【特別企画】
ナウシカ役・島本須美さんも駆けつけた「アニメージュとジブリ展」開催レポート
アニメの愉しみ方のひな形を創ったアニメ雑誌「アニメージュ」からジブリの歴史を紐解く展覧会
2021年4月16日 13:52
- 【アニメージュとジブリ展】
- 開催期間:4月15日~5月5日
- 開場時間:10時30分~19時30分
- 会場:松屋銀座8階イベントスクエア(東京都中央区銀座3-6-1)
- 入場料(税込):一般1,500円、高校生1,000円、中学生800円、小学生600円
4月15日(木)から5月5日(水・祝)まで、松屋銀座8階イベントスクエアにて「アニメージュとジブリ展一冊の雑誌からジブリは始まった」が開催されている。スタジオジブリの原点を振り返る展覧会として、今回初公開となる「風の谷のナウシカ」のセル画や押井守監督作品「天使のたまご」の貴重な資料など約200点以上が展示される。
開催直前に「メディア向け先行内覧会」が行われたので、今回はその模様と展示内容の見どころについてお届けする。
内覧会ではまず、展覧会の監修を務めた三鷹の森ジブリ美術館の高橋望シニアアドバイザーが登場。
何故今、我々は「ここ」にいるのか?ジブリというのはどうして産まれたのか?日本のアニメというのは何だったのか?というような事を振り返って考えてもらう。そんな風にできたら、と思って全力を尽くしたつもりです。
ジブリはずっと前から在る様な気がすると思うんですけれど、創った人もいるし、創られた経緯もある訳です。そこを知ってもらう事で、ジブリ作品を楽しむ、あるいはアニメーション全体を見ていく時に、得るものがあるんじゃないかと思っております。
今回の展示で、
「こういう風にアニメを語ってた時代があったんだな…」
という発見があると思います。
こういう作家の人達を表に出していく事をやってきたのがアニメージュっていう雑誌だったんだ…っていう事が解ると思います。
続いて、徳間書店の小宮英行代表取締役社長が登壇。
アニメージュは日本最古のアニメーション雑誌として現在に至るまで様々な情報を発信してまいりましたが、中でもジブリ関連コンテンツは今でもアニメージュの魂であります。
1982年2月にアニメージュにて連載開始となりました「風の谷のナウシカ」のコミックスは発売されて38年累計1720万部。日本のみならず世界中にも読まれている作品で、コロナ禍の中でも手に取っていただいていることから、今まさにジブリが求められてると思っています。
と、具体的な数字で「アニメージュ」の航跡の大きさを示しつつ、謝辞を表した。
そして高橋望シニアアドバイザーが、「宮崎さんのアニメを観てきた者にとって神の様な」と評するゲスト声優、島本須美さんが登壇。
前日、作業中の会場を
「ツルーっと見られれば良いかと思ってたんですけど、思ったんですけどついつい立ち止まってじっくり見てしまって、アッという間に時間が経ってしまいました」
と感想を話した島本須美さんは、特に印象に残った展示を
「やっぱり自分関連のところですかね」
と、笑いを誘いつつ
「いつかの時点でアニメージュは絶対に一度は目にして、手にとってらっしゃると思いますので、懐かしい想い出として見て頂ければと思います」
と、アニメージュとの想い出を振り返る。
「ジブリに愛された」との表現には
「初期ですけどね」(笑)と付け加えた。
また、アニメージュ主催のアニメグランプリを3回受賞した島本須美さんは、表彰式の模様を
「武道館で、あんなおっきいところに、お客さん本当に満杯で、1部で授賞式があって、2部で当時の声優さん達が唄って踊って喋って…今そういうイベントって多くなったと思うんですけど、走りでしたね。」(島本さん)
と振り返る。これに高橋氏も
「お祭りも大事だったんですよね(当時の)アニメ業界にとって。今に繋がる、声優さんが歌を唄うとか声優さんブーム、雑誌に載ってる小説とかマンガがアニメになるっていう…今も続いてる事(メディアミックス)は総てこの時代のアニメージュが始めたと言って良いと思うんですよね。アニメの愉しみ方のひな形みたいなのを創った雑誌だったと思います」(高橋氏)
と強調した。
最後に島本さんは
「見どころ沢山な感じで、1コーナーに長居しそうな様子が想像出来ちゃいましたので、2度3度と脚をお運び頂いて沢山の方に見て頂けたら幸せだなと思います。」(島本さん)
と述べた。また、高橋氏は
「古い時代の事を扱ってるかの様に見えるかと思うんですけれども、実は今の時代に繋がっていくこの時代の事を知る事が、アニメ人生を豊かにする事だと思います。特に若い世代の人に来て頂きたいと思います。」(高橋氏)
と締めくくって、トークセッションは終了となった。
懐かしの資料や貴重な原画などここでしか見れない展示が盛り沢山
続いて、実際の展示内容などを紹介する。
収録した9割はカットされてしまったとのことだが、様々な秘話も明かされるので絶対聴くべき内容となっている。
大きく4つのエリアに別れた展示
展覧会はテーマ毎に大きく4つに別れている。
- アニメージュ誕生!
「テレビまんが」からアニメブームへ - アニメージュは私たちにすべてを教えてくれた
ガンダムが変えた歴史 - 加速するアニメブーム拡大するアニメージュ
- ナウシカへの道
一冊の雑誌から映画が誕生
高橋氏:「島本さんはガンダム出てないんですか?」
島本さん:「いつか出た様な気がしないでもないんですけど…好まれていない(笑)」
高橋氏:「制作資料の様な、マニアの人が知ってた物を一般化したのがアニメージュの特徴かと思います」
物販コーナーでは「青いテト」の姿も
物販コーナーでは約150点の展覧会オリジナルグッズを販売する。「当時アニメージュは市販商品に匹敵する様な付録を付けていた」(高橋氏談)という豪華付録の復刻版販売も見逃せない。
限定メニューを販売するコラボカフェも展開
松屋銀座8階レストランシティ内「MG カフェ」にてコラボメニューを販売する。カフェには展示場から飲食店街を通って移動。
- 期間:4 月15日(木)~5月5日(水・祝)
- 営業時間:午前11時~午後9時(ラストオーダー 午後8時)
※新型コロナウイルス感染症の状況により変更になる場合があります。
“懐かしさ”だけでなく若い方にこそ見て欲しい展覧会
筆者も今回の取材で、アニメを「コンテンツ」ではなく「作品」として真摯に向き合う姿勢の大切さを改めて認識させられた。本展覧会を昭和から1990年代のノスタルジーに終わらせず、今と向き合い、これからを考える為に、是非若い方にこそ見て、感じて欲しい。
本展覧会は6月19日(土)~9月12日(日)の宮城県マルホンまきあーとテラスを皮切りに全国を巡回する予定となっている。
展示会概要
- 名称:『「アニメージュとジブリ展」一冊の雑誌からジブリは始まった』
- 展覧会公式HP:https://animage ghibli.jp/
- 会期:2021年4月15日(木)~5月5日(水・祝)
- 会場:松屋銀座8階イベントスクエア
- 開場時間:午前10時30分~午後7時30分(日時指定制)
(最終日は午後5時閉場、入場は閉場の30分前まで)
※新型コロナウイルス感染症拡大の状況により営業日・営業時間が変更となる場合がございます。詳しくは松屋ウェブサイトをご覧ください。 - 入場料:一般1,500円、高校生1,000円、中学生800円、小学生600円
- 企画制作:株式会社ニュートラルコーポレーション
- 企画協力:株式会社スタジオジブリ・三鷹の森ジブリ美術館
- 協力:株式会社徳間書店、マクセル株式会社
© 1984 Studio Ghibli・H