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「SEKIRO」カウントダウンライブで、ゲームの本質迫るトークライブイベントをレポート!
2019年3月11日 13:42
- 3月10日 開催
- 会場:東京タワーメディアセンター
- 【SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE】
- 3月22日 発売予定
- 価格:
- 7,600円(税別、通常版)
- 12,200円(税別、Collector's Edition)
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは3月10日、東京タワーメディアセンターにて「PlayStation presents『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』COUNTDOWN LIVE」を開催した。当日はステージイベントが生配信されたほか、抽選で選ばれた100名のユーザーが一足先に製品版の「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」を試遊できる体験会も同時に行なわれた。ここでは、メインとなるステージイベントの模様について、詳しくお伝えする。
ステージには、司会を担当したグラビアアイドルの松嶋初音さんと、フロム・ソフトウェアのプロモーターである北尾泰大さんが登壇。まずは、「SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE」を意識して忍っぽい服装を着てきたという松嶋さんが「フロム・ソフトウェアとしては完全新作ということで大きなチャレンジもあったのでは?」と尋ねると、「これまでとはだいぶ違ったタイトルとなっていますので、チャレンジという部分があります。Activisionという、我々としては初めて一緒にやるパブリッシャーとの共同開発ということも、新しい試みということで非常に刺激的でした」と述べた。
Activisionといえば、日本では「コール オブ デューティ」シリーズなどの開発会社として知られているが「『SEKIRO』を一緒に作っていくチームとして、僕らも彼らも非常に情熱的にやっていました」と北尾氏。さらに「本来であれば何名かこの場に招きたかったのですが、ソフトが発売前のため忙しくて来られない」ということで、代わりにビデオメッセージが公開された。
この後、北尾氏から「SEKIRO」の解説が行なわれた。「最近のフロム・ソフトウェアといえば『Dark Souls』シリーズや『Bloodborne』といったタイトルの印象が強いですが、それらには大きく2つの特徴があると思っています。1つは、ハードでやり甲斐のあるゲーム性。心が折れる直前まで死にまくりますが、その困難を工夫と学習で乗り越えた時には、非常に高い達成感を感じられます。そしてもう1つが、ダークな世界観。それを緻密に描くことで、没入感のあるプレイ環境を目指してきました。『SEKIRO』も、その2つの特徴を引き継いでいます。さらに本作は、戦国時代末期を舞台にした壮絶な忍の戦いを描くということで、これまでにないアクションやシステムを採用しています。我々らしさは引き継ぎつつ、プレイフィールドやテンポは、これまでと違ったものになるのではないかと思っています」と述べ、ゲーム性は引き継ぎつつも新たな要素を盛り込んでいることを説明した。
ここからは、「SEKIRO」のコンセプトとシステムの解説ということで、最初に舞台設定が語られた。北尾氏によると「戦国時代末期を背景にしつつも実在した人物や場所は登場せず、我々の考えるオリジナルの戦国時代を作っています」とのこと。終焉を迎えようとしている戦国時代末期に相応しいダークさはありつつも「我々らしい発想の飛躍というか、随所にありえないものが入ってきます」とし、大蛇が渓谷に浮いている姿が例として映し出された。なお、ゲームマップは例外を除いて基本的にはシームレスに繋がっており、1度クリアしたら終わりというわけではなく、いくつもの攻略方法があるようにしてあるそうだ。
登場人物については、「本作の主人公は2人で、1人は狼と呼ばれる凄腕にして孤独の忍。もう1人は、その忍の主である、皇子と呼ばれる少年です。彼はある特別な血筋の生まれで、物語冒頭に皇子が敵である葦名に奪い去られ、忍は左腕を切り落とされ命も落としてしまいます。しかし、何ゆえか復活し、奪われた主を取り戻す戦いに身を投じることになります」と、プロローグを踏まえて語った。
ここで北尾氏は「我々フロム・ソフトウェアのタイトルは、これまでは正直ストーリーがよくわからない(笑)。平たく言うと意味不明ということが多かった」と、自虐を含みながら話しつつ、「これまでは世界そのものを語ってきたので、かなり解釈の仕方がたくさんありました。本作ではキャラクターにフォーカスしている分、少しはわかりやすい、あるいは取っつきやすいものになっています。もちろんこれまでのように、ユーザー側が思案を巡らす楽しみはしっかりと用意されてますし、1番大事なプレーヤーのプレイ自身がストーリーになっていくという部分も健在です。そこは、本作もブレていないのでご期待ください」とも話した。
新しくなったシステム部分については「壮絶な忍の戦いを再現するために、さまざまなシステムを導入しています。その1つが剣劇です。本作の忍は“忍ばずに”戦う場面が多い。しかも、侍に引けを取らないくらいの剣劇の達人なので、時代劇のような緊張感のある戦いが描かれます。さらに、大きな特徴としては“体幹”を巡る戦闘になるということです」として、ここで実機を使用して解説した。
プレイが終了すると北尾氏は「基本は体幹ゲージをいっぱいにして相手の体勢を崩し、そこに一撃必殺の忍殺を決めることで敵を倒していきます」と解説し、「このシステムにより、一戦一戦で高い達成感を感じてもらえると思っています」と付け加えた。さらに「忍なので、潜んで敵の会話を聞いて攻略のヒントを聞いたり、ストーリーの補完が聞けることもあります。1周目では倒してしまった相手でも、2周目の時は潜んでいて聞き耳が立てて話を盗み聞きできることに気づくこともあるかもしれません」とも説明。また、「雑魚敵を含めて敵に気づかれていなければ、体幹ゲージをいっぱいにしなくても一撃で忍殺を用いて仕留めることもできます」と補足したが「本作はステルスゲームとしては作っていません。あくまでも戦略の1つとして、隠密を活用して欲しいです」ともコメント。
続いて紹介されたのが、主人公の左腕に装着されている義手忍具。手裏剣や盾を壊す斧などを仕込めるようになっているほか、相手の目をくらます爆竹なども収納されている。また、装着されている鉤縄を利用することで、マップ内を立体的に探索・移動することが可能だ。これについては「単純に、飛んで移動する爽快感も得られますが、戦略性を増すという部分でもかなり使えます」と北尾氏。
そして、最後に説明されたのが回生。死んでも、その場で復活できるシステムなのだが、そのタイミングをプレーヤーが自由に選択できてしまう。北尾氏は「雑魚敵などが、主人公が完全に死んだと思い油断して背中を見せたタイミングで回生し、後ろから殺すと言うことができます。自分の死すら戦略に使うことができるという、我々らしい忍像になっていると思います」とし、「主人公の持つすべてを駆使して戦うのが、この『SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE』となります」とまとめた。
実機を用いてのプレイでは、波乱が続出
ここで、特別ゲストとしてステージに招かれたのが、ソニー・インタラクティブエンタテインメント JAPAN Studio「Bloodborne」プロデューサーの山際眞晃氏。松嶋さんからコメントを求められ山際氏は「良い意味で“良く死ねる”という記事をよく見かけるのですが、どの程度難しいのかが気になります」と答えると、すかさず北尾氏が「相対的な難しさは変えてないのですが、シリーズをやり込んでいる各国のメディアさんにプレイしてもらっても、みなさんよく死んでました(笑)」と回答。
その理由としては「新規のタイトルなので、従来シリーズで培ってきた戦法が通用しません。初めて『Demon's Souls』をプレイした時のことを思い出してください。あのとき感じた戸惑いと新鮮さ、それをポジティブに伝えてもらっています」とまとめた。
また、体幹システムが良かったという山際氏のコメントには「『Bloodborne』にはリゲインというシステムがありましたが、本作はガードが自分の攻撃に変わるという、よりアグレッシブなものにしました」とコメントした。
ライブプレイ終了後、ユーザーからの質問に答えるコーナーへと移った。1つ目は、プレイ内容によるエンディングの分岐に関して。これについて北尾氏は「あります」と明確に回答。「複数のエンディングがありまして、プレーヤーの選択や攻略によって、マルチエンディングを迎えます」と答えただけでなく「周回プレイもこれまでと同じく徐々に難しくなっていくほか、1周目からプレーヤーの任意でゲーム中に“ある行動をする”と、より難しくすることもできます」ともコメント。
これには山際氏も「簡単にするのは聞いたことがありますが、難しくするとは……」と、驚きの表情を隠さなかった。これについては北尾氏が「その分、経験値やもらえるアイテムなどが良くなるというメリットがありますが、より歯ごたえのある体験を楽しみたい方は、ぜひ挑戦して欲しいです」と説明し、松嶋さんが「激辛を食べ過ぎて、辛さがわからなくなった感じですよね」という、わかりやすいフォローを入れていた。
2つ目の質問は、武器について。刀以外の武器や、長刀・短刀の存在に関して問われると「武器は右手の刀をずっと使っていきます。メインウェポンは、右手の刀1本です」と回答。ただし「左腕の義手忍具に関しては、最初は1つも持っていません。道中探索したり、ショップで購入して増やしていきます。義手忍具も強化・改造することができます。例えば手裏剣であれば、最初は1発しか投げられませんが、改造することで貫通したり多段ヒットするなど、さまざまな強化のバリエーションがあります」とのことで、右手の刀と左手の義手忍具を駆使して戦っていくことになるそうだ。
イベント後半戦は、さらなるゲストを迎えてゲームの魅力に迫る
ここで新たな特別ゲストとして、音楽プロデューサー/DJアーティストのTeddyLoid (テディロイド)氏がステージに招かれた。フロム・ソフトウェア作品の大ファンとして登壇した氏は「SEKIRO」について、「日本の戦国時代が舞台ということで、すごく楽しみでたまらなくて、今日はここに来られて光栄です」とコメント。他の登壇者はTeddyLoid氏をガチゲーマーとして招いたということで、東京ゲームショウ2018でプレイできた破戒僧との戦いを、ライブで披露することとなった。この時点ではボス戦には誰も勝てていないため、ぜひ勝利を収めてくださいと言われてプレッシャーを背負っただけでなく、さらにボスを倒せば来場者に「不死斬りレターオープナー」がプレゼントされるとも発表。
準備終了後、ステージ中央に仁王立ちしてプレイを開始したTeddyLoid氏は、華麗な動きで破戒僧の体幹ゲージをいっぱいにし1度目の忍殺に成功。すると、破戒僧は幻影を出現させ攻撃するパターンへと移行したため、木の上を鉤縄を利用して飛び移りながら回避し、幻影が消えたタイミングで地上に降り再び攻撃を仕掛けていった。そして、最後の忍殺を決めれば勝利目前というところまでダメージを与えたものの、最後の最後に破戒僧の攻撃を受けて倒されてしまうという、またも予想外のオチに。
しかし、これでは終われないということで、先ほど負けてしまった山村氏が破戒僧へのリベンジマッチに挑んだ。プレイ前に「破戒僧には負ける気がしません」と強気の発言をしていた氏だったが、その言葉通り軽くひねり潰すような感覚で、あっさりと撃破。見事に溜飲を下げ、来場者へのプレゼントも確保することに成功した。
最後に、ファンの方々へのコメントを求められ、TeddyLoid氏は「今日は楽しんでいただけたでしょうか? 発売日、僕も楽しみです。みなさんと情報交換して、一緒にプレイできるのを楽しみにしています。とりあえず、破戒僧は100回倒します!」と、破戒僧を倒せなかった悔しさを込めて述べた。
山際氏は「従来シリーズとは違う、また新しい難しさが、僕も1ユーザーとして楽しみです。実は、対破戒僧戦はすごく練習してきて倒せるようになっていたのですが、披露できなくて残念です」とコメント。まさかの内容に、松嶋さんからは「言ったもの勝ちですね!」とのツッコミを受けつつ、会場の笑いを誘っていた。
北尾氏は「イベントは招待制でしたが、新作タイトルにもかかわらずたくさんの応募をいただいてありがとうございます。本作は、我々としては『Dark Souls』シリーズ、『Bloodborne』の後に変わったゲームを作ってみようということで、かなりチャレンジャブルな部分も盛り込んでいますが、新鮮に楽しく作れたタイトルだと思いますし、皆さんにも新鮮な気持ちで、新しいゲームとして楽しんでいただければ幸いです」と結び、予定時間を30分以上オーバーするほどの熱気に包まれたイベントは幕を閉じた。
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