【特別企画】
プロデューサーさん! もうすぐ「アイドルマスター スターリットシーズン」ですよっ!
AC版から最新作まで「アイマス」の魅力を今こそ振り返ろう! 久多良木Pインタビューもあるよ
2021年9月6日 00:00
- 【アイドルマスター スターリットシーズン】
- 10月14日発売予定
バンダイナムコエンターテインメントの看板タイトルの1つであるアイドルプロデュースゲーム「THE IDOLM@STER(以下アイマス)」シリーズ。その最新作「THE IDOLM@STER STARLIT SEASON(以下スタマス)」がプレイステーション4/Steamで発売される。
コンソール機では2017年にリリースされた「THE IDOLM@STER STELLA STAGE」以来で、実に約4年振りの新作となる。全国のプロデューサーたちが発売を待ちわびている期待の作品である。
いよいよ発売まで約一カ月というこのタイミングで、弊誌では「アイマス」シリーズを大特集していく。過去作から最新作までの進化の歴史、現在配信中の「スタマス」体験版のプレイ感、さらに、本作のプロデューサーを務める久多良木氏へのインタビューなど、多方面から「スタマス」の魅力を伝えていきたいと思う。
「アイドルマスター」史上最大のフェスが開幕!
最新作の「スタマス」は、芸能プロダクション「765プロ」のプロデューサーとなり、新たな大型アイドルイベント「スターリットシーズン」に向けたスペシャルアイドルユニットを作り、イベントを成功させるのが目的となる。
人気が振るわない765プロのアイドルたちを、プロデューサー(プレーヤー)の手腕でトップアイドルへ導くというのが「アイマス」シリーズ王道のストーリーなのだが、本作はいつもとは一味違う。「スタマス」はシリーズ集大成ともいえるスペシャルな作品になっている。
今回プロデュースできるのは天海春香たち765プロのアイドルだけではなく、派生作品である「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS(以下シンデレラガールズ)」、「THE IDOLM@STER MILLION LIVE!(以下ミリオンライブ!)」、「THE IDOLM@STER SHINY COLORS」のアイドルもプロデュース可能。作品の垣根を越えた総勢29名のアイドルで、スペシャルユニット「プロジェクトルミナス」を結成することができるのだ。これにはケータイアプリなどから「アイマス」シリーズに触れたファンもグッとくるハズだ。
既存のアイドルだけではなく、本作からの新アイドルも用意されている。黄色みがかった白い髪の謎の多い少女「奥空心白」が29人目の新アイドルとして登場。パントマイムやダンスなど、一目見ただけで動きを完璧に真似できるという特技を持っている彼女。アイドルになることについて消極的な様子を見せるが、その真意が気になるところである。
「アイマス」シリーズ最大の魅力といえば、言わずもがな“アイドルたちの可愛さ”に尽きる。しかも不変の可愛さではなく、これまで新作のたびに可愛さが格段にアップグレードされてきた。次世代ハードのローンチタイトルで「リッジレーサー」シリーズが出るたびに「これもう実写」、「映像力の頭打ち」と言ってしまうのと同じ現象である。
筆者的にはプレイステーション3のタイトル辺りから“可愛さの限界”が見えていたのだが、それを新作では軽々と“可愛さの向こう側へ”行ってしまうから恐ろしい――いや、ありがたい。そして今回の「スタマス」も例外ではなく、ビジュアルは過去最大の進化と言っても過言ではない。なのでまた言わせていただきたい、さすがにもうこれが“可愛さの限界”だろうと。
進化しているのはもちろんグラフィックスだけではなく、アイドルたちとのふれあいもこれまで以上にパワーアップしている。今作からはフリータイムにアイドルたちと会いに行くことができ、キャラクターごとの物語が楽しめる。アイドルたちの個々の悩みを解決していき絆Lvを上げていくという、プロデューサーの仕事をより深く堪能できるゲーム性となっているのだ。
アイドルのメイン舞台であるライブパートは、リズムに合わせてタイミングよくボタンを押して高スコアを狙うライブゲームパートである。
ステージルールは「ライブ」、「オーディション」、「フェス」の3つに分けられている。ライブはハコ(会場)を盛り上げて「ハコユレ」目標のクリアを目指す。オーディションでは審査員の要望に応えてアピールしていく。最後のフェスはライバルのアイドルと盛り上がりを競うバチバチのステージ。これらのステージで成功を収めてトップアイドルに駆けあがっていくのが「アイマス」の醍醐味である。
「アイマス」シリーズは、アイドルたちの魅力を引き立たせる人気楽曲が数多く存在している。そんな中、一部の楽曲は作品の枠を超えたコラボ歌唱でのステージも可能。例えば「シンデレラガールズ」の代表曲である「お願い!シンデレラ」なら、「シンデレラガールズ」と「ミリオンライブ!」のメンバーを組み合わせて歌わせることができるのだ。これまで見ることができなかった夢のクロスオーバーを実現しており、期待とワクワクが止まらない。
「アイマス」はここから始まった! 15年も活躍し続ける765プロのアイドルたち
2021年の7月で早くも生誕16周年を迎えている「アイマス」シリーズ。これまでどのような展開をしてきたのか、765プロが活躍する本家「アイマス」の“ファンディスクなどを除く本編作品”に絞って歴史を振り返っていこう。
記念すべき1作目は、コンソール機やスマホを中心で展開している今では信じられないが2005年にアーケード作品としてリリースされた。今でこそ広く認知されている「アイマス」だが、新規タイトルとして稼働した当時はかなりの異彩を放っており、“ナムコがとんでもないゲームを作りおった!”と驚いたのを今でも覚えている。
ゲームの基本は1作目から確立されており、レッスンでアイドルを成長させ、オーディションを勝ち抜き、TV出演を果たしてファンを獲得してアイドルのトップを目指していく。世間の流行に合わせて、曲や衣装などの方向性を変えたりとリアルなプロデュースが体感できた。
プロデュースできるアイドルは「天海春香」、「如月千早」、「萩原雪歩」、「高槻やよい」、「秋月律子」、「三浦あずさ」、「水瀬伊織」、「菊地真」、「双葉亜美・真美」と、今ではお馴染みである個性豊かな面々が揃っている。初めはソロだが、プロデューサーランクが上がれば複数のアイドルをプロデュースすることができ、3人組ユニットを結成することもできた。
アーケードで好評を博した「アイマス」が、2007年にXbox 360独占タイトルとして発売された。アーケード版のベタ移植ではなく、システムの快適化、グラフィックスの一新、新アイドル「星井美希」の追加など、完全新作といっても過言ではない仕上がりとなっていた。
プレイ料金もかからず、周りの目も気にせずアイドルたちを思う存分愛でる――もといプロデュースすることができるので、全プロデューサー歓喜の移植だったのではないだろうか。
2011年、「アイマス」シリーズ待望の続編「THE IDOLM@STER2(以下アイマス2)」がXbox 360とプレイステーション3でリリースされた。ナンバリングタイトルとなっているがストーリーの繋がりなどは一切ない独立した作品となっている。以降のシリーズも全てこの形式になっており、結果としてどの作品からでも入れる間口の広さがある。
「アイマス2」から「我那覇響」、「四条貴音」の2人が新アイドルとして追加。そしてライバルアイドルユニット「竜宮小町」、「ジュピター」が初参戦した。ライバルたちと競い合う新要素のフェスは、華やかだけではないアイドル同士の熾烈な戦いを演出し、ゲームを盛り上げた。
あらゆる面で進化した「アイマス2」だが、一部には涙を飲んだプロデューサーもいた。前作ではアイドルとして活躍した律子が本作ではプロデューサーに転向している。律子が手掛けるアイドルユニットが伊織、あずさ、亜美による竜宮小町なのだ。この4人はライバルキャラという立ち位置になっており、プレーヤーがプロデュースすることができなかったのだ。筆者は生粋のあずささん推しなのでこれはダメージがデカかった。
2014年には、プレイステーション3用タイトル「THE IDOLM@STER ONE FOR ALL(以下OFA)」がリリース。ライバルアイドルやフェスなどの好評だった要素はそのままに、前作ではプロデュース不可であった4人が追加され、総勢13名のアイドルをプロデュース可能になった。
システム面が大幅強化されたのもポイント。アイドルの成長要素はパラメータだけではなく、レベルアップやランクアップで手に入るポイントを消費してアイドルたちに様々なスキルを覚えさせることができるようになった。この新要素により育成の深みがグーンと増した。
ライブや仕事以外でもアイドルたちとのコミュニケーションがとれる「ふれあい」要素も新たに登場。ふれあいを重ねれば思い出ポイントが溜まり、オーディションやライブが有利になるのだ。
本作から導入された「オールスターライブ」では、その名の通り765プロのアイドル全員が1つのステージに立つことができる。13人のアイドルたちが一堂に集まって行うパフォーマンスは圧巻の一言。「OFA」は「アイマス」作品の中でも遊びやすく、シリーズの入門としておすすめの1本だ。
ハードはプレイステーション4に移り、2016年に「THE IDOLM@STER PLATINUM STARS(以下プラチナスターズ)」が発売された。物語の舞台はいつもの765プロの事務所ではなく、本作では合宿所を拠点としてアイドル活動を行っていく。
プレイステーション4のマシンパワーにより映像力は格段にアップ。「ヴァリアブルトゥーン」という新技術を採用し、アイドルたちがさらに美しく生まれ変わった。
本作ではプロデュース部分や育成要素を簡略化し、ライブを中心に楽しむ音ゲー要素の強いゲーム性になっているのも特徴だ。
現在発売中のタイトルでは最新作に当たるのが、冒頭でもご紹介した2017年リリースの「THE IDOLM@STER STELLA STAGE」。ゲームの基本は「プラチナスターズ」を踏襲しつつ、前作で簡略化され過ぎた育成部分に手が加えられ、新システムの「コーチング」が導入された。コーチングは「OFA」の成長システムに近く、ライブで溜まるポイントを消費して、スキルや衣装、楽曲やアクセサリーなどを獲得することができる。
疲労という概念も本作では追加され、アイドルの疲労が溜まってしまうとライブなどでベストパフォーマンスを発揮できなくなる。「オフ」を取ることで疲労を回復しつつ、アイドルたちの休日を覗き見することができるのだ。プールでリフレッシュする姿なども見れるので、素晴らしい神システムである。
「スタマス」の見所はアイドルの可愛さだけじゃない! コラボ歌唱あり、歯応えありの体験版をプレイ!
そしてついに今年10月に発売されるのが最新作「スタマス」である。
もう既にプレイした人も多いと思うが、8月5日から「スタマス」のライブゲーム体験版が配信されている。発売を心待ちにしていたユーザーがようやく自分の手で触れることができるのだ。
本体験版の内容はライブゲームパートが中心になっており、シャニマスの主題歌「Spread the Wings!!」、シンデレラガールズの代表曲「お願い!シンデレラ」、そして本作からのスペシャルユニット・プロジェクトルミナスの完全新曲「SESSION!」の3曲をプレイすることができる。難易度はEASYとHARDの2つから選択でき、難易度によってステージと衣装が異なる。
始めにプレイしたのは、お願い!シンデレラのEASYモード。メンバーは安部菜々と双葉杏の「シンデレラガールズ」メンバー二人に加え、最後の一人は「ミリオンライブ!」の春日未来という編成。本作の目玉であるコラボ歌唱が見られる非常に嬉しい仕様である。
本作のライブパートは「アイマス2」のシステムを踏襲している。キャラクターごとにテンションの数値が表示されており、テンションの高いキャラクターのボタンをタイミング良く押してアピールしていくことがスコアを稼ぐポイントとなる。
本来ゲームにしっかり集中しなければいけないのだが、可愛く踊って歌うアイドルたちが画面いっぱいに広がっているというのに、それをスルーして数字を凝視しているなんて真似は筆者には無理であった。
3人グループの曲なので使用するボタンも3つと少なく、EASYモードなのでハコユレ(クリア)のノルマも低かったので、女の子たちのダンスをチラ見してニヤつきながらクリアすることができた。この可愛さを拝めただけで神体験版である。
体験版だけに易しい難易度だと侮っていたが、HARDモードではハコユレのノルマも格段に上がり、5人組のクインテットの曲になるとボタン入力だけではなく方向キーの入力も加わるので操作がとても難しくなってくる。
基本的には一定のリズムでボタンを押してアピールしていくのだが、5人のテンションを確認しながらリズム良く的確なアイドルにアピールさせるのは、慣れるまで結構苦戦させられる。これは音ゲーあるあるだが、1度ミスをしてしまうとリズムが崩れてしまい、立て直すまでに連続的にミスをしてしまうのも痛いポイントだ。
HARDをクリアするためには通常時のミスを減らすのはもちろんのこと、スコアを大きく伸ばすことができる「ユニゾンアピール」や「クライマックスアピール」がとても重要。これを失敗してしまうとノルマに届くのがかなり厳しくなってしまう。
サクッとクリアする予定だったが、いざプレイすると、新曲のSESSION!が頭から離れなくなるほどリトライすることとなった。初めはクリアのビジョンが見えなかったが、数十回リトライしていくうちに段々と感覚が掴むことができ、ハコユレ3.7の高いハードルをなんとか超えることができた。
体験版ながらにかなり攻めた難易度になっていたが、クリアしたときの達成感はかなりのものだった。筆者個人としては必ずクリアできる簡単過ぎる難易度よりもこのくらいのギリギリ感のある方が作業的にならず、ゲームとしての面白さを味わえるように感じた。
逆に、「こんなの難しくて無理だ!」と思ってしまった人もいるかと思うが、製品版では、アイテムによるフォローや、アイドルの成長要素もあるので、レッスンなどで能力を上げればゲームに自信がなくてもある程度カバーすることができるので安心してもらいたい。