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【CAPCOM創業42周年】マンガで振り返るゲーム業界:カプコンが設立された日(1983年6月11日)
2025年6月11日 00:00

1983年6月11日に、大阪市平野区に株式会社カプコンが設立された。
同社は当初、1979年5月30日に辻本憲三氏(※現カプコン代表取締役会長CEO)が創業したアーケードゲームの開発、販売を手掛けるアイ・アール・エム株式会社を前身とする、サンビ株式会社の販売部門を担当する会社として設立された。その後、1989年1月にサンビが吸収合併し、商号をカプコンに変更して現在に至る。
カプコンが設立された当時から、筆者はゲームセンターや駄菓子屋に通っていましたが、まだ幼かったこともあり、当然ながら社名はまったく知りませんでした。
筆者が「CAPCOM(カプコン)」の名称を初めて意識したのは、同社が設立された翌年、1984年12月に発売されたシューティングゲーム「1942」でした。本作をとても気に入ったことで、どこのメーカーが作ったのかが気になったからです。タイトル画面と、インストカード(※筐体に貼付する、ゲームの遊び方やプレイ料金などが書かれた紙のこと)に「CAPCOM」と描かれていたのですが、フリガナがなかったので正式な読み方はわかりませんでした。
その後も「ソンソン」「ひげ丸」「エグゼドエグゼス」「戦場の狼」「魔界村」など、面白いと思ったゲームにはことごとく「CAPCOM」の表記があったので、自然と自身の「お気に入りメーカー」の1社になりました。どのタイトルもビジュアル、サウンドともにすごくカッコイイ半面、難易度が総じて高い印象も率直に受けましたね……。確か、日本語表記で「カプコン」と読むことを知ったのは、「戦場の狼」のデモ画面で「カプコンクラブPGC」のお知らせ(※)が日本語で表示されたからだったと記憶しています。
余談になりますが、ファミコン専門誌「ファミコン必勝本」の創刊号(1986年4月号)には、編集者と小学生のグループがカプコン本社を訪ね、岡本吉起氏などの開発スタッフにインタビューした記事「ソフトハウス探訪」が掲載されました。当時、本誌を購入した筆者は「この人が『ソンソン』を作ったのか!」と、ワクワクしながら読んだことを今でもよく覚えています。
※筆者注:「PGC」とは「Play Game Card」の略称。当時のカプコンでは、「戦場の狼」のデモ画面に表示された宛先にハガキを送ると、特製の絵ハガキが届くイベントを行なっていた。詳しくはYouTubeの「岡本吉起ch」をご覧ください!
不定期に過去に起きたゲーム業界に関する出来事を、マンガでユル~く、かつ真面目にふりかえるコーナーです。
絵:橘 梓乃
ゲーム歴40年超のフリーライター。主な著書・共著は「ファミダス ファミコン裏技編」、「ゲーム職人第1集」、「デジタルゲームの教科書」、「ビジネスを変える『ゲームニクス』」、「ナムコはいかにして世界を変えたのか ゲーム音楽の誕生」など。2014年より日本デジタルゲーム学会ゲームメディアSIG代表も務める。
テキスト:鴫原 盛之(フリーライター)