【特別企画】

マンガで振り返る「ドラクエI」の思い出その4:ゴールドマンにメタルスライム……個性豊かなモンスターたちに悪戦苦闘の日々【HD2D版「ドラクエI&II」発売記念】

【ドラゴンクエストI&II】
10月30日 発売予定
※Steam版は10月31日発売予定
価格:7,678円

 10月30日に発売が予定されているスクウェア・エニックスの国民的RPG、「ドラクエ」こと「ドラゴンクエスト」と、その続編「ドラゴンクエストII」のHD-2D版「ドラゴンクエストI&II」。

 本稿は、本作が発売されるまでの間に、ファミコン時代の「ドラクエ」シリーズの懐かしいヨモヤマ話をお届けする連載第4回である。なお、「ドラクエI」に関しては今回で最後。次回からは「ドラクエII」に関する思い出話をお届けしていく予定なので、ぜひ楽しみにしていただければ幸いだ。

当時について

 1986年の夏休みが終わりに近づいてきた8月某日。筆者は「ドラクエ」のエンディングを初めて見ることができました。

 もっとも、筆者はソフトを持っていなかったので、プレイしていたのはゲーム仲間の友人で、筆者は遊んでいるのを「見ていただけ」だったのですが。それでも、竜王の城の広大かつ複雑なマップ、画面をはみ出すほどの巨体を誇る城の主にしてラスボスである竜王のド迫力、ラダトーム城へ帰還後に人々が主人公を祝福する演出、そしてエンディング曲の美しさ……。自分が遊んでいるわけでもないのに猛烈に感動しましたね。

 一方、我が分身の勇者「もりひろ」は、まだアレフガルドの世界を半分程度しか冒険できないヒヨッ子。友人から借りたソフトでモンスターをせっせと倒し、地道にレベル上げを続ける日々を過ごしていました。

 ある程度レベルが上がったところで、特にターゲットにしていたモンスターがゴールドマンでした。当時の「ファミコン通信」だったか「ファミコン必勝本」だったか、ゴールドマンを倒すと入手できるゴールドは「リカントマムルの約3倍」などと紹介された記事を読んで以来「早く出て来いゴールドマン!」と思いつつ遊ぶようになりました。

 確かドムドーラ砂漠だったと思いますが、ゴールドマンに初めて出会ったときは大歓喜! しかし喜びも束の間、ゴールドマンは攻撃力もHPもかなり高く、あっさり負けてしまいました……。ですが、さらにレベルを上げて互角に戦えるようになると、1回のバトルで約200ゴールドも稼げたので、「ほのおのつるぎ」や「まほうのよろい」などの高価な装備品を買うための資金源として大いに利用させてもらいました。

 同じく、ファミコン専門誌で「すばしっこくて、すぐに逃げ出す」などと書かれていたメタルスライムも、サイズは小さくても絶大なインパクトがありました。

 メタルスライムも、初めてエンカウントしたときは「ヨッシャ、出てきた!」とテンションが大いに上がったのですが、こちらがコマンド入力をする前に「ドタドタドタ!」とすぐに逃げ出し、何もできないままバトル終了。そんな、ひどい……。

 その後も出会った瞬間に逃げられたり、鋼のボディで攻撃を受け止められてミスを繰り返したりで、まったく歯が立ちませんでした。しかも、呪文がまったく効かず、たまに攻撃がヒットしてもたったの1ポイント。たまに攻撃がヒットしたときは、画面に向かって毎回「逃げるなよ!」と念じながら遊んでいたのを今でもよく覚えています。

 ほかにも「ベギラマを使うらしい」と雑誌で紹介されていた「だいまどう」から本当にベギラマを浴びたり、「倒した!」と思ったらベホイミを唱え、ラリホーで眠らされた挙句メイジキメラになぶり殺しにされたり、素早い身のこなしで攻撃をかわしまくる「かげのきし」に何度も敗れたりして、王様に数え切れないほどお説教をされたのは今なお忘れられない思い出です。

(次回につづく)

「マンガで振り返る○○の思い出」とは

 リメイク作品などの発売に合わせてオリジナル版の思い出や当時の背景などをマンガでユル~くふりかえるコーナーです。

絵:橘 梓乃

 ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。

テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)