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虚淵玄氏が原案/脚本担当の新作タイトル「Rusty Rabbit」詳報【#TGS2023】

趣味の自作ゲームからプロジェクトが始動

【Rusty Rabbit】

2024年 発売予定

価格:未定

 NetEase Gamesは、ニトロプラスとの共同制作によるプレイステーション5/PC用2.5Dベルトスクロールアクション「Rusty Rabbit」を2024年に発売する。価格は未定。

 本作の原案/脚本を務めるのは、「魔法少女まどか☆マギカ」や「PSYCHO-PASS サイコパス」など、数々のゲーム作品やアニメーション作品の脚本を手掛けてきた虚淵玄氏。虚淵氏が描く愛嬌と狂気が混在する独特な世界観の中で、一癖あるウサギの主人公「スタンプ」が愛機「ポンコツ」に乗り込み、巨大遺跡を舞台に大暴れ。人類が去ったポストアポカリプスの世界に、愛嬌たっぷりのウサギたちが混在する唯一無二の虚淵ワールドを楽しむことができる。

 9月21日、イベント「東京ゲームショウ2023」にて初お披露目となった本作。発表後にはプレス向けのセッションにてゲームの紹介が行なわれた。また、虚淵氏から開発秘話などを聞くことができたので、その内容をお届けする。

【Rusty Rabbit(ラスティ・ラビット) | CG Concept Trailer】
【STORY】

人類がこの星を去って数千年、次代の頂点に立ったのは“ウサギ”だったーーー
キュートなルックに中年の心を持つウサギ「スタンプ」が愛機「ポンコツ」に乗り込み、氷河の世界に今なお残る巨大遺跡を舞台に大暴れ!巨大遺跡、そして消えた娘の足跡…この謎多き世界を突き進む!

コンセプトはキュートなキャラクターとハードな世界観の融和

 本作はポストアポカリプスの世界観となっているが、その中に生きるウサギたちは絶望することなく常に前向きに生きているという設定となっており、荒廃した世界をありのままに受け入れ楽観的に日々を過ごす姿が描かれている。

 主人公の「スタンプ」は人類が捨て去った星で遺跡内でのガラクタ集めと機械いじりの日々に没頭しており、公開されたコンセプトアートでは仲間と思われるウサギと楽しそうに暮らす様子も確認できる。

コンセプトアートでは「スタンプ」以外のウサギも確認できる

 ウサギのスタンプというキャラクターは、虚淵氏がX(旧Twitter)で見かけたとある造形師の投稿がきっかけで誕生したという。その投稿にはシルバニアファミリーの人形がジャンクパーツを組み合わせたロボットに乗っている画像がアップされており、それを気に入った虚淵氏はしばらく携帯電話の待ち受けにしていたとのこと。いつかキャラクター化したいと思っていたところ、本作でそれが実現したというわけだ。

 インスピレーションを受けたその画像を見せていただいたのだが、咥えタバコをした人形がちょい悪感を出しており、キービジュアルでスタンプが人参をタバコのように咥えているところなど、比べてみると確かに特徴や雰囲気が通じるところがある。

 その後、虚淵氏は趣味でUnityを使用した自作ゲームをコツコツと作り始め、形になったゲームがNetEase Gamesの目に止まり、本作の開発プロジェクトがスタートしたのだという。虚淵氏は「多少遊べるくらいまで作って、誰かに見せたらちゃんとしたの作ってくれないかなぁくらいの期待感はあったが、そこにまんまとNetEaseさんが乗ってくださった」と笑いながらエピソードを語ってくれた。

「スタンプ」の誕生秘話を語っていただいた虚淵玄氏
虚淵氏が自作したゲームの初期作品。虚淵氏はこれが初めてのゲーム開発だったのこと。2020年頃から趣味程度にコツコツ作り続けていたという

ブロックを破壊しまくって突き進む爽快ベルトスクロールアクション

 今回のセッションでは実際にゲーム画面で遺跡(ダンジョン)を進んでいく様子を確認することができた。遺跡内には所狭しとブロックが敷き詰められており、スタンプは愛機「ポンコツ」の武器でブロックを壊して進んでいく。ブロックはいくつか種類があるようで、状況に応じて武器を切り替えながら進んでいくことになるという。例えば溶岩のようなブロックの場合は、熱に強い武器に切り替えて攻略していくこととなる。

 破壊したブロックからは資材などを獲得することができ、拠点に持ち帰ることでスタンプの成長やポンコツの強化を行なえる。遺跡の中には敵も出現するため、より深く進んでいくには成長・強化が必要不可欠となる。また、ポンコツをどんどんカスタマイズしていくことで、一度により多くのブロックを壊せるようになったり、壁登りやワイヤーアクション、ジェットで飛び回ったりと探索をスムーズに行えるようになっていく。

 ゲームの主なサイクルとしては、遺跡に潜って資材を集め、拠点に戻って成長・強化を行ない、遺跡の奥深くへさらに進んでいく、といったものになるようだ。また、ストーリーで進んでいく遺跡のほかに、入るごとに地形がランダムで生成されるダンジョンも用意されているとのこと。自由に探索し、成長・強化をたっぷりと楽しめるようで、本作のやりこみ要素となりそうだ。

 他のモードについてはDLCなどでもしかしたら追加もあるかもしれないとのことだが、現時点ではまだ詳細は確認できなかった。まだまだ誠意開発中ということで、今後の続報に注目していきたい。

遺跡のブロックを壊してどんどん進んでいく。道中には行く手を阻む敵も登場
本作は上下左右に進めるベルトスクロールアクション。壁登りなどのアクションを駆使して高い所へ登ったりすることもできる

 今回のセッションではゲームのほんの一部しか確認できなかったが、虚淵氏のゲーム開発とキャラクターへの熱い想いなどをたっぷり伺うことができた。これから2024年の発売に向け、さらなる情報が公開されるのを心待ちにしたい。

諸事情により顔・名前出しはまだNGだというプロデューサーと虚淵氏の2ショットを最後にパシャリ