵となった「ローカスト」の本拠地を大型爆弾で叩いたものの、その効果は限定的であった。そして6カ月後。ローカストはさらに規模を増して地上に跋扈しつつあり、それに対し、人類はついに総力を挙げての全面対決を決意したのであった。

 その流れを受け、本作のストーリーモードは前作の戦いを継承する形で展開しはじめる。作品を彩る魅力的なキャラクター達はもちろん健在だ。その中で中心となるのはもちろん、主人公マーカス・フェニックスが率いる「デルタ部隊」の面々だ。今回初登場となるキャラクターも多数おり、様々な登場人物達が死線を乗り越え、前作を大幅に超えるスケールの戦いが描かれる。

 だが、前作で主人公との様々なカラミを見せてくれたドミニク・サンチャゴ(ドム)は、今作では生き別れた妻・マリアのことを心配してどこか上の空。ときどきスイッチが入ると感情的に暴走してしまうので、見ていて危なっかしい。新たに配属されてきた新米兵士ベンジャミン・カーマインは、経験不足から幾度も死線を呼び込んでしまう。なにやら不安なにおいがプンプンしてくる戦いの幕開けだ。

 本作にはストーリーを盛り上げてくれる会話やカットシーンが無数に入れられており、すべてが完全日本語版として丁寧にローカライズされている。声の出演としては前作から引き続きマーカス役に廣田行生氏、ドム役に高階俊嗣氏など、分厚く渋い演技を見せてくれる。また新キャラクターのドムの妻・マリア役に「ER 緊急救命室 X~」ニーラ・ラスゴートラ役などで知られる甲斐田裕子氏を配するなど、声優陣は実力派ぞろいだ。

 ローカライズといえば気になるのは、本作の暴力性の高い表現や、残酷な描写がどのように扱われるかという点だろう。これは映像面では多少の手が加えられており、ランサーに付いているチェーンソーで真っぷたつになったキャラクターの断面が、欧米版では内臓が露出したようなテクスチャが使われていたところ、国内版ではグレーに塗り潰されているテクスチャが使用されている。また欧米版では、ヘッドショットが成功すると頭部が弾け飛んだが、国内版では撃ち抜くのみとなっている。

 だが、プレーヤーがゲーム内でできる事に対しては何の手も加えられていない。激しいダメージを受けたボディはバラバラに裂けて複数の肉片となるし、今作から付け加えられた、ダウン中の敵キャラクターを捕まえて盾にしてしまう「ミートシールド」もしっかり使える。「ミートシールド」は表現上の修正以外は行われておらず、またストーリー上の演出は全て欧米版と同じ内容となっている。そのため、本作の醍醐味はいささかも失われていないので、前作からのファンもお腹一杯楽しめることだろう。

 また、マイクロソフトの村山氏が明かしてくれた情報によると、本作には日本語音声だけでなく、英語音声も収録されている。これはゲーム中で切り替えることはできず、Xbox 360ダッシュボード上で本体の言語設定を日本以外に設定することで利用できるそうだ。DVDメディアの容量ギリギリでなんとか収録できたということで、オリジナル海外版の雰囲気を楽しんでみたい方はぜひ試してみて欲しい。

リミテッド・エディション
9,240円
ツインパック
10,290円
通常版
8,190円

前作を大幅に超えるスケールで提供される「Gears of War 2」。日本語版には海外で有料DLCとして提供されたコンテンツも全て収録されているので、価格的にもお得な内容となっている



■ これが最新「Unreal Engine 3」の技術! 「Gears of War 2」で実現した新たなゲーム要素に注目

広大な戦場がスケール感たっぷりに描かれる
ディティールに富んだ、絵画のような風景。現在望みうる最高水準のグラフィックスだ
飛行型ローカストに乗って戦闘?戦いの幅は広い
追加チャプター「ネクサスへの道」のイメージ。マーカスとドムが変装してローカストの本拠地を目指す

 前作「Gears of War」は、Xbox 360最初期のTPS大作のひとつであり、またEpic Gamesが誇るゲームエンジン「Unreal Engine 3」の処女作であったこともあり、ゲーム内容的には「ボリューム不足」が指摘されることもあった。だが本作「Gears of War 2」は、前作の発売から丸々2年の開発期間を経たということで、ストーリー、演出、ゲームプレイ要素といった各側面で大幅なスケールアップを果たしている。

 それを力強く支援しているのが、最新型の「Unreal Engine 3」だ。物理処理、破壊表現に磨きを掛けただけでなく、敵キャラクターを同時に処理・描画できる数を大幅に増やして、戦場のスケール感を向上させた。それが本作に遺憾なく発揮され、様々な面で新たな遊びを提供してくれる。

 それを反映して、本作の展開はゲーム序盤から全速力で進んでいく。人類がローカストに対する総力戦を開始した冒頭、本編最初のステージでは、巨大な戦闘車両に乗って激しい「対空戦」などが展開され、飛行型ローカストを撃ち落とし、別の車両から飛び乗ってくる人型ローカストと激しく応戦。その間も、戦場の風景は次々に流れ、広大な地上の風景が描き出される。

 こういった乗り物要素は本作で力を入れられている点のひとつで、ゲームには数多くの搭乗型兵器が搭乗するという。ゲーム後半では搭乗可能な飛行型ローカストや、大型ローカストに乗って大量の人型ローカストを踏みしだきながら戦うような場面もあるということで、広さ、大きさ、物量といったゲーム世界のスケール感を大いに楽しめそうだ。

 また、本作のストーリーモードをプレイする上では「COOPモード」(協力プレイモード)の存在も欠かせない。これはストーリーモードの各ステージを2人のプレーヤーがマーカスとドムを操作し、協力して進める遊び方で、前作でも人気だったシステムのひとつだ。これが本作ではさらにパワーアップして提供されている。

 例えば、前作でも一部のステージで、「2人で協力しなければ先に進めない」ようなシーンが用意されていた。ひとりが離れにある装置を操作して、それにより、もうひとりが先に進んで道を開くような場面だ。本作ではこの手のシチュエーションが前作とは比べ物にならないほど数多く用意されており、多くの場面で、プレーヤー同士が相談しながら協力プレイの醍醐味を堪能できる。

 筆者がプレイした序盤のシーンでは、プレーヤーが2つのルートを別々に進み、一方のルートを進むプレーヤーが迫撃砲風の新武器を使って、もう一方のルート上にある建物の屋根を破壊する。そうしてできた道を他方のプレーヤーが進んで、その先にあるポイントで合流するという流れだ。これは初プレイでも楽しめるし、複数回のプレイでも、互いに役割を変えつつプレイすることで変化のあるプレイ内容を味わえそうだ。

 複数のルートを選択できるシーンも本作の特徴のひとつだ。ストーリーモードの本編にはその手のシーンが数多く用意されているため、いちどエンディングまでプレイしても、もういちどプレイして、別のルートを試してみたくなる。

 そして追加チャプター「ネクサスへの道」は、欧米版でも未収録のチャプターで7月に配信が予定、日本語版ではゲームディスクに同梱されている。同チャプターは、映像作品でいうならば「ディレクターズカット」にあたるコンテンツにあたり、オマケ的な要素ではあるが、本編でいうところの1チャプター分を収録した大型シナリオとなっている。いったん製作されたものの本編には収録されなかった部分ということで、ファンなら1度はプレイしたい内容だろう。

 このチャプターでは、ローカストが跋扈する構造物の中、マーカスとドムが「変装」して深部を目指すという戦いを見ることができる。本編を最後までプレイしたユーザーには手ごたえのある内容を提供してくれそうだ。


戦いの舞台は広大なフィールドから神秘的な洞窟内まで幅広く用意されている。それに加えてゲームプレイ要素も変化に富んだものが用意されているので、深い楽しみをプレーヤーに与えてくれそうだ



■ 2~5人で濃密なゲームを楽しめるマルチプレイモードが充実。是非フレンドと一緒に遊びたい

試遊ルームには複数台のXbox 360が用意されており、スタッフと一緒にマルチプレイモードを楽しむことができた
「Horde」では、次々に大量のローカストが現われる。全て撃退するたび、より強力な集団になっていく
「Wingman」モードは2人が1体となって他のチームと対決。相棒が倒されたら即座に復活させてあげよう

 昨今のFPS/TPSタイトルにおいては、必須ともいえるマルチプレーヤーモードについてご紹介しよう。本作では他のあらゆるタイトルに増して、多彩なゲームタイプが用意されている。その数はシンプルなデスマッチタイプの「Warzone」をはじめ、「Submission」、「Wingman」、「Horde」、「Execution」、「Guardian」、「Annex」、「King of the Hill」の全8種類だ。また完全日本語版である本作には、海外版では発売後に追加されたゲームタイプも同梱されているので、パッケージを開けた瞬間から全ての遊びを楽しむことができる。

 今回行なわれた試遊会のプレイでは、このうち最新のゲームタイプである「Horde」と、是非フレンドと一緒に楽しみたいゲームタイプである「Wingman」を楽しむことができた。この2つについてプレイ内容を簡単にご紹介しておきたい。

 まず「Horde」は、協力プレイ特化型のマルチプレーヤーモードだ。ルールは単純で、最大5人のプレーヤーとともに、次々に襲い掛かってくるローカストの群れを撃退せよ、というもの。形式上はステージクリア制に近く、ローカストの集団をひとつ撃退するごとに「ウェーブ」のクリアとなって、各プレーヤーのスコアが集計される。

 「ウェーブ」は全50回用意されており、1つのウェーブをクリアするごとに、敵の種類が多彩に、より強力になっていく。10のウェーブをクリアすると敵のバリエーションは元に戻るが、敵の攻撃力、体力などが全体的に強化されるため、だんだん辛い戦いになっていくのだ。プレーヤーチームはマップ上に配置された武器・弾薬のほか、敵から奪った武器やシールド、そして地形の全てを駆使しなければならない。

 5人のプレーヤーがそれなりに協力すれば序盤のウェーブをクリアするのは簡単だ。しかし10、20とウェーブをクリアしていくと、敵がどうしようもなく強く、こちらの武器弾薬は枯渇気味になり、油断すれば一撃でチームメイトが倒されてしまうこともある。このため、プレーヤー間の密接な連携が試され、非常に手ごたえのあるゲームモードとなっているのだ。「Horde」は、海外版でも人気のゲームモードとなっており、是非フレンドを集めて一緒にプレイしてみたい。

 もうひとつ、今回プレイしたゲームタイプ「Wingman」も、フレンドと一緒にプレイしたいゲームルールだ。「Wingman」とは2人ペアのチームのことを指しており、このルールでは各プレーヤーがツーマンセルのチームを組んで、他の複数のチームと戦う。6人でプレイすれば同時3チームの三つ巴戦となるわけだが、このモードでのポイントとなるのは、敵を完全に倒すためには近づいて「処刑」スタイルのフィニッシュを決めなければならないという点だ。

 つまり、銃でダメージを受けてダウンしたキャラクターは、ツーマンセルの相方が近づき、Xボタンを押すことで復活でき、すぐに戦力として現場に戻る。したがって敵を負かすためには好機を逃さず近づいて完全に倒してしまうか、ツーマンセルの両方のプレーヤーを同時にダウンさせる必要があるのだ。

 その一方で、相方を倒されたプレーヤーはダウン時に助け起こしてくれる者がいないので、他チームが2人とも健在ならもはや負けたも同然。いかに、ひとりのプレーヤーを確実にしとめるか。単純だが奥の深い駆け引きを楽しめる。そしてこの2人セットでチームを組むゲーム性は、フレンドを誘って一緒にプレイするのに最適だ。本作はそういった点でゲーマーの心をうまく惹きつけてくれる。

 本作「Gears of War 2」は来る7月30日に発売される。Xbox 360でTPSを楽しむゲームファンなら絶対に見逃せないタイトルなので、是非発売を楽しみにして欲しい。






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(2009年 7月 22日)

[Reported by 佐藤カフジ]