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吉Pが「FFXIV」の10年を総括。天野喜孝氏に依頼したロゴの制作秘話、「FF16」コラボ情報も

スーパープログラマがあと2人くらいいれば「FF14」内で初期「FF」が遊べるようになるかも?

【ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス】

7月28日、29日(現地時間)

ラスベガス・コンベンション・センター

 「ファイナルファンタジーXIV」の「ファンフェスティバル 2023 in ラスベガス」初日の終了後に、プロデューサー兼ディレクターの吉田直樹より、「FFXIV」10周年について、海外メディアに向けてのカンファレンズが行なわれた。事前に集めた質問に吉田氏が答える形で、発表されたばかりの「黄金のレガシー」のロゴについてや、全世界のデータセンターをまたぐコンテンツファインダーについて、またフィードバックの取捨選択基準など、普段のインタビューではあまり聞く機会のない情報も聞くことができた。

――「黄金のレガシー」のロゴテーマカラーはゴールドとのことだが、天野喜孝先生に具体的にどういったイメージを伝えたのですか?

吉田氏: 今回天野先生に発注した時は、テーマはストレートに「冒険」です。宇宙の果てまでいって世界を救ったからこそ、新たな冒険をスタートしますということを最初にお伝えしています。そのうえで、光の戦士たちは、エオルゼア側で新大陸を呼ばれている大陸に船で向かいます。その船の上で、行ったことのない土地がまさに目に飛び込んできた。そのトライヨラという街の一番大きな象徴である王宮が頂上に見えている状態で、そのワクワク感、あの先に何が待っているんだろうという期待感をぜひ絵にしてくださいというお話をしています。

 それと、テーマカラーのゴールドをどう伝えたんですかという質問ですが、天野先生にファイナルファンタジーのロゴをお願いするときには、実は白黒で書いていただいています。なぜかというと、天野先生に彩色までお願いしてしまうと、データとして取り込んだ時に、色の再現とロゴの合わせが難しくなるので、毎回白黒でお願いしたうえで、開発チーム側でそこにグラデーションを載せています。もちろん今回のイメージカラーがゴールドになるということはお伝えして書いてもらっています。

 実は、自分でもひどいなと思う注文を、今回ひとつ天野先生にしています。ロゴは白黒だといっているのに、最後に虹を描いてくださいと。天野先生がどういうタッチで虹を描かれるのかが、僕らのインスピレーションとしても大切だったので、そこをしっかりいただいて、チームと天野先生で打ち合わせをしてロゴを完成させたので、とても気に入っています。これはおそらくまたゲーム内に「7.0」が実装されたときに、光の戦士がカットシーンの中で船に乗って、トラルに到着した瞬間に、きっとロゴとのクロスオーバーを感じていただけるのではないかと思っています。

――「暁月のフィナーレ」では「旧FFXIV」を含む「FFXIV」の最初から繋がっていた物語が完結し、「黄金のレガシー」では全く新しい物語が始まります。この物語がどれだけ広大なものになるのか、すでにアイデアはお持ちですか? そして、これ以降の拡張パッケージでもこの舞台で物語が展開していくのでしょうか?

吉田氏: 最初から繋げようと思っていたわけではないんです。もちろん伏線は「新生エオルゼア」から置いていってはいますが、どう回収するかについては、いつかやるということだけ決めて伏線を撒いておいて、拡張のたびにそれを少しずつ繋いでいくということをやってきました。おそらく「7.0」から始まる新しい部分でも同じことをやると思います。

 ハイデリン・ゾディアーク編と同じような長さになるかどうかは、皆さんが気に入ってくれるかどうか次第です。あと2つの拡張パッケージ分くらいのアイデアはあるので。もちろん、中身は話せないんですが。僕50歳だから、来年51歳、そこから2拡張だと57歳から58歳だから、60歳までに3本くらいいけるかな(笑)。

――黄金のレガシーで描かれる地域を作るにあたり、現実世界でモチーフにした具体的な文化はありますか?

吉田氏: あります。皆さんに驚いてほしいので、モチーフはありますということだけ今日は答えさせてください、この後の情報公開でそこは分かっていくと思います。

――「黄金のレガシー」では、一度離れて戻ってきたプレイヤー、もしくは全く新規のプレイヤーが新たなエリアに突入できるようにする工夫はあるのでしょうか?また、これまでのロア・世界設定に圧倒されずに、かつ「黄金のレガシー」に必要な知識を得るにはどうすればよいのでしょうか?

吉田氏: 一応、パッチ6.1から、各キャラクターやロアの設定なんかをゲームの中で読める仕組みを作っていて、6.0までをすべてスキップして6.1からスタートできるようにする準備は、一応やれるようにはしています。

 この質問は、実は拡張パッケージを発表するたびに必ず受ける質問だったりします。皆さんご存じの通り、「FFXIV」って拡張で前のコンテンツがめちゃくちゃ古くなるわけではなく、メンテナンスもするしレベルも上がりやすくします。ストーリードリブンなので、じゃあ「7.0から遊べるからそこからどうぞ」と言われて、みんなそこから入るんでしょうか。

 例えば今だと、コンテンツサポーターがあって、メインシナリオに必要なダンジョンは、次のパッチ6.5ですべてNPCと攻略できるようになるので、よりソロの要素が強くなりますし、正直、僕はTVドラマでいうと、シーズン6から見てよというよりは、やはりシーズン1から見てよ。でもどんどん遊びやすくなっているから、すぐに追いつけるから遊んでよと言ったほうが自然なんじゃないかという思いはあります。ですので、準備はしていますが、それを実際7.0で施策としてやるかどうかはまだ迷っています。

――ファンフェスで、開発スタッフをまるでロックスターのように出すというイベントはとても独特です。吉田さんを始めとする、開発スタッフからの視点から、このようにファンに頻繁に呼び止められ、写真などをお願いされるのはどのようなお気持ちですか?

吉田氏: 僕ら別にロックスターになりたいわけでもないですし、ゲームを作るのが仕事なので、本当はこんなに開発者が前に出る必要はないのかなと思っています。普通なら。僕だってライブストリームに出るたびに、太ったとか、年取ったとか、疲れてるとかものすごく言われるんですよ。そんなことメディアの皆さんだって言われたくないでしょ?

 ただ僕は、MMORPGというジャンルのゲームにおいて、プレイヤーの皆さん、もちろんメディアの皆さんとも、どれだけ相互理解が得られるかってとても大切だと思っています。特に、ものすごく膨大なコンテンツ量、システム量になった時に、今プレイヤーの皆さんが何を望んでいるのか、また開発チームが何をしようとしているのか、メディアのみなさんがどういう点に興味があるのか、僕たちが何を考えているのかというところが、ある程度共有できていた方が1つの巨大なサービスとしてのMMORPGを、より面白く楽しいものにしていけると、少なくとも僕は思っているので、そのためにやっているのが大きいと思います。

 写真をお願いされるのはどんな気持ちですかということについては、とてもありがたいなと思います。ただひとつだけ、僕は時間さえあればどなたとでも、僕みたいなおじさんでいいなら撮ってもらうのは構わないんです。最初の北米、このラスベガスに初めてファンフェスで来た時には、カジノのど真ん中でお姫様だっこされましたし、その写真は探せばネットででてきます。日本だとバックドロップしている瞬間を写真にとらせてくださいと言われたし、楽しかったらなんでもいいんですが、一つだけお願いがあって。

 5人くらいの、フリーカンパニーのメンバーだという人と写真を撮ったんですよ。それがSNSにアップされていたんですね。僕の顔だけそのままで、後全員ハートとかで隠れてて。これアップする意味あるの? と。せめて一緒に写真を撮って、SNSにアップしてもらうのは全然構わないので、せっかく一緒に写真を撮ったんですから、皆さんも顔を出して楽しそうにしている写真にして欲しいなというお願いがあるくらいです。

――「FFXIV」に携わってきた中で、最も素晴らしい(印象に残る)体験は何ですか? プロデューサー兼ディレクターとして、プレイヤーとして、またはコミュニティーと触れる中で体験した様々な節目など、思いつくことを教えて下さい。

吉田氏: これは何度かお答えしているんですが、初めてこのラスベガスでファンフェスを開催した時には、「旧FFXIV」の非常によろしくない状態をみんなで「新生エオルゼア」で立て直してきて、初めてファンフェスが開催できるという時でした。

 あの時には、前日に事前登録用のマシンが故障して、待機列がめちゃくちゃ長くなっていたんです。当時のPRディレクターが「みんな怒ってるから、吉Pが出て、ごめんなさいごめんなさいと謝ってくれたら、みんな少しはトーンダウンすると思うから、外に出て謝ってくれ」と言われたんです。謝ろうと外に出て、ほんとにみんなごめんねと言ったら、ものすごい大歓声をもらって、たくさんの人から「FFXIVを立て直してくれてありがとう」と言われたんですね。中には10代の中盤くらいの子から「You are my Hero」と言われたんです。こんなセリフを日本人の僕が言ってもらえるなんて想像もしていなかったので。頑張ってきて本当によかったなと感じさせてもらったので、あれは一生忘れられない思い出かなと思います。

 ただコロナ禍で世界的なパンデミックがあって、メディアのみなさんともZOOMごしでしか会えないことが続いていましたが、今日このファンフェスのトレーラーを流した後にもらった大歓声は、本当にそれと同じくらい忘れられないものになったので、今日も同じくらい最高な一日になりました。

――「FFXIV」が10年経った今、ファンからのフィードバックや要望と、吉田さんご自身が目指している「FFXIV」の「あるべき姿」とのバランスはどのようにして取っているのでしょうか?

吉田氏: どうバランスを取っているのか、方法を説明するのは難しいです。自分自身もゲーマーであり、「FFXIV」プレイヤーのひとりなので、実際に自分でプレイしていて、プレイヤーの皆さんからのフィードバックの中にも、言っていることがとても理解できるというものもたくさんあります。

 ただその中でも、プレイヤーの目線、ゲーマーの目線っていうのは、今が良ければいい、今このめんどくさいことを簡単にしたい。やっぱり今を見がちです。ただ今だけを見て、なんでもイージーにしたりチャレンジを減らしてしまうと、今はいいけれど、ゲーム自体のバランスがどんどん壊れていってしまうんです。皆さんにカジュアルにもヘビーにも遊んで行ってもらうには、すべてのフィードバックを聞いているとゲームが壊れてしまうので、例えばユーザーインターフェースのこの部分は2パッチかけても直したほうがいいというものと、これは聞き入れられないというわけではないけれど今やるべきことではないということを判断して、ゲームを組み立てるのが僕のディレクターとしての仕事なので、もう感覚と言うしかないです。でも、そういう考えで僕は自分の中で組み立てています。

――「FF14」と「FF16」のクロスオーバーは予定されていますか?

吉田氏: 「FF16」のプロデューサーも僕と同じ吉田さんという方なんですが、ようやく向こうの吉Pとも打ち合わせができました。おおむね答えは出たんですが、ちょっとこの場では言えないので、年内中には何かお知らせできたらいいなと思っています。

――「FFXIV」が拡大し続ける中、ストーリーなどに追いつくための時間を考慮し、新規プレイヤーが入りやすくするための工夫をどういった形で行なっていますか?

吉田氏: アイテムレベルの効き方だったり、過去のコンテンツを攻略するためのギアのバランス調整は、毎回拡張のたびにかなり細かくやっているのと、一番大きいのは今回コンテンツサポーターをかなり徹底して対応したので、そこになってくるかなと思います。

――2020年8月11日にリリースされたパッチ5.3では、「新生エオルゼア」のメインシナリオクエストとコンテンツの多くが改修されました。そのコンテンツを再び開発のタスクとして取り組み、どのコンテンツを残し、どのコンテンツを削除し、またどのコンテンツを修正するかを決定するプロセスについて、差し支えない範囲でお聞かせください。2023年の今、振り返ってみて、「あのコンテンツを残しておけばよかった」と思うものはありますか?

吉田氏: まず、残しておけばよかったと思っているものはないです。主なショートカットはクエストを削っていくという作業がほとんどです。1つめは、プレイヤーのみなさんが離脱しやすいクエストがあるので、それをデータ的に追いかける。2つめは、実際に自分たちでプレイしていて、ゲーム体験としてやりすぎた、余計だったなと思うもの。

 もう1つやったのが、すべてのNPCのデータを洗いな直して、どのNPCがどのクエストでどのロアを話しているかを調べて、こいつはいなくても大丈夫という奴から消していくということをやりました。これが一番大変でした

――「暁月のフィナーレ」は、「自身の存在意義」や「(大切な人や物)を失うこと」など、多くのライター、そしてプレイヤーでも取り扱うことがとても難しい、感情的なトピックを取り上げました。一体どういったところから着想を得たのでしょうか? そして、これらのテーマを盛り込むにあたって苦労した部分はありますか?

吉田氏: うーーーーん(長考)。実は「暁月のフィナーレ」だけではないつもりで、僕も含めて「FFXIV」チームは作っているつもりです。いろんな拡張でいろんなストーリーを描いてきました。「蒼天のイシュガルド」ではアルフィノとイゼルとエスティニアンと光の戦士の4人旅の中で、異なる主義主張がぶつかって、信じていたものが、実は作られた歴史だったということを知ったりした時、人の価値観が崩れたとしても、それだけ思想も理想も違う人間が手を取り合えるということをやってきたつもりです。

 「紅蓮のリベレーター」ではガレマール帝国に支配されていたアラミゴを開放する戦いをやっていただきましたが、実際開放しただけですべてが上手く収まるわけではなくて、支配されていた側の苦悩や悩み、支配していた人たちに従うことで生きていた人たちと、そうではなかった人たちの軋轢も描きました。「漆黒のヴィランズ」では、世界を元に戻したいと願う古代人たちと、古代人たちに比べたら弱いかもしれないが、今を生きる我々の意地のぶつかり合いみたいなものを描いてきました。

 「暁月のフィナーレ」はその1回目の終着点にある物語になるので、これらを全部繋いで歩んできていただいたからこそ、難しいテーマだったけれど、ちゃんと納得できるところに着地できたのではないかと思っています。単純に「暁月」のボリュームだけであのテーマをゼロから描こうと思ったら、無理だったんじゃないかと思います。ただ、難しいテーマであることは間違いないので、メインライティングを担当した石川夏子は大変だったと思います。めちゃくちゃ大変だったということは彼女の名誉のために言っておきます。機会があったらぜひ彼女にインタビューしてください。

――地域をまたいだデータセンタートラベル、あるいは地域を超えたコンテンツファインダーの申請システムの実装を検討していただくことは可能でしょうか?

吉田氏: 実は全リージョン、例えば北米と欧州と日本Jとオセアニアとありますが、これらを飛び越えてデータセンタートラベルする仕組みは、実はもう一応完成しています。

 ただ、地域ごとにあるカルチャーを本当に混ぜて大丈夫かということがまだ検証不足かなと。これはコミュニティがごちゃごちゃに混ざるということなので、これに関してはもう少しデータセンタートラベルなんかの状況を見てからゆっくり判断したうえで、公開するかどうかを決めようと思っています。

 すべての地域を超えたマッチングシステム、コンテンツファインダーの登録システムについても実装の検討しています。ただ、うちのチームのスーパーサーバーエンジニアと僕がこうやったらできるんじゃないか、ああやったらできるんじゃないかとずっとやっているんですが、という打ち合わせを、何回もやっているんです。つい最近もやってますし。今のところ、まだ各ミーティングのラストに2人とも出るセリフをこれからやります。

「ううーーーーーーーーん、次のミーティングでまた話そう」

 それくらいテクニカルな意味でも、インフラという意味でも非常に難しいのです。でもチャレンジを諦めないのが「FFXIV」チームのいいところだと思っているので、これも諦めずに何とかできる方法をひきつづき考えていきたい、ということをお伝えしておきます。

――ヴァリアントダンジョンおよびアナザーダンジョンに続き、今後も新たな4人用エンドコンテンツの開発計画はありますでしょうか?これまでのところ、どういったフィードバックがありましたでしょうか?また、こういったコンテンツの実装を受け、今後は72人用の新しいコンテンツはないと考えてもよろしいでしょうか?

吉田氏: 今のところ、ヴァリアントダンジョン、アナザーダンジョンのシステムがとても完成度高く運用できているので、まずはこのシステムで4人用のエンドコンテンツを作っていきます。もちろんフィードバックをいただいたものをどんどん反映して、カジュアルに、かつエキサイト面も得られるようなコンテンツにさらにパワーアップさせていきたいと思っていますので、しばらく4人用コンテンツはこのヴァリアントダンジョンを続けていくつもりです。

 ただ、これまでにない、まったく新しいバトルコンテンツも当然今企画を出し合っている最中です。「南方ボズヤ戦線」や「禁断の地エウレカ」のような、非常に大規模なゾーン全体を使った遊びも、次のシリーズをどうしようかと話し合いをしているところです。やめるつもりはないので、また新しいシリーズを作っていくつもりです。ヴァリアントダンジョンはぜひ明日のPLLもお楽しみに!

――理想を言えば、「ファイナルファンタジーI」を購入し、ハウジングのアーケード筐体の調度品として配置できるようになりたいと思います。「FFXIV」で最初の数本の「ファイナルファンタジー」ゲームをプレイできるのは、モグステーション限定だとしても素晴らしいことだと思います。こういった展開は期待してもよろしいでしょうか?

吉田氏: これも約1年半前からチャレンジしています。「ファイナルファンタジー ピクセルリマスター(以下ピクセルリマスター)」が出ましたので、あれが全部ゴールドソーサーやハウジングで遊べれば嬉しいなということでテストはしてました。してますなのか。

 ただ、「ピクセルリマスター」はミドルウェアで動いているんですよ。「FFXIV」でそのミドルウェアを動かそうと思ったら、ミドルウェアを動かすシステムを「FFXIV」で作って、そのうえで「ピクセルリマスター」を動かすという、ゲームを動かすためにシステムを積んで、その上で別のゲームを動かすという状況になってしまうんです。

 いくら「FFXIV」チームがクレイジーだとしても、いくら何でもクレイジー過ぎないかと。天才とまではいわないです。スーパーくらいのプログラマーがあと2人くらいいてくれれば、何となく道は見えるのかなと思っています。なので、「俺はスーパープログラマーだ、俺がFFXIVの中でピクセルリマスターを動かしてやる!」という人がこの記事を読んだら、ぜひスクウェア・エニックスに応募していただければ大変助かります。

 半分冗談、半分本気ですが、せっかく「ファイナルファンタジー」シリーズのテーマパークとしてやってきているので、チャレンジとしてはこれも続けていこうと思います。

 最後にひとつ大事なことを忘れてた。質問には「モグステーション限定だとしても」と書いてあるので、もしモグステーションで売ったとしても、あとで「嘘つき、有料じゃないか!」と言われないために、ぜひここは書いておいてくださいね!(笑) 「FF1」、「FF2」、「FF3」くらいまでは無料でもいいかもしれないですが、「FF4」、「FF5」、「FF6」あたりになるとボリュームもあるのでビジネスも考えていかなくてはいけないですから。でもいずれにしても、楽しんでいきたいと思います。

――「FFXIV」をアニメやテレビシリーズなど、他の媒体に展開することは考えていますか? 個人的にこういった展開を実現したいですか?

吉田氏: 自分で製作総指揮を執れるなら、TVシリーズをやってみたいなと思うことはあります。ただ、さきほども言ったようにプロデューサーであり、ディレクターであり、第3開発部の事業部長であり、執行役員であり取締役なので、当面TVシリーズのプロデュサーはできないと思うので、僕がやるのは無理だと思っています。

 「FFXIV」は結構ウエルカムで、本当に情熱をもってスピンオフだったり、光の戦士の戦いをアニメにしたい、映画にしたい、TVシリーズにしたいと言われた時に、「ノー」と言ったことは一度もないです。実際にたくさんのお声がけを、いろんな所からいただいてはいます。ただパンデミックで予定が狂ってしまったり、キャンセルになってしまったりというのは、我々のところだけではなくあったと思うので、今のところお話できることはないというのが正直なところです。

 ただ、いずれにせよ「FFXIV」チームがやりますといった場合には、絶対にプレイヤーの皆さんが持っているイメージを壊さないようこだわると思いますので、その時が来た時にはしっかりしたクオリティのものでお届けするんじゃないかと思います。いまはまだ何も予定はないですが、そんな気持ちでいます。