マンガで振り返る「ドラクエII」の思い出その4：ザラキ、メガンテで即全滅。罠と強敵だらけのロンダルキアへの道のりに大苦戦【HD-2D版「ドラクエI＆II」発売記念】

　数々の難所が用意された「ドラクエII」ですが、筆者が最も苦労を強いられたのがロンダルキアへの洞窟の攻略でした。この洞窟でパーティが全滅させられた回数は、最終目標である大神官ハーゴンが待ち受ける神殿よりもずっと多かったと記憶しています。

　最初に困ったのが、2階の同じ場所をループしてしまうワナ。途中でルートを間違えると、以後同じ形の部屋が繰り返し表示されるので、現在地点がどこなのかもよくわからなくなる始末。5階の床は落とし穴だらけで、いったい何回下の階に突き落とされたことか。そして最後の6階も、途中でルートを間違えると元の位置に戻るため、正解ルートを発見するまで何度も何度もやり直しました。

　洞窟内に出現する敵もツワモノぞろい。攻撃力が高くてベホイミも唱えるハーゴンのきし、2回連続で素早く攻撃するキラーマシーン、あまい息とベギラマを使うシルバーデビル、炎を吐きまくるドラゴンなど、出現するたびに3人ともボコボコにされました。またダークアイは、攻撃力はさほど高くないのですが、ふしぎなおどりでこちらのMPをどんどん削り取る、実に嫌らしい存在でしたね。

　そして、苦労の末に命からがら洞窟を抜け、真っ白なロンダルキア台地に初めて足を踏み入れたときは本当に感動……したのですが、一難去ってまた一難。3人とも洞窟内でHPとMPをほぼ使い果たし、復活の呪文が聞ける祠にたどり着く前に力尽きてジ・エンド。またあるときには、ザオリクが唯一使えるサマルトリア王子がブリザードのザラキを浴びて即死し、せかいじゅのはで復活させたと思ったら、直後にまたブリザードに殺された挙句に全滅の憂き目に遭い、泣きたくなるほど悔しい思いをしたこともありました。

　ちなみに筆者、ブリザードのザラキ1発で3人とも殺され、一瞬にして絶望のどん底に叩き落された経験が何度かあります。ブリザードのほかにも、デビルロードやバズズにメガンテを唱えられ、ハーゴンと戦う前に「門前払い」をされたことも多々ありました。何も抵抗できないまま、ほんの一瞬で全滅させられたときのショックも今なお忘れられません。

　「ドラクエII」では、バトルに勝つと低確率で、敵が宝箱をドロップするのも大きな楽しみのひとつでした。特に、ロンダルキアへの洞窟などに出現する手強い敵は、店では売っていないレアアイテムをよくドロップするので、未知の武器や防具を入手できたときはすごく嬉しかったですね。

　今でもよく覚えているのは、ギガンテスからはかいのつるぎ、デビルロードからあくまのよろい、そしてスカルナイトから入手したしにがみのたての3種類。いずれも強力ながら、装備すると呪われるデメリットがあるのですが、当時のファミコン専門誌で紹介されて有名になった、ハーゴンの神殿で呪いを解除する裏技を何度も利用して、ハーゴン討伐や経験値稼ぎに重宝した思い出があります。

　しかし、個人的に一番欲しかった、はぐれメタルがドロップするふっかつのたまだけは、ついに手に入れることができませんでした。はぐれメタルは、すぐに逃げ出すので倒すだけでも難しいのに、何人かの友人が早々に入手していたので本当に羨ましかったですね。いつでもどこでも復活の呪文が聞ける超便利アイテム、一度でもいいから我が分身のもりひろ王子に持たせてあげたかったなあ……。

（次回につづく）

　リメイク作品などの発売に合わせてオリジナル版の思い出や当時の背景などをマンガでユル～くふりかえるコーナーです。

絵：橘 梓乃

　ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト：鴫原 盛之（フリーライター）