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「ストリートファイターV タイプアーケード」βロケテストレポート

沢岻裕司開発プロデューサーに製品版の仕様も聞いてきた

1月19日~20日開催

会場:

タイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店(東京都)

タイトーステーション フェドラ大須店(愛知県)

タイトーステーション 大阪日本橋店(大阪府)

G-Stage 七隈店(福岡県)

 2019年春の稼働を予定している「ストリートファイターV タイプアーケード」。1月19日と20日の2日に渡り、3回目となるロケーションテストが東京・愛知・大阪・福岡の4店舗で実施された。去年の10月に行なわれた1回目のロケテで参加した、タイトーステーション 新宿南口ゲームワールド店で今回もプレイすることができた。以前のバージョンと比べてどれだけ変わったのかを伝えていきたいと思う。

さまざまな家庭用コントローラーを持参し、最新バージョンをプレイ!!

 筆者が訪れたのはロケテスト2日目。午前中に店内を覗くと、まだ時間も早いということもあり、待機列に並んでいる人は3~4人程であった。待ち時間は15分程度と短く、すぐに自分の番まで回ってきた。今回のロケテストでは家庭用の最新バージョンと同じ仕様となっており、去年の12月17日に追加された新キャラクター「影ナル者」も使用できた。

【スクリーンショット】
10月のロケテでは使えなかったNESiCAカードにも対応
ゲームモードはアーケードかトレーニングから選べる
追加されたばかりの影ナル者。コスチュームも充実していた

 「ストリートファイターV タイプアーケード」の目玉といえば、筐体にUSBポートが搭載されており、使い慣れた家庭用コントローラーをゲームセンターでも使えるところだ。しかし、初回のロケテではコントローラーがうまく認識しなかったり、入力遅延や誤作動などもあって正直を言うとまともにプレイするのが困難だった。このため筆者は、その問題が改善されているのかに注目していた。

 公式ホームページで発表されている動作確認済みのコントローラーは「Razer Panthera Arcade Stick」、「REAL ARCADE PRO シリーズ」、「STREET FIGHTER V FightPad PRO」の3種類。「STREET FIGHTER V FightPad PRO」を除き、動作確認が取れているものはすべてアーケードスティック。このため、DUALSHOCK 4をはじめ、市販のゲームパッドがどれだけ対応しているのかは試してみないことにはわからないところだ。

 今回はいろいろなコントローラーを試してみたかったので、少し重かったが4つのコントローラーを気合で持ってきた。公式で動作確認がされている「STREET FIGHTER V FightPad PRO」と「REAL ARCADE PRO V サイレント HAYABUSA」。PS4の「DUALSHOCK4」に、普段から使っている愛用の格ゲーパッド「ファイティングコマンダー」。これらを全部試していきたいと思う。

【今回の環境】
USBポートの付いた最新筐体。家庭用と同様に8ボタン式のコンパネ
筆者が持ち込んだ格ゲーをプレイするときには欠かせない、格ゲー用のコントローラー

 モードはCPU戦の「アーケードモード」と「トレーニングモード」の2種類から選択できた。どちらのモードでも自動的にオンラインマッチングが行なわれるため、マッチングまでの待ち時間にCPU戦をプレイすることができる。対戦相手とマッチングするまでの時間は約2分程度。待たされている感じもなく、程よく練習ができるくらいの時間なので筆者的にはベストに感じた。

 さっそく持参したコントローラーを使ってみた。最初に試したのは「STREET FIGHTER V FightPad PRO」と「REAL ARCADE PRO V サイレント HAYABUSA」。これらは動作確認がされているので問題はないはず。まずは自宅で使い慣れたコントローラーでの操作感を味わってみたいと思う。

 使った感想としては両モデルとも遅延や誤作動なども一切なく問題なくプレイすることができたが、感動はアーケードスティックの方がより強かった。筐体に備え付けてあるものと自前のものとでは操作したときの感触がまったく違い、普段使っているものの方がやはり技の入力精度も段違いに高く感じたからだ。

 筆者の愛用している「REAL ARCADE PRO V サイレント HAYABUSA」はスティックとレバーの入力した感触が通常よりも硬く少しクセのあるもので、これに慣れているのでゲームセンターでプレイするときは感触の柔らかさにどうにも手になじまなかったが、その問題が見事解決された。今回、使い慣れているアーケードスティックがゲームセンターで使えることに歓喜している格ゲープレーヤーは筆者以外にも多いはずだ。

【動作保証済みのコントローラー】
STREET FIGHTER V FightPad PRO
REAL ARCADE PRO V サイレント HAYABUSA

 続いて、前のロケテでは認識すらされなかった初期型の「DUALSHOCK4」は、今回は動作未確認のコントローラーだったがしっかりと認識された。操作感も申し分なく、ストレスなく操作することができた。

 そして最後に前回のロケテで誤作動が酷かった「ファイティングコマンダー」だ。筆者はパッド派で、家で「ストリートファイターV」をする際にはほぼこれを使っているので、触って違和感があればすぐにわかるはずだ。肝心の操作感だが、負けた時の言い訳ができないくらい、家庭用で遊んでいる感覚と寸分違わなかった。ここまでしっくりくる形でゲームセンターで遊べたことに正直感動した。初回のロケテで重症だったUSB接続によるコントローラーの問題は綺麗に解決したと断言して良いだろう。

【動作保証外だがしっかり動いたコントローラー】
DUALSHOCK4
ファイティングコマンダー

 最初のロケテの頃と比べてかなり改善されているようで、今回のロケテに持参したコントローラーは動作未確認のものも含めてすべて問題なく使用することができた。コントローラー以外の部分でも、オンライン対戦の際に発生するラグなどもまったく感じることなく快適に楽しむことができた。

 「ストリートファイターV タイプアーケード」をプレイして改めて感じたことは、やはりゲームセンターというギャラリーがいる空間で対戦する緊張感や興奮は家庭用では味わえない面白さだということだ。今回は店内でのマッチングはされなかったが、やはりその場にいる相手と対戦というのがアーケードならではの醍醐味だと筆者は思う。最近はアーケードではあまりゲームをプレイしていなかったが、本作が稼働されたらコントローラー持参でゲームセンターに通い詰めになりそうだ。

 今回、3時間ほどプレイして午後を過ぎた頃には徐々に人も増えてきて、10人以上の待機列ができていた。店員さんに伺ったところ、夕方になるともっと人が増えるとのことなので、今回のロケテストもかなりの盛り上がりになったと言えそうだ。

【スクリーンショット】
午後には結構な列ができ、「ストリートファイターV」の注目度の高さが伺えた

本作の開発プロデューサーに気になるアレコレを直撃!

 「ストリートファイターV タイプアーケード」の開発プロデューサー、タイトーの沢岻裕司氏に、現在の状況と今後の展開について色々とお話を伺った。

【開発プロデューサーの沢岻裕司氏】

――今年の春に本稼働とのことですが、開発状況はどういった感じでしょうか?

沢岻氏:そうですね。まだ細かいところの調整や、こういう要素を⼊れたいというようなものは⾊々あるのですが、現在は製品版に向けて完成度を上げている状況です。

――新たな要素とは?

沢岻氏:アーケードゲームって負けたらその時点で終わりじゃないですか。やっぱりリベンジしたいっていう人もいると思うので、製品版では負けた相手と再戦できる機能なども考えています。あとは、対戦のマッチング方式などですね。前回のロケテストで、横並びで対戦するのは気まずいから店内対戦はしたくないといった声もありましたので、今回のロケテは全国対戦(オンライン)のみにしています。製品版では対戦のマッチング方式を「店内のみ」、「店内優先」、「全国対戦のみ」「乱入なし」の4つから選べるようになります。

――システム周りはかなり充実していますね

沢岻氏:はい。家庭用ではすでにリリースされているタイトルですので、システムや機能などでアーケードならではの快適さを上げられればと思っています。あとは、店内でプレイしている人が複数いて、その中で誰に乱入するかといったことも選べるようにしたいと思っています。

――今回のロケテは全国対戦のみとのことですけど、プレイしてみて全然ラグを感じさせないですね。

沢岻氏:オンラインは結構好評いただきまして、ラグを感じないという声をたくさんいただいています。やはりお金を入れてプレイしていただく以上、ラグを感じるといったことがないよう気をつけています。

――オンライン周りがかなり整っていますが、やはりオンラインに比重を置いているのでしょうか?

沢岻氏:根本にあるのは、店内対戦をしようっていうところですね。顔を合わせて対戦できるのがゲームセンターならではなので。とはいえ、時間帯によっては店内に対戦相手がいないっていうこともありますので、そういうときのための全国対戦と思っています。

――今回のロケテは家庭用と同じ最新バージョンですが、稼働してからのアップデートの頻度とかはどうなる予定なんですか?

沢岻氏:アーケード版も家庭用のバージョンアップに合わせて、ほぼ同時期にアップデートしていく予定です。家庭用だけバージョンアップしてアーケードが前のバージョンだとお客さんも戸惑うと思いますので、可能な限り家庭用と近いタイミングでと考えています。

――新しい筐体では家庭用コントローラーが使える訳ですが、実際に持ってきているお客さんは結構いますか?

沢岻氏:はい。パッドを使っているお客さんはそこそこ見ますね。そんなに多くはないですが、使い慣れたアーケードスティックを持ってきているお客さんもたまにといった感じです。

【コントローラー持参の人も結構いる様子】
筆者がロケテストに参加している間にも、自前のアーケードスティックを使っている人を発見

――今回、色々なコントローラーを使ってみたのですが、動作確認外のコントローラーでも快適に動きますね。

沢岻氏:公式ホームページの方で発表されている以外のコントローラーも動作確認はとれているのですが、公式に発表するとなるとコントローラーのメーカーさんから許可が必要なんですよ。なので現状で公表されているものは、載せていいですよと許可をもらったものですね。

――なるほど。それなら発表されていないだけで、ちゃんと動作するコントローラーは結構ありそうですね

沢岻氏:一般的な入力方式のものでしたらある程度は対応していると思います。こちらで確認していなかったものなんですが、Hit Box(スティックの無いアーケードコントローラー)や改造した自作のアーケードスティックも使えましたという声もお客さんからいただきました。

――色々なお話ありがとうございました。本稼働とこれからの展開に期待しています。

【スクリーンショット】