【特別企画】
オープンワールドで堪能できる極上の夏休み体験! 「なつもん! 20世紀の夏休み」先行プレイレポート
2023年7月10日 12:00
- 【なつもん! 20世紀の夏休み】
- 7月28日 発売予定
- 価格:6,578円
スパイク・チュンソフトは、7月28日に発売するNintendo Switch用アドベンチャー「なつもん! 20世紀の夏休み(以下なつもん)」のメディア向け体験会を実施した。
本作は、自然溢れる田舎町を舞台に、主人公の少年となって自由気ままな夏休みを楽しむことができるアドベンチャーゲームだ。
体験会では限られた時間の中、ゲームの冒頭の内容を中心にプレイすることができた。ほぼ製品版と同様の内容で、虫とりなど夏らしい遊びや本作の目玉要素の1つにもなっているサーカス団との関わりなどが用意されていた。本稿では「なつもん」の見どころやプレイフィールをお届けしよう。
見知らぬ地を自由気ままに冒険するワクワク感!
物語は、主人公と家族がトラックに乗って田舎町にやって来るところから始まる。サーカス団一家の息子である主人公は、夏の期間だけサーカス公演のためにやってきた「よもぎ町」で夏休みを過ごすことになる。
本作はオープンワールド形式を採用しており、どこまでも広がる広大なフィールドを自由に駆け回ることができる。定められたゲームの目的は特に無く、未踏の地を冒険するもよし、町の人や友達と過ごすもよし、ひたすら昆虫採集や魚釣りに明け暮れるのもありだ。何をして過ごすのも自由な“リアルな夏休み体験”を堪能できるゲームとなっている。
サーカス団のメンバーたちと暮らすシェアハウスの明日葉荘に到着して挨拶をそこそこにゲームが始まる。オープンワールドのゲームといえば自由度の高さが魅力な反面、自由過ぎる故にライトゲーマーの場合何をすればいいのか困惑してしまいそうだが、本作は冒頭に発生するイベントで基本の遊び方を教えてくれるのでとても親切。
初めに「10種類の昆虫を集めよう」というイベントに従い、虫網を手に明日葉荘周りの近所で虫という虫を手あたり次第乱獲していった。虫によっては走って近づくと逃げてしまったりするので注意が必要だ。
1つのエリアの中だけでも次から次へと新発見の虫を捕まえられたことに驚いたがそれもそのハズ、虫の種類はなんと200種類という膨大な数がいるようで、序盤のエリアに豊富な種類の虫が生息しているのにも納得がいった。
捕まえた生き物はその場で絵日記に記録される。主人公の描いた色鉛筆のイラストに小学生らしいコメントも添えてあり、非常に良い味が出ている。
“動かしているだけで楽しい”アクション性の高さも本作の魅力である。ワンパク感全開の主人公は、高い木であろうが岩場だろうがどんなところでもよじ登ることができるのだ。道なき道をショートカットで進めたり、家の屋根などに隠れているアイテムを探したりといった遊びが楽しめる。
よじ登ったりダッシュをするとスタミナを消費し、壁を登っている途中にスタミナが0になってしまうと落下してしまうので、とんでもなく高い山などを登り切るのは容易ではない。
自由なゲーム性といってもやれることに制約はあるのかと初めは思ったが、「大きな冒険」と称されるイベントをクリアすることで「ステッカー」がもらえ、このステッカーがスタミナの最大値に加算されていくのだ。スタミナの最大値が上がれば進める場所もどんどん広がっていくというワクワクに満ちた作りになっている。
滑空というアクションも備わっており、この要素がまた本作の面白さを際立たせている。高い場所から飛び降りるとマントを開いてゆっくりと下降しながら空中を移動することができ、家の屋根から屋根へと飛び移ったり、ものすごい高さの山頂から飛び降りる際の浮遊感は爽快の一言である。
よもぎ町には大小さまざまなイベントが大量に用意されている。おつかい系やチャレンジ系のものから、町の人たちと親交を深めるものまで町の中を歩き回っているだけで様々なイベントが発生するので、やることの無い暇な夏休みとは無縁の生活である。
印象深かったイベントは、サーカスの取材に来ていた記者の「そらよさん」さんと一緒に隣町まで取材に行くお出かけイベントだ。2人で和やかな楽しい時間を過ごすなかで、“大人になった主人公が当時を回想するナレーション”が入る演出が何ともノスタルジックな気持ちにさせてくれる。
気の向くままに遊び回っていたら、あっという間に日が暮れて夕方になっていた。本作の時間の経過は何か行動をすると進んでいくという形式ではなく、進みの早さは現実と違えどリアルタイムで時間が経過していく仕様となっている。
一心不乱に遊びをエンジョイしていると、家に帰ろうと思ったときにはとんでもなく遠くまで来てしまっていたなんてことも起こってしまう。徒歩で帰るのは絶望的だが、バス停に立ち寄ってバスを利用すれば一度行ったことがある場所にファストトラベルが可能。長距離の移動ではとても助かる機能である。
夏の夜らしい要素も満載!
夜にシェアハウスに戻ると、サーカス団のメンバーも含めた一家団欒での食事が待っている。食卓を囲んで今日一日あったことを話す何気ない会話のやりとりも、ほのぼのと心休まる場面だ。
晩ご飯を食べたら寝て一日が終わる――と思ったのだが、なんと夕食後も明日葉荘の近辺ならば外に遊びに行くことができるのだ。普通だったら止められそうなところだが、さすがサーカスファミリーだけあって常識にとらわれないスタイル。
夜になると、同じ場所でも昼間に見ていた景色がガラリと様変わりするのも風情がある。もちろん変わるのは景色だけではなく、夜の時間に活動している人との交流や、夜にだけ出てくる虫など、夜の時間ならではの楽しみもいっぱいある。
1つ注意点は、遊びに夢中で夜更かしをし過ぎると家に強制送還され、次の日は朝早く起きれずラジオ体操に間に合わない場合もあるのだ。健全な夏休みを送るならば羽目を外し過ぎないようにしなくてはならない。
1日の締めは絵日記を書いて終わる。絵心のあるイラストに文章を付けるのだが、文章のテイストをどんな感じにするかをプレーヤーが決められるのは面白い試みである。
今日起きたことを事細かく日記に書いてくれるので1日にたくさんのイベントが起きた日は書く内容がたくさんあり過ぎて、書いても書いても終わらない夏休み最終日の宿題みたいな状態になっているのには“寝る前に書く物量じゃねえ!”と笑ってしまった。
日記を書き終えるとニワトリの鳴き声とともに朝をむかえ、ラジオ体操から1日が始まる。ゲームの中でも朝のラジオ体操は見ていると清々しい気持ちになるのは不思議だ。
主人公もサーカス団のお仕事をお手伝い!
サーカスという設定だけがただあるのではなく、しっかりとゲームの要素として存在している。主人公はディレクションという立ち位置で、公演の演目や楽曲を決めることができる。演目内容によってお客さんの満足度が大きく左右するので重要な仕事だ。
コミカル調な演出で展開していく公演は、特にプレーヤーが操作する部分は無く、観客気分で存分に見て楽しむことができる。
「シーソー」や「つな渡り」など定番の演目をはじめ様々なものが用意されている。最初は披露できる演目は少ないが機材などを購入し、できることがどんどん増えていく仕様。今回の試遊では一部しか見ることができなかったが、どんな演目が控えているのが気になるところである。
冒頭から数時間プレイしたが、今回はあくまでゲームの“表面部分”にしか触れられていないと思うので、他にもどんな遊びが待っているのかワクワクが止まらない。
大人は童心に帰って夏休みを体験でき、子どもは理想の夏休みを味わえるという、本作はどの年齢層でも心の底から楽しめるこの夏注目の作品である。
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