【特別企画】
シム好きなら絶対にハマる! 「A列車で行こう はじまる観光計画」ビギナーズガイド!!
最序盤シナリオ「はじまる観光計画」と「夢と希望の街」を攻略
2021年4月9日 00:00
- 発売中
- 価格:7,678円(税抜価格:6,980円)
アートディンクから発売された「A列車で行こう はじまる観光計画」は、おなじみ「A列車で行こう」シリーズの最新作。またシリーズ35周年を祝う作品でもある。今回はNintendo Switchに舞台を移しての発売となった。
今作でも都市開発や鉄道運営などの要素はこれまでと変わらないが、タイトルにもある通り「観光」をテーマにゲームを進めていくことが大きな特徴だ。テーマパークや寺社仏閣、お城といった施設に人を呼び込んだり、山海の豊かな恵みをてこに港町を再生したり……。そのほかにも避暑地リゾートの開発や、赤字の超特急を再生させるといったシナリオが用意されている。
それぞれのシナリオにはクリア条件があるのだが、前作同様1つのシナリオの中に「やさしい」、「標準」、「達人」の難易度が設定されており、自分の腕前にあわせて好きな難易度を選べるようになっている。
本稿では、“初めてのA列車”をテーマに、これまで「A列車でいこう」シリーズをプレイしていない、または随分と昔にプレイしていたけど、今作で久しぶりにプレイしてみようかな、といった方向けに、「A列車」のコツを紹介していく。そこで本作に用意されている初心者向けのチュートリアル「はじまる観光計画」と「夢と希望の街」を例に話を進めていきたい。
まずは「はじまる観光計画」からスタート! チュートリアルで基本を学ぶ
シナリオ「はじまる観光計画」では、観光地化を目指す赤字続きの自治体を、鉄道によって人を呼び込み、活性化するというのが目的だ。クリア目標は「観光客が20万人以上訪れること」と、「街の人口を2万人以上にすること」。またこのシナリオでは「A列車で行こう はじまる観光計画」の基本的な操作方法などを学ぶチュートリアルも兼ねているので、まずはここからスタートしてみよう。
ではまずマップ全体を見渡していこう。マップの北側には榎守駅があり、隣町とつながっている鉄道が運行されているほか、その南には南榎守駅があり、そこまでは線路がつながっているだけの状態。そこから先だが、南にもうひとつ棟本駅が建築されているのと、その南西にある観光地“那賀代城”までは鉄道用地が確保されている状況だ。ここでの重要ポイントは以下の項目だ。
・ボタンとスティックによる画面操作
・線路の引き方
・列車の配置と運行計画
・貨物の運行
・会計数字の見方
・目標までの経過
・「プラン」による技術開発
新しい項目が登場したときは秘書の松島彩華が登場してフォローしてくれるため迷うことはないだろう。このほかに登場するのは車掌の伊勢郷、営業部長の軽井沢純二、経理部長の五色真、地域の観光課に勤める瀬戸内玲子、都市計画課の道後和泉といった面々。どれも個性的なキャラクターで、ストーリーを盛り上げてくれる。
なお、伊勢や五色、松島などによる、その時代のその日についての解説シーンが入るのも、これまでの「A列車」シリーズと同様だ。話題は年代に合わせたものが盛り込まれており、バブル期の東京・田町にあった某巨大ディスコの話をするシーンなどもあって、その時代を知っている人はクスッと来るだろう。
「はじまる観光計画」でやっておくこと。それは路線の複雑化
このシナリオのポイントは、中盤以降に提案される路線の複線化だ。それまでにまず那賀代城への鉄道ルートを開通させ、単線での運行を開始しよう。運行開始から数週間で、隣町からの観光客がやって来て、収入が増えていく。
そしてしばらくしたら軽井沢が登場し、南にある隣町「小見田」までの複線化を提案される。ここが作成ポイントだ。資金はたっぷりあるので、小見田まで一気に引いていこう。なお、軽井沢からはマップ南端にある「延栖」という集落に駅を置いておくと、人口が増えると助言をもらう。ただしどこに駅を置くかはもちろん自由だ。筆者の場合は延栖ではなく那賀代城から少し行った所に集落があったので、そこに駅を作ったら活性化してビルが建ち始めた。
鉄道路線だが、直線に引いたあとに曲げたい場合は、ある一定のポイントまで直線で引いたらAボタンを押して中間点を作り、そこから「伸長」を選んで曲げたい方向に伸ばしていくと美しく引ける。また、右スティックを使って、クオータービューで、上から見た位置にカメラを変更すると間違えずに引きやすい。
複線化にあたってもう1つ気をつけるポイントがある。それは、隣町と接続するときは、今までつながっていた線路をいったん撤去し、複線の線路を敷設したときに「接続線切替」を選んで2本の線路を上下線に分けるということだ。隣町で上下線が交換されるので、上りと下りの路線を設定できる。
なお、資材についてはあまり気にしなくても大丈夫だ。資材があると建物を早く建設できるという利点はあるが、資材がなくても建築自体はできる。このマップでも棟本駅の東に2つ資材工場があり、駅と工場の中間地点には資材置場が用意されていて、そこに資材が貯まるようになっている。この資材をほかの地域に回すために、貨物列車による輸送について軽井沢から提案されるが、資材については配送先の消費具合をチェックしつつ運行する必要があるので意外と面倒だ。また、後ほど展開する全線複線化が面倒になるので特に作らなくてもいい。
このほか、「レポート」アイコンでたどれる会社の決算数字についても五色が解説してくれる。株を取引している人なら見たことのある数字だと思うが、売上に対していかに利益を生み出していくかが重要となる。ただしいちいちレポートを参照するのも大変なので、トップ画面下にある数字をチェックしよう。これで売上に対して利益が出ていれば大丈夫だ。
ここまでで鉄道の引き方と会社運営についてはわかるようになっている。あとは早送りボタンを押してそのままにしていても目標は達成するだろう。放置しておくだけではもったいないので、駅のホーム数を増やして先ほどスルーした貨物列車を走らせてみてもいい。もちろん、新しい駅を作ってもOKだ。
ところで最後の項目に挙げた「プラン」による技術開発は、新しい車両を開発したり、地下トンネルを掘る技術を得るといったことができる。このマップでは、新しい車両を開発することを学んでおけば問題ない。
これぞ「A列車」! 本格的なシナリオ「夢と希望の街」に挑戦
「はじまる観光計画」をクリアしたら次のシナリオ「夢と希望の街」に移ろう。このシナリオからは、本格的に「A列車で行こう」の世界に入っていくので、「はじまる観光計画」よりも覚えることはかなり多くなってくる。ここでの重要ポイントは以下の項目だ。
・バス路線の開設
・列車とバスの車両運行ダイヤ
・子会社の建設による売上増
・域外都市との資源のやり取り
・株式投資
・銀行融資
このほか、レポートには売上報告書と損益計算書だけでなく貸借対照表までが登場して、より細かく会社の業績を見ることができるようになる。まるで本当の会社を運営しているかのような気分になれる。
今回のクリア条件は、「年間観光客数20万人以上」と「株式公開」だ。観光客数の達成は、最初の「はじまる観光計画」でもやったので何となくわかると思うが、問題は株式公開だ。これを達成するには「純資産と利益剰余金がある程度留保されていること」、「2年以上の黒字決算」という条件をクリアする必要がある。子会社を立て過ぎたり、安易に路線を広げて収益が下がるのも問題だ。
また、バスに比べて鉄道の売上は意外とセンシティブで、線路の引き方を間違えるとあっという間に赤字路線になる。加えてこのマップから使える道路敷設だが、道路は会社の資産とならず、市町村への寄付という形になるため、作るほど損金が増えてしまう。
とはいえ今ある観光地に人を呼び込むにはどうしたらいいのかが問題なので、そのあたりを考えていけばそれほど難しいことではないだろう。
なお鉄道やバスの運行ダイヤだが、夜中に走らせても利用する人は多くないので、0時~6時あたりは運休させる。これは忘れずにやっておこう。
まずは1年目を戦い抜く。観光地を繋ぐ観光ルートを開発
「夢と希望の街」にある観光地は、中心部にある遊園地「イベリアランド」、北にある「杉尾温泉」、北東にある「追真神社」の3つだ。ここに人を呼び込んで観光客20万人という目標を目指すことになる。
これをどうやって発展させるかが問題だが、いくつかのポイントがある。中心となる大間駅からイベリアランドへはバスでしかつながっていない。また杉尾温泉と追真神社にはまだ観光ルートが存在しない。これをどう攻略するか。
筆者の場合だが、まずはイベリアランドに観光客を呼び込むことから手を着けた。1台バスを購入して、大間駅からの経路は2台体制で運行させる。なお今後のことを考えて、プランから2階建てバスの開発を行なっておく。
このあとしばらく時間が過ぎると観光客数も増え、売上も上がっていく。子会社についても、イベリアランド前に歓楽街を置いたり、大間駅周辺に商業ビルを建てるなどして利益が上がるようになってきた。そして順調に観光客が増えたら、北の隣町である瀬間から追真神社へのバス輸送と、西の途馬野から杉尾温泉へのバス輸送を開始した。これで北、西、南に隣接する都市からの流入を確保し、観光ルートが開設された。このように序盤はバス路線網を巡らせて観光客数の増加を図り、収益を上げていくことになる。
バス路線に人が集まるようになると売上も安定して増加するようになる。そうなればしめたもの。目標の半分程まで達成できる。このように1年目は、鉄道を我慢してバス路線を拡充することで、観光客を呼び込むほうがいい。
ただししばらくすると、順調に行っていたように見えた町の発展だが、バスに乗れない人が多くなり、これ以上の発展が望めなくなってきた。そこでようやく鉄道の登場だ。
ただ、先ほどの「はじまる観光計画」でやったように、複線を使って隣町と接続して運行できればいいのだが、3つの観光地全部を、隣町に接続させるのは難しそうだ。そこでまずはイベリアランドと大間町を結ぶ鉄道を開通させた。これにより大幅な観光客増加が見えてきて、年間観光客10万人を達成した。これでようやく目標の半分まで来たことになる。ここで1年目は終了だ。
このほかこのマップでは「資源」というメニューが増え、近隣都市との資源のやり取りをして売上を上げることができるのだが、期日や数量が決まっている上、契約の通りに実行しないと違約金が発生するので、慣れるまではほっといていい。
また証券と銀行だが、証券については、購入して株取引を体験するのもいいが、売上高に大きく関係するものでもないので、特に気にしなくてもいい。発展のさせ方を間違って赤字傾向となり、税金が払えない状況で銀行を使うこともあるかもしれない。しかし借金は借金なので、返せるだけのお金を得られるように発展をさせないと自分の首を絞めることになる。
2年目でスパートをかける! 鉄道路線を工夫して最大化を図る
さて2年目である。売上をチェックすると、今ひとつ伸びが足らない状況になってきた。これもおそらく、鉄道がまだ大間⇔イベリアランドしか通っておらず、観光地との交通網がバス中心になっているからだろう。そこで鉄道路線の建築を本格化させることにする。
しかしどのようなルートで引いていくのかが問題だ。大間から地上を回り込んで杉尾温泉まで鉄道を引くのは手間も費用もかかりそうだ。そこであらかじめプランから「地下鉄道技術獲得」を選んでトンネルを掘れるようにしておいたので、イベリアランドから直接結んだ。
なお鉄道は大間⇔イベリアランド、イベリアランド⇔杉尾温泉という形にしてピストン輸送をするように設定した。これは長い路線を運行させるよりも往来列車数が多くなるので、多くの客を運べるからだ。
鉄道を敷設して開通させると、観光客はほぼ鉄道利用に傾いていく。それに従って、ひなびた温泉街だった杉尾温泉にビルが建ち始め、かなり開発が進むようになる。やはり鉄道の力は大きい。
ここまで来ればしめたもので、早送りしても問題ない。予算があったので杉尾温泉からトンネルを掘り、瀬間に抜ける鉄道路線も開通させておいた。
再び早送りで進めて、鉄道路線が無事黒字を出していることを確認する。利益も上昇を続け、2期連続の黒字を達成。いよいよ株式公開となり、2つの目標をクリアした。
「はじまる観光計画」と「夢と希望の街」の感想戦。赤字を黒字にする方法を考える
さて、「はじまる観光計画」と「夢と希望の街」をプレイし終えての“感想戦”に入っていきたい。
「はじまる観光計画」については、路線の引き方など基本的なものを学ぶこともあるためか、やれることは少ないし、これは初歩のチュートリアルでもあるので難易度はかなり低め。ぶっちゃけて言えば小見田と蓮岡に複線の鉄道を引ければ問題なく目標は達成できる。プレイ時間も6時間程度で終わった。
一方「夢と希望の街」は、ほかのマップに挑むための準備運動という意味もあるので、それなりに考えて進めないと黒字を達成できない。プレイにも11時間程度を費やした。
ここで鍵となるのはやはり鉄道網の整備だ。大間から杉尾温泉には、大間の西に路線を延ばして北上し、地上駅を途中に作りつつ進めてもいいのかもしれないが、そうなると問題になるのがイベリアランドへ引く鉄道路線。杉尾温泉への開発ルートと逆方向になるからだ。このため杉尾温泉-大間-イベリアランドという路線を作り、イベリアランドから北上させたあと東に向かって追真神社まで鉄道を引くのもいいだろう。
しかしここでまた問題になるのが隣町との関係だ。こうした鉄道網だと南にある大都市・冨波からの流入は計れるが、西の中都市・途馬野、北の中都市・瀬間からはバスを経由しなければならないため、面倒になるので観光客からのクレームが来る。そのあたりは実生活も同じで、鉄道とバスを乗り継いで行かなければならないのは面倒だ。なのでこの場合は、大間と途間野を結ぶ鉄道と、追真神社と瀬間を結ぶのもありだと思う。
このようにやりどころはさまざまなのだが、このマップを研究していけば、次からはじまる本格的なマップを攻略するための糸口が見えてくるだろう。
ちなみに今回のプレイだが、大間⇔イベリアランド間の鉄道がなかなか黒字にならなくて苦しんだ。夜中に運休するのはもちろんだが、車両を5両編成にしているのにカツカツの数字しか出てこない。そこで北に延伸したわけだが、そのかいもあってか相乗効果で利用する人が増え、大きく黒字回復した。このようにいろいろな条件が合わさって黒字となっていくので、赤字だからといって路線を撤去したりせず、どうしたら黒字になるのかを考えてプレイするようにしたい。
ところでプレイしているときに面白かったのが、駅やバス停に人が集まって、バスに乗ったり電車に乗ったりすることだ。引きのマップで見ていたため、なんか細かいのが動いていると思っただけだったのだが、そこからパノラマビューに変えて寄っていくと、そこにはなんと人が。駅で整列して、ちゃんと電車の中に乗ってくる。また、降りた人を追跡するとビルの中に入っていったりするのだ。このあたりの細かな演出は、待ちを作り上げるモチベーションになるし、見ていてとても楽しくなる。
鉄道好きだけでなく、シミュレーション好きもハマれる本作
「A列車で行こう はじまる観光計画」は、“観光”に焦点を当てて街を発展させるというテーマが加わったことで、これまでのシリーズとはひと味違った展開を楽しめるゲームだ。鉄道が好きであればもちろんプレイしたくなるし、「シムシティ」などのシミュレーションゲームが好きなのであれば、マンションや商業ビルなどの子会社を作って楽しむのもいいだろう。Nintendo Switchでのプラットフォーム展開となったため、タッチパネルが使えてプレイのユーザビリティも向上した。
今回は述べられなかったが、港を作って海外との貿易をするのもいいし、新幹線、飛行場を作って街が発展する様を眺めるのもありだし、コンストラクションモードで自分の好きな街を作り上げて遊ぶのもいい。また他の人が作ったマップをダウンロードして遊ぶこともできるのだ。このように幾通りものプレイスタイルを持つ本作は、いくらプレイしても足りないくらいだ。家の中で過ごすことが多くなった今、部屋の中で箱庭を育ててみてはいかがだろうか。
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