【特別企画】
注目のスクエニ製“アワ”パーティシューター「FOAMSTARS」先行プレイ
自然発生する協力プレイ! 独自性&パーティ感に盛り上がる
2023年9月21日 12:00
- 【FOAMSTARS】
- 2024年初頭 発売予定
- 価格:未定
スクウェア・エニックスは2024年初頭、プレイステーション 5/4用チームシューティングアクション「FOAMSTARS(フォームスターズ)」の発売を予定している。
本作は”アワ”を使った独自のアクションやゲームシステムの中で、4対4のチーム戦がメインコンテンツとなるTPS形式のシューティングゲームだ。ここ近年シューティングゲームはFPS・TPS問わず様々なタイプの作品が生まれており、多くのプレーヤーに遊ばれるジャンルとなっているが、今回はそんな強豪が集うジャンルにスクウェア・エニックスが新IPで真っ向から参戦する。プロモーションの力の入れ具合や作品の完成度から鑑みても相当気合の入ったタイトルであり、期待値もかなり高いタイトルだろう。
今回は、そんな本作を一足早く試遊できたので、その魅力をお伝えできればと思う。発表当初は“アワで陣地を広げていく”という特徴から「スプラトゥーン3」に似ているのではと話題になったが、実際にプレイしてみると見た目以上に完成度が高く、なおかつ本作ならではの独自性が多くある。
というより、独自性が強すぎて、シュータージャンルながら、立ち回りや戦略構築といったプレイスキルに関しては全てのプレーヤーが0からスタートになるかもと感じるくらいだった。早速そんな本作の内容を紹介していこう。
なお本作は、9月30日から10月2日にかけてβテストを開催予定。PS4とPS5ユーザーは誰でも参加できる。9月21日から開催中の東京ゲームショウ2023にも試遊出展中だ。
アワとエンタメの陽気な世界で展開する「FOAMSTARS」
まずは「FOAMSTARS」の世界観と概要について軽くおさらいしておく。
本作は”アワ”で戦う新しいバトルエンターテイメント「フォームスマッシュ」が大流行している世界の中で、高い実力と人気を誇るスター選手「フォームスター」達を操作する「アワパーティシューター」作品となっている。
舞台となる「フォームスマッシュ」が盛んなエンターテイメントシティの名前が「Bath Vegas(バスベガス)」だったり、相手プレーヤーを倒した際に「キル」ではなく「チル」と呼ぶなど、これを聞くだけでも何となく本作の陽気な空気感が理解できるかと思う。「バスベガスでチルする」などという語感の良すぎるパワーワードが飛び交うのが筆者的にはかなりツボだ。
バトルフィールドの街並みや「フォームスター」達のビジュアルは少し近未来感のあるポップでサイバーな雰囲気だったり、非常に特徴的なので、これだけでも人によっては刺さる要素が多いのではないだろうか。
陣地の拡大に高台づくり。幅広い”アワ”での戦闘方法
では”アワ”で戦うとはどういうことなのか、本作のメインとなるシューティングアクションの基本について紹介したい。
本作では「フォームガン」と呼ばれる武器を用いて”アワ”を発射する事で様々なバトルを行う。広大なフィールドを「スライドボード」で華麗に駆け巡りながら相手チームとアワを撃ち合い、一定量以上のアワをヒットさせる事でキャラクターをアワまみれで身動きが取れない状態「フォームドアップ」にする事がまず最初の工程となる。
そして「フォームドアップ」状態となったキャラクターを「スライドボード」で「スライドキック(体当たり)」することで相手をキル……ではなく「チル」する事ができるのだ。この2段階に分かれた動きを基本として、本作では様々なルールの元、多種多様なバトルを行っていく。
そしてアワの活用法は相手を「フォームドアップ」する事だけに留まらない。本作では発射されたアワがフィールドに蓄積される事で、自分の陣地のように広がって行く。自分チームのカラーのアワの上であれば「スライドボード」で移動する際に高速で動き回る事ができ、逆に相手チームのアワの上は移動速度が低下してしまうため、ただ相手プレーヤーを狙って撃つだけでなく、相手チームを「チル」しやすいように陣地を広げていく事も重要となるのだ。
そして今作では、さらにアワがフィールドに”盛られ”る事で立体的に地形を変化させるという点が非常に大きな特徴となっている。立体的に積みあがったアワは高台として狙撃ポイントにしたり、相手チームの進軍や攻撃を防ぐ防壁になるといった多種多様な活躍を見せる。単純に撃ち合いを行うだけでもフィールドには多くの不規則な高低差や壁が生まれるため、これが移動ルートや戦略をタイムリーに変化させる要因となる。同じフィールドでバトルしていても、ゲームごとに全く違う体験を味わえる可能性を秘めているのだ。
このゲーム性を前提として、本作では操作できる「フォームスター」達がそれぞれ固有の能力を持った「フォームガン」と「スキル」を持っていることもポイントとなっている。
アナウンストレーラーでも大活躍していた本作の顔とも呼べるキャラクター「ソア」は、癖のないショットと広範囲にアワをばら撒ける「スキル」を持った、一番オーソドックスな性能のキャラクターとなっている。そのため多くのプレーヤーの手になじむ性能だと言えた。
ほかにも、たとえば「グレート・ジェッター」は少し動作がゆっくりな分威力の高い「チャージショット」を使う事ができたり、イケオジである「ザ・マスター」は通常のショットが山なりな弾道となっており、攻撃向きではない代わりに本作らしい陣形づくりに適した性能になっているなど、それぞれ特徴的な性能を秘めていた。
強みや基本的な立ち回りがキャラクターによってガラッと代わる事は勿論ながら、チームメンバーの組み合わせで戦略は多数考えられる。対面チームが選択したキャラクターによる立ち回りの変化なども考慮すると、非常にやり応えのあるゲームとなっている。
とは言え、難しい事を考えなくても状況が目まぐるしく変化するスピーディーなゲームなので、知らぬ間にお互いアワまみれでグチャグチャな大乱戦になっていたり、絶大なパワー持つ「スーパースタースキル」で一発逆転を狙えたり、多種多様なゲームルールと相まって予測不能な展開で一喜一憂できる点も魅力的だ。ガチガチの対戦の中にわちゃわちゃしたパーティ感もしっかり楽しめる、非常に良いゲームバランスをしていた印象だ。
何よりも“チームプレイ”が勝利のカギに
そして筆者がプレイ中に強く感じたのは、数あるチームシューティングアクションの中でも今作は特に”チームプレイ”が重要になっている点だ。個人の腕ももちろん大事な要素なのだが、それ以上にチームワークの差で実力が出そうなシステムとなっている。
例えば今作の場合キャラクターを「チル」するにはアワを使って相手の動きを封じる「フォームドアップ」をしてから「スライドキック」する2段階のムーヴが必要なのだが、「フォームドアップ」中に敵ではなく味方チームのキャラクターが「スライドキック」をする事で「フォームドアップ」を解除して救出する事が可能となっている。
チームで団体行動することで格段に生存率を上げることができ、さらに加えて上記で取り上げたような「ザ・マスター」のように味方をサポートする事で真価を発揮するタイプのキャラクター等も存在するため、全体的にプレーヤー同士の連携を前提としたゲームデザインとなっている印象が強い。
実際のプレイ中も自分チームの誰かが「フォームドアップ」された時に声を掛け合って助け合ったり、逆に味方が相手チームを「フォームドアップ」した際に「スライドキック」を狙って突撃するプレーヤーとそこまでの道を作るプレーヤーで連携したり、チームプレイが対戦のキーポイントとなっていた。
さらに言えば、今作はシューティングアクションなため相手を直接「チル」できる「エイム力」も重要になるのだが、それと同じぐらいアワで陣地を広げたり壁を作って妨害するなど、状況を判断して動くサポート能力も重要な点が面白い。
あくまでも筆者の個人的な感覚だが、チームの中で数人はほとんど攻撃を行わずにサポート活動に徹するプレーヤーがいた方が強いのではと思うほどだった。相手を直接「チル」する以外にもチームに貢献できる要素が多い事で、シューティングが苦手なプレーヤーでも役割を持って楽しめる。この部分もガチガチのシューティングにはないパーティ感と独自のゲーム性を感じられる要因になっている。
印象がまったく異なる2つの対戦モードを体験
さて本作の基本が分かった所で今回実際に遊べたゲームモードを紹介したい。今回プレイしたのは最もオーソドックスなバトルが行える「SMASH THE STAR」と、内野と外野でチームが分散された状態でバトルする特殊ルール「HAPPY BATH SURVIVAL」の2つだ。
基本ルールから捻りを利かせた「SMASH THE STAR」
基本ルールとなる「SMASH THE STAR」は純然たる「4対4」のチーム戦となり、フィールドを自由に動き回りながら相手チームのプレーヤーを7回「チル」し、さらにその後に相手チームから「スタープレーヤー」に選ばれるプレーヤーを「チル」する事で勝利となるルールだ。
基本となるゲームルールから既に一工夫されている印象である。「スタープレーヤー」はそのバトル中に最も活躍していたチームプレーヤーが選出されるシステムとなっているため、誰が選出されるのか直前まで判断できないドキドキのバトル展開を楽しむことができる。
一見すると味方の「スタープレーヤー」の登場はピンチに思うかもしれないが、「スタープレーヤー」となったキャラクターは他のキャラクターより性能が上がった状態となる。そのため通常よりも有利に戦うことができ、さらに「スタープレーヤー」さえ「チル」されなければ敗北にはらない。このルールによって、ここから逆転できる可能性が十分に残されている。
攻めっ気のあるキャラクターや自分の実力に自信があるプレーヤーが「スタープレーヤー」になった場合は、強化されたキャラクターを駆使して攻撃的に立ち回るのも良し、サポート役や安全性を確保したいプレーヤーが「スタープレーヤー」になったら「チル」されないようにチームの後方で立ち回るなど、「スタープレーヤー」になる人物や状況によって大きく戦略が変わる。
「スタープレーヤー」にならなかったプレーヤーも自分だけでなく「スタープレーヤー」の安全を第一に行動する必要があるため、立ち回りに様々な変化が発生する。総合して、スピード感のあるゲーム展開とチームプレイの面白さを存分に楽しめるのである。お互いに声を出しあいながら協力し合い、一喜一憂できるようなゲーム体験を味わえるだろう。
「外野」の立ち回りが超重要「HAPPY BATH SURVIVAL」
もう一つのモードである「HAPPY BATH SURVIVAL」は基本となるゲームシステムは同じながらも、試合前にチームメンバーが「外野」2人と「内野」2人にランダムで分かれた状態になるのが特徴だ。いわばドッチボールのような形式となる。
ルールは、「内野」にいる相手プレーヤーを全員「チル」する事で勝利できるというもの。「チル」されたプレーヤーは一定時間後にリスポーンができるため、2人の「内野」プレーヤーをある程度同時に「チル」するか、リスポーンされる前に残った1人を「チル」するような立ち回りが重要となっている。
「内野」に選ばれたプレーヤーは前述した「SMASH THE STAR」と同じような感覚でバトルを行うためいつも通りのプレイをすれば良いのだが、このモードの鍵を握るのが「外野」の立ち回りとなっている。
「外野」に選ばれたプレーヤーはフォームガンで直接攻撃することができず「内野」のサポートがメインとなり、さらにはどのキャラクターでも全員共通の「フォームガン」と「スキル」を駆使する事となる。そして移動できるのは、「内野」を囲うように作られた外壁のようなフィールドのみ。制限はあるが、「内野」のプレーヤーが移動しやすいようにフィールドを撃ってアワで道を作ってあげたり、攻撃を受けていたらアワで壁を作り防いであげたりなど、「外野」ができる事は多岐に渡る。
「外野」は直接バトルをしない分、気が楽かもしれないが、「外野」が上手く働かないと相手のアワで一気に陣形を作られて瞬殺されてしまう事がある。それほどシビアなゲームとなっており、1回の「チル」が負けに直結する可能性があるルールと合わさって非常に緊張感のあるバトルを楽しむことができる。
「内野」プレーヤーはフィールドの状況をしっかり「外野」のチームメンバーに伝えてどう動きたいのかを共有し、「外野」はそれを踏まえた上で対応しつつ目まぐるしく代わる状況を判断してサポート活動をする必要がある。
そして、これが本当に難しい。一緒のフィールドに居ないという事もあって、お互いにチグハグな行動をしてしまったり、相手が上手いと「内野」同士がドンパチに集中している間に何故か退路を潰されていたりするため、こちらのゲームルールならではの立ち回りやプレイスキルが求められる印象だ。
自然に協力し、盛り上がれる楽しさが最大の魅力!
どちらのモードもゲームの基盤は同じなのに、緊張感やゲーム体験が全く異なっており、それでいてどちらも”チームプレイ”が最重要かつ無駄なプレーヤーが1人も生まれないという点が本作の面白さの根幹なのではと筆者は感じた。
エイムやサポートが拙くてもタイミング次第で「フォームドアップ」された味方を助けることができたり、アワが相手に当たらなくてもしっかり陣地を広げられたりといった形で、様々な形でしっかりチームに貢献できるため協力プレイの面白さをより強く感じることができた。
実際、今回筆者は1人でこの試遊に参加したので一緒にプレイした周りの7人は全てが開発関係者というなかなかアウェーな環境だったのだが、かなり人見知りな筆者ですらプレイを開始するとしっかり声が出てしまうほど、対戦ゲームとして盛り上がれ、知らぬ間に協力プレイができるようになっていたほどだ。アワによる独自の戦略性と、チームプレイの恩恵をよりダイレクトに感じやすいゲーム性が本作の一番の魅力なのかもしれない。
これ以外にも、製品版ではさらなるゲームモードやコンテンツもしっかり用意しているとの事なので、ここから先の情報解禁にも注目したい所だ。
現在開催されている「東京ゲームショウ2023」の「FOAMSTARS」ブースでは「SMASH THE STAR」が体験できるほか、βテストでは「SMASH THE STAR」に加えて「HAPPY BATH SURVIVAL」もプレイできる。気になる方は一度触れてみるといいだろう。
© SQUARE ENIX
※ゲーム内容は開発中のものです