【特別企画】

「幻想水滸伝」スタッフが再集結した王道JRPG「百英雄伝」先行体験レポート

魔導レンズや英雄コンボなど“精神的続編”を感じさせる要素も

【百英雄伝】

2024年4月23日 発売予定

価格:
5,380円(通常版)
8,690円(デジタルデラックスエディション)

 100人以上のキャラクターたちが登場し、彼・彼女たちと共に物語を進めていく王道JRPG「百英雄伝」。「幻想水滸伝」シリーズを手がけたスタッフたちが集結して作り上げられたタイトルということもあり、非常に注目度が高いタイトルだ。そんな作品を一足先に体験することができたので、そのプレイレポートをお届けしよう。

【百英雄伝 [Nintendo Direct 2023.9.14]】

2.5Dのようなドット絵で描かれるキャラクターたち

 プレーヤーが操作するのは、辺境の村から出てきた主人公のノア。筆者は彼を初めて見た時、服装が暖色系で表されているところから「幻想水滸伝」シリーズの主人公キャラクターたちを何となく思い出してしまったが、そんな彼は拠点の街で出会った仲間たちとともに捜索隊として、帝国軍との共同作戦に参加する。

 先遣隊として出発したのは、主人公を含めた4人と、帝国軍のセイ・ケースリング中尉、そして副官のヒルディ。セイを始めとする帝国軍の服装は青でまとめられており、主人公ノアの赤とは対照的。クールな態度でノアたちと接するため、最初はなかなか距離感が掴みづらい。そんな一行は、住民たちから神秘的な力を秘めた魔導(ルーン)レンズの発見情報があったというルーンの遺跡の、正確な場所を見つけ出す目的でパーティを組み、現場へと向かうこととなる。

主人公のノアと帝国軍人のセイ。2人は共にパーティの一員として共に戦い、少しずつ絆を深めていく(画像は「Nintendo Direct 2023.9.14」で公開されたもの)

 ゲームのスタート地点は街の中だが、人物などは奥に位置する時には滑らかなラインで描かれ、手前にくるとドットが際立つという手法で描画されるため、どことなく懐かしさを感じさせるのだ。ここ最近、こういったドット絵や2D風で描く“古き良き時代を思い起こさせる2.5D描画”はJRPGなどで見られるが、リアルなテイストよりもこのようなビジュアル表現のほうが好みだと感じる人もいるのではないだろうか。

人物などは、手前側に来るとドットが目立つように描かれる。こんなところから、昔懐かしさを感じてしまう人も多いはずく(画像は「Nintendo Direct 2023.9.14」で公開されたもの)

 移動はデフォルトで走るようになっており、キャンセルボタンを押しながらの場合は歩くというシステム。このため、移動がスムーズでおっくうにならないのが良かった。また、街中には大勢の人が歩いているのだが、モブキャラに関しては当たり判定が無く素通りできるため、どれだけ多くの人がいても邪魔にならないので探索が非常に快適。会話のできる人物の場合は、そのキャラクターの頭上に矢印が表示されるため、見落とすこともなかった。

大勢のモブキャラも登場するが、当たり判定がないのでストレスはゼロ。会話ができるNPCには矢印が表示されるためわかりやすい。(下の画像は「Nintendo Direct 2023.9.14」で公開されたもの)
イベントシーンでは目を大きく開けて驚いたり、走る時に足の部分がグルグル巻きで描かれるなど、マンガ的手法が数多く取り入れられているのもユニークだった。(画像は「百英雄伝」公式トレーラーで公開されたもの)

 街を出ると、ワールドマップへと切り替わる。ここはドット絵ではないが、コントローラーの右スティックなどで視点をある程度変更することが可能だ。画面右上には常に簡易マップが表示されているのだが、対応するボタンを押すことで大きなマップが表示される。しかも、ここには“次の目標”が表示され、プレーヤーが次に何をすれば良いのかが一目でわかるようになっているのだ。前回のプレイから時間が空いてしまうと、「この前遊んでいた時、何をしていたかな?」となることがあるが、それを防いでくれる便利な機能が備わっているのは、ありがたい限り。

 隣の街や村まではそれなりに距離があり、途中の川が流れている場所では釣りを楽しむこともできてしまう。とはいえ、移動できる範囲は非常に広大なので、もしかするとゲーム後半は特定の場所から場所へと直接移動できるのではないだろうか? と想像しているのだが、果たして……。

ワールドマップは広いので、簡易マップだけでは迷ってしまうことも。そのときは大きなマップを表示させて行き先を確認しよう。目的地が決まっている場合は、青の矢印の方向に進めば迷わずに到着できる

戦闘システムも「幻想水滸伝」シリーズを思い起こさせる懐かしい仕上がり

 新たな冒険の舞台として移動してきたのは、北の森と北のルーン遺跡。ここでは、フィールドの所々に光る木や石などを見かけることができる。これらのオブジェクトに近づいて決定ボタンを押すと木材などの素材として回収することができるのだが、何に使うのかは今回のプレイでは判明しなかった。

 ダンジョンマップは街などと同じく視点の変更ができず、見づらい視点になると自動でアングルが変更されて見やすくなるので、探索中もなかなか快適に移動できる。ただし、この仕組みを利用して物陰に宝箱が隠されていることもあるので、宝箱のコンプリートなどを目指す人は隅から隅までジックリと探索しなければならないだろう。

見づらいアングルになるときは、視点が自動でぐるりと動いてくれる。自分で調整する必要がないのは便利。ダンジョン内でも右上にミニマップが表示されているので、迷子になることもほとんどない。

 そして、初めての戦闘を体験するのもこの場所だった。本作は、フィールドを歩いていると突然戦闘シーンに突入するランダムエンカウント方式を採用している。バトルが始まると最初に、プレーヤーが細かくコマンドを入力する「戦う」と、戦闘が終わるまでオートで戦ってくれる「おまかせ」、そして「逃げる」の3種類から選ぶ。何度か戦ってみたところ、ほとんどの敵は「おまかせ」でも問題が無いほど賢いバトルを展開してくれたので、場面によっては中ボスやボス戦以外は「おまかせ」で十分なのかもしれない。JRPGといえば、ザコ戦で経験値を稼いで十分に自力を付け、万全の態勢でボス戦に挑むというのが定番なので、戦闘を自動的にこなして経験値が獲得できる本作の「おまかせ」はありがたい。

敵とエンカウントすると、敵キャラクターとタイムラインが表示された後に選択肢を選ぶことに。「おまかせ」を選択した時は自動で戦闘が進み、ターンが終わっても全滅させるかボタンを押すまでキャンセルされない

 ここは初めての戦闘ということで、様子を見るべく「戦う」を選択。すると、画面左下にコマンド一覧が表示され、そこから各キャラクターごとに行動を選んでいくようになっていた。全員分のコマンドを入力すると確認ダイアログが表示され、最後に「はい」を選択すれば画面最上段に描かれているタイムラインの順番に敵味方入り乱れて行動し、戦闘が進んでいく。

 ただし、自由に攻撃相手を選べるわけではない。実は、各キャラクターが装備している武器には射程という概念があるのだ。パーティは敵味方ともに前衛と後衛に分かれているのだが、例えば射程Sの武器は前衛にいても敵前衛にしか届かず、射程Mならば前衛にいる場合は敵後衛まで、後衛に配置されている時は敵前衛のみが攻撃可能に。さらに射程Lであれば、すべての場所の敵に攻撃をすることが可能、などとなっているのだ。

コマンドを全員が選択すると、戦闘行動開始となる。そこから先は、タイムラインの左側に位置するキャラクターから行動スタート

 魔導(ルーン)レンズは“基本的”には、プレーヤーが敵を攻撃すると増えていくSPを消費して行なう強力な攻撃。なかには、ヒルディのようにSPではなくMPを消費して発動させる回復などもあるので、すべてが同じ仕様というわけではないようだ。

 消費するSPはさまざまだが、敵1体に対して通常の1.2倍のダメージを与える可能性があるだけでなく、セイの魔導レンズ“ソードレイン”であれば縦一列の敵に通常攻撃の1.2倍のダメージを与えたりすることも可能なので、非常に使い勝手が良い。

各キャラクターのステータスが画面右側に並ぶが、HPとMPの下にあるSPを消費して発動するのが魔導レンズ。攻撃範囲が敵1体だけでなく、複数に及ぶものもある

 そんな戦闘システムだが、製作陣が「幻想水滸伝」シリーズの元スタッフだったということもあってか、それら作品と似たような感じになっているのが面白い所。外伝まで含めて4までプレイした筆者としては、ルールを把握した瞬間に非常に懐かしい気持ちになったほど。おそらく、当時「幻想水滸伝」シリーズを遊んだことがある人ならば、きっと同じ感情を持つのではないだろうか。

 この後は仕掛けられた罠に引っかかってしまい、パーティからノアとセイがはぐれてしまう。どうにかして仲間の元へと合流することを考える2人は、お互いがなぜこの戦いに身を置くことになってしまったのかを話しているうちに、それまでにはなかった絆が芽生えていく。そのタイミングで使えるようになるようになるのが「英雄コンボ」。条件を満たすことで、2人以上のパーティメンバーが力を合わせて敵にアタックしてくれるのだ。これもまた懐かしいと感じてしまったシステムで、派手なエフェクトを見たいがために、隙あらば何度も試してみたくなる。

 なお、この遺跡には強力なボスが待ち構えているのだが、戦闘フィールドに落ちてきた物陰に隠れる“ギミック”などを利用すれば、何とか倒すことができる。無事に勝利を収めれば一区切りとなり、街へと帰還することに。

互いに、何のために戦いに身を投じることになったのかを語り合ううちに、少しずつ信頼関係が生まれていく。この流れが、2人の英雄コンボを産み出すことに
英雄コンボは、特定のメンバーがパーティにいるときのみに選択可能になる技。ノアとセイが繰り出す英雄コンボは“友情コンボ”で、SPを消費せずに敵全体へ攻撃が可能だ

大勢の仲間の中には、必ずお気に入りのキャラクターが見つかる!

 ここから先の目的は、主人公に任せられた警備隊の仲間を増やすこと。そのためには仲間を探さなければならないが、戻った街で魔法少女と名乗るキャラクターに出会う。一人では危険そうな場所へ行こうとしていたので声をかけてみると、メロールと名乗った彼女の冒険に付き合うことに。

 メロールも、主人公との英雄コンボを出すことができるだけでなく、その使い勝手もなかなかのもの。さらに、パーティメンバーの1人で、ノアよりも2日ほど前に警備隊へ入ったリャンとの英雄コンボ・先輩後輩コンボも強力なので、これらを利用してメロールの任務を遂行すれば、無事彼女が仲間になってくれるのだった。

 しかし、1人増えたくらいでは目的達成とはならないので、他にも仲間になりそうなキャラクターを探してワールドマップをフラフラしながら手近な街へと移動。すると、入口で番兵と一悶着を起こしている人物・ユースケを発見する。その騒ぎを引き取る形で丸く収めると、彼もアッサリと仲間になってくれた。こうして少しずつ仲間が増えていき、盛り上がってきたところで残念ながら制限時間となった。

メロールは魔法少女と名乗るだけあり、使用する魔導レンズも“マジカル・キューティ・ショット”のように、それらしいネーミングになっている。(画像は「百英雄伝」公式トレーラーで公開されたもの)
世界には、ノアの仲間になってくれるキャラクターたちが数多く存在する。そんな彼らを見つけることも、ゲームの楽しみの一つだ。(画像は「Nintendo Direct 2023.9.14」で公開されたもの)

 最後に、システム部分で気づいたことをいくつか紹介しておこう。キャラクターが装備している武器だが、強くするには新しい街で強力なものに買い換えるのではなく、街にある鍛冶屋で鍛えてパワーアップさせるようになっている。

 また、いくつかの街には交易所があり、取り扱っている貿易品や価格が土地によって変わってくる。これを上手に利用すれば、安い街で購入し高く引き取ってくれる地方で売りまくることで、あっという間に大金持ちになることもできるだろう。

 このように、戦闘以外でも「幻想水滸伝」シリーズのシステムを受け継ぐ要素が盛り込まれているので、同作品をプレイしていた人には懐かしく、遊んだことのない人なら新鮮な気持ちで楽しくプレイできるだろう。

まさに「幻想水滸伝」シリーズの精神的続編。懐かしくも新しい「百英雄伝」

 駆け足で「百英雄伝」を紹介してきたが、根本的なシステムは「幻想水滸伝」シリーズから大きく離れてはいないので、同作品を当時遊んでいた人であれば、筆者がそうだったようにすぐに慣れることができると思う。ドット絵風に描かれるグラフィックスなども含め、製作陣が「幻想水滸伝の精神的続編」と表現するのも大いに頷けた。

 また、100人を超える仲間が登場するということは、その中にはきっとお気に入りキャラクターが存在するだろう。見つけたら、そのキャラを最高レベルまで上げたくなるはずだ。

 そして、気になるのがこの先のストーリーだ。序盤で絆を深めたノアとセイだが、公式トレーラーなどの情報によれば、この2人はそれぞれが信じる正義に忠実に進んでいくとあり、この先にはどのような展開が待っているのだろうか。物語の行く末が気になった人、「幻想水滸伝」シリーズの精神的続編と聞いて食指が動いた人、そして仲間100人というボリュームに心が動いた人も、2024年4月23日のリリースまで首を長くして楽しみに待とう。

公式トレーラーには、ノアとセイの一騎打ちシーンが収録されている。友情コンボを繰り出す絆で結ばれていた2人に、一体何が起きるのか……。(画像は「百英雄伝」公式トレーラーで公開されたもの)
【百英雄伝 | 公式トレーラー】