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血生臭い戦闘を美しい和の舞台が引き立てる。「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」プレビュー
2018年6月14日 07:31
E3 2018にて発表されたフロム・ソフトウェアの新作アクションアドベンチャー「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE(以下、SEKIRO)」。
公開されたデビュートレーラーでは、和の雰囲気が漂う舞台に隻腕の男が1人。手にした刀を武器に敵を次々と屠り、左腕に仕込んだ鍵縄でフィールドをワイヤーアクションよろしく駆け巡る姿を魅せた。
E3では本作のメディア向けのプレゼンテーションが行なわれるとともに、実機でのプレイを見ることができたので、こちらの模様をお伝えしたい。
「SEKIRO」のポイントは3つ。まず1つはゲームの舞台で、およそ1500年代後半の戦国末期の日本をモチーフにしている。戦国末期にあったであろう景観をモチーフに再解釈を加えることで、日本古来の美しさを表現しつつ"フロム・ソフトウェアらしい"、血生臭くダークな世界観も併せ持っている。
もう1つはストーリー。主人公となるのは冷徹で孤独な信念の男。忍びである彼は王子を護る役割を担っていたが、葦名の国の侍の襲撃を受けて王子は攫われ、自らは左腕を切り落とされて敗北してしまう。こうして全てを失った忍びが王子を奪還し、侍に復讐を果たすための孤独な戦いに臨む……というストーリーがイントロダクションとして用意されている。
これだけを見ると一見物語の展開がストーリーに引っ張られて進行していくような印象も受けるが、実際はプレーヤー自身の行動や選択によってゲーム体験が得られる作りになっているとのことで、決してストーリー主導というわけではないようだ。
最後のポイントはアクション。主人公の姿で特徴的なのはその左腕に装着された義手だが、これは「忍義手」といって様々なギミックが仕込まれている。トレーラーでフィールドをワイヤーアクションのように飛び回っていたのは、忍義手に仕込まれた「鍵縄」によるもので、フィールドを立体的に探索、移動することができる。
また、忍義手には斧や爆竹といったアタッチメントのような役割を果たす「義手忍具」という装備が用意されており、カスタマイズすることで様々なアクションができるようだ。
実機プレイでは、切り立った崖の向こう、王子が捕らわれている大きな城を目指し、鍵縄を駆使してフィールドを駆け巡りながら敵を切り倒しつつ進んでいった。
道中には雪がまばらに積もった崖や、揺れる明かりが一種幻想的な風景を醸し出す洞窟、そして秋の京都を連想させるような紅葉が舞う大橋などのロケーションがあり、思わず見入ってしまうような風景が数多く見られた。
中でも大橋では主人公の倍ほどの長身、頭には頭巾を被り、得物は薙刀……というまさに武蔵坊弁慶のようなキャラクターも登場。紅葉が散る橋の上で薙刀と刀が文字通り鎬を削りあう、牛若丸と弁慶の出会いをなぞるかのような激しい戦闘が繰り広げられた。
戦闘システムとしては、鍵縄を用いた高低差や茂みを用いた接近などにより、相手に気づかれずに攻撃を加えることで一撃で相手を倒すことができる。忍びらしいステルス要素が楽しめるというシステムが導入されている。
もちろん正面切って敵の陣中に飛び込んでいくこともでき、敵と正面から戦う場合は、「体幹」という要素が勝敗を決める。体幹は体の軸、バランスを意味しており、攻撃を与えたりタイミングを合わせて攻撃を弾いたりすることで相手の体幹を崩すことができる。体幹が崩れた相手には隙ができるので、この状態では忍殺を決めて即死させたり、大ダメージを与えたりることができる。
敵もバリエーションに富んでおり、火縄銃や盾を構えたものも出現する。こうした相手には遠距離から攻撃ができる「手裏剣」や、盾をカチ割ることができる「斧」の義手忍具が活躍しており、相手にあわせて様々な攻撃手段を選択することができるようだ。
傍からプレイを眺めていても、デモプレイでありながら何度も失敗して死ぬ姿が見られるほどに難易度が高いタイトルなのがよくわかった。ちなみに、主人公が死亡すると画面中央に「死」の一文字が浮かんできて、その光景は若干シュールでもある。
ただ、本作にはその場で生き返る「回生」というシステムが用意されている。これによって一旦その場を離れて仕切り直したり、1度離れていった相手を"死んだふり"よろしく再度襲撃してスキを突いたりすることもできるとのこと。
但し回生も無制限に使用することができるわけではなく、使用に際しては何らかのペナルティが設けられる予定だそうだ。しかも決して攻略を楽にする意図で実装しているわけではないとのコメントもあり、数えきれないほどの回数死にそうな本作だけに、詳細が気になるところだ。
和の美しさを盛り込んだ舞台は、派手に血が飛び散るような血生臭く、そして険しい戦いを逆説的に引き立てる。そんな舞台を立体的に駆け巡り、思うがままに攻略していけるとあれば、おのずと期待も高まろうというもの。自分の手でプレイできる日が楽しみだ。
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