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人は「DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)」に闘争を求めるのか。体験版「プロトタイプオーダーズ」プレイインプレッション

今夏発売予定

価格:未定

 さぁ、ブリーフィングを始めよう。君たちに伝えるのは他でもない、今夏発売が決定したマーベラスのNintendo Switch用メカアクション「DAEMON X MACHINA(デモンエクスマキナ)」、その体験版「プロトタイプオーダーズ」を触れてみた第一印象だ。2月14日の朝に体験版の配信を開始し、私が見る限りTwitterではすでに様々な意見が交わされつつある。

 本作「DAEMON X MACHINA」は、フロム・ソフトウェアの「アーマード・コア」シリーズを手がけた佃健一郎氏、同メカデザインを手がけた河森正治氏、そしてキャラクターデザインをコザキユースケ氏が担当するアクションゲームだ。月の半分が地上へ落下し、そこからもたらされた量子物質「フェムト」を動力源に動く”外部装甲”「アーセナル」、特殊能力を身につけた人類「アウター」、そしてフェムトを巡る組織と組織、人類を攻撃するAI「イモータル」たちの戦いを描く。プレーヤー――アウターとなった君はその大きな渦の中へ傭兵として巻き込まれるのだ。

 まず結論から述べてしまうと、本作はハック&スラッシュだ。敵アーセナルをスクラップにし、パーツをもぎ取り、次の戦場への糧とする。機体は改造によって尖った毛色を楽しめ、アウターは人体改造によってみるみる人の形を失っていく。物語ははっきりとしたアウトラインを確認でき、デタラメにでかい敵と対峙した際は息を呑む。

丁寧に描かれている起動シークエンスは必見。アーセナルが一歩を踏み出すまでのアウターの動きがカッコイイ

本能が咆哮する、目まぐるしい退廃の宴

 アクション性が高い。ボタンを人差し指で、トリガーを中指と薬指で押しつつ、両の親指で激しくスティックを回す程度には。

 しかもそのアクション演出が凝っていて、たとえば地上ならときどきスケート選手のようにスピンしてから進んだり、空中では錐揉み回転をひとつキメて飛翔するなど。そしてブースターを吹かした瞬間の鉄塊が緊張し身構えるような手応え、地を滑走する脚の滑らかな体重移動による傾き、砂を蹴立てて爆進する瞬間。ハイライトの強いトゥーンチックな演出もここでは視界を鮮やかに彩り、本作がやりたい「全てのメカ好きに捧げる」アクションの姿を垣間見る。

 また開始時の機体は汎用性が高く、射撃能力に秀でているためアクションゲーム初心者(苦手ではないが、得意でもないという意味で)に優しい。本作には「ロックオン範囲」や「ロックオン距離」というものが設定されていて、それが広くまたロックオンも早いので使いやすい。機体の動きを眺めつつ片手間に戦うのも一興だ。さらに言えば体験版では片手間に戦えるような「自動攻撃」を行なう武器も登場する。

 さて、この機体をちょっと速度の出るパーツに組み替えてやった。するとどうだ、今まで見ていた視界があっという間にブッ飛んでいくのだ。ブースターを吹かすごとに、あれよあれよと敵の弾が逸れていく。「メカアクション」が「ハイスピードメカアクション」になる。反面重量級の耐久力に優れたパーツも存在し、これを搭載するといわゆる”タンク型”になり「ヘビーメカアクション」になるというもの。これは楽しい。――なに、好みのパーツが出ない?3つ目のミッションでいっぱいアーセナルを狩るのです。

やたらとデータが並んでいるが、気になった項目だけ見ていればいい。恐らくデータのすべてを気にする必要があるのは本当にシビアな方のオンラインの戦場だけだろうから

くろがねを咬みちぎる、あぎと

 筆者なりの中二病的センスで比喩するところの”近接兵器”である。筆者がとりあえずプレイしたところ、実体剣……ブレードを獲得できた。一定距離を突進し、その質量をもって敵を圧断する野蛮きわまりない兵器だ。

 これがまた楽しい。しかも遠距離兵器同様ロックオンが可能で、ロックオンした対象へ向かって飛び込み袈裟斬りを見舞う。いやはや楽しい。刃を敵の装甲に咬ませる罪深く痛々しい金属音が至高。これをハイスピードな機体でぶんぶん振り回すとほんとうに、ほんとうに楽しい。近接武器同士の鍔迫り合いも楽しめる。

マジで楽しい

お前のものは俺のもの。巨大兵器は引っこ抜いて再利用

 ガキ大将の見地からして、巨大兵器のボディから飛び出したでっかい武装はぶっ壊せば俺のものだ。

 体験版の大トリを飾る巨大兵器「ガンフォート」にポンと載せられたやたらと主張の強い主砲。これは特定部位を破壊することで、もげる。これを掴み上げて操作してやることで、その威光を我が物顔で撃てる。でっかい武器を撃つのは楽しい。専用のカットもあるし。でっかい武器を撃つのは楽しい。

人機一体、融け合う血肉と鋼

 体験版ではアウターをLv3――頭、上半身、下半身の3部位を3段階まで改造できた。「※身体への大きな影響が見込まれます」という不穏な文言のとおり、眼球が、腕が、脚が機械のそれにすげ替えられる。なお20,000クレジット支払うと生身に戻れるもよう。意外と安い。

 この人間と機械の狭間を綱渡りする感覚。公式ページでは「銀河鉄道999」でみられるような機械人間のフォルムとなったアウターも確認でき、一体どこまでヒトの身体を捨てられるのかむしろ期待に胸が熱くなる。……その果てが人間といえるモノなのかどうかは、さておき。

 ともあれ、サイボーグになると実は面白い要素がいっぱい。腕からブレードが伸びたり、2段ジャンプが可能になったり。義手もなんだかカッコイイ。どこか「攻殻機動隊」の義体めいている。いいんだぞ、もっと改造しても。心なしかアーセナルとの一体感も増して、アーセナル操作時の性能が上がったりもする。

キャラメイクで差を付けろ。己を己たらしめる外見の存在

 本作はマルチプレイ対応タイトルということもあってか、キャラメイクのバリエーションが実に豊富。顔のデザインにはじまり、スーツや改造部位のカラーリングも可能だ。瞳はオッドアイの設定も可能で、心の中の中学二年生が最強のオレ様を演出しようと躍起になる。

改造を施すと瞳など特定の部位のカスタマイズができなくなる。筆者は中二病を未だに患っているので銀髪オッドアイのイケメンを作る

お耳が幸せ

 声優的、またBGM的な意味で。

 筆者の拙い耳で確認しただけで言えば、小山力也さんや古谷徹さん、池田秀一さんが出演している。ちょ、ちょっと豪華すぎでは。

左が古谷徹さんキャラクター、右が池田秀一さんキャラクター

 さらに音楽も聴き応えがある。「ガンフォート」のオーダーではゴリゴリのメタルが奏でられ、なるほど鋼鉄(メタル)の機体とかけられているのだなと勝手に納得できる。設定でBGMを大きめに設定してもいいかもしれない。

発売したら一体どうなってしまうのか

 それがひとつの恐怖であり、期待であり、興奮だ。まったく個人的な感想を言えば本作には期待していたし、この体験版でさらに期待が高まった。確かに時折ラグがあったり、カクつきが発生することもある――が、本作はまだ開発中の身。体験版のプレーヤー向けにアンケートを募っているし、本作に向けられた意欲はそれを凌駕して余りあるものだと思う。はやく製品版でアーセナルをいじり回したいし、人体改造に手を染めて機械人間を作りたい。

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