ニュース

N高「KDG N1」の圧倒的な実力! 「第2回全国高校eスポーツ選手権」、「LoL」部門予選決勝戦レポート

【第2回全国高校eスポーツ選手権 LoL部門 予選大会】

11月23日、24日開催

 毎日新聞社とサードウェーブは、「第2回全国高校eスポーツ選手権」の「リーグ・オブ・レジェンド部門予選大会(オンライン)」の2日目を11月24日に開催した。

 本大会は、昨日11月23日より行なわれた予選大会の2日目。本日11月24日は、予選1日目で勝ち進んだ4ブロック8チームによる予選決勝戦が行なわれた。予選決勝戦で勝利したチームは、12月29日にEBiS303にて行なわれるオフライン決勝大会へと駒を進める。

 対戦形式はBO1(1試合先取)で、最新チャンピオンの「セナ」は使用不可となっている。試合の模様は、本大会のTwitchチャンネルペリスコープにて配信された。

 なお、本大会はわずか4日前に配信されたばかりの最新パッチである「Patch 9.23」で行なわれた。「Patch 9.23」では、マップや装備、ドラゴンを倒したときの効果など、多くの要素が変更されおり、前パッチより強いチャンピオンや戦略が大きく変わっている。おそらく今パッチの練習時間が足りていないであろう中で選手たちは戦わなければならず、波乱の予感を感じさせた。しかし、蓋を開ければ勝ち残ったチームは強豪ばかり。新環境となっても、実力のあるチームがやはり強かった。

MC OooDa氏(おーだ)
アナリスト iSeNN氏(あいせん)
スペシャルサポーター ケイン・コスギさん
実況解説は、「LoL」日本プロリーグのLJLでもおなじみのeyes氏(左)とRevol氏(右)

プロさながらのタワーダイブが炸裂! クラーク記念国際 秋葉原「Yuki飯食べ隊」vs仙台育英「Giraffe」

 この試合の注目プレーヤーは、仙台育英のミッドレーナーJenshen選手。ランクがダイヤモンドと高く、前大会でも不利なマッチアップで勝利するなどの目覚ましい活躍をした選手だ。

 試合は、そんなJenshen選手のいるミッドレーンを中心に展開されるかと思われたが、試合開始3分から、クラーク記念国際のトップレーナーponkotu23選手の使うクレッドが魅せた。ジャングラーのFunahwi選手のエリスとともにタワーダイブを敢行し、クレッドのパッシブ「弱虫トカゲ『スカール』」の非騎乗時になる無敵と、エリスのE「蜘蛛の糸」の無敵を活かしてタワーアグロを完璧にいなすスーパープレイ。手痛いタワーの攻撃を何度も受けながら、1人も倒されず、仙台育英のジャングラーいおぴー選手ともども倒し、ダブルキルを獲得した。

 クラーク記念国際は、そこから有利を手放さなかった。ドラゴンやタワーといったオブジェクトを少しずつ、そして着実に獲得していく。仙台育英としては、ミッドレーナーのJenshen選手操るカサディンが強力になるレイトゲームまで耐えるよう動く。その戦法は上手く働き、中盤からキルを取らせず試合の流れを遅らせ、カサディンの最も強い時間である16レベルまで育たせることに成功する。しかし、クラーク記念国際はカサディンとの戦闘を避けるようにトップのインヒビターとエルダードラゴンを同時に狙い、仙台育英を翻弄。仙台育英のチームがバラバラになったところを捕まえ、そのまま集団戦を勝利してクラーク記念国際が試合を制した。

 仙台育英は「第1回 全国高校eスポーツ選手権」でも予選決勝まで勝ち残っており、そのときもJenshen選手のいないところで集団戦を仕掛けられて負ける展開だった。2年連続で決勝大会まであと一歩のところで敗退と、悔しい思いをしているだろう。しかし、仙台育英のチームメンバーは全員2年生だ。また、Jenshen選手以外のメンバーは「LoL」初心者で、まだまだ伸びしろの大きい選手たちが揃っている。もし、来年に「第3回 全国高校eスポーツ選手権」が開催されるのであれば、そのときには他メンバーも大きく成長しているだろう。次にまた仙台育英の試合を見るのが非常に楽しみだ。

両チームのBan&Pick
プロシーンかと思うほどの完璧なタワーダイブ。試合序盤から華麗にダブルキル
エルダードラゴンとインヒビターの両方を同時に攻め、バラバラになった仙台育英に仕掛ける見事なマクロ。そのまま人数さをつけてGG

バチバチのキルゲーム! 朋優学院「HYeC」vs豊田工業「豊工LOL組」

 Bブロックの予選決勝は、朋優学院「HYeC」vs豊田工業「豊工LOL組」。朋優学院は、テレビ東京と電通が主催した全国高校対抗eスポーツ大会「Coca-Cola STAGE:0 2019」でベスト8になったことのある強豪校だ。一方の豊田工業は、今大会のダークホース。これまで出場経験がないチームながら、チームの平均ランクはプラチナと実力も十分にある。

 どのような試合になるか予想もつかない試合だったが、試合開始早々にそれこそ予想もつかない展開になった。朋優学院のトップレーナーyopituki選手とミッドレーナー御神籤kyo(おみくじきょう)選手がそれぞれソロキルを獲得するビッグプレイ。一気に朋優学院が有利になる。しかし、ここから追い上げを見せたのは豊田工業。ミッドレーンを中心に豊田工業のジャングラーであるファンボーイ選手のジャーヴァンIVがガンクを決め、不利を覆す。そんな中でも朋優学院は、ドラゴンをスティールするなどのビッグプレイで食らいつくが、豊田工業はADCアヒージョ選手のザヤによる凄まじいダメージで集団戦を幾度となく制した。

 途中、朋優学院が集団戦で勝利するシーンも見られたが、最後はグラガスが倒された状態の4対5で戦ってしまい、人数差をつけられて豊田工業の勝利となった。

両チームのBan&Pick
ミッドとトップでのソロキル。開始早々良い流れ
フラッシュ後にジャーヴァンIVのRで追撃するナイスプレイ
グラガスのEからのスマイトでドラゴンスティール成功
アヒージョ選手の立ち回りが光る! 終始オートアタックを途切れさせず、ダメージを出し切る

同高校対決! N高「KDG N4」vsN高「KDG N1」

 Cブロックの決勝はN高vsN高の同高校対決。「KDG N1」は、「Coca-Cola STAGE:0 2019」で優勝したチームだ。チームの平均ランクはダイヤモンドで、サポートのぷりも選手はマスターランクというプロ並みのレートとなっており、現段階でのトップチームといっても過言ではないだろう。この試合では、そんなトップチームの片鱗を見せてくれた。

 ミッドレーンでヤスオを操るWhite And Pink(かまぼこ)選手が開始3分でソロキルをしたことから始まり、ジャングラーの44O選手とサポートのぷりも選手のカウンタージャングルでキル、ボットレーナーのまりも選手とぷりも選手によるダブルキルと、着々とキルを重ねていく。

 終わってみれば、21キル対2キルの圧倒的大差での勝利となった。

両チームのBan&Pick
ヤスオによるフラッシュQからのノックアップでソロキル
ぷりも選手と44O選手によるカウンタージャングル
カイサのRでタワーの奥まで追撃してダブルキル獲得
圧倒的大差で勝利。トップチームの片鱗を見せつけた

ジリジリとした緊張感のある展開……! 横浜市立南「The Greatful Feed」vsルネサンス 新宿代々木「RHG 03」

 予選の最終試合となるDブロック決勝では、これまでの戦いと打って変わってジリジリとした展開が続いた。お互いに戦いを仕掛けてはいるが、ガンクを警戒した立ち位置を徹底しているのでなかなか決まらない。

 試合が動いたのは開始から15分たったリフトヘラルド前の小規模戦。先にリフトヘラルドを触っていたのは横浜市立南だが、エイトロックスとエコー、アーリのブリンクを活かして仕掛けたルネサンス新宿代々木が、即座に横浜市立南のジャングラーcalamity選手のオラフを溶かす。3対3の小規模戦が2対3となり、ルネサンス新宿代々木が3キル1デスで有利をつけた。

 すでにドラゴンを2体とっているルネサンス新宿代々木に流れが傾いたが、静かに好機を狙っていたのは横浜市立南。3体目のドラゴンをルネサンス新宿代々木が獲得したあと、横浜市立南のsolwaryu選手のブリッツが敵陣に飛び込み、そこにXenön選手のガリオがR「英雄降臨」で3人ノックアップを決める。その間にcalamity選手のオラフとKulumi選手のジンクスがダメージを与えていき、結果的に4キル0デスの大勝。一気に流れを取り戻した。

 そのまま流れに乗った横浜市立南は、着々とインファーナルドレイクを獲得していく。最終的に4体のインファーナルドレイクを倒し、圧倒的な火力でゲームを制した。

両チームのBan&Pick
ルネサンス新宿代々木の3キル。一気に試合が動く
諦めていない横浜市立南。ADCとジャングラーがダメージを出し切り、4キル0デスの大勝
最後はインファーナルドレイクが4つに。ジンクスのオートアタック1発で、約600の大ダメージに

予選突破4チームは12月29日のオフライン決勝大会へ!

 今回の予選大会を突破した4チームは、12月29日に東京渋谷のEBiS303で行なわれるオフライン決勝大会へと進出する。決勝大会の組み合わせは、12月1日に配信される抽選会で決定される。また、抽選会では、決勝大会の追加情報が公開されるとのことだ。

 予選大会からハイレベルな戦いを見せてくれた全国高校eスポーツ選手権。全119チームの頂点となるチームはどこになるだろうか、今から楽しみだ。