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【特別企画】ゲーマーの心をくすぐる外観と実力を持ったコンパクトゲーミングPC
マウスコンピューター×MSI「Aegis 3 8th(イージス・スリー・エイト)」
2018年10月3日 12:00
マザーボードやビデオカードなど、PCパーツで知られるMSIのゲーミングPCの取り扱いをマウスコンピューターが7月より開始した。MSIのゲーミングPCは最新の3Dゲームを楽しむハードゲーマー向け、いわゆるエンスー向けのゲーミングPCを扱っている。今回、マウスコンピューターで扱うことになった、MSIの「Aegis 3 8th」を借りることができたので紹介しよう。
G-Tuneとは方向性の違うデザイン
マウスコンピューターがMSI製品の取り扱いをはじめた理由は、日本市場特化型のG-Tuneとは違い、世界市場に向けて異なる視点で開発された製品であること。そしてそのMSIのゲーミングPCを取り扱うことにより、さらに幅広いユーザーのニーズに答えようというものだ。
今回取り扱いの開始が発表されたMSIのゲーミングPCはコンパクトデスクトップPCで、「Aegis 3 8th(イージス・スリー・エイト)」と「Nightblade MI3 8th (ナイトブレイド・エムアイスリー・エイト)」の2製品。前述のとおり、Aegis 3 8thの実機を借りることができたので、実機を使ったレビューを行なっていこうと思う。
まず「Aegis 3 8th」の写真を見てわかるが、かなり挑戦的なデザインで、ゲーマー好みの見た目をしていると言える。本体後部にはシャーシに取り付けられたハンドルがあり、PCを持ち寄ってネットワーク対戦などを楽しむLANパーティを意識した作りだ。コンパクトでありながら光学ドライブも搭載しており、省スペース設計でありながらインターフェイスなどの機能も申し分ない。
キーボードやマウスも、MSIオリジナルのもので、「VIGOR GK40 ゲーミングキーボード」と「CLUTCH GM10 ゲーミングマウス」が付属しており、こちらもゲーマー好みのデザインやガジェットが用意されている。キーボードはパームレスト部も付いた大きめのもので、後述のバックライトも用意されている。マウスもゲーマー向けでdpiの変更ボタンが用意されており、ボタンをクリックするたびにdpi設定が変わり、それとともに色も変わる仕様なので一目で何dpiかわかるようになっている。
ちなみにキーボードや本体は、MSIの提供するユーティリティソフトウェアの「Mystic Light」に対応しており、イルミネーションの色や輝度、光り方などを設定することが可能だ。一色だけでなく様々な色で光らせることができるうえ、CPU温度に応じて色を変化させたりといった実用性のある使い方もできるようになっている。
さらに言うならMystic Lightは多数のメーカーが対応品を発表しており、Mystic Lightで一元管理して光り方をコントロールできる。無線LANを通してAndroidやiPhoneといったスマートフォンから利用できるアプリも存在しており、ヒカリモノの好きなゲーマー諸氏ににとって弄りがいのあるガジェットだ。
ゲーミングPCとしてG-Tuneシリーズを展開しているマウスコンピューターだが、デザイン面だけを切り取ってみても、MSIの扱う本製品の鋭角的な見た目は、同じゲーマーに向けたものとはいえ方向性が少し異なるようだ。また、Mystic Lightのような多様な光らせ方のできるガジェットを備えたマシンもG-Tuneには存在していなかった。マウスコンピューターは、これでさらに多様なゲーマーに向けた商材を手に入れたことになる。
第8世代Intel CoreプロセッサとハイエンドGPUの組み合わせ
それでは「Aegis 3 8th」のスペックを見ていこう。最初にお伝えしておかないとならないのは、本製品がBTOに対応していること。BTOとは注文する際に自分にとって強化したい機能を選んでパーツの変更や追加を行なうことができる仕組のことだ。ここで紹介する「Aegis 3 8th」も、マウスコンピューターのWEBサイトで購入する際には、BTOでのカスタマイズが可能になっている。
本製品の場合、レビュー執筆時点での主なカスタマイズ項目はメモリのデュアルチャンネル化やM.2 SSD、モニタの追加などを行なうことができることになっており、その場合は価格も変わってくる。カスタマイズ前のスペック表を見ると、筆者のお借りした試用機と同じ構成であることを確認した。しかし、製造しているMSIでは、搭載しているメモリやストレージの記載がなく、販売するメーカーや店舗によっては構成が異なる場合もあるため注意が必要だ。
【スペック】
Aegis 3 8th | ||
---|---|---|
CPU | Intel Core i7-8700(6コア12スレッド、3.2GHz、Turbo Boost時最大4.6GHz | |
GPU | NVIDIA GeForce GTX 1080(GDDR5 8GB) | |
チップセット | Intel B360 Express | |
メモリ | PC4-19200 DDR SO-DIMM 16GB(16GB×1) | |
ストレージ(システム用) | 256GB M.2 SSD(NVMe PCI Express 3.0 x4.0対応) | |
ストレージ(データ用) | 1TB 3.5インチHDD(Serial ATA 6Gbps、5,400rpm) | |
光学ドライブ | DVDスーパーマルチドライブ(スロットイン) | |
主なインターフェイス | 映像出力 | 5(DisplayPort×3、HDMI×1、DVI-D×1) |
USB 3.1 | 3(前面:Type-C×1、背面×2) | |
USB 3.0 | 2(背面×2) | |
USB 2.0 | 4(背面×2、前面×2、全面ポートの内1つは常時給電に対応) | |
イーサネット | 1000BASE-T、IEEE802.11ac、Bluetooth V5.0+LE | |
電源 | 450W(80PLUS Bronze) | |
サイズ(W×D×H) | 169.92×433.18×376.11mm | |
重量 | 約9.69kg | |
OS | Windows 10 Home 64bit | |
備考 | キーボード・マウス同梱 | |
価格 | 245,800円(税別) |
それではまず、CPUから見ていこう。PCの頭脳とも呼ばれるCPUにはIntelのCore i7-8700が搭載されている。Core i7-8700は最新の第8世代のCoreシリーズで、「Coffee Lake」という名のコードネームで呼ばれているものだ。これまでメインストリーム向けのCPUでは4コアが最高だったCore i7だが、第8世代では6コアになり、メニーコア化が進んでいる。1つのCPUコアが2つ同時に処理を行なうことができるため6コア12スレッドとなり、従来の4コア8スレッドと比較して、よりパワーアップした。
Core i7-8700はメインストリーム向けではハイエンドクラスの製品で、通常時で3.2GHz、より性能が必要な際に自動的にオーバークロックされるTurbo Boost時には4.6GHzで動作する。このため、大きな負荷がかかるゲーミングPCにぴったりなだけでなく、動画のエンコード作業といったCPUパワーを必要とするクリエイティブな分野でも活躍する実力を持っている。
次にゲーミングPCとしてもっとも重要と言えるGPUには、NVIDIAのGeForce GTX 1080が搭載されている。かなりハイパワーなGPUで、GeForce GTX 1080を搭載している市販のビデオカードの単体価格は、6~7万円ほどとなっている。GeForce GTX 1080自体は2016年に登場したGPUだが、現在でもハイエンドクラスに位置付けられており、その性能は折り紙付き。本機のようなコンパクト機に搭載するには冷却も考えなければいけないだけに、「Aegis 3 8th」もその辺りもかんがみた設計になっていると思われる。
メモリは標準で16GBのPC4-19200 DDR SDRAMが1枚だけ搭載されている。ゲームなどを楽しむためのメモリサイズとしては十分だが、この構成ではメモリがシングルチャンネル動作になってしまうため、できればBTOで16GB×2の32GBに変更したいところだ。
ストレージにはシステム用として256GBのM.2 SSD、データ用として1TBの3.5インチHDDが搭載されている。システム用として用意されたM.2 SSDはNVMe対応で、PCI Express 3.0 x4の高速インターフェイス経由で接続している。HDDは5,400rpmだが、3.5インチタイプなのでデータドライブとしては十分と言えるだろう。
次にインターフェイスを見ていこう。「Aegis 3 8th」はゲーミングPCとしてだけではなくコンパクトな省スペースPCとしてデザインされているが、インターフェイスも十分に用意されている。フロントパネル部分にはUSB 2.0のポートが2つあるほか、USB 3.1のType-Aコネクタも1つあり、オーディオポートも完備されており、トレンドを網羅したタワータイプのPCと同等の装備だ。
背面にも一般的なPCと同じくUSBポートを多数備え、ビデオカードの映像出力端子もDisplayPortが3つ、HDMIが1つ、DVI-Dが1つと豊富にある。このため、マルチディスプレイやVRデバイスの使用などでも安心だ。
ネットワーク機能としても有線LANポートのほかに無線規格のIEEE 802.11acが用意されており、最大433Mbpsでの高速通信が可能だ。また、無線モジュールはBluetoothにも対応しており、最新世代のBluetooth V5.0+LEが採用されている。有線と無線のポートを有することで、アプリケーションごとの帯域管理を容易にし、オンラインゲームなどに最大の帯域を割り当てることができるのもメリットの1つと言えるだろう。
ベンチマークで見る「Aegis 3 8th」
以下には本機で行なったベンチマークの結果を掲載しておく。結論から言うと、省スペースのコンパクトタワータイプの製品としてはかなり良好な結果となっている。PCMark 10の結果からもわかるとおりPC全体のバランスもよいため結果は高い値となっている。
CPUの性能を測るCINEBENCH R15の結果も6コア12スレッドのパワーを発揮し、マルチコアの性能の指標であるCPUの結果は1,165となった。3Dの描画能力を見る3DMarkや「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」ベンチマーク、SuperPosition Benchmarkでも、軒並み高得点をマークしており、CPUと組み合わせたハイエンドクラスのGPUも、かなりの効果を発揮しているようだ。
ストレージの性能を測るためのCrystalDiskMarkの結果からも、NVMe接続の非常に速いアクセス速度を確認することができ、Sequential Readで3,000MB/s近くの値が出ている。もう1つのCrystalDiskMarkの結果はデータ用に搭載されている1TBのHDDとなるが、Sequential Readの速度は実に15倍だ。現行の3.5インチHDDとしては順当なアクセス速度が出ている。本機ではシステムストレージのM.2 SSDが256GBとなっているため、多数のタイトルを楽しむゲーマーだと容量が不足気味になるかもしれない。そんなときは、遊ぶ頻度が低いタイトルや大きなサイズのデータをHDDにインストール、もしくは保存するとよいだろう。
CINEBENCH R15
テスト項目 | 測定結果 |
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CPU | 1,165 |
CPU(シングルコア) | 186 |
SuperPosition Benchmark
1080p Medium | |
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測定数値 | 15,851 |
「ファイナルファンタジーXIV:紅蓮のリベレーター」ベンチマーク
最高品質(フルHD、フルスクリーン) | |
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18,515 | 非常に快適 |
CPU、GPU、ストレージ、すべてが最強クラスのコンパクトゲーミングPC
強力なCPUとGPU、高速なNVMe対応のSSDを採用。3DMarkやゲーム系ベンチでも高い数値を叩き出しその性能は折り紙付きだ。ゲーマー好みのデザインで最近トレンドになりつつある光りモノも多数搭載しておりカスタマイズも可能となっている。
これほどの性能を持ちながらコンパクトで省スペース、場合によっては持ち運びも想定できるというのも本機の魅力的な部分と言えるだろう。「Aegis 3 8th」はパワフルでありながらコンパクトなゲーミングPCを探しているゲーマーにお勧めしたいゲーミングPCだ。