【特別企画】
【HD-2D版「ドラクエI&II」発売記念】マンガで振り返る「ドラクエI」の思い出:出会いは少年ジャンプの袋とじ「ファミコン神拳」
2025年6月25日 00:00
- 【ドラゴンクエストI&II】
- 10月30日 発売予定
- ※Steam版は10月31日発売予定
- 価格:7,678円

スクウェア・エニックスの国民的RPG、「ドラクエ」こと「ドラゴンクエスト」と、その続編「ドラゴンクエストII」のHD-2D版「ドラゴンクエストI&II」が、10月30日に発売が予定されている。
初代「ドラゴンクエスト」は1986年5月27日に、「ドラゴンクエストII」は1987年1月26日に、ともにファミリーコンピュータ用ソフトとして、当時のエニックスから発売された。そしてシリーズ第3弾「ドラゴンクエストIII」のHD-2D版が、「ドラクエI&II」に先んじて2024年11月14日に発売されて大人気を博していることは、当GAME Watch読者の皆さんであればよくご存知のことだろう。
以後、当企画はHD-2D版「ドラクエI&II」が発売されるまでの間、ファミコン時代の「ドラクエ」シリーズの懐かしいヨモヤマ話を不定期に掲載していくので、皆さんも当時の思い出に浸りつつ楽しんでいただければ幸いだ。
筆者が「ドラクエ」の存在を初めて知ったのは、マンガ雑誌「週刊少年ジャンプ」1986年11号に掲載された袋とじ企画「ファミコン神拳」でした。もっとも、本作の第一報は同誌の独占記事だったので、当時は筆者に限らず、誰もがここで「ドラクエ」に出会ったことになるわけですが。
「ファミコン史上初の本格派RPGの誕生」を高らかに標榜し、キャラクターデザインは漫画家の鳥山明氏、音楽はすぎやまこういち氏が担当など、誌面には刺激的なビジュアルとワードが盛りだくさん。特に、かつて同誌に連載されていた「Dr.スランプ」の作者が描いた、目玉と口の付いた可愛らしいスライム、いかにもイタズラを仕掛けてきそうな不敵な笑みを浮かべたゴースト、大きな一つ目でギョロリと横目でにらむメーダなど、各モンスターのデザインは凄まじいインパクトがありました。
本作の紹介記事は単発ではなく、その後も何号も続けて掲載されたと記憶しています。単に本作の舞台となるアレフガルドを紹介するだけでなく、コマンド入力や経験値、ゴールド、買い物の仕組みなど、RPGそのものの面白さを伝える構成になっていました。当時の筆者やゲーム仲間はまだ小学生で、「ウィザードリィ」や「ウルティマ」「ザ・ブラックオニキス」といったRPGが遊べるPCとソフトを誰も持っていなかったこともあり、「ファミコン神拳」に本作の記事が掲載されるたびに、「遊んでみたい!」と思う気持ちは高まる一方でした。
ちなみに、「ドラクエ」が発売される前のタイミングで、ファミコン用アクションRPGの「ハイドライドスペシャル」と「ドルアーガの塔」はすでに発売されていました。なので、別のマンガ雑誌や、当時創刊されたばかりのファミコン専門誌では、これらの作品とは遊び方が異なる本作を「ファミコン初の本格派RPG」などと紹介していたように記憶しています。
※参考文献:「週刊少年ジャンプ秘録!! ファミコン神拳!!!」(ホーム社/2016年)
リメイク作品などの発売に合わせてオリジナル版の思い出や当時の背景などをマンガでユル~くふりかえるコーナーです。
絵:橘 梓乃
ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。
テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)