先行体験

俺、剣士を辞めてシェフになろうと思うんだ……生成AIとVR技術を詰め込んだ「ソード・ビストロVR」を体験!【TGS2024】

【東京ゲームショウ2024】

開催期間:9月26日~9月29日

会場:幕張メッセ

 イベント「東京ゲームショウ2024」VRブースにて、2024年冬に発売を予定している謎のゲーム「ソード・ビストロVR」の先行試遊が開催されている。

 本作はAIによる画像生成、VR機能を活用した特徴的なアクション、何を食ったら思いつくんだというインディーゲームらしいアイディア力が光る作品となっている。開発・発売は「VR IMAGENATERS」で、サポートに「Lies of P」等でお馴染みのゲームオンが付く形で冬にリリースされる予定だ。

 今回はこの単純ながらも深みのある“真面目に不真面目”な作品を実際に体験する事ができたので、早速その詳細をレポートしていこう。

試遊スペースではVR版とPC版どちらかを体験でき、ゲームでも使用した剣を構えて記念撮影もできるぞ!

 本作のゲーム内容は至ってシンプルだ。プレーヤーはVR空間で剣を構え、謎のマッチョ猫が投げる食材を切り刻むことで自動的に調理され、切った食材を元に生成AIが世界に1つしかないオリジナル料理を生み出す作品となっている。

 VRならではのダイレクトに“剣を振る”というアクションに爽快感がありつつ、生成AIの特性を活かして同じ物が存在しない一期一会な料理を毎回生み出すという奇抜なアイディアが本作の大きな特徴。

 投げられた食材を同時に上手く切る事ができたか、どんな傾向の食材を切ったか等……様々な情報を参照しながら、各料理にしっかり料理名・画像・説明文などの情報も生み出してくれるのだ。

投げられた3つの食材をタイミングよく同時に斬るアクションはかなり楽しい。
VRなら切るモーション、PCならマウス操作、将来実装を予定しているスマホ版ならフリック操作でこのアクションを行なうとの事だ
生成AIが毎回斬られた食材を元に情報を捻出するため生み出す料理はガチの一期一会! 出てくる食材の中にはファンタジー世界間の強いドラゴンやワイバーン等の姿も……

 本作ならではのゲーム性として、出てくる食材をひたすら切りまくるのも悪くないが、狙った食材だけを切る事で特定の料理を出現させるといった遊び方もできる。

 肉だけ切る、花と野菜だけ切る、チーズは絶対に切らないなど、特徴のあるプレイをする事で完成する料理にも特徴が色濃く反映されるのだ。

 最終的にはまだ見ぬ特徴を持った料理をコレクションするために試行錯誤してプレイするのが本作の醍醐味となりそうだ。

ひたすら多くの食材を投入すると鍋にされがちなので、あえて切る食材を減らすという選択肢も重要になる。画像の料理の場合はひたすらチーズとバラを切り続けた事で両方の特徴が押し出された料理が生み出された

 現状はこのゲームプレイによって生み出された料理をSNS等に発信するという形が遊びのメインとなるのだが、将来的には生み出された料理に「戦闘力」や「属性」といった概念を付与して、よりプレーヤーの個性が目立つ料理を生み出せるように改良したいとの事だ。

 SNSでお互いに生み出した料理の「フルコース」を見せ合う事で異世界料理バトルを行うのは中々に面白そうではある……!

 ヘンテコな物が生み出されてしまう事もあるランダム性の強い面白さも秘めているので、ゲーム配信などで遊ぶ作品としても適しているかもしれない。

今回筆者が調理をして唯一生み出せた「焼き」カテゴリーの料理……! 以外と美味しそうかつ特徴が被らない料理を生み出すのが難しいので、珍しい料理を生み出せた時の達成感は高そうだ

 という訳で今回はVRと生成AIという次世代技術をフル投入した作品を紹介したが、プレイした所感としては(良い意味で)バカゲーとして非常に真面目な作りで楽しめる作品となっていた。

 元々“VRで剣を振る”というモーションの完成度が高かったという所から本作が生まれたとの事なのでアクション性も良く、色んな料理を作りたくなる中毒性があるのも面白いポイントだろう。

 まだ発展途上の段階ではあるモノの伸びしろとなるアイディアも多く、将来的には多くのデバイスでプレイできるようにするとの事なので、気になる人はぜひVRブースにて本作を遊んでみて欲しい。現在「TGS2024」で本作を遊ぶと、生み出した料理をプリントアウトして飾れるサービスも行なわれているので、ぜひ足を運んでみてはいかがだろうか。