【特別企画】

こんなウェスタンは見たことがない! 4divinity「Guns of Eschaton」インプレッション

奇才ヴィクトル・アントノフが生み出す独創的な世界観に魅せられる

【Guns of Eschaton】
2026年発売予定
価格:未定

 ゲーム界を代表する個性派アーティストといえば、必ず名前が挙がるのがヴィクトル・アントノフ氏だ。彼の代表作である「Half-Life 2」、そして「Dishonored」シリーズは、20世紀のクラシカルな街並みを再現したゴシック世界に、無機質な金属や、鯨油エネルギーといった正体不明の異物を大胆に盛り込むことで、独創的な世界を生み出していた。筆者もその世界観に魅せられたひとりであり、ストーリーは忘れても、そのビジュアルは忘れられないというゲームファンも少なくないだろう。

 そのヴィクトル・アントノフ氏は、「Dishonored」のヒットを境に、親会社ZeniMaxのデザインディレクターに就任し、Arcane Studiosの「Dishonored 2」のみならず、Bethesdaの「Fallout 4」や、idの「DOOM」などの監修も手がけるなど、ビジュアル方面からZeniMaxグループを支えた。2022年に退社し、新会社Eschatology Entertainmentを設立。今回紹介する「Guns of Eschaton(ガンズ・オブ・エスカトン)」は、独立後初のタイトルとなる。

 今回は4divinityのビジネスブースで、「Guns of Eschaton」クリエイティブディレクターのFuad氏に直接レクチャーして貰いながら、ゲームを体験することができた。

【4divinityブース】

相変わらず魅せてくれる独創的な世界観

 それにしても魅せられるのはゲームのビジュアルだ。とびきり美しいわけでも、やけにむごたらしいわけでもないのだが、「これぞまさにヴィクトル・アントノフのビジュアルだ!」と確信できる圧倒的な個性がたまらない。デモを止めてもいいから、ずっとこの世界を眺めたくなったほどだ。彼のゲームが記憶に残っているゲームファンは、それだけでも本作をプレイする価値があると思う。

【ヴィクトル・アントノフの世界】
「Half-Life 2」を彷彿とさせる世界を睥睨する謎の生命体
「Dishonored」を彷彿とさせるゴシックワールド
ヴィクトル・アントノフが西部開拓時代を描くとこうなってしまう。わけがわからない(褒め言葉)

 さて、今回の舞台は、アメリカ西部開拓時代。乾燥した荒野、西部劇には欠かせない蒸気機関、そして獲物はリボルバーと、ここまではオーソドックスなアメリカン・ゴシックだが、そこに「ザ・バーニング」と呼ばれるオカルト的な霊的大災厄の要素をぶち込んでしまう。謎の異形生命体が跋扈し、草木が異常な成長を遂げ、蒸気機関車は変形し、主人公もその影響でなんと多腕となってしまう。

【姿形を変えてしまった世界】

 主人公は、この世界を変えた「バーニング」の謎を解き明かすために世界を旅していくことになる。怪異に立ち向かうコツは、多腕をうまく使いこなすこと。今回筆者は序盤のステージをプレイしたが、そこで使えた異能の力は、弾丸パリィというもので、増えた2本の腕が弾丸を防ぐシールドとなり、敵の武器の明滅や撃鉄音に合わせて弾丸パリィを使うことで、完全に銃撃ダメージを防ぎ、ジャストパリィ効果でスローモーションとなり、なおかつこちらの反撃ダメージが増加するというカウンター状態になる。

【様々なガンが登場】

 つまり、単に敵を遠距離から素早くエイムしてリボルバーで撃ち倒すゲームではなく、多腕を駆使してジャストパリィを決め、そこからカウンターを叩き込むというお作法が求められる。彼のゲームの個性は、単にビジュアルに留まらないところが特徴だが、本作においてもヴィクトル・アントノフ節は健在といった印象だ。今回は実際に試せなかったが、ほかにも異能の力は、遠近の攻撃手段など数多く用意されており、ゲームを勧めるためにはこれらを駆使することが必要不可欠となるという。

【お作法が大事】
秘伝のコーデックスを参照しながら、敵の弱点を知る。この秘伝書の手描き感も凝っている
リボルバーの弾丸には様々な種類があり、どれをどの順番で込めるかも重要になってくると言う

 実際にプレイさせて貰ったが、率直に言って非常に難しいゲームだ。先述したようにソウルライクゲームとしてのお作法をひとつずつ理解しながら丁寧に進めていかないと、すぐ天を仰ぐ(倒された時の演出)ことになる。雑魚モンスターが群がるエリアを突破するシーンで、弾丸パリィのタイミングが難しかったのでお手本を見せて貰おうとFuad氏に変わって貰ったところ、彼もステージを良く覚えていなかったのか突破に苦労していたほどで、“ソウルライクFPS”と呼称しているのは伊達ではなく、基本的には、「Dishonored」シリーズがそうであったように難しいゲームとは言えると思う。

【デモでプレイしたステージ】
何気ない雰囲気だが、修羅場と化す。複数の敵は2階エリアから狙撃し、突進してくるものもいる。各シーンひとつひとつが真剣勝負だ

 ただ今回救いなのは、2人での協力プレイに対応しているところだ。ヴィクトル・アントノフ氏の代表作である「Dishonored」はシングルプレイ専用だったため、ここは大きな進化点と言える。今回、時間不足でCO-OPまでは試せなかったが、gamescomに合わせてCO-OPトレーラーも公開されているので、確認して欲しい。協力することで、わずかに難易度が和らぎそうな雰囲気だ。

【Guns of Eschaton | Soulslike FPS Western | Co-Op Mode Gameplay Teaser】

 「Guns of Eschaton」はPS5、XBOX Series X、Steam向けに2026年発売予定。発売日までは出していないが、Fuad氏によれば、ゲーム自体はほぼ完成しており、開発遅延で発売が遅れることはないということだ。日本でも発売予定ということなので、期待して待ちたい。