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【GDC 2019】インディー新作「RAD」が個人的GDCベストデモだ!
“突然変異”で強くなる逆「どろろ」アクションに心を奪われた!
2019年3月24日 16:13
触った瞬間、「気味悪さを5,000%増した『ゼルダの伝説』みたいだ!」と思った。ゲーム画面は斜め見下ろし視点で、3Dモデルの少年のような主人公が剣の代わりにバットを振り回しながら走っている。
トラックのような車や人工物の名残も見えるが、辺りはすっかり荒廃している。探索を進めると奇妙なモンスターが出現して襲ってくるので、負けじとバットで応戦。バットは連続攻撃が可能なほか、溜めからの回転斬りも繰り出せる(やっぱり「ゼルダ」だ!)。そんな感じで周囲の敵をバシバシ倒していく。
ところがある程度モンスターを倒していると、突然主人公が唸りだした。何かと思っていると、体が震え、雄叫びを上げ、バシューッというエフェクトとともに頭がドクロになってしまった! しかもドクロは緑の炎に包まれて、まるで「ゴーストライダー」のよう。人間らしい頭部は失われたが、むしろ生命力は高まったように見える。
実際敵を攻撃してみると、さっきまで仕留めるのに何発かかかっていた敵が一撃で倒せるようになっている。しかもドクロマークのUIが増えていて、これを使ってみるとドクロの頭がポーンと前方へ飛んでグレネードのように爆発。体にドクロは残ったままで、何回も使えるようだ。なんだこの狂った世界は! ということで最初の数分で一気に引き込まれてしまった。
このゲームの正体は、アメリカの開発会社Double Fine Productionsによる新作ゲームの「RAD」。このGDC 2019期間中に発表され、プレイステーション 4/Xbox One/Nintendo Switch/PC向けに2019年夏配信予定と案内されているタイトルだ(日本の発売は未案内)。
GDC 2019のEXPOエリアでは本作のデモ版が展示されていて、これを触った第一印象が今のもの。個人的には、GDCの会場ではぶっちぎりに気に入った最新ゲームだ。デモを触っている中でもう少しだけ詳細が見えてきたので、わかる範囲でお伝えしたいと思う。
ドクロ頭がポーン! ヘビ頭がニューン!
公式の説明によれば、本作はローグライクの3Dアクションゲーム。ティーンエイジャーの主人公となり、「2回滅んだ」という荒廃世界に豊かな緑の世界を取り戻すため冒険に出る。
操作している限りはオーソドックスな3Dアクションのようだが、何と言ってもポイントは主人公の“突然変異”だ。突然変異は、敵を倒すなどで溜まっていくゲージを満タンにすることで起こる。
変異する部位や内容はランダムのようで、上のように頭部がドクロになるほか、同じく頭部がヘビ頭になる場合や、足が緑色に光って足元に毒を撒けるようになる場合もあった。なおヘビ頭の攻撃は、発動すると頭がニューン! と伸びる中距離攻撃になっている。
また、変異は重ねられる。実際に見た範囲では、ドクロ+毒を撒く足と2つの部位が変異していた。製品版ではもっと重ねられるだろう。ゲームが進めば人間の名残がどんどん失われ、代わりに強さはどんどん増していく。まさに逆「どろろ」状態だ。
ローグライクという部分では、確かにデモが始まるたびにマップの形が変わっていた。ゲームの流れとしては、マップを探索し、チェックポイントとなる像を2つ起動する。すると大きな遺跡の入り口が解放されて中にいるボスと戦闘できる、という感じ。
デモでは3つあるハート(そういえばこれも「ゼルダ」)を失って途中で死ぬかボスを倒すと終了だったので全貌は不明だが、ランダム生成のマップを何度も繰り返し挑戦するものになりそうだ。
探索を進める上で興味深かったのは、主人公が歩いた後の地面に草花が映えるという演出。シシ神様並みの能力がいきなり与えられているのだが、これはつまり、一度通った道がひと目でわかるということ。「ここはもう行ったな」とわかるので、はっきり言って便利なのである。
ボスへいつ到達するかは自由なので、探索はそこそこにいきなりボスへ挑んでもいいし、じっくり突然変異してから戦いに行ってもいい。デモ版のボスは近距離でまともに打ち合うと恐ろしいほど強いが、遠距離からの攻撃にはかなり弱い。つまり、しっかり突然変異して、ドクロのような遠距離攻撃を得ていると案外あっさり倒せるようになっていた。本作では、手数の増える突然変異が何より攻略のポイントになるようだ。
アクションとしての触り心地がいいし、突然変異のシステムがとてもユニークで面白い。今のところ日本マーケットでの展開があるかどうか不明なところが気になるのだが……。いずれにしても、最新情報が待ち遠しいタイトルだ。