【特別企画】

1万円以下でXboxゲームにJUMP IN! 「Fire TV Stick 4K」×「Xbox Cloud Gaming」プレイレポート

テレビに挿すだけ! 大画面で「祗」や「パルワールド」が楽しめる

【Fire TV Stick 4Kシリーズ:Xbox Cloud Gaming】

7月9日 サービス開始

 Amazonが展開するストリーミングメディアプレーヤー「Fire TV Stick」シリーズ。テレビに接続するだけでプライムビデオやYouTube、Netflixといった動画配信サービスを大画面で楽しむことができ、1万円以下と比較的安価なこともあり、GAME Watch読者の方でも愛用している方が多いだろう。

 そんな「Fire TV Stick」で今年7月よりマイクロソフトのクラウドゲーミングサービス「Xbox Cloud Gaming」が利用可能となった。これによって、コンソール機を持っていなくても「Fire TV Stick」とテレビ、そしてコントローラーさえあれば、大画面で幅広い対象タイトルをプレイできるようになる。

 そこで本稿では「Fire TV Stick 4K Max」を使用し、Fire TVでの「Xbox Cloud Gaming」体験がどのようなものなのか、プレイレポートをお届け。低価格かつコンソールいらずで気軽に「祇」や「パルワールド」をプレイできるFire TV StickとXbox Cloud Gamingの魅力をお伝えしていく。

【No Xbox? Have no fear with Amazon Fire TV Stick】

「Fire TV Stick」の世代に要注意! 「Xbox Cloud Gaming」に必要なもの

 まずは「Fire TV Stick」がどのようなものなのか簡単に紹介しよう。「Fire TV Stick」はAmazonが展開するストリーミングメディアプレーヤーで、テレビに接続するだけでYouTubeやプライムビデオ、Netflix、Disney+、U-NEXTといった様々な動画配信サービスを見られるようになる。そのほかにもスマート家電を管理したり、音声アシスタント「Alexa」を使用できる。

 2024年7月現在、最上位モデルの「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」を筆頭に、「Fire TV Stick 4K(第2世代)」、「Fire TV Stick(第3世代)」をラインナップ。最上位モデルでも価格は9,980円と比較的安価で、Amazonの大型セール期間中になるとさらに安く購入できるため、セールで安さに惹かれて買ってしまった方も多いだろう。

 今回はアマゾンジャパンより最上位モデル「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」をお借りした。通常の「Fire TV Stick 4K」と比べて、ストレージが16GBと倍増し、6GHz帯を使用するWi-Fi 6Eに対応している。

Amazonが展開する「Fire TV」シリーズ
今回はアマゾンジャパンより「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」をお借りした

 一方の「Xbox Cloud Gaming」は、マイクロソフトが展開するクラウドゲーミングサービス。サーバー側のカスタム版Xbox Series Xでゲームが動作し、ハイスペックなゲーミングPCやXboxコンソールがなくとも、スマートフォンやタブレット、ノートPCで重量級のゲームをプレイすることができる。

 現在はベータ版として提供されており、サブスクリプションサービス「Xbox Game Pass Ultimate」加入者であれば追加料金なく利用できる。「Xbox Game Pass」は先日値上げが発表されたばかりだが、数百のゲームがプレイできて月額1,450円(Ultimate)なので、年間でもAAAタイトル約2~3本の価格に収まる。

スマートフォンやタブレット、ノートPCで重量級ゲームが楽しめる「Xbox Cloud Gaming」
「Xbox Game Pass Ultimate」加入者であれば利用可能。数百タイトルをプレイできる

 準備するものは「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」本体、Xbox Game Pass Ultimateに加入しているMicrosoftアカウント、Bluetooth接続対応のコントローラー、そして安定したインターネット環境の4つだ。

 注意点として今回「Xbox Cloud Gaming」に対応したのは、最新モデルの「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」および「Fire TV Stick 4K(第2世代)」の2種類のみ。現在販売中の「Fire TV Stick(第3世代)」や「Fire TV Cube(第3世代)」、それ以前の「Fire TV」シリーズには対応していないので、お持ちの「Fire TV」がどのモデルか確認しておこう。

 そしてインターネット環境はクラウドゲーミングのクオリティを左右する重要な要素の一つ。公式では接続速度が20Mbps以上で、有線接続または5Ghz帯でのWi-Fi接続が推奨されている。自宅の回線速度やWi-Fiルーターの性能をチェックしておこう。

現在販売されているモデルで最も安価な「Fire TV Stick(第3世代)」は対応していないため注意が必要だ

 まずはAmazon App Storeから「Xbox」アプリをダウンロード。そしてアプリを起動して、画面の指示に従ってMicrosoftアカウントにログインしたら、Bluetooth対応コントローラーをペアリングするよう案内される。Xbox純正のみならず、DualSenseといったプレイステーション系、サードパーティー製のコントローラーにも対応しているので、お持ちのものをペアリングしよう。

 今回はXbox Series Xに付属する純正コントローラーを使用した。ペアリングが完了すれば、あとはゲームをプレイするだけ。続いては実際に「Fire TV Stick 4K Max」で「Xbox Cloud Gaming」をプレイした様子をお届けしていく。

まずはAmazon App Storeにアクセス
「Xbox」アプリをダウンロードする
アプリを起動して、Microsoftアカウントでログイン
画面の指示に従ってコントローラーをペアリング
Xbox系のみならず、PS系のコントローラーにも対応している
今回はXbox純正のコントローラーを使用。無事ペアリングできた

「祇」や「パルワールド」は快適にプレイ可能! シビアな操作が必要なゲームはラグを体感

 ここからは実際に「Fire TV Stick 4K Max(第2世代)」でXbox Cloud Gamingのゲームをプレイした模様を紹介する。まず前提として筆者宅は光回線(1Gbps契約)を引いており、スピードテストでも800Mbpsほど出る安定したインターネット環境だ。

 そして今回は5GHz帯のWi-Fi接続(Wi-Fi 6)を使用している。より安定したクラウドゲームを楽しみたいなら有線接続が最適だが、Fire TV Stickの場合は本体にイーサネット端子がなく、別売りの「イーサネットアダプタ」が必要となる。

 ホーム画面には対象タイトルがずらっと整列。「Xbox Game Pass Ultimate」で提供されているゲームのうち、「Xbox Cloud Gaming」に対応したタイトルのみプレイでき、「Starfield(Bethesda)」や「Forza Motorsport(Microsoft)」、「フォートナイト(Epic Games)」、「ARK: Survival Ascended(Studio Wildcard)」など様々なジャンルがラインナップされている。

「Xbox」アプリのホーム画面。クラウドゲーム対象タイトルがずらりと並んでいる
今回はWi-Fi接続で検証したが、別売りの「イーサネットアダプタ」で有線接続も可能だ

 まずプレイしてみたのはレースゲーム「Forza Motorsport」だ。日ごろから本作をXbox Series XやPCでプレイしている筆者の第一印象は「プレイできなくはないけど、ラグは明確にある」ことだった。サーバー側でゲームが動いているため、少しではあるがラグが発生しており、シビアな操作を行なうレースやFPS系のタイトルだと特に体感してしまう。

 だがこれはクラウドゲームの性質上仕方なく、本気でプレイするユーザーはPCやXboxを持っているはずで、カジュアルに「Forza」を楽しむ分には問題のないレベルに収まっている。例えば自室のPCとは別に、リビングのテレビにFire TV Stick 4Kを挿しておけば、いつもとは違う大画面で「Forza」をプレイすることができるだろう。

まずはレースゲーム「Forza Motorsport」をプレイ
早速レースに行ってみると……
体感できるラグを感じられ、少しだけハンドルやアクセル、ブレーキ操作が遅れる場面があった
一方でカジュアルに楽しむ分には問題なく、Fire TV Stick 4Kをテレビに挿しておけばプレイできるのはメリット

 続いては7月19日に発売されたばかりの神楽戦略活劇ゲーム「祇:Path of the Goddess(カプコン)」だ。対象の最新作であれば、発売日から追加料金なしでプレイできるのが「Xbox Game Pass」の魅力で、Xbox Cloud GamingによってPCやコンソール機が無くても、Fire TV Stick 4Kで大画面でプレイできる。

 「祇」はアクション性と戦略性を兼ね備えたゲームで、シビアな操作はあまり求められないためクラウドゲームにピッタリだ。実際にプレイすると、攻撃や防御でプレイに影響するラグが発生することはなく、快適なゲーム体験だった。また、今回使用したテレビは55インチと比較的大きく、ムービーシーンもより迫力を感じられた。

先日発売されたカプコンの新作「祇」
美しい……!
大画面テレビにFire TV Stick 4Kを挿せば、迫力の映像が楽しめる
シビアな操作はあまりなく、クラウドゲームでも快適に楽しめる

 主なデメリットは、一部のゲームジャンルでラグが気になってしまったり、クラウドゲーム特有のブロックノイズが稀に発生すること。やはり普段からPCやコンソールでゲームをプレイしているユーザーからすると、気になる点があることは確かだ。

 だが「Fire TV Stick 4K」をサブ機として使用することで、追加で高価なハードウェアを購入しなくても、比較的低コストでテレビでゲームをプレイできる。自室のゲーミングPCやコンソール機とは別に、リビングのテレビに挿しておけば、大画面でゲームをプレイしたり、家族と楽しんだりできるのが最大のメリットだ。

今年2月発売の「パルワールド」
筆者も発売当時からPCでプレイしていたのだが、テレビでプレイするとまた違った感覚でプレイできた
低コストでゲームをプレイできるのが「Fire TV Stick 4K」×「Xbox Cloud Gaming」のメリットだ

Fire TV Stick 4KでXboxゲームに“JUMP IN”!

 ここまで「Fire TV Stick 4K」での「Xbox Cloud Gaming」プレイレポートをお届けしてきた。体感できるラグといったクラウドゲームならではのデメリットはありつつも、1万円以下のストリーミングメディアプレーヤーを接続するだけで、テレビがゲーム機に早変わりするため、低コストでゲームをプレイしたい方には打ってつけのハードだ。

 またクラウドゲームだけでなく、様々な動画配信サービスに対応しており、映画やドラマ、音楽、ゲームといったエンタメを網羅できる。既に「Fire TV Stick 4K」を持っている方は「Xbox Game Pass」に加入するだけでプレイできるほか、今回のクラウドゲーム対応を機に「Fire TV Stick 4K」を購入してみるのもオススメ。一家に一台置いておきたいメディアプレーヤーだ。