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連敗からの逆転劇!ここ1番で勝負強さを見せつけた「LoL」日本代表DFM、タイブレークでKBMを下す
2018年10月4日 15:33
ライアットゲームズが開催中のPC用MOBA「League of Legends(以下、LoL)」の世界大会「2018 World Championship(WCS)」。
現在行なわれているプレイインは、後に続く「グループステージ」、「ノックアウトステージ」に向けて、全12の参加チームから4チームが選抜されるステージだ。日本代表として出場した「DetonatioN FocusMe」は10月1日と3日に行なわれた試合の末、タイブレークでブラジル代表「KABUM! E-SPORTS(以下、KBM)」を下し、グループステージへの出場権をかけたプレイインノックアウト(プレイイン決勝)へと駒を進めた。
既報の通り、プレイイン初日の10月1日にはKBMに逆転勝利を収めつつ、北アメリカ代表の「Cloud 9(以下、C9)」をあと1歩のところまで追い詰めながらもベテランの経験値の前に逆転負けを喫したDFM。プレイインは4グループ3チームによるダブルラウンドロビン形式(2周総当たり戦)、全4戦のため、1-1というスコアは全くもって予断も油断も許されない状況にあった。
しかし、日本代表が初戦で勝ち、あの強豪「C9」を追い詰めたというニュースは日本の「LoL」ファンの間を駆け巡り、大きな衝撃を与えた。というのも、日本チームはこれまでの世界大会でこれといった成績を残すことができておらず、今回も率直に言ってさほど大きな期待をされていたわけではなかったからだ。それが世界の舞台で素晴らしい試合を見せたことで、「今年こそは」とDFMの勝利と活躍を願う声は大きくなっていき、一時はTwitter上でハッシュタグ「#DFMWIN」がトレンド1位を獲得するほどの勢いを見せた。
さて、そんな日本の期待を背負って試合に臨んだDFMの10月3日、Day2の対戦相手はDay1と同じくKBMとC9。
KBM戦ではアグレッシブな攻めを見せるKBMにリードを許し、序盤からかなり苦しい展開に。徐々に金銭差は開いていき、バロン周りの戦闘ではDFM Steal選手のファインプレーでスティールにこそ成功するものの、バフを全く生かせないままジリジリと押される展開が続く。そして終盤に再度現われたバロンはKBMがあっさりと獲得。そのまま逆転の目もなく敗北する。
この試合ではKBM Ranger選手の「スカーナー」がマップを縦横無尽に走り回り、ULTによる"連れ去り"で各レーン、そして集団戦を支配したこと、そして意表をつくようなKBM dyNquedo選手の「アジール」ピックがDFM Evi選手の「サイオン」に対して強烈なカウンターとして機能したことが敗因といえる。この試合は初日のC9戦のように、「結果こそ負けだが素晴らしい試合」というものではなく、なすがままにやられてしまった印象だ。初日の敗北をきっちり修正してきたKBMの精神力、戦略が光った。
良くないムードで迎えた第2試合、C9戦。ここで勝つことができれば2-2のスコアでプレイインを2位通過することができ、プレイインノックアウトへの進出を決めることができる。
今大会ではここまでDFMCeros選手が特に得意とする「ハイマーディンガー」とEvi選手の「カミール」は100%BANされてきたのだが、C9は今回「ハイマーディンガー」、「ジグス」、「アカリ」、「カルマ」、「ガリオ」の5体をBAN。明らかにDFM Ceros選手を潰しに来ている。一方でその活躍っぷりから畏怖と尊敬と親しみを込めて通称"エビール"と呼ばれるDFM Evi選手の「カミール」はオープンに。Evi選手は待ってましたとばかりにカミールをピックした。
試合は序盤こそC9に主導権を握られるものの、DFMも負けじとキルを取り返す。ゲームを通じて金銭差はほぼなく、終盤のバロンではキルこそ渡したものの、またもやDFM Ceros選手のスティールが決まり、ゲームはここからDFM有利に進むかに思えた……のだが、その後自陣付近で発生した集団戦で手痛い敗北を喫し、C9はDFMのネクサスにラッシュ。たった1度の敗北がゲームを決めてしまった。
こうしてDFMはプレイインにおいてDay2を0-2、通算で1-3というスコアで終えた。C9は4-0でグループの勝ち抜けが決定し、DFMは同スコアのKBMとプレイインノックアウトへ出場権をかけた最終決戦、タイブレークに臨むことになる。
Day2の0-2というスコア、そして直接対決の相手であるKBMにはつい先ほど敗北したばかりという事実。決していい流れとは言えなかったが、ここでDFMはやってくれた。
DFMは最序盤のBOTの小競り合いでキルを獲得して勢いをつけると、その優勢を全レーンに波及させる。集団戦での勝利を繰り返し、なんと20分の段階でKBMのスキをついてバロンを獲得。早い時間でのバロンバフは獲得が非常に難しい代わりに、もし獲得できれば効果を最大限に生かすことができる。まさにハイリスクハイリターンといった決断だったが、DFMはこの大一番でこれをやってのけたのだ。
その後はバフを背景にネクサスに迫り、KBMの反撃をものともせずにネクサスを破壊。プレイインノックアウトへの出場を決めた。振り返ればスコアは7-0、試合時間はわずか24分と文句のつけようのない快勝であった。
日本代表、LJL代表として出場したチームが世界大会で勝ち抜くというのは史上初めての快挙だ。続くプレイインノックアウトの対戦相手は他グループの1位通過チームとなり、本日10月4日の試合終了後に確定されることになる。日本の期待と世界の注目を一身に背負って、DFMがどこまでも勝ち進んでくれることを心より願う。
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