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やっぱり「戦場のヴァルキュリア4」は面白い! 引き込まれるストーリーからシステム面までしっかり紹介!

2月26日からは、製品版にデータ移行可能な体験版を配信開始

3月21日 PS4版発売予定

2018年夏 Nintendo Switch版発売予定

価格:
7,990円(税別、PS4通常版)
12,990円(税別、PS4限定版)
未定(Nintendo Switch版)
CEROレーティング:C(15才以上対象)

プレイ人数:1人

 セガゲームスは2月24日に東京・秋葉原にある秋葉原UDX GALLERYにて、3月21日に発売される予定のプレイステーション4ソフト「戦場のヴァルキュリア4」の、メディア向け先行体験会を開催した。ここにはメディアのほか、抽選で選ばれた一般ユーザー40人も参加し、一足先にヴァルキュリアの世界を楽しんだ。

据え置き型2作目、ナンバリングとしても7年ぶりとなる新作

 本作は「戦場のヴァルキュリア」シリーズのナンバリングタイトルとしても、2011年にPSPで「戦場のヴァルキュリア3」が発売されてから7年ぶりの新作となる。据置機としては、1作目の「戦場のヴァルキュリア」に続いてのものとなる。

 なお今回体験できたのは製品版で、遊ぼうと思えば延々と遊べる。このためプレイ時間は1時間半と限られており、“テンポよく進めば2章をクリアできるかも”という状態だった。ただしスクリーンショットも多数撮ってきたので、ここからはそのプレイレポートをお届けしよう。

 冒頭のオープニングのムービーからゲームスタート。まずは主人公である小隊長のクロード・ウォレスが登場。今回の物語はクロードの手記によるストーリーという体になっており、クロードが手記を書いている様子が描かれる。そこに登場する、部下であり、幼なじみでもあるラズ。「風が変わった……」とつぶやくクロード。天候や気象に関しては動物的な勘が働き、数分から数日後の天候変化を推察するというクロードは、風によって敵襲なども見通せるようだ。部隊に連絡を取るとともに、小隊が動き出す。

 それにしても、本シリーズの特徴である描画システム「CANVAS」により描かれる世界はとても美しい。そのなめらかな動きがPS4によってさらに高められているような気がする。

 そしてここからはチュートリアルプレイとなる。初めてプレイする場合でも、これによってキャラクターの動かし方や銃撃の方法、待機のさせ方などを学ぶことができるようになっているので迷わずに済むだろう。ゲームシステム的にはこれまでのシリーズと特に変わりがなく、キャラクターを移動させるアクションモードのあと、ターゲットモードに移行して敵を攻撃するという流れだ。実は筆者は、「戦場のヴァルキュリア」シリーズは1作目をプレイしただけで2作目と3作目は未プレイ。しかしキャラクターを動かしているうちに昔の感覚を取り戻すことができたので、シリーズをプレイしたことがある人ならば大丈夫だろう。

 なおアクションモードでは、左下のゲージにある「アクションポイント(AP)」のゲージの分だけ動くことができる。これはキャンセルが効かないので、うろうろと余計なところを歩いたりせずに、しっかりと目的を持って行動することが重要だ。

 ターゲットモードでは、敵の狙う位置を決めて○ボタンで攻撃する。その部位を攻撃したとき、何発弾を当てれば倒せるかという目安も上部に表示される。ヘッドショットを決められれば少ない球数で倒せるのだが、弾は狙ったところを中心とする縁の範囲内に当たるというシステムなので、序盤ではその範囲が広く、なかなか狙いを定めて撃つことが難しくなっている。

 そして戦闘が進んでいくと、狙撃兵(スナイパー)のカイ・シュレンが登場する。狙撃兵はRスティックを倒すことで照準を絞ることができ、ピンポイントでの攻撃が可能だ。しかし、これも円の範囲内の攻撃となるので、序盤では失敗しカスってしまうことが多い。

 自分のフェイズだが、左上に示されている「コマンドポイント(CP)」がなくなったら終わり。1つの行動ごとにCPが1ずつ減るようになっているのだが、これはキャラクターに制限があるわけではなく、同じキャラクターを連続して動かすことも可能。なお本作から、戦車の行動も1CPで終わるようになっている。

マンガのような吹き出しが表示されるのはこれまでと同じ
戦車の弱点は背面にあるラジエーター。これをたたけば一撃で倒すことも可能だ
ミッション終了後には経験値とお金をもらえる

 チュートリアル戦闘が終わったら「序章」が始まる。帝国首都を陥落するための「ノーザンクロス作戦」の開始である。

 そしてシーンはムービーパートを経て1章「クレスト要塞攻略戦」へ移る。クレスト要塞に備え付けられている211ミリ榴弾砲を排除するのが目的だ。しかしそこにたどり着くためには、要塞にある銃座から放たれる集中砲火をかいくぐる必要がある。そんなことはできないと考えているメンバーに、クロードたちの故郷であるガリアへ帝国が侵攻したことが告げられる。ガリアを守るためにも、いまの作戦を早急に進める必要がある。突撃を決意するラズとクロード。

 そして再び戦闘である。ブリーフィングが終了したら出撃する隊員を選んで配置するが、ここで「リーダー」を多く配置すると、CPが増えるので余計に行動できるようになる。今回はクロード以外にラズ、カイがリーダーなので、この2人は必ずメンバーに入れるようにするのがポイントだ。配置後は戦闘開始。まずは敵陣を奪うのが目的となる。なお戦車がいるので、対戦車兵を入れておくと戦いが楽になる。なお拠点の制覇の仕方や、草むらに隠れてほふく前進する方法などもここで教えてくれる。草むらでのほふく前進は、敵から攻撃されなくなるので活用したい。

 なんとか2つ拠点を制圧したが、機銃がまだ残っている。その先に進むにはこれを排除する必要がある。そこで擲弾兵の登場だ。擲弾兵は山なりに榴弾を発射して、高い場所や障害物の向こう側の敵を狙うことができる。威力も強いのだが弱点があり、ターゲットモードに入るときには、その兵装を展開する必要があること。この間は無防備となってしまうので、敵の攻撃を受けるとすぐにやられてしまう。このあたりを考慮して進めていく必要があるだろう。

 なんとか無事ミッションを終えることができたが、榴弾砲は敵の自爆攻撃で壊されてしまう。戦いの中での死について考える隊員たち。戦いの中で死ぬことを覚悟しているが……。果たして自爆とは正解なのか?

 そして登場する擲弾兵。なんと幼なじみのレイリイ・ミラーだった。ラズとカイと言葉を交わすレイリイ。しかしクロードに会った瞬間……頬をはたくレイリイ。果たして2人の関係は?

 そして2章が開始。連邦の前線基地にたどり着いて、訓練をしたり、兵器をレベルアップさせたりできるようになったところでなんとタイムアップ。デモプレイはここまでとなった。

 しかしプレイしていた1時間半はあっという間。それほどストーリーに引き込まれる内容だった。2月26日からは2章まで遊べる体験版も配布されるが、体験版には専用のミッションも用意されるとのこと。ファンならずとも絶対に落としてプレイすべし!

ファンのために作られた「戦場のヴァルキュリア4」

 デモプレイ終了後は、本作のプロデューサーである三神桂氏と、山下浩平氏がプレスと来場者からの質疑に答えた。

三神 桂氏(左)、山下浩平氏(右)
体験会当日の様子

 発売まで1カ月を切ったことを聞かれて三神氏は「できるだけ多くの方に楽しんでいただければというのがすべて。体験版などを触ってもらうことになるが、楽しんで作ったものがユーザーの手元で遊べる。ご期待に添えたかなというのが心情」と語る。山下氏も「お待たせしましたとしか言いようがないくらい間が空いてしまった。これだけファンが待っているのだから作りたいという想いを持って、必ず風が吹いて新作が出せると何回も企画書を出した。やっと形として出せる。最高の物にしようと思って作ったので楽しんでほしい」とも。

 PS4でのCANVASについて山下氏は「CANVASはハイスペックにしづらいところもある。細かいところを省略することで手描き感や柔らかさを出している。PS4だから密度を上げようというのではなく、PS4だからできるスペックをCANVASに合わせてどう作るか試行錯誤した」のだと語る。「影の表現として描いている線の段階を非常に深くして、明暗差を付けたり、ものの接地感が上がるように、下にだけきれいに線が出るようにしたり、細かいところを非常に詰めた。戦車の後ろもよく見ると、青く光っているところがゆらゆらしていたり。CANVASをPS4にしたから細かく密度を上げるのではなく、CANVASならではの発展の仕方を追求した」(山下氏)。

 「実はCANVASは性能がないと実現しない。わざと抜いた表現をやるためにPS4の高スペックがないと実はできないという。携帯機の時には、満足したCANVAS表現になっていなかった。1作目から4作目がちょうどPS3からPS4となったので、そこがある意味ちゃんと進化するという形。緻密に表現するだけがスペックだけではない。それがCANVASの醍醐味」と三神氏。

 開発期間については2016年の初頭からだという。しかしその前から企画書やシナリオの準備期間はあったそうだ。「いろいろなプロジェクトをやりながら裏で動いていた。プロジェクトとして走り出したのが2016年」(三神氏)。

 また今回追加された擲弾兵については「1作目は銃による迎撃しかなかった。戦場で飛んでいるのは銃弾だけじゃなくて、爆発の中を駆け抜けてこそ戦場。砲撃による迎撃をやりたかったが、1作目の開発の終盤でみんなに止められた(笑)。1作目には入らなくて、いつか高スペック機の時にやりたいと思っていた。システム的にも砲撃支援は戦場でよくあるシチュエーション。シミュレーション的にも深くなるかと思ったので、自信を持って入れた」(山下下氏)。

 なおトレーラーなどに、物語のあるポイントから雪景色がでていることについて山下氏は「物語のモチーフが東部戦線で、それがかなり雪の中で戦っていく作戦。また今回のテーマとして“成し遂げていく意思”があり、厳しい雪の中でも前に進むんだと。仲間が倒れて寒さに震えても前に進む。この目的を達成すると言うことを表現したいと思ったときに、雪はとてもいいと思って舞台にした」。しかし雪ばかりだと絵が寂しくなるので工夫したそうだ。ちなみに雪のマップは半分くらい。その中でも変化があるように、雪の都市や廃墟、雪のがけの下など、雪原以外にも用意されているとのこと。

 「雪で、例えば吹雪になったりするシチュエーションもある。吹雪の中だと敵が見えなくなるということもあるが、足跡が残るので、吹雪で見えないが足跡から敵を察知したり。雪のせいでつらい目に遭うこともあったり、助かることもある」(山下氏)。

 また「訓練開発」に「サロン」が用意されているが、ここはサブキャラクターのストーリーを追えるモード。「1作目の時はサブキャラクターの断章もなく、2作目、3作目で追加されて好評だったので各キャラクターのエピソードが出るように、サブキャラクター隊員断章を用意した。“このキャラクターが気に入ったな”と使っていくと、実はこのキャラクターはこうで……、というイベントが隊員全員分に用意されている。何人か仲のいいグループがあって、その中で過去などがわかるようになっている」(山下氏)。

 今回登場する兵科が前作より絞られていることを聞かれて「2作目、3作目が携帯機だったので、据置機とは作る思想が違った。ワンプレイを短くしつつやりこみができるように兵科を分けた。育成、成長要素に関しては思想を分けて考えている。今回は1作目にあたる5兵科に加えて擲弾兵しかないじゃないかとみえるかもしれないが、携帯機にあった機能で、例えば迫撃砲は迫撃兵としてして分けていたが、今回は対戦車兵が迫撃砲を持つことができる。武器をチェンジできるので、やれることが減ったと言うよりは、据置機向けに最適化して調整したと思っていただければ」と山下氏。

 初回特典に用意される追加ミッションでは、1作目の「イーディ」が登場するが、過去作のキャラが登場するかという質問については「ゲスト参戦として考えていただければ」と三神氏。「過去作との絡みについては限定版に入っているDLCのみ。過去作を楽しみたい方は限定版を楽しんでいただければ」(三神氏)。ちなみにボイスは新録したそうだ。

 剣甲兵についての質問も出たが、これについては「異様に広いマップがあり、そこを剣でかけていくのは大変なことになる。このため近接兵科は入れていない」(三神氏)。

 そして本作で戦車のコストが“1”になっていることを聞かれて山下氏は「戦車を使ってもらいたかったから」と答える。「1作目だとコストが重いし、敗北条件にもなっていたので。ウェルキンを前に出すと負けるかもしれないから使わないという人もいた。それを2作目、3作目で改善した。その代わり何回も使えないように、徹甲弾の数を制限したりと、手軽に使えるがバランスブレーカーにならないようにした」(山下氏)。

 Nintendo Switch版のことについては「我々もまだわかりません。頑張ってますとしか言えない」と苦笑する山下氏。こちらについてはまだ先の話のようだ。

 1作目で敵の総司令官だった「マクシミリアン」と同じ名前が出ていることを気づいた参加者がおり、「DLCとして出すのか」という質問をしたところ、「言葉を選ばないと怒られる」と三神氏が笑い、「今後の発表に期待してください、と言えと書いてあります」と山下氏。

 マップが広くなったことに伴う移動距離についての質問があったのだが、装甲車が登場するとのこと。移動力が弱いユニットを装甲車で運べば遠くまで行けそうだ。また3作目であった、リーダーユニットがほかのキャラクターを運ぶシステムも用意されているとのこと。「偵察兵がリーダーになって狙撃兵を連れて行くこともできる。皆さんの戦略で、APが少ないユニットをいかに前線に早く運ぶかを練っていただきたい」(山下氏)。ちなみに今回戦車に対して迎撃してくるユニットがいるので、その場合はそのユニットを排除する必要があるそうだ。「危ない面があるので気をつけてください」(山下氏)。

 参加者の中からは「新規層の獲得は狙っているのか。その場合はどのようなプロモーションを考えているのか」という質問も。これについては「会社の会議に出ているようだ。上の人からよく言われた(笑)」と山下氏。見てほしい部分は「今回のストーリー。戦場ドラマを体験してほしい。1作目は部隊が家族のように描かれていた。今回は、部隊は仲間、青春。部活みたいなもの。僕らは若いです。つらいこんなんに向けて頑張ろうみたいな。一体となって何かを成し遂げようということを感じてもらえれば。ただし戦争なので、今日一緒にいる仲間が明日はいないかもしれない。戦場というものが身近にある中で、その辺にいる若者がこういう青春を過ごしましたというところが、物語も、ゲームシステムも入れたもの。これを押していきたい。そういう体験をしてもらえれば」(山下氏)。

 加えて三神氏は「シリーズが7年開いてしまったということもあり、7年待ってくれていたお客さんに1番届けたいと思った。7年たってしまうと、高校生だった人も大学を卒業してしまう。そういった中で、『ヴァルキュリア』を好きでいてくださった方にもう1度思い出してほしいというのが前提。ぱっと触ってぱっと遊んで何かを得るほど簡単ではない。『戦場のヴァルキュリア』を、ユーザーさんを含めて広げていきたい。初めて聞きましたという方に届けきるのは難しいだろう。ユーザーの皆さんから発信されていく情報を含めて全体的に盛り上げていければ。それもあって配信などには制限を設けていない。意外とネットで情報を取っている人が多いので、ネットにどうやって簡単に情報を発信していけるのだろう、というところには垣根がないようにしている」。

 キャラクターの中で鉄仮面の突撃兵が出てくるのだが、それが登場した経緯について山下氏は「いろいろなキャラクターを出したいと思っていて。Twitterでサブキャラの紹介をしているが、まともなやつもいれば変なやつもいる。そんな中でちょっと目を引くキャラクターとして鉄仮面がいる。実はサブキャラは開発スタッフだけではなく、部署全体で募集した。200~300キャラも来たのだが、選抜しているときにあの仮面には手が止まった(笑)。ロボットとかの意見もあったが。ただああやってギャグっぽく見えながら悲しい過去がある。その2面性も面白い。一発屋の出オチではない。ちなみに声優はものすごい人がやっている」。

 最後に一言。「『戦場のヴァルキュリア』はNHNでやってもいたが、ナンバリングタイトルという形で久しぶりに出した。お待ちいただいていた方にはお待たせしましたという気持ち。期待して待っているという人にはお応えできるものになったと思う。体験した内容を面白かったら『面白かった』とツイートなりなんなり発信してもらえればと思う。このあとどういう展開が待っているのか気になった人はぜひ製品版で確かめてほしい。体験版が配信されるので、ぱっとやったところで気づけなかったところもじっくりやっていただければ。お待たせしましたというのが最大のところ。3月21日を待っていてほしい」(三神氏)。

 「本日の体験会は泣きそうだった。自分が作ったゲームを皆さん楽しんでやっているのは開発者冥利に尽きる。スタッフ全員を連れてきたかったが。本当に皆さんにお届けできたのがよかったと思っている。この会場の中で1番私がうれしいんじゃないかというくらい。久しぶりにシリーズを出すことができたのは、ファンの皆さんの声が途切れず、我々に届けてきてくれたことが大きい。それなしではここまでたどり着くことができなかった。ファンの皆さんに感謝の言葉をお伝えしたい。皆さんにお願いしたいのは、“面白かった”と一言書いていただけると大変ありがたい(笑)」。