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ブシロードの新作スマホカードゲーム「ラストグノウシア」発表

水野良氏が描くダークファンタジー世界で、リアルタイムバトルが展開

9月15日~18日 開催

会場:幕張メッセ

入場料:
一般前売券 1,000円(税込)
一般当日券 1,200円(税込)
小学生以下無料
世界観設定を担当する水野良氏

 東京ゲームショウ2016のブシロードブースでは、iOS/Android用の新作カードゲーム「ラストグノウシア」の発表会が行なわれた。本作の世界観設定は、「ロードス島戦記」などで知られる水野良氏が担当し、本格派のダークファンタジーとなっている。

 ステージには、同社取締役の広瀬和彦氏と、水野氏、主人公の1人「アルテミア」の声を担当する青木志貴さんが登壇。ゲーム内容の紹介やデモプレイが行なわれた。

ブシロード取締役の広瀬和彦氏
「アルテミア」役の青木志貴さん
リアルタイムに進行するカードゲーム
カードは絵柄も能力も様々

 本作は同社が得意とするカードゲームだが、デジタルゲームの特性を活かしたリアルタイムカードゲームとなっている。一般的なカードゲームは、プレーヤーが交互に行動するターン制のルールとなっているが、相手の行動を待つことなく、自分のエネルギーが溜まった時点でカードを出していける。

 プレーヤーが向かい合った形の盤上には、互いに3つのカードを置くスペースがある。その下には5枚の手札。さらに下にはパワーゲージがあり、時間の経過によってゲージが溜まっていく。手札にはコストが設定されており、パワーゲージからコスト分を消費してカードを盤上の空きスペースにセットする。

 カードにはコストのほか、攻撃力とライフ、個別のスキルが設定されている。セットされたカードはそれぞれにゲージを持っており、時間経過で増加。満タンになると攻撃を仕掛ける。攻撃は正面にある敵カードに対して行ない、基本的に敵の反撃も同時に受ける。ライフが0以下になったカードは盤上から外される。互いの攻撃力が高い場合は、両方が同時に脱落することもある。正面の敵スペースにカードがない場合は、相手キャラクターにダメージが入る。相手キャラクターのライフを先に0にすれば勝利だ。

 ゲームのルールとしてはシンプルながら、必ずしも先にカードを盤上にセットした方が有利というわけではないので、いつどのカードを出すかが重要になる。手札は消費するとすぐに新しいカードが補充されるので、通常のカードゲームと同様、各カードのスキルを考慮したデッキ構築も重要になる。

 また各プレーヤーキャラクターにはSPスキルがあり、発動用のパワーが溜まれば、敵1体を無条件に撃破するなど強力なスキル発揮される。当然ながら乱発はできないので、状況に応じた戦術と、大局を見る戦略の両方が必要だ。

 会場で行なわれたデモプレイでは、1戦が数分程度で終わっていた。カードゲームとしては短時間で、オンラインで気軽に対戦できるのも特徴だという。またプレイを実況・配信して楽しめることも考慮して開発しているそうだ。

 また本作には、シングルプレイも用意されている。基本的には対戦ゲームとして作られているものの、シングルプレイはこのゲームでは結構重要になるという。相手にドラゴンが出てくることもあるそうで、ストーリー的な要素でも楽しめそうだ。

【スクリーンショット】
上が敵陣、下が自陣。相手の様子をうかがいながら、カードをタイミングよく出していく
ダークファンタジーの世界観で展開される

 世界観については水野氏が説明。「僕自身はハイファンタジーが得意」としながらも、こだわりのあるダークファンタジー世界を描いている。元々は人間だけしかいなかった世界だったが、ユグドラシルの宿り木を自らに埋め込むことで、エルフの種族が生まれている。

 主人公となるプレーヤーキャラクターは4人。エルフの「アルテミア」は退屈な樹海の暮らしに飽きて飛び出したものの、外の世界も楽しくなく、そんな世界を楽しくしたいと思っているキャラクター。弓を持っているが、物理的なものだけでなく霊的なものも撃てる。

 2人目は戦い続けることを使命とする元騎士「エブラール」……という設定で紹介されたが、水野氏曰く「イラストが騎士というより生粋の戦士に見えるので、戦士に変えた。元は西方生まれだったが、北方にする」とステージ上で設定を急変更した。本作では中国の陰陽五行に順じ、四方と中央の5つの方角に意味を持たせた世界観となっている。

 3人目はシスターの「シャンティ」。混乱する時代の中で、自らを救世主だと思い、「世界を救って差し上げますわ!」という強い気持ちで旅立った。声優は明坂聡美さんが務めるそうだ。

 4人目は忍者の「ソウマ」。水野氏にとっては「忍者がいる世界は初めての設定かもしれない」そうだ。世界中を旅した結果、この世界は滅ぶと思い込み、無常観にさいなまれながら、人として最後まで抵抗すると静かに考えている。忍者なので無口な性格だが、台詞はきつい内容が多く、対戦すると嫌なキャラクターに感じるらしい。

アルテミア
エブラール
シャンティ
ソウマ
赤砂の女王マハスティ

 続いてはバトルで使用するカードについて。カードには精霊や龍、魔獣・霊獣など様々なキャラクターが登場するが、総称として「英霊カード」と呼ばれる。その中でもまさに英雄の霊として登場するキャラクターは、ストーリーや世界観にも強く影響する。

 「赤砂の女王マハスティ」は、ヒッタイトの女王をモデルとしたキャラクター。本作では歴史上の人物や伝説上の人物を設定として取り入れており、他にも関係するキャラクターが登場するという。

 「怠惰なるツォルン」と「精勤なるツェーレ」は兄弟のキャラクター。元々は低コストで大したキャラクターにするつもりがなかったものの、イラストが素晴らしいため、水野氏のイメージが広がって重要キャラクターになりそうなのだとか。兄弟が背中合わせになっているイラストだが、現状では2枚同時に出して特殊効果が発生するコンボのようなシステムはないそうだ。

 「円卓の女王ヴェレス」は、ヒロイン的な重要キャラクター。アーサー王をモデルにしつつ、「たまには女性にするのもいいか」と女王にしたそうだ。ゲームを進めていく上での最重要キャラクター。聖剣を手にした王女時代、円卓の女王時代、そしてもう1つの時代がある。王女時代に様々なクエストを果たして実力を付け、次は自分に言い寄る男達を戦争で破り、円卓の王会議を作って諸王をまとめる。そして悲願である楽園開放の聖戦に挑んでいき、審判の時代が始まる……というのがゲーム開始時点の時間軸となるそうだ。

 水野氏がスライドにない設定を次々と語っていくため、どこまでがネタバレとして許されているのかわからず、聞いているこちらがハラハラさせられるほど。ただそれだけの重厚な設定が既にあり、今後も世界観の構築が水野氏に一任されているというのがよくわかる。水野氏のファンであれば安心して楽しめることは間違いないだろう。

怠惰なるツォルン/精勤なるツェーレ
円卓の女王ヴェレス

 今後の展開としては、発表当日の9月15日よりクローズドβテストの先行登録を受け付けている。また10月から全国5会場で開催されるブシロードワールドグランプリ2016の会場で体験会も実施する。正式サービスの時期は未定だが、ビジネスモデルは基本無料のアイテム課金制になるとしている。

 ステージでデモプレイを担当した青木さんは、「カードゲームはターン制のイメージが強かったが、リアルタイムだと今までとは違う。格闘ゲームをやっているよう」と話していた。見ていても圧倒的なスピード感があり、従来のカードゲームとは異質な面白さが感じられた。

【ラストグノウシア ティザーPV】
ブシロードワールドグランプリ2016の会場で試遊できる
17日にもブシロードブースのステージでイベントが行なわれる。ネットでも生中継