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GDC 2017、Game of the Yearは「Overwatch」! 「Firewatch」も健闘
「Inside」も2部門を受賞
2017年3月2日 17:19
GDCならではの“お祭り”である、「17th Annual Game Developers Choice Awards」。今年のGame of the Yearを獲得したのは、「Overwatch」である。「Overwatch」はBest Designを受賞しただけでなく、BEST AUDIO、BEST TECHNOLOGY、BEST VISUAL ARTにもノミネートされ、開発者から非常に高い評価を受けていた。
「Overwatch」は、対戦型オンラインシューターという極端な言い方をすればかなりレガシーな基本構造をしている。しかしBlizzard Entertainmentはここに新しい息吹を吹き込んだ。個性豊かなヒーローの競演をFPSという“自分のキャラクターが見えない”という環境にも関わらず表現、アメコミというだけでなく、日本のコミック的な要素もふんだんに取り入れ、日本をはじめとしたアジア圏のユーザーの心もしっかりつかんだ。
クセの強いキャラクター達のスキルを使うことでヒーロー気分に浸れるし、ド派手な必殺技もある。練習すれば少しはうまく戦えるようになるし、公式大会などではうまいプレーヤーの超絶プレイを見ることができる。PCだけでなくコンシューマー機でも遊べるところがユーザーの裾野を広げた。Blizzard Entertainmentだからこそ実現できる質の高いゲーム性に、より幅広いユーザーを見据えた本作は、ゲーム開発者の心をがっちりつかんだのだ。
今回筆者が注目したいのは他のGOTYノミネート作品。「Uncharted 4」、「Dishonored 2」はとてもメジャーなタイトルだが、「Firewatch」、「Inside」はあまり大きくアナウンスされてないタイトルだろう。インディーゲームのようなシンプルなグラフィックスとゲーム性にもかかわらず、開発者から高い評価を得ている。
「Firewatch」は“レンジャー”を主人公にしたオープンワールドアドベンチャー。Best Debutを受賞したCampo Santoが制作している。大自然を舞台に事件を調査していく中で大きな謎に直面していくサスペンス要素の強い物語だ。威丈高な女上司と、緊張感を増していく会話など、トレーラーで心をつかまれる迫力がある。今回はBest Narrativeも受賞している。Steamで入手できるが、ぜひ日本語化してほしいタイトルだ。
「Inside」はPlayStation Storeでも2016年11月から発売されているタイトル。光と闇のコンストラクトが印象的なグラフィックスからもわかるように、「LIMBO」を手がけたPlaydeadの作品だ。かなりダークな世界観のようで、ホラー要素も強いが、世界に強く引き込まれる。筆者も実は気になっていたはずなのに日本での発売を見逃していた。帰国したら真っ先に遊びたいタイトルだ。
17th Annual Game Developers Choice Awards
Game of the Year
Overwatch(Blizzard Entertainment)
Audience Award
Battlefield 1 (EA DICE / Electronic Arts)
Best Design
Overwatch (Blizzard Entertainment)
Best Narrative
Firewatch(Campo Santo / Panic)
BEST VR/AR GAME
Job Simulator: The 2050 Archives (Owlchemy Labs)
Best Technology
Uncharted 4: A Thief's End (Naughty Dog / Sony Interactive Entertainment)
INNOVATION AWARD
No Man's Sky (Hello Games)
BEST AUDIO
Inside (Playdead)
Best Debut
Campo Santo (Firewatch)
BEST VISUAL ART
Inside (Playdead)