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「クラロワリーグ」、PONOS Sportsがワイルドカード枠でプレイオフに進出!

プレイオフ出場チームとSupercell殿村氏にインタビューを実施

6月23日 開催

プレイオフの試合表。ワイルドカードとして出場するPONOS Sportsはこれから長い戦いに挑んでいく

 Supercellは6月23日、Android/iOS用対戦型カードゲーム「クラッシュ・ロワイヤル(以下、クラロワ)」において、「ワイルドカード トーナメント」を開催した。

 「世界一決定戦」への切符を争う「プレイオフ」は「クラロワリーグ アジア」に属する日本、韓国、東南アジアの各地域1位チームと「ワイルドカード」枠の1チーム、計4チームによって行なわれる。

 今回の「ワイルドカード トーナメント」はプレイオフの残り1枠の出場チームを決定すべく行なわれたもので、出場チームはリーグ3位の「PONOS Sports(日本)」と7位の「FAV gaming(日本)」、4位の「SANDBOX(韓国)」と6位の「OGN ENTUS(韓国)」の4チームとなった。

 トーナメントの初戦はそれぞれ日本、韓国チーム同士の対決となり、日本チームは「PONOS Sports」、韓国チームは「SANDBOX」が勝利。決勝へと進出した。

 決勝戦では、PONOS Sportsのみかん坊や選手が圧倒的な読みの強さでSANDBOXのEdo選手をストレートで下し、1セットを先取。続くSet2は天GOD選手とフチ選手が2on2に臨むが、SANDBOXチームの駆使する「エアバルーン」に苦しめられ、1-2でセットを落としてしまう。

 セットカウント1-1で迎えた最終戦、いわば大将戦となるシングル戦はみかん坊や選手とBeaver選手の対決に。これまたゲームを取って取られての試合が続く中、最終ゲームではみかん坊や選手の「ランバージャック」と「攻城バーバリアン」による右アリーナタワーへの速攻が決まり、そのままゲームを獲得。スコアは2-1となり、PONOS Sportsの勝利が決定した。

 トーナメントを通じてほとんどの試合がサドンデスに突入するハイレベルな戦いの中、PONOS Sportsは見事トーナメントを勝ちきり、プレイオフへの出場権を獲得した。

3Set第3ゲーム、右のアリーナタワーに速攻をかけるみかん坊や選手。これが決め手となりチームを勝利に導いた
ハイタッチで勝利を喜び合うPONOS Sports

プレイオフへの出場チーム、eスポーツアジア担当の殿村 博氏にインタビュー!

 現地会場では、試合を終えたばかりのPONOS Sportと、クラロワリーグ in アジアで全チーム1位の成績を収めてプレイオフへの出場を決めたGameWith、そしてSupercellのeスポーツアジア担当殿村 博氏にインタビューをすることができたので、こちらの模様もお伝えしたい。

クラロワリーグ in アジア1位「GameWith」

――1stシーズンを振り返っていかがでしたか?

アマテラス選手:最初はとても緊張してたんですが、リーグが進むに連れて段々慣れてきました。1位という結果を残せてとても嬉しいです。

――プレイオフの決勝まで間が空く(※編注:プレイオフはステップラダー方式のため、1位のGameWithは7月15日まで試合がない)ので、待つ辛さというのはないですか?

アマテラス選手:逆にその期間で使えるデッキの幅を広げたり、公式戦で見せていないようなデッキも練習できるので、アドバンテージになると思っています。

――2カ月間プロとして戦ってみて、変わったことはありますか?

ZEROS選手:「クラロワ」を趣味ではなくプロの選手としてやっているので、1戦1戦を大事にして、「クラロワ」をプレイしている時間を無駄にしないようにしようという意識が強くなりました。

Shun選手:日本一決定戦や世界一決定戦は年齢的に出られなかったのですが、配信などを見ていて「自分もこの舞台に立ちたい」という意識は常にありました。

 配信でしか見たことがなかったような選手と話したり、試合をしたりと嬉しいことばかりでしたし、これからも戦えると思うと楽しみです。その楽しみのために勝っていきたいと思います。

アマテラス選手:去年はプロではなく個人としてプレイしていましたが、プロになって1試合1試合に対する責任を感じるようになりました。

KK19212選手:プロになる前後で意識が変わりました。プロになる前は遊びでやっていたゲームが、プロになってからは1試合1試合が次で勝つための経験になるように、集中してプレイするようになりました。

ユイヒイロ選手:私も大学と両立していて時間が限られているので、1つ1つの試合で立ち回りを考えたり、メモを取ったりするようになりました。

――少し気が早いですが、次の2ndシーズンはどのように戦っていきますか?

アマテラス選手:1stシーズンを通しての反省は生かしつつ、来シーズンも1位を取れるように頑張りたいと思います。

――監督に伺います。シーズンを通じて選手の成長を感じますか?

大庭氏:プレイ面では各々成長しているので、僕から特に言うことはありません。プロとして、人として、という面では皆若いメンバーなので、こうやって変わっていこう、プロらしくしていこうということを言っています。

 それも大分身についてきて、顔つきが変わってきたなというのを実感しています。プロになってくれてよかったなとひしひしと感じています。

――ありがとうございました。

左からZEROS選手、shun選手、アマテラス選手、大庭仙充監督、KK19212選手、ユイヒイロ選手

ワイルドカード出場権を獲得した「PONOS Sports」

――ワイルドカード トーナメントを勝ち上がった今の感想をお願いします。

みかん坊や選手:GameWithさんにはまだまだ遠くて、ここからも道のりは長いですが、また練習をして次の対戦相手の対策をして優勝まで頑張りたいと思います。

――今日の2on2で出場したフチさんと天GODさんの組み合わせはレギュラーシーズンで初めてですよね?

天GOD選手:ライキジョーンズ選手とみかん坊や選手が2on2で組むことが多くて、その練習相手として私とフチさんが組んでいたので、番狂わせという意味でこの組み合わせで出ました。

――プレッシャーはありませんでしたか?

フチ選手:1対1で沢山出たのでそれは大丈夫でした。

天GOD選手:最初のFAV gaming戦で2on2を経験していたので、感覚は掴めていたかなと思います。

――ワイルドカード枠を争う大きな試合ということで、いつもの試合と心境の違いはありましたか?

みかん坊や選手:僕自身は目の前の1試合にだけ集中するので、いつもどおりのプレイでいければいいんじゃないかなと思っていました。

――プレイオフに向けて何か作戦はありますか?

みかん坊や選手:今の所まだ作戦は立てていないので、今後の練習の中でいい作戦が思いついたら取り入れてみようかなと思います。

――ありがとうございました。

左から天GOD選手、みかん坊や選手、ライキジョーンズ選手、フチ選手

プレイオフ目前!殿村 博氏が振り返る1stシーズン

Supercellのeスポーツアジア担当殿村 博氏

――本日の試合の感想をお願いします。

殿村氏:シーズン全ての試合を観ていても、選手の方々はプロとして毎試合真剣に取り組まれているんですけど、今日は集中力というか、緊張感が違うなと感じました。

 特に今日は負けたらシーズンが終わってしまう試合なので一層緊迫感もありましたし、そんなピリピリした空気の中でPONOS Sportsさんが勝ち抜いたのは素晴らしいなと思いました。

――この2カ月間プロリーグを運用してみていかがでしたか?。

殿村氏:選手の方々ももちろん大変だったと思いますが、我々もホームとアウェイで交互に試合をやっていくというのは結構難しいんだということを実感しました。

 東南アジアは国が色々集まっているのでビザが必要だったり、選手を韓国に送ったり、台湾に韓国の選手を送ったりというふうにアジア全体を見ていかなければならなかったので、きちんと全部皆さんのことを見られたかというと、ちょっと足りていないところもあったかなと思います。

――運営からは日本のファンの盛り上がりをどのように見ていましたか?

殿村氏:盛り上がりに関してはやはりコミュニティの方が支えてきてくれてるなと感じています。ただ、「クラロワ」のeスポーツが一般的なエンターテイメントの1つになっているかと言われれば、まだまだ「クラロワ」のコミュニティの枠を超えられてはいないと思います。今後もシーズンを続けていく中で広げていきたいと思います。

――海外リーグはいかがでしょうか。

殿村氏:中国ではかなりの好評価を得たようです。また、今回のこの「クラロワアジア」は英語での配信も行なっていますが、東南アジアの視聴者数が伸びている状況です。

 日本も徐々に盛り上がっている感触はありますが、台湾や韓国ではもう少し頑張らないといけないなと思います。

――リーグを設立するにあたって立てた目標は達成できましたか?

殿村氏:「クラロワ」を知らない人にも楽しんでもらえるコンテンツを作りたいと思っていますが、まだまだその域には達していません。なので、自分ではまだまだだと思っています。

――プレイオフ以降の見どころを教えて下さい。

殿村氏:ステップラダーは負けたら終わりなので選手の真剣さもまた違ってくるというのと、試合が進むにつれて成長していく選手の皆さんの姿や、それぞれの個性を見てほしいと思います。

――ありがとうございました。