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ついにノートPCの消費電力は660Wに! ASUSの超弩級水冷ゲーミングノートPCがフルモデルチェンジ

4月1日より順次販売開始

価格:739,800円(GX800VH、税別)

 ASUSは3月30日、都内でゲーミングPCブランド「ROG(Republic of Gamers)」の新製品発表会を開催し、ノートPC6製品、デスクトップPC2製品3モデル、計9モデルを発表した。新モデルは4月1日より順次発売が開始される予定。

e-Sports SQUARE AKIHABARAに並べられた春モデル
水冷スーパーハイエンドゲーミングノートPC「GX800VH」
水冷スーパーハイエンドゲーミングデスクトップPC「GT51CH」

 ちょうど1年前に衝撃のデビューを遂げ、“水冷ゲーミングノートPC”の先駆けとなった「GX700」。今回の発表会ではその待望の新モデル「GX800VH」がついに発表された。17.3インチからさらに一回り大きくなった18.4インチ4Kモニターを採用し、グラフィックスにはGeForce GTX 1080をSLI接続する。特徴的な水冷ユニットは、サイズはそのままに内部ポンプを改良して冷却効率を向上。その代わり、SLI接続により倍になった熱を効率よく冷やすため電源を二重で取るようになり、消費電力は前モデルの330Wから倍増の660Wにも達する。

 ちなみにコネクタ1つのみの330WでSLI駆動が可能だが、その場合は水冷ユニットが機能せず、手動でのクロックアップができなくなる。コネクタを2つ接続するとクロックアップ機能の「最高」、「手動」が解禁となり、危険水域までクロックアップが可能になるという設計になっている。

 また、PCが一回り大きくなった関係で、同梱のスーツケースにPCと冷却ユニットが物理的に入らなくなり、今回はスーツケースに加えて、バックパックも同梱し、スーツケースに冷却ユニット、バックパックにノートPCを収納する形で持ち運びを実現している。

 ストレージは、512GBのSSDをRAID0で接続し、ノートPCとしては前代未聞の1.5TBを確保。そのほか、全キー個別イルミネーションに対応したメカニカルキーボードや、ASUS製ゲーミングマウスGRADIUS、そして家庭の5GHz帯の無線をしっかり拾うための5GHz帯専用の外部アンテナなどなど、ハイエンドデスクトップ顔負けのスペックを備える。お値段は前モデルから20万円ほどアップの739,800円(税別)ということで、ちょっとやそっとでは手の届かない“夢のゲーミングPC”といった印象だが、前モデルも完売御礼の人気で、全方位にスペックアップした本モデルは、前モデル以上の人気モデルになるのではと期待を寄せているようだ。4月7日発売予定。

【GX800VH】
筐体左側面に接続されているケーブルが、実は新設された電源ケーブル。「GX800VH」では、本体と水冷ユニットにそれぞれ電源ケーブルを刺すようになっており、合わせて660Wの電源を確保する
水冷ユニットのサイズは前モデルから変化はないが、内部はポンプが変わり、冷却効率も上がっているという
スーツケースは、冷却ユニット専用に
これが5GHz帯専用のアンテナ。専用端子を右側面に装着して使う

【GX800VH特徴】

【GX800VH写真】

e-Sports SQUARE AKIHABARAに並べられた春モデル

 そしてもうひとつのサプライズが、こちらも水冷にこだわったスーパーハイエンドデスクトップPCとなる「GT51CH」。設計的には「GX800VH」のノート版といった感じで、ノートPC同様に“水冷スーパーハイエンドゲーミングPC”を名乗る。基本スペックは水冷メーカーと共同開発した水冷ユニットを搭載したフルタワーケースに、最新最速のCore i7-7700KとSLI接続されたGeForce GTX 1080を搭載している。なお、水冷ユニットはCPUの冷却のみに使用され、GPUと電源については、前面下部にあるタービン風の大型の吸気口と、本体底面の吸気口から空気を取り入れる個別の空冷システムによって冷却される。つまり、「GT51CH」は3つの冷却システムが同時に駆動しているわけだ。

 こうした工夫によって、ボタンひとつでのオーバークロックに対応し、「Watch Dogs 2」(Ubisoft)を4K/ウルトラハイ設定で動作させて60フレームオーバーという、4K楽々対応のスーパーゲーミングPCとなっている。また、ゲーミングPCのアイデンティティである筐体イルミネーションについては、筐体内部、前面吸気口の2カ所を800万色カラーで光らせることができる。

 電源は700Wを搭載し、将来の拡張性も十分確保している。もっとも、同社の他のデスクトップPCと同様、筐体を開けるとサポート対象外となるが、保証期間の1年は無敵で戦える性能は備えているため、購入して1年後にサポートが切れてから、じっくり拡張に乗り出すという使い方になりそうだ。価格は699,800円(税別)で、5月中旬以降発売予定。

【GT51CH】
時代に逆行する超フルタワーケース。隣の27インチモニターが小さく見えるほど
左側面はクリアパネルになっており、内部のイルミネーションが見えるようになっている
ASUS関係者が“タービン”と呼んでいる前面下部の吸気口。イルミネーションが鮮やかだが、ここから取り入れた空気でGPUを冷やすという重要な役割を担う

【GT51CH特徴】

【GT51CH】

24インチモニターが大きくなるほどコンパクトなミニゲーミングPC「ROG GR8 II」

 そしてもうひとつ、ミニゲーミングPC「ROG GR8 II」も発表された。従来のスリムサイズのミニゲーミングPCより一回り以上コンパクトで、ゲームコンソール大ほどのサイズとなっている。奇しくもMSIが先日日本展開を発表した「Trident 3」と同じ、コンパクトサイズに、パワフルなゲーミング性能という、トレンドを追った製品となる。

 「ROG GR8 II」と「Trident 3」と比較すると、スペック的には共にGeForce GTX 1060を搭載し、VR Readyを取得するなどほぼ同等で、サイズは「ROG GR8 II」のほうがやや大きく、重量もやや重いが、そのかわりHDMIを2系統搭載し、DisplayPort1.4はG-SYNCに対応しており、PCモニターによる快適なゲームプレイや、モニターとVRデバイスの同時接続など使い勝手に優れている。価格はオープンプライスで、希望小売価格は未発表。

【ROG GR8 II】

【ゲーミングモニター】
165Hzに対応した27インチWQHD(2,560×1,440ドット)液晶「ROG SWIFT PG278QR」。価格はオープンプライスで、4月以降発売予定
240Hzに対応した24.5インチフルHD(1,920×1,080ドット)液晶「ROG SWIFT PG258Q」。価格はオープンプライスで、4月以降発売予定
「ROG SWIFT PG258Q」は、スタンド下に光を投射できるライトロゴ機能を備えており、付属もしくは自作のシートを使って、お好みのロゴを投射できる