【特別企画】

トランシルバニアへの特急便! 古今東西のドラキュラサウンドを収めた決定版「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ」26枚組+特典1枚991曲を一足先に堪能してみた

広がる時代と舞台に合わせて進化していった「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 赤」

【ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 赤】
「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 赤」の外観。「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 黒」と同様に裏面は収録タイトルのゲーム画面が並んでいる。鞭成分は少なめ。
13枚を並べてみた。赤色のジャケット、化粧箱がよくマッチしている。

 さて、お次は「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 赤」に触れていきたいと思う。本パッケージは「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」に代表される、探索型のタイトルが多数収録されている。

 もちろんDISC1で先陣を切るのは「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」である。本作は「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」の続編にあたるが、従来のステージクリア型から探索型へと大きくゲームデザインが変わり、広大なマップを自由に駆け巡れるようになった。それに伴いゴシックベースを踏襲しながらもマップに合わせて多種多様なBGMが生み出されることになった。「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」は序盤に前作のクライマックスシーンから始まることもあって、「悪魔城ドラキュラX 血の輪廻」の一部BGMが序盤で使われているが、それ以外は新規曲となっている。どの曲もゴシックホラーの世界観が見事に表されており聴きごたえ満点なのだが、特に「失われた彩画」は是非とも聴いていただきたい。

【DISC1】
トラック37の「夜曲 (Eng ver.)」がボーカル入りで雰囲気満点である。トラック17の「焉道」も不気味な環境音が不安をかきたててGOOD。

 DISC2には「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」のセガサターン版追加BGMが収録されている。追加曲はお馴染み「Vampire Killer」「Bloody Tears」「Beginning」のオシャレなRemixが並んでいる。特に「Beginning remix.1」はイントロが「Bloody Tears」なのだが途中から「Beginning」が入り込んでくるという名曲のコラボレーションとなっている。また、9トラック目からはメガドライブでリリースされた「VAMPIRE KILLER」が入っている。こちらも知る人ぞ知る名作で、FM音源を十二分に活かした見事な音作りである。1ステージBGMの「REINCARNATED SOUL」、2ステージBGMの「THE SINKING OLD SANCTUARY」、そして何といっても6ステージBGMの「CALLING FROM HEAVEN」の盛り上がりっぷりが半端ない。また、「Vampire Killer」、「Bloody Tears」、「Beginning」のFM音源アレンジ版も聴き逃せないポイントである。

【DISC2】
FM音源特有の機械的でありながらも美しい音色を堪能していただきたい。

 DISC3からDISC4にかけてはPlaystation2にてリリースされた「Castlevania」が収録されている。本作のBGMはゴシック色の強いよりディープな仕上がりとなっている。「反魂秘術研究棟」ではダンスミュージックが取り入れられているが、世界観は少しも損なわれておらず、逆にそのディープさに拍車がかかっている。

【DISC3、DISC4】
DISC3トラック21の「喝采なき奏楽堂」の切ないけれども美しい旋律に聴き惚れる。

 DISC5は携帯機であるゲームボーイアドバンスでリリースされた「Castlevania 暁月の円舞曲」である。一度グッドエンディングを見た後に名前入力を「JULIUS」とすると遊べるユリウスモード時に流れる「夜まで待てない」は前述のアーケード版「悪魔城ドラキュラ」が初出であるが、ユリウス・ベルモンドのテーマと言っても差し支えないくらいに馴染んでいるし、女性型モンスターしか出てこないエリアで流れる「幻夢宮」は幻想的な雰囲気満載で特に推したい一曲である。

【DISC5】
DISC5。本文でも推させていただいた「幻夢宮」のアレンジがボーナストラックとして収録されており、こちらもオススメ。

 DISC6はニンテンドーDSでリリースされた「悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架」が収録されている。ニンテンドーDSのハード特性を活かした格段にグレードアップしたサウンドと、タッチパネルで魔封陣を描いたりなどを存分に楽しめる本作、中盤ボス戦の「闇夜の激突」のオーケストラヒットがとても特徴的なのでオススメしたい。

【DISC6】
トラック5の「漆黒の進攻」やトラック20の「悪魔城最上階」もノリが良く、テンションが上がるのでオススメ。

 DISC7と8は「悪魔城ドラキュラ 闇の呪印」が収録されている。「悪魔城伝説」の数年後が舞台となっており、「悪魔城伝説」主人公のラルフ・ベルモンドも登場する。「廃城 ~闇の呪印~」や「闇の従者たち -その1-」「狂気の貴公子」などがダークな雰囲気を保ちつつも疾走感に溢れておりとても聴きごたえがある。

【DISC7、DISC8】
DISC7と8。DISC7の「伝説のベルモンド」の疾走するギターも是非聴いていただきたい。

 DISC9とDISC10は「悪魔城ドラキュラ ギャラリー オブ ラビリンス」を収録。リアルタイムで2人の主人公を入れ替えるパートナーシステムが採用されており、「シャーロット!」「ジョナサン!」の掛け声で交替しながらお互いをフォローしながら探索していく事になる。ここでは「狂月の招き」と「VICTORIAN FEAR」を推したい。特に「狂月の招き」のイントロの心の掴まれ具合は半端でない威力がある。また、「Overture」のアレンジも素晴らしく、決戦前に否が応でも盛り上がってしまう。DISC9はゲーム用アレンジバージョン、DISC10はオリジナルバージョンとなっているが、どちらも良いとしか言えないので是非とも聴き比べていただきたい。個人的にはDISC10収録の「シモン・ベルモンドのテーマ-2007-」に『スーパーファミコン版音源のリファインかな?』からの『おおっ?!』と大変驚かされた。

【DISC9、DISC10】
DISC9と10。トラック9の「切り裂かれた静寂」もボス戦に相応しく緊張感を持った盛り上がりを魅せてくれる。

 DISC11とDISC12は「悪魔城ドラキュラ 奪われた刻印」が収録されている。同社が運営するインターネット通信販売サイト「コナミスタイル(KONAMI STYLE)」で即完売となった、最もレアと言えるこの2枚、DISC11の1曲目「黄昏の聖痕」から最高潮である。小気味良いビートを刻む「序章~再び~」も非常に素晴らしく、まさに名曲の宝庫である。「黄昏の聖痕」はDISC12の1曲目にも収録されているが、こちらはステージBGMとしてノリノリの姿になっており、最高としか言いようがない。28曲目には「黄昏の聖痕」のアレンジ版も収録されており、また違った感動が味わえる。

【DISC11、DISC12】
DISC11と12。DISC11トラック27の「激昂の軌跡」が拍子が変わっていく面白い展開になっており、聴きごたえがある。DISC12トラック18の「RIDDLE」は「悪魔城伝説」の同曲を本作用に編曲されているが、ファミコン版の風味を残しつつもオシャレな素敵アレンジに仕上がっている。

 最後になってしまったが、DISC13は「悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair」。こちらはステージクリア型と探索型を掛け合わせたようなシステムになっており、ニンテンドーDSでリリースされたタイトルを中心に主要人物達が多数出演している。「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 黒」で紹介した「悪魔城ドラキュラ Judgment」と同様、各シリーズの代表的な曲が軒並み揃っているので、特に「探索型ドラキュラの名曲を一通り楽しんでみたい」という方には「悪魔城ドラキュラ Harmony of Despair」が最適であろう。また、本作オリジナルのイチオシは「CRIMSON BLOOD」。盛り上がること間違いなしだ。もう1点、本作はゲストに「月風魔伝」の主人公、「月風魔」が登場するのだが、「いけ!月風魔」と「龍骨鬼」が収録されている。「月風魔伝」は和風アクションゲームなのだが、悪魔城仕様のゴシック調にアレンジされたこの名曲達、とてもオツなものである。

【DISC13】
DISC13。これもどれもオススメなのだが、やはりトラック29の「龍骨鬼」を推したい。KONAMIファンなら是非聴いていただきたい。

これぞレア盤!「MIDI from 悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」

 さて、最後に特典CDについても少しばかり触れておきたい。セットリストは既に同社のホームページで公開されているが、「悪魔城ドラキュラX 月下の夜想曲」からチョイスされており、長いもので7分以上のトラックもあり、期待を裏切らない内容になっている。

 個人的にはトラック9のディストーションギターやクリーンギターがいかにもMIDI!といった感じでたまらないし、アレンジも思う存分やってくれており、まさにドラキュラファンのためのレア盤と言って差し支えないだろう。「ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 黒・赤セット」を早期予約された方は楽しみにお待ちいただきたい。

【SPECIALDISC】
この「SPECIALDISC」のフォント、「A」の傾き具合といい、どこかで見たような・・・。中身は聴いてのお楽しみ。
【ミュージック フロム 悪魔城ドラキュラ 黒・赤】
最後に黒赤を並べてみた。まさにコレクターズアイテムと言えよう。