【特別企画】
「ドカポンキングダム コネクト」メディア対抗戦レポート
運と実力の絶妙バランスで予測不能な展開に。闘争心が見え隠れする大人達のガチバトル
2023年4月10日 12:00
- 【ドカポンキングダム コネクト】
- 4月13日 発売予定
- 価格:6,380円
コンパイルハートは、4月13日発売予定のNintendo Switch用ハチャメチャRPG風ボードゲーム「ドカポンキングダム コネクト」のメディア対抗戦を4月3日に開催した。
本作は、スティングが発売した「ドカポンキングダム」のリメイク版。プレーヤーは“勇者”となって、突如すべてのお金を奪われてしまったドカポン王国を救うべく、お金をめぐる壮絶な争奪戦に身を投じる。「ドカポン」はシリーズを通して「誰よりもお金を稼いだ者が勝ち」を一貫しており、他のプレーヤーへ様々なイタズラや妨害を仕掛けることができる元祖“友情破壊”ゲームとして知られるタイトルだ。
今回実施されたメディア対抗戦に参加したのは「4Gamer.net」、「アスキー」、「コロコロコミック」、そして弊誌「GAME Watch」を含めた全4メディア。優勝メディアにはトロフィーと読者プレゼント用の「ドカポンキングダム コネクト」ソフト10本が進呈されるとのことで、「これは絶対に勝たねばなるまい」と熱い想いを胸に秘め参加に臨んだ。
結論からいうと優勝することはできず、2位という一番悔しい結果に終わってしまったのだが、ゲームの魅力をたっぷりと堪能し、1回きりの真剣勝負だからこその熱い戦いを繰り広げることができたので、本稿ではそのレポートをお届けする。
なお、参加賞として読者プレゼント用の「ドカポンキングダム コネクト」ソフトを1本いただくことができたので、こちらについては別途掲載する案内を楽しみにしてほしい。
キャラ選びが命運を分ける。心理戦が早々に開始
まずは操作するキャラクター決めからスタート。本作では操作するキャラクターの職業を、ウォリアー/マジシャン/シーフの3つから選択することができる。ウォリアーは物理攻撃力、マジシャンは魔法攻撃力、シーフは素早さが高いという特徴がある。シーフは戦闘能力だけで言えば他の2つに比べて若干見劣りするが、マップ上で他のプレーヤーとすれ違うだけでアイテムを盗むことができるという優れた特殊能力を持つ魅力的な職業だ。
ゲームを進めていくと転職や上級職へクラスアップできるのだが、今回は10週(1ターン1日。月〜日の7日間で1週が経過)で終了というルールが設けられているため、初期職業がゲームの命運を分けるだろうと筆者は睨んでいた。どの職業にするかは他のプレーヤーを見てから決めようと考えていたのだが、キャラクター決めの順番は自分からになったため、とりあえずウォリアーを選択。職業はみんなバラバラになると思っていたのだが、続けてウォリアー、その次もウォリアーが選択され、まさか全員で脳筋殴り合いバトル勃発か……?と思いきや、最後の1人はシーフを選択。ウォリアー×3、シーフ×1でゲームがスタートすることとなった。
ウォリアーを選んだ2人は好戦的な武闘派タイプ、シーフを選んだのは妨害をメインにプレイしてくるタイプだと推察。MCからのゲーム開始宣言はまだだが、実はこのキャラクター決めから勝負は既に始まっているのだ。
序盤は静かな立ち上がり。お互いの様子を伺いつつ作戦の探り合い
本作はボードゲームでありながら、モンスターを討伐してキャラクターをレベルアップさせたり、稼いだお金で強い装備を整えていくといったRPGのような要素が楽しめるのも魅力の1つ。遠くのエリアへ行くほど出現する敵も強くなるため、まずはスタート地点の周辺エリアである程度キャラクターを強化するのがセオリーとなる。
また、マップに点在する村はボスモンスターから解放することで統治でき、村の価値がそのまま自身の資産となるため、できるだけ多くの村を解放していくことが重要。ただし、ボスモンスターは通常のマスに出現する敵と比べてかなり強い。負けてしまうとお金やアイテムを失ってしまうだけでなく、3ターンほど休みとなってしまい、他のプレーヤーに大きなアドバンテージを与えてしまう。初期ステータス状態のゲーム序盤は相手の様子見も兼ねて、それぞれ慎重な立ち上がりとなった印象だ。
序盤で活き活きしていたのはシーフ。ゲーム開始直後は各プレーヤーが同じエリアに密集しているため、すれ違うだけでアイテムを盗むことができるシーフの特徴を存分に発揮していた。
運による仕掛けも満載。プレーヤーの性格が丸裸に
何の表示もない地形マスに止まると、モンスターとのバトルのほか、キャラクターイベントがランダムで発生することがある。アイテムをある場所まで届けてほしいといったお使いイベントや、お金を支払うことで強い装備品を提供してくれる鍛冶屋イベントなど種類は様々。
中にはプレーヤーの選択次第でいろいろな結果となるものあり、貴重なアイテムが貰えたりすることもあれば、お金を失うだけで何も起こらないパターンなども。見返りを求めて賭けに出るか、イベントに参加せずに無難に過ごすか、こういったプレーヤー自身の素の性格が思わず出てしまうような仕掛けが満載なのも「ドカポン」の面白いところだ。
隙きあらば他プレーヤーを急襲。手に汗握る駆け引きバトルが楽しめる
筆者は順調に村を解放させつつキャラクターもしっかり強化。手堅く進めていき、ゲーム開始から暫くの間は1位をキープ。2位との差も大きく余裕もあったので、そろそろ何か仕掛けていきたいと考えていたところ、移動圏内にシーフの姿が。ステータスを確認してみるとこちらに分がありそうだ。ただし、「ドカポン」の独特なバトルシステムは、ステータスが有利とはいえ運次第では負けてしまうことがあるということを筆者は知っている。
バトルでは先行と後攻がそれぞれ1ターンずつ行動し、相手のHPを0にした時点で勝ちとなる。攻撃側が選択できるのはこうげき・攻撃魔法・ひっさつ、そして職業ごとに使用できる特殊技の4つ。対する防御側は、ぼうぎょ・防御魔法・カウンター・こうさんの4つ。それぞれのコマンドにはお互い強い・弱いといった関係があり、例えば攻撃側の「こうげき」に対し、防御側が「ぼうぎょ」を選んだ場合には、防御側がダメージを軽減することができる。同様に「ひっさつ」には「カウンター」、「攻撃魔法」には「防御魔法」といった具合に、相手が何を選択するかを予測してコマンドを選択していくじゃんけんのような方式となっている。それに加え、キャラクターのステータスや職業の特徴、そして運も絡んでくるため、一筋縄ではいかない奥深い戦いを楽しむことができるのだ。
この時点でシーフは3位だったので、1位であるこちらがリスクを負ってまで戦う必要もないのだが、序盤に他のプレーヤーたちからアイテムを盗む悪行を働いていたので、懲らしめる意味も込めて勝負を仕掛けてみることに。表向きには平然を装おっていたが、内心はかなりドキドキしていた。結果は選択したコマンドも読み通りばっちりハマってなんとか勝利。所持金をごっそり奪い、3ターン休ませることに成功した。対人戦はモンスターとのバトルとはまた違った緊張感があり、勝利時の嬉しさもかなりものだ。
更生するどころかさらに悪事し重ねていくシーフ。ついには賞金首に
バトルに敗れ、所持金を失い途方にくれるシーフ。これに懲りて盗みを諦め真面目にゲームを進めるのかと思いきや、今度はなんとお店を襲うという略奪行為を始めた。正義の制裁を行なったつもりが、さらに悪事を重ねる凶悪犯を産みだしてしまうとは……。
お店を襲うことに成功すればお金やアイテムを大量に獲得できるのだが、失敗すると7ターンの間建物マスに入る事ができなくなり、さらには賞金首となり全プレーヤーから標的にされてしまう。まさにハイリスクハイリターンの行動となるのだが、結果は見事失敗に終わってしまい、30,000Gがかかった賞金首となってしまった。果たしてシーフはこの先に明るい未来があるのか。
ステータスだけでは計り知れない恐ろしいモンスターたち
スタート地点から離れたエリアに進むと、村に配置されているモンスターもかなり強い。その分、村の価値は高いものとなっているので、優勝を目指すにはどんどん攻めていく必要がある。とはいえ、無謀な挑戦は意味がないので、ボスのステータスをしっかり確認しつつ手堅く攻略していく。
鳥のような見た目のボスモンスター「コカトリス」。ステータスを見る限りはこちらの方が上回っており、1ターンでは倒せないかもしれないが、負けることはまずないだろうと挑戦してみることに。
1ターン目はこちらが先行。まずはこうげきを選択するもここで痛恨のミス。続いて敵のターン。相手が繰り出してきたのはなんと「石化」。ぼうぎょやカウンターといったコマンドが一切使用できない石化状態となってしまい、そのまま2ターン目に突入。非常に嫌な予感がする。ただし、通常攻撃であれば数発は耐えれるはず。そう思っていた次の瞬間、相手が放ってきたのはひっさつ。為す術なく1発で撃沈。所持金はあまり持っていなかったので問題はなかったが、鍛冶屋イベントでもらった貴重な盾を失うハメに。さらに戦闘不能で3ターン休みとなり、この間にしっかりと順位を逆転されてしまった。
恐怖、「デビラーマン」襲来
ゲームも終盤になってくると、上位と最下位の差はかなり大きくなっていた。ただし、本作にはそんな状況を打破できる一発逆転要素が用意されている。それが「デビラーマン」だ。最下位となっているプレーヤーにはゲームの途中で悪魔のささやきが聞こえてくる。この状態でマップ上にある魔法陣マスに止まると、悪魔とのけいやくを行なうことができ、数ターンの間「デビラーマン」に変身することができる。
「デビラーマン」はステータスが3倍となるほか、毎ターンランダムで獲得できる「魔闘気」とよばれるポイントを消費することで、様々な妨害技を使用することができる。さらに、「デビラーマン」が村に止まるとモンスターを召喚し、解放した村がリセットされてしまうなど、他のプレーヤーの今までの努力を一瞬で無にしてしまう恐ろしい能力を持っている。
今回の戦いにもついにその時がやってきた。最下位プレーヤーの元へ悪魔のささやきが聞こえてくると、会場に少し緊張感が漂ったように感じた。ただし、「デビラーマン」に変身するには所持金やアイテム、解放した村を全て生贄として捧げなければならないデメリットもあるので、変身するかどうかを決めかねていた様子。しかし、残りターンも少なくなっている状況で、通常プレイでは逆転不可能なほど差がついていたので、意を決して変身するべく、魔法陣マスへ移動。ついに恐怖の「デビラーマン」が降臨することとなった。
筆者はこの時点で2位。残されたターン数も少なく、ここからの逆転はなかなか難しい状況にあったので、「デビラーマン」の登場によりワンチャン1位が失墜してくれる可能性があるのではないかと密かに期待していた。案の定「デビラーマン」の標的は1位のようで、1位プレーヤーにバトルを仕掛けていく展開に。
数ターンですぐに「デビラーマン」に捕まってしまいバトルを仕掛けらた1位プレーヤー。「デビラーマン」のステータスは通常キャラクターの3倍となっているため、普通に考えて勝つことは不可能。誰もがそう思っていたのだが、「デビラーマン」がここで選択したのはなんとひっさつ。ひっさつはとてつもないダメージを与える事ができる代わりに、相手がカウンターを選択した場合に確定で反撃を喰らってしまう博打的なコマンドだ。通常こうげきでワンパンできるはずだが「なぜここで……!?」とその場にいた誰もが思ったに違いない。さらにびっくりしたのが、なんと1位プレーヤーはしっかりとカウンターを選択しており、「デビラーマン」の攻撃から1ターン耐えることに成功。さらに反撃で大ダメージを与えるおまけ付き。これには会場内にどよめきが起こる。筆者はこのターンで絶対に1位プレーヤーが戦闘不能になってくれると信じていたのだが、まさか過ぎる展開に暫く呆然としてしまっていた。
結果としては、奮闘虚しく次のターンで1位プレーヤーは瞬殺されてしまうのだが、ここでゲームはちょうど終了に。この耐えた1ターンが影響したのかは微妙なところだが、結局順位の変動は起きず、筆者の最終順位は2位に終わった。
今回のメディア対抗戦は、終わってみればそこまで激しくずる賢い妨害や破天荒なプレイは見られなかったが、これはどうやらどのメディアもガチで優勝を狙っていた結果ではないだろうか。何にせよ、“友情破壊”ゲームによって各メディアの関係が険悪になることもなく、終始良い雰囲気でお菓子をつまみながらワイワイとゲームをプレイできたのはとても楽しかった。
「ドカポンキングダム コネクト」はいよいよ4月13日に発売。公式サイトではオンラインマニュアルやキャラクター、システムなどが公開されている。大人数でもソロでも遊び応えたっぷりなゲームとなっているので、しっかりと予習してからプレイしてみてほしい。
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