【特別企画】

ポケモンらしさ全開! 「ポケモンユナイト」ファーストインプレッション

「ポケモン」初のチーム戦略バトルゲーム

【ポケモンユナイト】

配信日:
7月予定(Nintendo Switch版)
9月予定(Android/iOS版)
価格:基本プレイ無料(一部アイテム課金制)

ネットワークテスト開催期間:6月24日12時~6月26日

 ポケモンはNintendo Switch/Android/iOS用チーム戦略バトルゲーム「Pokemon UNITE(ポケモンユナイト)」のネットワークテストを6月26日まで開催している。

 本作は5対5の試合をオンラインで楽しめる「ポケモン」初のチーム戦略バトルゲーム。ポケモンを操作して、わざを駆使しながら敵のゴールを目指し、チームメイトと連携をとりながら制限時間内での得点を競い合う。野生のポケモンを倒してレベルを上げたり、覚えるわざを選んだり、ポケモンが進化したりといった「ポケモン」らしさも盛り込まれた気軽な戦略バトルゲームとなっている。

 今回はそんな本作のプレイレポートをお送りする。まだネットワークテストの段階ではあるが、本作の雰囲気を伝えられたら幸いだ。

 なお、本作はAndroid/iOSにも対応しているが、今回のテストプレイはSwitch版のみでプレイ可能。正式リリース版ではNintendo Switchとスマートフォン間でもクロスプレイが可能になるとのことだ。

【【公式】『Pokemon UNITE(ポケモンユナイト)』配信決定トレーラー】

ゴールを目指して協力プレイ! チームメイトとの連携が勝利に必要不可欠

 冒頭でも述べた通り、本作はチーム戦略バトルゲームとなっている。プレーヤーは「エオス島」を舞台に、新たなポケモンバトルである「ユナイトバトル」を楽しめる。ユナイトバトルは競技フィールドで行なわれる5対5の戦い。フィールドは2本の道(ルート)と開けた中央エリアに分かれており、道の先にはお互いのゴールエリアが配置されている。このゴールエリアに得点を決めることがユナイトバトルの目的で、10分という制限時間の中、どれだけ得点を決められるかを敵チームと競うこととなる。

舞台となるフィールド
道の先にある敵のゴールを目指す。道中で野生ポケモンを倒してレベルを上げ、敵との戦闘に備えるのが大事だ

 本作ではどのポケモンもレベル1からスタート。道や中央エリアに出現する野生のポケモンを倒してレベルアップしていくのが基本だ。レベルが上がると新しいわざを覚えたり、ポケモンによっては進化したりする。また、野生のポケモンを倒すことで「エオスエナジー」をゲットできる。このエオスエナジーを貯めて、相手のゴールに入れることができればそれが得点となる。

「ゲンガー」を選ぶと「ゴース」からスタート。レベルが上がると進化していく

 基本的なゲームの流れとしては、野生のポケモンを倒し、ポケモンを育てながらエナジーをため、敵のゴールエリアへと向かうわけだが、当然両チームが同じようにゴールエリアを目指すため、道中でぶつかり、そこでプレーヤー同士の戦闘が発生する。

 戦闘ではポケモン固有の「通常こうげき」と「わざ」を駆使して戦う。ポケモン毎に使えるわざが異なるだけでなく、各ポケモンには、敵へダメージを与えるのが得意なアタック型や、味方を補助するサポート型など様々な個性と役割が設定されているため、それぞれのポケモンの特色を活かした立ち回りが求められる。

 また、ゲーム序盤は同じルートを進む味方と2人で行動することが多いので、ゴール付近での2対2の戦闘が多いが、後半になるとゴールや後述するサンダー付近での5対5の戦い、いわゆる「集団戦」になりやすい。集団戦では、それぞれのポケモンが自分の役割をこなせるかが勝敗を分けるのだ。

ピカチュウのわざ「エレキネット」
レベルアップによって覚えられる大技「ユナイトわざ」は非常に強力で、一発逆転の可能性を秘めている。画像はピカチュウの「フルボルトストーム」。練習場に行けばわざの性能を確認できる

 さて、肝心のゴールを決める方法だが、ゴールを決めるには敵のゴールエリアへと侵入し、ゲージが最大になるまで待つ必要がある。この際に敵の攻撃を受けてしまうとキャンセルされてしまうので、敵が近くにいない安全な状態でゴールにアプローチをすることが求められる。ゴールを決めれば貯めていたエオスエナジーがそのまま得点となって加算されるが、エナジーが多いほどゴールするにも時間がかかる。また、エナジーを保有した状態で倒されると、持っていたエナジーを落としてしまうことにもなるので注意が必要だ。敵との戦闘を避け、野生ポケモンを倒しながら一度に多くのエナジーをゴールするタイミングを伺うか、敵にどんどん戦闘を仕掛けて、敵からエナジーを奪いつつ、細かく得点を決めていくかなどの戦略を取ることができそうだ。

ゴール時にはちょっとした緊張感がある。妨害されないことを祈ろう

 また、自軍のゴールエリアにはライフを回復する効果があるので、ゴールエリア付近でのバトルは防衛側が有利となっている。しかし、1つのゴールエリアに何度も得点を決められるとゴールエリアが破壊されてしまい、破壊された側は回復場所を1つ失うことになる。こうなると、破壊された側はマップ上の安全地帯が少なくなってしまうので、中央エリアや道を移動し辛くなってしまい、敵に後方を取られやすくなったり、多くの野生ポケモンを倒されてしまったりと不利な状況に陥る。ただ、ゴールエリアが少なくなってくると、ゴールを決めるために道の奥まで攻めなくてはいけなくなるので、チームとの連携が取れていないと孤立しやすくなるリスクもあると感じた。ゴールエリアを先に破壊されてしまっても、充分に逆転の余地はあるだろう。

上の道の中央には「ロトム」が、下の道の中央には「カジリガメ」が出現する。ロトムは倒すと1回だけゴール時のスコアが上昇。さらに相手のゴールエリアが故障し、ゴール速度も格段に上がる。一方、カジリガメを倒すとポケモンがシールドを得て、その後の戦闘が有利となる
どちらも倒すと味方チームを有利にしてくれる効果があるが、道の中央にいるため、ゴールエリアを破壊しているチームのほうがアプローチしやすくなっている

 後半、残り時間が2分になると「ラストスパート」が開始され、ゴールを決めたときの得点が2倍となる。また、フィールド中央に伝説のポケモン「サンダー」が出現。サンダーを倒したチームは大量のエナジーを獲得でき、さらに敵のゴールエリアが故障して一瞬でゴールを決められるようになる。サンダーを撃破することができれば勝負を決め切ることはもちろん、大逆転も可能となっている。どんなに不利な状況でも最後まで諦めずに試合をすることができるシステムとなっており好印象だ。

サンダーは最後の逆転のチャンスであるだけに、取り合いの集団戦になりやすい。これが最後の戦いだ
集団戦は本作の華。最大限チームと連携し、死力を尽くして戦うこととなる

 本作を実際にプレイしてみると操作はシンプルで非常にわかりやすかった。一部、攻撃する方向を決めて放つ「わざ」も存在するが、そうしたわざも基本的には近くにいる対象に自動でフォーカスしてくれるので、攻撃が外れてフラストレーションがたまることはなかった。ただ、動きが素早いポケモン相手などには、わざを撃つ方向をしっかりと定めてないと避けられることがある。そこが腕の見せ所になると感じた。

 チームとの連携も非常に重要で、敵と戦っている味方の元に駆けつけて一緒にゴールエリアを守ったり、あえて味方と合流せず、裏をかいて孤立している敵ポケモンを倒したり、こっそり敵ゴールへと向かって得点を決めたりと、様々な戦略をとることができる。

 また、一定のレベルになると覚えているわざを強化していくことができるのだが、これが二者択一となっていてどちらのわざを選択するかで立ち回りも変わってくる。敵味方のポケモンや戦局などを見極めて、どのわざが今必要になるのかを適格に判断していくことが求められる。

わざの中には撃つ方向を指定して繰り出すものも。基本は自動で狙ってくれるが、よく狙いたいときは自分で操作するといい
防御型のカビゴンが敵の攻撃を受けている間にアタック型のピカチュウが攻撃。こうした連携が勝利へのカギとなる

 このように、本作は戦略的なチーム戦を10分という短い時間で楽しめるゲームとなっている。集団戦で活躍したり、相手の裏をかいて大量の得点を決められたときは達成感があり非常に楽しい。また、チームとの連携が自然と取れた時の一体感は、こうしたチームゲームならではだ。

登場ポケモンは個性豊か! わざやとくせいで1匹1匹に特徴が

 各ポケモンには個性や役割が設定されており、攻撃役の「アタック型」、防御力が高く壁役となる「ディフェンス型」、機動力を生かし相手の隙をつける「スピード型」、味方を補助する「サポート型」、様々な役割をこなせる「バランス型」が存在する。試合前のポケモン選択画面では、味方の選んだポケモンを見つつ、バランスの良い構成にするといいだろう。

「ユナイトライセンス」というアイテムを購入することで、対応するポケモンがプレイ可能になる
試合前のポケモン選択画面からすでに戦いは始まっている。チームのバランスを考えて、自分のポケモンを決めるといい

 また、各ポケモンには、固有のわざと固有の能力(本稿では「とくせい」と表現)が存在する。例えば、「ピカチュウ」はアタック型で、通常攻撃は遠隔攻撃。とくせいの「せいでんき」でダメージを受けた際に相手を麻痺させる。これに最初から持っている2種類のわざと、その派生先となるわざ、そしてユナイトわざを保有している。

 このように、1匹のポケモンに多くの要素が設定されているので、各ポケモンで必要な立ち回りが異なってくる。そのため、先ずは自分のプレイスタイルに合ったポケモンを探すといいだろう。もちろん、自分の好きなポケモンを使用するのもOKだ。

わざの説明は戦闘前に確認しておくといい

 余談となるが、筆者はポケモンの中では「クチート」が好きだ。しかし本作にはまだ登場していないので、今回のプレイでは「ガブリアス」をメインに使用している。ガブリアスは攻撃性能がとても高く、通常攻撃で同じ相手を攻撃していると攻撃速度がどんどん上がっていく能力を持っているため1対1の戦闘で非常に強い。オススメのポケモンだ。

 また、これは筆者の主観だが、進化できるポケモンは最終進化になるまでが弱い大器晩成型、進化しないポケモンは序盤から強いものが多いと感じた。

ガブリアスは進化するまでが弱いので、敵との戦闘をなるべく避けつつ、中央エリアで野生ポケモンを倒してレベルアップしていく。ゲーム後半で活躍できるような立ち回りを狙う
戦闘準備画面ではアイテムを持たせることも可能。「キズぐすり」や「だっしゅつボタン」などトレーナーが使用できるアイテムも存在する
ポケモンにもアイテムを持たせることが可能。画像の「たべのこし」は少しずつHPを回復する効果がある

 また本作は課金要素としてポケモンの見た目を変える「ホロウェア」と、トレーナーの見た目を変えられるコーディネート機能が存在。トレーナーのファッションアイテムはバトルパスなどで手に入れることも可能となっている。

「ホロウェア」はポケモンが帯びているエオスエナジーを服のような形で実体化させているという設定。本作でしか見られない、ポケモンのコスプレ(?)を見ることが可能だ
トレーナーウェアはショップでの購入のほか、バトルパスなどで手に入れることもできる

 筆者は「ポケモン」版チーム戦略バトルゲームをずっと待ち望んでいたので、本作が発表された時点で相当な期待を持っていた。まだ僅かな時間しかプレイできていないが、(筆者のポケモン愛を加味しても)10分という短かい時間で、気軽に戦略的なゲームを楽しめるタイトルとなっていると感じた。

 SNS等では、「リーグ・オブ・レジェンド」の様な“MOBA”というゲームジャンルの「ポケモン」版として言及されているが、こうしたジャンルのゲームは、正直に言えばルールがわかりづらく、マニアックなタイトルになっていた。しかし、本作は世界中で人気の「ポケモン」というコンテンツを活かし、ルールもわかりやすくアレンジされていることで、多くの人が気軽に楽しめるゲームになっている。

 「ポケモンユナイト」はポケモン好きにも、こういったチーム戦略バトルゲーム(MOBA)をプレイしてきた人にもオススメしたいタイトルだ。今回のネットワークテストは6月26日まで行なわれているので、7月の本リリース前に是非ともプレイして欲しい。