【特別企画】

三上真司氏の新作「Hi-Fi RUSH」が楽しい! リズム×3Dアクション完全融合で高まる気分と爽快感

ノリとテンポで魅せる、Tangoからのサプライズプレゼント

【Hi-Fi Rush】

1月26日 発売

価格:4,150円より(Xbox Game Pass対応)

 1月26日、Tango Gameworksより突然配信されたXbox Series X|S/PC用アクション「Hi-Fi RUSH」。さっそく本作をプレイしたところ、リズムゲームと3Dアクションの組み合わせがあまりに楽しい体験となっていたので、その一端をご紹介する。価格は通常版が4,150円、Deluxe Editionが5,550円(どちらもMicrosoft Store)。Xbox Game Passにも対応しており、加入者は追加料金なしでプレイ可能だ。

【Hi-Fi RUSH | Official Gameplay Deep Dive Trailer】

ゲーム体験のすべてがリズムを刻む! Tango新作は攻めた3Dアクションに

 まず「Hi-Fi RUSH」を開発したTango Gameworksについて説明しておくと、Tango初代「バイオハザード」をディレクターとして夜に送り出した三上真司氏が率いるゲームスタジオだ。Bethesda Game Studiosなどがいるゼニマックスグループ傘下であり、これまでに「サイコブレイク」シリーズなどを開発し、最近では「Ghostwire: Tokyo」を世に送り出した。その履歴を見ると“恐ろしくて不気味な世界”が持ち味と言えるスタジオだが、今回の「Hi-Fi RUSH」はその真裏くらいのポップで明るい世界観となっている。

上から、「サイコブレイク」、「Ghostwire: Tokyo」。「Hi-Fi RUSH」とは方向性が完全に異なる

 そして「Hi-Fi RUSH」の最大のポイントは、敵を倒していく3Dアクションとリズムゲームをがっぷり四つで融合させているところにある。プレーヤーのアクションはBGMのビートと同期するようになっていて、ビートに合わせて攻撃ボタンを押せば、タン、タン、タン! と心地よくコンボが繋がり、攻撃力が増していく。主人公を操作しながら、リズムに合わせてアクションをしていく感覚だ。

 ここで注目しておきたいのは、この“ビートと同期する”という要素はゲームの隅々にまで行き渡っていること。たとえばステージは、背景はビートに合わせて動いたり明滅しているし、橋がかかるなどもギミックなどもBGMに合わせてタタタタタタン! と小気味よく動作したりする。敵の動きも音楽に合わせてあるし、もっと言えばカットシーンの映像も音楽と同期する形でリズミカルに作られている。

 リズムと他ジャンルの融合という点では「クリプト・オブ・ネクロダンサー」を彷彿とさせるし、世界が音楽と同期するという点では映画「ベイビー・ドライバー」のような趣もある。とにかくゲーム体験の全体が音楽と同期しているから、あなたはそこに合わせるのです! という仕上がりで、3Dアクション全体がリズムゲームにジャックされたような感覚がかなり新鮮だ。プレイ中は戦闘以外の箇所も含めて、リズムに乗る楽しさをずっと体験することができるだろう。

ビビッドな色合いで作られたステージ。いくつかのオブジェクトはビートを刻んでいる
カットシーンでも映像がリズムに合わせる形で作られている
戦闘アクションではコンボがつながる。キメのリズムをしっかり合わせるとさらにダメージが入る
リズムばっちりだと「Perfect」のエフェクトが。表現的にもリズム的にもかなり気持ち良い
戦闘終わりでは評価が入る。いかに格好良くキメて、スコアを上げていくかも大事だ

ボリュームも十分。ぜひ体験したいリズムと3Dアクションの融合

 ゲームはステージ攻略型で、決められたルートを進みながら敵を倒し、ステージ最後に待ち受けるボスを倒せばクリア。怪しい企業の実験で、主人公のチャイが(事故で)胸に音楽プレーヤーを埋め込まれるという奇妙なシーンから始まり、企業の各部門のトップを撃破していくストーリーが展開していく。

 リズムと3Dアクションを完全融合するというゲームデザイン的に攻めたタイトルなので、比較的小規模な実験タイトルになるのかなとプレイ前は予想していたが、本作はそうではないようだ。まだまだプレイの途中ではあるが、ゲームを進めると攻撃コンボのバリエーションを増やせたり、敵の攻撃を防ぐ「パリィ」の要素が加わったり、3Dアクションとして次々に充実していく(もちろん本作らしいリズム的アレンジあり)。ボスもステージ数も手厚く用意されていそうなので、少なくとも値段相応のボリュームあると推察できる。

ボス戦になるとこの通りド派手に。攻略の鍵はやはり「リズム」だ

 また個人的に気に入っているのは、日本語音声がばっちり収録されている点。チャイを下野紘さんが演じているなど、キャスティングが実にしっかりしている。本作に登場するキャラクターは(特に企業の幹部は)クセ強めの濃い人物たちばかりだが、そのあたりのクセ強感もばっちり日本語ボイスで表現されている。安心の日本スタジオ産ということで、違和感なく世界に入り込める。

 ゲームはしっかりとしたチュートリアルからスタートして、ステージが進むごとに戦闘アクションの激しさが増していく。感覚的には「Marvel's Spider-Man」くらいの戦闘のスピード感があり、やっていることは似ているのに、ここにリズムの制約があることでまったくと言っていいほど体験が斬新かつ楽しくなっている。

 体を揺らしながらアクションを進め、リズムよくコンボを決めることで一般的な3Dアクションにはない爽快感を得ることができる。「Ghostwire: Tokyo」の次作というのが信じられないほどポップで実験的な本作だが、Tango Gameworksからの嬉しいサプライズプレゼントとしてぜひ受け取っておきたい1本だ。

主人公のチャイを演じるのは下野紘さん
猫型ロボットのパートナー「808(やおや)」。通信機としても機能する。あととにかくかわいい
ナイン・インチ・ネイルズなど著名ミュージシャンの楽曲が収録されていたりする。こういうあたりにもこだわりを感じる
新たなコンボは購入することで獲得できる。他にも拡張要素が豊富にある