【特別企画】

あれ?ゲームから飛び出してきた!? 川崎重工「CORLEO」がgamescomデビュー

川崎の四足歩行ロボットは、ゲーマーの夢を実現してくれるのか

【CORLEO】
2035年実用化予定
価格:未定

 川崎重工業は、gamescom 2026において、現在同社が開発している四足歩行ロボット「CORLEO(コルレオ)」を参考出展した。同機は過去に大阪万博等で紹介されてきたが、搭乗可能なモデルの一般公開は今回が初だという。「CORLEO」は、2030年のサウジアラビア・リヤド万博での採用を目標に、2035年までに実用化を目指す。

【Kawasakiが提案する未来のオフロードパーソナルモビリティ「CORLEO」】

 獣を思わせるしなやかなデザインに、金属製のボディ、車輪はなく四足歩行、手元のモニターには、様々な地表データが表示される。川崎重工ブースでは、その存在感から、CORLEOを取り囲むようにゲーマーが集まり、次から次に飛び乗っていく。コスプレイヤーが登場すると、ゲーム世界そのままであり、実にサマになる。

【CORLEO】
遠くからでも圧倒的な存在感を放つCORLEO

 これは上手い出展スタイルだと思った。この手の四足歩行ロボットは、ゲームの世界では数十年前からすでに“実用化”されており、ゲーマーが見ると、「ようやく現実が追いついてきたか」と謎の上から目線で眺めたくなる。「Horizon」シリーズの機械獣をはじめ、「メタルギアライジング」のブレードウルフ、「Overwatch」のメック、「ファイナルファンタジーXIV」のフェンリル。ゲーマーによって何に似ていると思うかは千差万別だろうが、ゲームから飛び出してきた感を受けるのはゲーマー共通だろう。

 だが、この「CORLEO」は万博向けのコンセプトモデルやゲーマー向けの客寄せパンダではなく、実用化を前提とした真面目なプロジェクトだ。今回gamescomに出展したのも、今度同社がゲーム領域に本気で取り組んでいくことを示すためだという。どういうことか?

【CORLEOディテール】
顔っぽい風防
この吸気口の奥には333ccの発電用水素エンジンを搭載
コクピットのモニター。独自のナビゲーションにより安全ルートを提案してくれるという
CORLEOの手綱はやや太め

 実はこのCORLEOと同時平行して、CORLEOをベースとしたライディングシミュレーターの開発も進められているのだ。物理演算ベースで、路面の滑り、沈み、崩れなども計算に入れた四則歩行のシミュレーションを実機開発の水準で進めることで、ゲームではない、現実世界のCORLEOの乗り味を磨いていく考えだ。

 さらに、このシミュレーターでの作り込みを、ゲームやeスポーツにも活かし、エンターテインメントコンテンツとしての展開も行なっていくという。岩場で足が滑る瞬間のひやりとする感覚、崩れる斜面を駆け上がる高揚感、こういう場面が現実に訪れるのは恐ろしいことだが、シミュレーターとしてゲームの中でしか味わえないスリルを届け、それを実機の開発に役立てていく。それがライディングシミュレーターの役割というわけだ。

 乗り物としての完成時期は2035年目処とまだ少し先だが、このライディングシミュレーターは2027年公開予定。今回のようにCORLEOに搭乗し、ヘッドセットを装着して、バーチャルテストコースを走行できる。日本でも体験できる機会を提供していくとしている。

【CORLEOライディングシミュレーター】
シミュレーター用のデザイン
シミュレーターの一例
シミュレーターならではのコンテンツも用意するようだ
ゲーム展開も考えているようだ

 その先のマイルストーンが2030年のリヤド万博で、ここでCORLEOを万博警備用の公式モビリティとしての採用を目指すと同時に、ライディングシミュレーターのeスポーツ展開も狙っていく。そういう意味では、数十万人のゲーマーが集うgamescomで、CORLEOの実物大モックアップに実際にまたがる機会を提供したことは、大きな意味があると考えているようだ。

 次世代モビリティとしてのCORLEOは、まずは万博やテーマパーク等での実用化を目指していく。最終的な着地点としては、公道を走行することは想定しておらず、コンセプトトレーラーにも描かれているように森や山といったアウトドアでの利用をメインに考えているという。

【CORLEOディテール】
Kawasakiのロゴ。NinjaやZと並べて配置したい
ひづめはラバー素材。凹凸を吸収し、草原や岩場にも対応する
サスペンション。歩行、走行、そして跳躍も可能
あぶみ。手綱とセットで、乗り手の重心移動を検知する

 せっかくの機会なので筆者も乗ってみたが、金属製の獣にまたがっているような感覚で、コクピットは広々としており、モニターも大きめ、クルマ並の情報を掲示できそうだ。シートもたっぷりで2人乗っても余裕がある。元バイク乗りとして車輪を使わない四足歩行タイプの乗り物が生きている間に実用化されるかもしれないというのは、それだけでワクワクさせられる。

 現時点では完全なモックアップであり、またがったところで硬質的かつ微動だにしてくれないが、実際にはバランスを取るためのメカニズムが機能し、しなやかに揺れを吸収する動きをしてくれるはずだ。ゲーマー的には、その際に四肢の関節部分からかすかに金属音を発して欲しいし、主人に操作を促すためのメニュー音もして欲しい。なんなら喋りかけてくれてもいい。ボイスは当然女性で……、という具合に、無限に想像を膨らませてくれる夢のあるギアだった。

 次のステップは、CORLEOの実機ではなく、まずはライディングシミュレーターになる見込みだが、シミュレーターとしてどのようなコンテンツになるのかも気になるところだ。GAME Watchでも引き続き追いかけていきたい。

【乗ってみた】